今週は新しく新作を2本予約していますが、進行ゲームが、多すぎるのもあってしばらく両タイトルとも置くことになってしまいそう。
軌跡をクリアは前提として、メガテンまでにメトロイドも、クリアしておきたい所ですが、行けるかなー。
さて、今回は「テイルズオブアライズ」の感想記事を。
先月終わりにクリアしてから結構時間が経ってしまいましたが、記憶をベースに色々書いてみました。
プレイ時間は56時間36分。クエストはクリア後に出てくるorクリア後レベル推奨以外は完なので、大体6~7割くらいかな。
本編ボリューム自体は前作と大きく変わらないくらいだったかなと。
- 冒険感をくすぐるための工夫が素晴らしい
- 壮大な世界観に基づくストーリー
- 丁寧なキャラクター描写
- 作り込まれたフィールドデザイン
- 歯ごたえのある戦闘システム
- 豊富なやり込み要素
- シームレスな装備反映
- 気になった点
- まとめ
冒険感をくすぐるための工夫が素晴らしい
今作で個人的に一番良いなと感じたのは、「冒険感を演出するための仕掛け」に関する部分ですかね。
とにかく色々な面で工夫を盛り込んでいて、意欲を強く感じられました。
例えばその一つである、フィールドでのショートチャット。
マップの景観や、ストーリーの状況に合わせて、定期的にスキットではない会話がオートで発生するんですが、これはとても良かった。
寄り道なんかをしていると、思わぬ会話を見つけられることもあったし、何よりフィールドの景観に合わせた会話なども多く、キャラクターを動かして冒険している感を強く感じられました。
続いて野営システム。
FF15辺りから増えてきたような野営することでの休息システムですが、本作はそこに、料理作成で発生するイベントや、休息時のイベントなど多彩なイベントを用意しているんですよね。
旅の間のつかの間の休息、といったイメージを見事に演出できていたと思います。
上記の外、後述するマップデザインを含めて全体的に、日本のRPGらしい冒険感に関する工夫が多彩に盛り込まれていました。
RPGとしてこういうポイントは非常に良かったかなと。
ファンタジックな世界を歩き回れるのは楽しい!
壮大な世界観に基づくストーリー
ストーリーは全体的に質が高かったと感じました。
特徴としては世界観を軸とした壮大な設定でしょうか。
ハイファンタジー、という表現がピッタリな序盤から、徐々にSF要素が入り交じり、最後は序盤のファンタジー感からは予想だにしないような方向に飛び込んでいくので圧倒されてしまいました。
テーマ的にも全体的にはシリアスな展開も多めながら、話の流れ自体は王道そのものであり、モヤモヤの残る展開もあまりないのも好印象。
一つずつ国の問題を解決しつつ、丁寧に伏線の描写を差し込んでいく、序盤~後半に差し掛かる辺りのパート展開は特に面白く、先が気になって夢中でプレイしてしまった。
ただ、終盤はちょっとSF色が強すぎるようにも感じられたので、テイルズとしてそれが受け入れられるかはどうなのかなとは思いましたが。
個人的にはあの手の展開は大好物だけど、説明の長いシーンが多いような気もしました。
中盤以降のストーリー展開にはビックリ!
丁寧なキャラクター描写
ストーリー自体の魅力もさることながら、キャラクターの描写のバッチリでした。
パーティーのメインキャラクターは過去の背景をきっちりと描いたうえで、加入してくるので共感を覚えやすい作りになっているし、何より、それぞれに持たせる役割が非常に上手いので印象に残りました。
後は、やっぱりパーティーの雰囲気が良かったです。
支配と被支配という物語の構造上、序盤のパーティー仲って、あんまりよくない感じからスタートするんですが、旅通していってどんどん一体感が増していく感じがすごく良かった。
誰か一人だけ、突き抜けた良さがあるというより、パーティー全員が揃ったときのバランス感覚のレベルがかなり高くて、人数含めてよく考えて調整したというのが伝わってきました。
作り込まれたフィールドデザイン
フィールドのデザインは質が高かったです、特筆すべきはその見せ方。
広さだけで言ったらこれまでの作品とも大差はありませんが、見せ方の工夫が一世代分進化しており、冒険感をうまく演出していました。
良かったと感じたのは以下。
・広くはないが、ダイナミックで景観豊かなマップ。
・フィールドのロケーションに合わせて自動で会話イベントが発生する。
・フィールドに、多彩なアイテムが落ちている。
・マップ分岐先には必ず何かが用意されている。
特に、1点目の景観に関してはかなりのこだわりを感じられました。
例えば序盤の町から旅立つ際の崖で、先行く城が見えたりだとか、そういうRPGらしい仕掛けが見られたのが良かったです。
また、後者2つのおかげでマップの探索もリターンが多く、往くマップ全て細部まで歩き回ってしまいましたね。
RPGとしてはお約束ですが、やっぱりこういう探索要素は楽しいなと、改めて感じられました。
歯ごたえのある戦闘システム
戦闘システムは、全体的に難易度高めという印象でした。
特にボス戦が中々強烈で、固い、火力高い、初見殺しの3つを兼ね備えているので、アクションゲームが苦手な人には中々きつい内容かも。
個人的には特に序盤が、こちら側が出来る対策も少ないのできつく感じました。
ただ、そんな歯ごたえのある難易度がボス戦に独特の味を出しているのも確かで、
本作を語る上で外せないポイントにもなっていたと思うので、個人的にはよい塩梅に感じました。
雑魚戦は終盤以外はサクサク進むし、バランスも悪くなかったです。
アクション自体は、ゲームデザイン的にやや固さを感じる部分はありましたが、ブーストストライクを使った駆け引きや、コンボでハメていく連撃はそれなりに爽快で、楽しくは感じられました。
若干、終盤は敵が固すぎるような気もしましたが。。
豊富なやり込み要素
やり込み要素に関しては過去作同様に、ぎっしりと詰められていた印象です。
クエストは数も多く、内容に関してもキャラクターの魅力を引き出すものであったり、世界観的な魅力を感じさせるものであったり、良くできていると感じられました。
中には、クリア後でないと、レベル的に攻略でき無さそうな物も複数あったので、全てコンプリートすると、結構なボリュームなのかなと。
RPGでは恒例の釣りゲームに関しても、今作はアクションに一工夫いれているおかげか、中々楽しく感じられました。
そこまではやり込んでませんが、やり込むと奥が深そう。
シームレスな装備反映
その他、地味に良いと思ったのが、コスチューム反映。
今作、これまでのシリーズ作品と違って、スキットがアニメーションでなく、ゲーム内3Dモデリングをそのまま反映しているため、コスチュームの変化がムービー、及びスキットにそのまま反映されるんですよ。(アニメーションムービーを除く。)
ゲーム内で結構色々なコスチュームが手に入ることもあり、気分転換に良い仕様になっていたなあと感じたのが印象に残っています。
気になった点
不自由な制約になってしまっているCPシステム
本作のシステムで一番気になったのは「CPシステム」。(※画像右上のゲージ参照。)
これは簡単に説明すると、回復や一部スキルなどを使用するときに使う、他ゲーでいうMPのような物なのですが、あんまりバランスが良くなかった気がします。というのも、全体的に回復手段が限られすぎている気がしました。
CPは宿屋か野営で休むこと、一部アイテムを使用することで回復できますが、回復アイテムが全体的に高価なうえ、お金が手に入りにくい本作のバランスだと、大量買いは難しく、ダンジョン半ばでCPが尽きる問題が割と多発します。
更に、一部ダンジョンではCPを使ってフィールドの仕掛けを解除するというシステムを採用しているので、余計にCPがなくなってしまうんですよね。
これが、どうもマイナス方面の制約になっている気がしました。
あれかな、強敵に対してCPシステムによるシビアな調整としての制限としては、まだありかなとも思うのですが、それがダンジョン内の仕掛けとあんまり噛み合ってないんですかね。
CPで解除する仕掛けの先には、基本的にアイテムがあるんですが、RPGにおいてダンジョン内のアイテムを取らないメリットってないので、ここの制限にあまり面白みがないように感じました。
また、ラストダンジョンなど長めのダンジョンだと上記CPの管理が中々難しいので、そういう制約が苦手な人にはそもそもあまり合わないかもしれません。
ぼくも最初から最後までCPの調整には悩まされましたね。
後半、固定化してくる敵種類
敵の種類に関しては全体的に少なめな印象でした。
特に後半以降は同じ骨格の敵が色違いになっていく印象が強く、戦闘に関してもやや単調気味な内容になってしまっていたのが残念。
最も、ボス戦の方はあまりそんな事は無かったんですが。あくまで通常戦闘に関して気になった点です。
戦闘システム自体は良く練られていただけに、もったいなく感じました。
今までとは若干作風が違うかも
自分は今までのテイルズシリーズは、前作ベルセリアくらいしかプレイしていませんが、前作のみと比較しても、全体的に若干テイストの差は感じました。
前述した通り、今作のストーリーはキャラクターというよりは、世界観軸に仕上がっているし、SF的な内容も多め。
音楽もちょっとこれまでのテイストと変わっているし、キャラクターデザインに関しても若干方向性が違うし、必殺技のカットインやパーティーチャットのアニメーションも廃止されました。
そのため、お約束を期待している人からすると、コレジャナイ感を感じてしまうかもしれません。
尤も、今作はそういった改革を表に出して作られた作品ですし、シリーズ内の良さは残そうという想いも感じられたので、割と好意的に受け止められている印象ですが。
まとめ
と、こんな感じでしょうか。
全体的には作風やテイストに変化を盛り込みつつも、かといって海外向けという感じでもなく、日本のRPGとして完成度の高いレベルで仕上がっていた印象です。
とりわけ絶妙な配分で冒険感を演出していた各システムの出来はお見事で、製作陣、日本のRPG好きなんだろうなあってのが伝わってきました。
また、シリーズとして癖のあった部分も今作で整理された印象で、新規で入りやすい作品になっているかな、とも感じられました。
冒険感を楽しみたい、日本のRPG好きには是非おススメしたい一作です。
気になるのは今後のシリーズの展開ですね。前作から結構ナンバリングは空いた印象ですが、次はどうするんだろう?
本作の設定を使いまわしてとも思ったけれど、結構綺麗に終わっちゃってるから、割と難しそうなんですよね。
となると、全く新しいナンバリングになるのかなあ。何にせよ、次にも期待したい所ですね。