炎に煌めくゲームレビュー

主にコンシューマーゲームの感想を取り扱うブログです。

【レビュー】Will -素晴らしき世界-【感想】手紙の文を入れ替えて進める濃密な群像劇

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 最近、レビュー記事上げてないと思うんですけど

感想記事で書きたいことほとんど書いちゃっているので

改めて上げるのめんどくさんいんですよね。

いっそのことこっちを主流にしてしまいましょうかね、と思って

最近の感想記事に副題をつけてきました。

さて、「Will 素晴らしき世界」。

無事クリアしました。プレイ時間は大体10時間ちょっとでしたね。

最後若干プレイ時間の水増しがありましたが、

それを踏まえても大体10時間ちょっとが目安だと思います。

価格が1500円なので妥当な所でしょうね。

今回もいくつかに分けて感想を語ってみます。

丁寧に描かれる濃密な群像劇

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元々、今作は428のような群像劇を意識していると聞いて購入したのですが

さすがネットでも好評なだけあってそこの出来は非常に良かったですね。

基本的に10人前後のキャラクターを中心にしてストーリーが展開されていきますが、

バラバラな物語が徐々につながりを見せていきます。

最終的に完全に一つになるという訳ではありませんが、

世界観の構築は全エピソードを通して分かりやすく描かれていました。

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各エピソードもそれぞれ個性豊かな内容でした。

不器用な男教師と女子高生の禁断の愛、

オタク系ゲーマーの殺人鬼との戦い、

成り行きで闇社会に入ってしまった姉、その姉を追う弟。 

正義にこだわる新人警察官と 冷めた態度をとる上司。そして野良ネコ。

個人的には張京民(新人警官)の話が一番好きだったかなー。

馬鹿な所もあるけれど熱いですよね。

 

それぞれバラバラ故に空気感の差は激しいですが、

話の運び方は非常に丁寧で、キャラクターに愛着が湧くつくりでしたね。

時に悲しく時に熱く、読んでいて楽しい内容でした。

全体を通してみるとシリアスな流れではありましたが、

笑えるシーンも多くて個人的にかなりお気に入りのストーリーでした。

手紙の文章を入れ替えるという斬新なシステム 

そして本作の最大の特徴は

手紙の文を入れ替えてキャラクターの運命を変えるシステム」。

サウンドノベルでは選択肢を入れ替えて、

ストーリーを導いていくという方法がとられがちですが、

今作はそこに一つ変化を入れて文章を入れ替える、

という味のあるシステムを採用しています。

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例えば、上記の画像では元々照明が消えた後にテニスコートを出たため、

どこかで鍵を落としてしまったという内容でした。

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そこで照明が消えるタイミングと変えるタイミングを入れ替える事で、

鍵を無くすタイミングが消滅するんですよね。

このようにしてゲームを進めていきます。

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もちろん、単に二つの選択肢を入れ替えるだけではありません。

時には二人、三人同時に起こった事象の順番を入れ替える事で運命を導いていきます。

このシステムには、色々な可能性を楽しめるという

サウンドノベル特有の楽しさがあると同時に、

文章を入れ替える事によって、元々の事象が全く異なる内容に変化する面白さ

言葉遊びのような要素もあるシステムで、個人的にはとても楽しめました。

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ただ、やはり入れ替え系の宿命なのか

全選択肢の数が増えてくるため、バットエンドを全て回収していくのは

少々骨が折れるし、難易度も高い印象でした。

全く進まずイライラしてきたら、素直に攻略サイトを見る事をお勧めします。

連鎖していくキャラクターの運命

これまた群像劇ノベルの醍醐味ですが、

他のキャラクターの起こした行動によって、

キャラクターの運命が全く異なる方向に進んでしまうような、

連鎖用素も存在していました。

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そして場合によっては、ベストな選択と思われた以外の選択肢を選ぶことで

物語が進んでいく事もあり、そこの試行錯誤も楽しめましたね。

過去の一選択を変えただけでも新しいエピソードが登場する事もあるので

試し甲斐がありました。

質の高いローカライズ

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今作、元々中国のゲームという事もあって舞台も中国なんですが

ローカライズ班がいい仕事をしているからか違和感なくすらすら読めました。

テキストに関してもセンスを感じる出来で、

上手い言い回しするなーと感じた点がしばしば。

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所々の遊びネタも満載で読んでいて楽しい文章でしたね。

個人的にはイシ(犬)と少女のパートのギャグセンスが好きなんだけど、

キーワード解説もメタ要素満載で面白かったです。

尻切れトンボ感のある超展開のラストは少し気になった

と、このように出来がいいタイトルではあったんですが、

個人的にラストの展開はちょっとなーと感じてしまいました。

まず、今作のラスト。

何人かのキャラクターはエピソードが完結していないんですよね。

終わっているキャラクターもいるんですが、俺たちの物語はここからだ!という感じで

終わってしまうエピソードもいくつかあって、

「えっここで終わり?」と思ってしまったものも。

まあキリがいいと言えばいいんですが、

そこら辺はしっかり締めてくれるものだと思っていたので、少々期待外れでした。

 

またラストの展開はそれまで伏線が張られていたとはいえ、

そこまでプレイしてきた作品の雰囲気とは異なる、超展開的な内容になっていて

ほーん、という感じで終わってしまった印象です。

どことなく寂しさのある終わり方だとは思いましたけどね。

まとめ

と、こんな感じですかね。

ボイスもないですし文を読むだけという、

インディーらしいコンパクトなゲームでしたが、

ラストの以外のストーリーとシステムはとても楽しめたので満足な出来でした。

後地味に音楽も良かったと思います。

 

正直な話、ラスト以降のエピソードをまだ書ける

キャラクターもいると思うだけに少々もったいなく感じたエンディングでしたが、

それでもプレイしてよかったですね。

こういう群像劇タイプのアドベンチャーは

Switchというか、最近のコンシューマー機ではあんまりない印象なので

そういうのが好きな人にはおススメしたいです。価格もお手ごろだしね。