ダラダラ書いていたら、更新が遅くなってしまいました。今月は日曜が多かったせいが結構更新した気がしますね。そろそろ書くことが尽きてきそうなので、何か気になるゲーム情報来てくれー。。。
さて、今回は「デスマッチラブコメ!」の感想記事を。ぼくがプレイしたのはSwitchのダウンロード版です。
プレイ時間はエクストラコンテンツまで含めて15~20時間くらい。ADVゲームとしてみると平均よりやや少なめくらいですかね。
ボイスがないというのもあって、テキスト量のわりにサクサク読み進めてしまいました。
- リメイクとして遊ぶやすくなった作品
- コメディとシリアスが合わさった独特な雰囲気
- 多重に練られた展開の構造が素晴らしい
- ifの展開が楽しめる複数エンディング
- 魅力的なキャラクター達
- 気になったこと
- まとめ
リメイクとして遊ぶやすくなった作品
本作「デスマッチラブコメ!」は、2013年に発売された「D.M.L.C. デスマッチラブコメ」のリメイク作品になります。
リメイクに関してキャラデザがかなり書き直されていて、システムの改善、BGMの追加など全体的にパワーアップされていました。
まず、システムなんですがいつものケムコのADVゲームと同様の物です。
基本的には読み進めていって、選択肢を選ぶことによって展開が変化、あるいはバッドエンドに突入。フローチャートで流れも管理。
リメイク元「D.M.L.C. デスマッチラブコメ」ではフローチャートなどは無かったようなので、これは時代に合わせてのリメイクという感じなんでしょうね。
全体的に遊ぶやすい作りになっていて、良かったと思います。
ちなみに、同じ作者が製作した「レイジングループ」とは、世界観を共有している作品となります。時系列は今作の方が10年くらい後なのかな。
本編内にあちらをプレイしていないと分からない、という事はないとは思いますが、
あちらをプレイしていると内容に関して付いていきやすいし、エクストラコンテンツなどのエピソードでもニヤリと出来るんで、可能であればセットでプレイすると楽しめるかなと思います。
コメディとシリアスが合わさった独特な雰囲気
本作の最大の魅力は高い独自性にあると思います!
テーマは「告白されると爆死する」という、いかにもアホっぽいノリなのに進めていくとシリアスだったり、不気味だったり、ホラーだったりブラックな面も満載、と思いきや急にギャグになったり。とにかく展開のテンションが激しくカオスなノリに仕上がっています。
「レイジングループ」でも、クリア後の暴露モードで似た匂いを感じましたが、本作はジャンルがホラーでないため、よりその部分を強調した作風になっていると感じました。
特に中盤以降の展開はあくまで、現実的な理論で物語を進めていた「レイジングループ」とは全く異なる展開になっていくので、あの作風を求めると面食らうことになることは間違いなし。
人を選ぶ部分も多いとは思いますが、そのカオスなシナリオに、ぼくは完全に惹き込まれてしまった!
よくもまあこんなに詰め込んで破綻していないものですよ。
時に怖く、時に熱く、時に笑える。色々な面を魅せてくれるシナリオの出来は圧巻でした。
多重に練られた展開の構造が素晴らしい
レイジングループでも同じことが言えますが、本作の作者「amphibian」氏の凄い所は事象の構造を単一的な物にせず、複合的な構造に仕上げられる、という所だと思います。
単体の事象自体は、真相を聞けばそれほど複雑でもないんだけど、いくつもの事象が複雑に絡み合い、息をつく間もなく大量の展開が押し寄せてくるので、中々真相に辿り着けない、というシナリオが実に絶妙。
ミステリー作品って、意外と真相までたどり着くとあっさりだったり、拍子抜けしたりすることが個人的にはまあまあありますが、今作の最終盤はそれまでに敷いた伏線を、鮮やかに回収するつくりになっていて、圧巻の出来でした。
ifの展開が楽しめる複数エンディング
今作、バッドエンド、トゥルーエンドの他にキャラクターエンドが4つほど存在していて、それぞれ選択肢を選ぶことによって辿り着くことが出来るのですが、これが中々良いシステムでした。
というのも、それぞれのエンディングで黒幕側の立場の人間がどういう結末をたどったか、という事に関して触れてくれているのが非常に面白いんですよ!
今作、トゥルーエンドを最後までプレイすれば実に様々な勢力が入り乱れている物語だという事が分かるのですが、このキャラクターエンドでは一足先にそれに関しての情報を得られるつくりになっているんですよね。
この情報を小出しにしてくれる感じがたまらなくて、その時点でも考察ができて楽しいし、後から読み直しても楽しいという素晴らしい仕上がりになっていました。
バッドエンド収集の楽しさに関しても触れさせてください!
レイジングループでも似たようなシステムがありましたが、死んだ後に「とろりんの部屋」というヒントモードがあるんですよね。
これが相変わらずセンスのある内容ですごく面白いんですが、特徴的なポイントとして死亡時の「被害状況」を教えてくれるんですよね。本作のバットエンドは爆死して到達するものが多いため、その後一体どんな被害になったのかが分かる、面白い(?)システムになっていました。
バッドエンドの多くがコメディに走っていることもあり、ついついバッドエンドも見たくなってしまう魅力があります!
魅力的なキャラクター達
キャラクターはみんな、魅力的だと感じました。
2人のメインヒロインは進めれば進めるほど好きになれるし、他のメンバー4人も全員キャラクターが濃すぎる!
各キャラクターの掘り下げ方も非常に丁寧で、人物描写も魅力的に描けていたと感じました。誰一人欠けても物語が成立しないので、全員必須の素晴らしいキャラクターたちでした。
個人的には一番人気っぽい美弥様が好きではありますかね。
つくり的にちょっとズルいキャラクターな感じもしますが、作品通して強烈な存在感を発揮していたと思います。
続編がありさえすれば、また出てきていたんでしょうね。どうにかして、続編だしてくれないかなあ。。。
気になったこと
もったいない低予算感
中身の出来が非常に良いため、あんまり気にはなりませんでしたが、全体的にCGや背景の低予算感は感じてしまいました。
元がレイジングループの半額くらいの値段の作品なので、まあ元基準で見れば仕方ないんだけど、2020年に3000円で発売されるADVゲームと考えると、ちょっと他と比較すると低品質感は否めないかもしれません。ボリュームもあんまりないですしね。
後ボイスがないのは、やっぱり気になった!というのも、本作は内容的にもボイスがあった方がいいタイプのゲームだと感じるんですよ。
無くてもすらすら読み進められるほどの高品質な内容なので、仮にボイスがついていたら、更にキャラクターの魅力を引き出せていたんだろうなあと思うと、やっぱりもったいなく感じてしまう。
予算規模的に厳しいんだろうなあとは思いますけどね。
一部の伏線が未決着
本作、「デスマッチラブコメ!」としての物語は完結していますが、本編内で語られている一部の内容に関しては、決着がついていない状態で終わっています。
それがどういう存在であったか、という事に関しては本編をプレイしていれば想像は付きますが、 宙ぶらりんになっている感も否めないので、全ての解決を求める方にはマイナスポイントになる要素かも。
後、作者が既にケムコを退職されてしまっているのも残念なところですね。。
本作で残された謎に関しては次回作以降にも出てくることはあったかと思うのですが...それは叶わなさそうです。悲しい。
まとめ
と、こんな感じでしょうか。
とにかくストーリーがおもしろすぎてあっという間に読み切ってしまったという印象でした。特に後半が圧巻で、まさか序盤のギャグ展開からあんなに話が広がっていくとはね。
やりたいことを全部詰め込んだような内容なので、人を選ぶ点はあると思いますが、個人的には凄いハマってしまった。正直レイジングループより好きかも。
サスペンスホラー兼コメディみたいな内容なので、どういう層に合うのかは凄く難しいですが、ジャンル通り、学園伝奇物を遊ぶ意識でプレイするのがおススメですかね。合う人にはすごく合うゲームだと思います。
改めてamphibian氏の高い実力を感じたと共に、もうケムコのゲームで見れないことが残念に思ってしまいます。
また、なんか別の形で作品を展開してくれることを待ちたいですね。