加筆修正込みですが、久しぶりに1週に2回更新しました。まあ、そのせいで来週に上げる記事が無くなりましたが。。
どうしようかなあ。
さて、今回は「BLUE REFLECTION TIE/帝」のサウンドトラックの感想に関して、色々と書いてみました。
前作に引き続いてのアサノサウンド
前作「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」のサウンドは、1作丸ごと浅野隼人氏が手掛けており、透明感溢れる曲調が高い人気を誇っている作品でした。
ちなみに、前作のサントラも今回のタイミングで正式に発売。(以前は、限定版付属の物のみでした。)ついでなので、ぼくはこちらも購入しました。
そんな1作目から4年。今作はどうなっているかなあと思いましたが、いい意味で予想をやや裏切って、今作もほぼ全曲浅野氏(アサノ氏表記のがいいかな?)が担当されていましたね。
アトリエ系だと最近は戦闘曲しか作られていなかっただけに、久しぶりに彼の作るイベント曲やマップBGMが聞けたのは良かったです。
曲数は全部で41曲。前作が使用曲のみで50曲、未使用含めるともう少しあったので、若干減ってしまいましたね。
また、それ以上に戦闘曲が大幅に減っています。前作は、原種戦含めて全部で18曲もあったかと思うのですが、本作、新規の戦闘曲は5曲だけでした。
足りない分は前作の戦闘曲を流して埋めていた感じです。前作が豪華すぎたのもありますが、少し物足りなかったかなあ。
アトリエも最近戦闘曲少ないし、色々あるんだとは思いますけど。
ただ、その代わりにフィールド曲は大幅に増加しており、どちらかというとそちらに力が入ったつくりになっていたのかなと。
曲としては、前作のメインテーマ「BLUE REFLECTION」のアレンジがかなり多めでした。
アニメの澪も含めてメインテーマのアレンジはシリーズ間でかなり多く、シリーズ間で統一出来ているのは良いですよね。
余談ですが澪と言えば、2クール目のED「fluoresce」。
間奏で上記メインテーマのアレンジっぽいフレーズが流れるんですよ。
アニメの方の曲も含めて、作曲者、バラバラなのにこういうのがあると、原作読み込んで作っているんだなあと 感じられて嬉しいですよね。
では、その中から気に入った曲を一挙にピックアップします!
今回はネタバレも含めて、曲名称の意味なんかも考察してみました。
ネタバレにはご注意ください!
ディスク1
TIE
タイトル画面曲。前作タイトルテーマ「BLUE REFLECTION」のアレンジですが、途中で水音やセミの音が混ざってくるなど、本作のテーマに合わせたアレンジになっていました。
夏の終わりを憂うような曲の締め方は、クリアしてから聞き直すと感慨深いものがありますね。
透過性シェルター
こころのココロトープ曲。曲名は心の壁みたいな感じの意味ですかね。一番最初に聞くココロトープ曲ということもあり、独特な曲調が耳によく残りました。
全体的にはゆったりと落ち着いていながらも、やや不穏で暗めな部分は、後ろ向きだった、過去の後悔を表現している感じなんでしょうかね。
途中で入ってくるアナウンス音は、アサノ氏がこのシリーズでよく使う感じのやつですね。手法的にはEDI?でいいのかな?(分かりません。)
レッツ・ガールズトーク!
学校のテーマ。イベントを見るために駆け回ることが多かったので、よく聞いた気がします。
下手すると、本作で一番聞いているまである曲かもしれない。
どことなく自由というか、開放的な感じの楽し気な雰囲気が伝わってきて、学校というよりは秘密基地的なイメージで作られたような印象です。
W-P.NEURONS
前半通常戦闘曲。
この曲は主旋律があんまり強くない感じ(個人比)はしましたが、本作のバトルテンポには合っていたかな。
同じメロディラインを繰り返しつつも、一曲に仕上げている技巧に関してはお見事。
たた、通常戦闘曲としては、やっぱり前作のOVERDOSEが強すぎたかなあというのはありますかねえ。。
この曲はこの曲で工夫されていて面白いとは思うのですが、戦闘テンポ的にも、あんまりサビまで聞けない所などはやや残念。
My REAL
ボス戦&強敵戦。枠としては前作の「hallucination And hope」が近いか。
疾走感溢れる曲調で前作にはあまりなかったタイプの曲。
曲名は、ココロトープの最奥に行って自分の現実(真相)と向き合う、みたいな感じの意味かな。
この曲は聞き飽きないのが良い!
今作、汎用ボス戦がこれしかないので、(これと「hallucination And hope」のどっちかが流れる感じでした。)最初から最後まで長く聞きましたが、
ハイテンポなのが、本作の戦闘システムともマッチしているし、インファイトなどが発生するボス戦の演出ともよく合っていなあと。
放射状ターミナル
詩帆のココロトープ曲。曲名はココロトープ内のターミナルイベントにちなんだ、何にもとらわれずにどこかに行きたい、という想いから来ているのかなと推測。
非常に落ち着いていてゆったりとした曲調がフィールドにもキャラにもとてもあっていて、心地よいですよね。
このココロトープ、海と背景の人工物のコントラストがとても美しくて、癒されるんですよ。
本作屈指の落ち着いたフィールドと曲調が、詩帆というのはなるほど、納得できるなあと。
非凡性ジレンマ
前作主人公、日菜子のココロトープ曲。前作のアレンジ系かな?と思って、前作の曲も聞き直してみましたが、特にそんなことはなく。
イメージ的にはリフレクターになる前まで含めての、日菜子自身の深層心理的という感じなのかな。
高貴で落ち着いた感じのメロディ、でもどこか儚い所が夢破れてしまった感もあり、よく表現できているなあと感じます。
曲名もそうですが、本作は結構日菜子の普通じゃない、という点を強調していたなあという印象。
前作主人公の視点だとあまり見えてなかった所ですが、澪、帝とみてくると確かに一人だけタイプが明確に違うなあって。
そういう所の描写も面白いなあと感じました。
ディスク2
Our REAL
消滅機構戦。本編で流れるのは3回だけかな。
曲名は言わずもがな、滅びかけている元の世界の現実を表す、消滅機構という概念そのものについてでしょう。
個人的に、本作のベスト曲はこの曲を押したい!
全体的にはヴァイオリンとピアノをロック系と上手く融合させた、アサノ氏らしいサウンドなのですが、メロディラインがキレッキレです。
切迫している状況をハイテンポで表しつつも、勇壮なメロディラインがとても気持ち良い。
クラック発生からの異質感極まる敵の出現、という流れから本作をバックに戦闘というシチュエーションも最高でした。
とにかく熱いだけにもっと聞きたかったですねえ。
クラックの設定的に難しいにしても、例えばラスダンとかで出てくる、消滅機構の色違いの中ボス戦とかでも、「My REAL」が流れたりするのでそういう所は、少し残念でした。
希望的アストライア
伶那のココロトープ曲。アストライアはギリシア神話に因んだ、「星乙女」の意。
彼女に希望を与えた星乙女、ときたら誰の事を指しているのかはもう言わずもがな。
灯台をモチーフにしたココロトープの情景とも、よくマッチしています。
本作のココロトープの中でも明確に明るい曲の方ですが、伶那本人だけでなく、もう一人の存在があるからこそのこの明るさなんでしょうね。
伶那から見た視点の明るいこの曲があるからこそ、対比として後述する「諦念的カスケット」が、より際立っているように感じられるし、仕掛けとしてうまいなと。
閉鎖性コミュニケーション
平原姉妹のココロトープ。
この曲は発売前のサントラPVにも入ってましたね。
曲名は、まあ言わずもがなこの姉妹の事を表現した名称でしょう。全体的には楽し気で明るい曲調なので、どちらかというとメインは陽桜莉なのかなあ。
設定的にも、陽桜莉軸のココロトープって印象です。
本作の陽桜莉は澪のエピソードの後ということで、不安定な部分もあまりなく、成長を伺えたのが良かったですよね。
想いを繋ぐ、というワードが口癖なのも感慨深くて。
仮に澪本編時のココロトープだったら、もっと暗い内容になってそう。
「There's nothing we can't do, right?」
切迫した時のイベント曲。和訳すると「私たちにやれないことなんてないよね?」かな。
クラック発生時や、ラスボスイベント時など、何かと印象に残るイベントが多かった印象で耳に残りました。
ストーリーが面白かった分、今作はこういうイベント曲も前作より際立っていた感じがしたなあ。
黄金律アンチノミー
詩のココロトープ曲。
黄金律、詩には決して理解できない概念を理解しようとしてもできないことの相反、あるいは祖母の行動そのものともとれる曲名。
この曲もココロトープとの情景の重ね方が絶妙でした。
まず、あの詩ちゃんのココロトープが美しいひまわり畑、というだけで見た目のインパクトが強いんですが、そこからこの、何とも言えない色々な物が詰まったような曲には思わず感動してしまったなあ。
一定で流れ続けるピアノと、荒ぶるように動く弦楽器のメロディ。
変わらない心と、それでも何かが胸にひっかかる、そんな心理描写が不思議と伝わってくるような鮮やかな曲センスが光ります。
後半のココロトープ曲、どれもこんな感じで刺さりまくりなので強い。
E.SYNAPSE
後半通常戦闘曲。W-P.NEURONSに比べてアップテンポなのが、後半曲らしい。ライザ2もそうでしたが、最近のアサノ氏のトレンドなんでしょうか。
前作の、こすいちのかくすらなきくどっとえぐぜに比べても、後半感というか、終わりに向かっている寂しさのような物も表現できている気したので、差別化は出来ているのは良いなと思いました。
ただ、メロディ展開自体はまあまあ既視感はあるような気も。
諦念的カスケット
勇希のココロトープ曲。カスケットは小箱や棺の意ですが、この場合は棺の方でしょうね。生きることを諦めてしまった棺。
本作の中である種の方向性では一番重い曲。
この曲はもうイントロが強い。今までのココロトープとは明らかに雰囲気が違うということを、フィールドでも曲調でも全面的に伝えてくるので、プレイしていて凄く惹き込まれました。
曲としては、やはり「希望的アストライア」との対比が素晴らしい。
あちらが明るい分、勇希の内面を表現しているこちらの暗さが際立っているし、途中で同ラインのメロディが入ってくることも、両者の関係性を丁寧に表していて、聞きごたえがありますよね。
ディスク3
水槽の脳
イベント曲。消滅機構や世界システムなどの、シリアスなイベント時によく流れたいた印象です。水槽の脳は、有名な思考実験ですが正にそんな内容。
この曲もメインテーマのアレンジなんですけど、見事に暗くシリアスな曲になっていて凄いなあと。
この曲が流れているシーンは考察できる内容が多くて、見ていて楽しかった。
不連続イグジスタンス
愛央のココロトープ曲。曲名は和訳すると不連続存在。
正確なニュアンスの判断が難しいですが、愛央の存在を表している曲名であることは間違いなさそう。
普遍的にあって、連続していない存在とかそんな意味なのかなあ。
この曲は演出が素晴らしかった。何気ない日常の記憶を思い出すような落ち着いた曲調から、オリジン登場に合わせて一気にメロディが鳴り出すのがとても印象的です。
プレイしていてすごいワクワクしたなあ。
00:36~のメロディ。たぶんオリジンのテーマだと思うんですが、すごい不安定で無機質なメロディがたまらなく心地よくて、ずっと聞いていても聞き合いない一曲。
設定的に仕方ないんだけど、イベントしかないのが残念。
ワールドエンド
本作のラストダンジョン、オリジンルート中心部の曲。
曲の雰囲気やメロディは「不連続イグジスタンス」と似通っており、無機質で不安定な曲調ですが、後半はそこから一転して急に転調してメインテーマが入ってくるという、中々忙しない感じの一曲に仕上がっています。
でもそんな独特な曲調が耳にとても心地よくて、お気に入り。
まあ欠点はラスダンが短くてあんま聞けないことですね。
ラスダン、入った時点でレベルカンストしており、戦闘する意味もなく、そそくさと走り去ったら終わってしまいました。
GENESIS
本作のラスボス第二形態~最終形態戦。
本作のラスボスはめちゃめちゃ形態変化が多いんですが、第一形態のみ「Our REAL」、それ以降は全部この曲という感じでした、
イントロは「不連続イグジスタンス」「ワールドエンド」とも共通している、機械的なメロディでやはり、これはオリジン側を表しているフレーズなのかなと。
そこから、メインテーマのメロディが入ってくるあたりは、リフレクター側のターン、という感じで1曲通して、敵味方のメロディが押し合っているような感じがとても熱い!
同じメインテーマを元にしたラスボス戦でも、前作のsayonaraとは全く違う良さがありました。
ラスボスも全然強くはないけど、形態変化が多かった分印象には残りました。
なんか、姿かたちはなんとなーくシャリーの統治するものを思い出したなあ。よく見ると全然違うんですけどね。なんでだろう。
まとめ
以上、サントラ感想でした。今回はフィールド曲が素晴らしい出来で、曲名や曲調含めて、ゲームとかなりマッチ度が高かったのが印象的でした。
ストーリーが面白いのも含めて、心に響きましたねー。
他、戦闘曲の曲数以外は概ね満足な内容で、最近のアトリエでは聞けない、久しぶりにアサノ氏の作るバトル曲以外のサウンドが楽しめたのも良かったです。
ゲームとサウンドの親和性も高かったと思うので、気に入った方は是非!