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【レビュー】Voice of Cards できそこないの巫女【感想】やや冗長な感もあるが、全体的にパワーアップしたシリーズ第二弾!

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中々、2月末~3月初めに購入したゲームの進捗状況が著しくなくて困ってます。


カービィまでにアトリエはクリアしたかったけど、厳しそうだなあ...。こうなると、来週あたり何を書くか悩みどころですね。


さて、今回はVoice of Cards できそこないの巫女の感想記事を。前作に引き続いてSwitchのダウンロード版でプレイしました。


プレイ時間は21時間30分ほど。やり込み要素はぼちぼち。前作が13時間くらいだったので相対比1.8倍くらいですかね。


結構ボリュームも増えて、価格帯としても相違ない内容になったのかなと。

Voice of Cardsシリーズ第二弾

 

◆関連記事◆  【レビュー】Voice of Cards ドラゴンの島【評価】カードで表現された世界を旅する、独特でコンパクトなRPG! - 炎に煌めくゲームレビュー


本作は2021年10月に発売された「Voice of Cards ドラゴンの島」に引き続く、Voice of Cardsシリーズの第二弾作品となります。


前作からたった4か月での発表、発売だったので、きっと制作自体は前作の発売以前からスタートしていたんでしょうね。


それもあるのか、システム自体には大きな変更はなく、前作のゲームシステムをベースにした新作という感じでした。


ただし、あくまで第二弾ということで続編という形はとっていません。


公式サイトにも「※『Voice of Cards ドラゴンの島』の続編ではないため、 本作のみでお楽しみいただけます。」という表記がありますし、実際遊んでみても明確な続編という形は取っていませんでした。


そのため、本作から遊んでも特に問題はないかと思います。

(※前作とのつながりに関しては後述します。)

前作から改善されたポイントが多め

そんな本作ですが、全体的に前作で課題に感じていたポイントの多くが解消されていました。

システム面自体に大きな変化はないので、ここからは前作からの改善ポイントをピックアップしてみようと思います。

軸のあるストーリー

まず1点目はストーリーについて。


前作のストーリー、悪くはなかったんですけど、流れが単発的でいまいちまとまりのない仕上がりだったんですよ。思いついた話を各章に入れたような感じですかね。

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でも、本作は最初から「島を救うために、各地の巫女に合うための旅」という明確なテーマがあって、

そのテーマの中で、各地で異なる色々な話を展開していく作りになっていたので、しっかりと軸づくりがされていると感じられました。


世界観設定などに関しても、前作より丁寧に描写されており、尺不足感を感じなかったのも良かったですかね。

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そんな本作のストーリー内容は前作以上に重く、辛いものでした。


最後も明確に報われたとは言い難く、心にぐさぐさ刺さってしまった。


でも、多くのキャラクターとの出会いと別れを繰り返すのは王道的で楽しかったですし、各所を巡っている海旅の雰囲気は、とても味わい深いものがあり、前作以上に心に刻まれました。

歯ごたえのある難易度

2点目は戦闘難易度についてです。


前作は戦闘難易度がとにっかく低くて、ラスボス以外のボスに、全く苦戦することのないくらいのヌルヌルゲーだったのですが、本作はかなり難易度が上昇していました。

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単純に敵のHPが高くなりましたし、こちらのスキル自体も前作に比べてセーブされた印象です。


状態異常もボスに通らなくなりましたし、何より敵側が使ってくる状態異常がめちゃめちゃ強い!


行動を封じてきたり、継続ダメージを与えてきたりと、特にボス戦で全体攻撃として多用されるので中々のきつさでした。明確な対策法が無かったので、ほぼほぼ万能薬ガブ飲みでした。

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それでいて、こちらのPT編成には一部制限(※後述)がかかったりもするので、結構辛いポイントが多かったですね。

何とかクリアは出来ましたが、ボス戦はかなりの死闘続きでした。

ラスボスもめちゃめちゃ強かったですし、歯ごたえのある作品という印象が強いです。


ちょっと賛否のある調整の仕方ではあったと思うんですが、個人的にはこのくらい難易度が高いと印象には残るので、前作の調整よりは楽しめました。

やっぱりボス戦は激闘でないと!

増加したボリューム

3点目はボリュームについてです。


前作は価格帯から見てもややあっさり気味だな、と感じるほど、サクッとした内容だったのですが、本作はそこからおおよそ2倍近くの内容に拡張されていました。


内容が長くなった分、ストーリーはじっくりと描かれているし、ダンジョンの仕掛けに関しても凝っている物が増えたし、内容的にはより濃くなったのかなという印象です。


(※やや気になる点もあったのでそこは後述します。)

プレイヤーが順番を選べる要素がある

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最後に、プレイヤーが能動的に選択できる要素に関して。


前作は最初から最後まで完全な一本道だったんですが、本作には少ないながらも、プレイヤーがどちらから進めるかを選べる要素が追加されていました。

この要素、もう少し拡張して、うまく調整できれば更にゲームの幅が広がると思うんですよね。


次回作があるならこの方向性を強化して欲しいなと感じました。

海を主体とした美しい世界観

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世界観に関してなのですが、本作のテーマは「海旅」になっていました。


前作もストーリー中に船で移動することはあったんですが、本作はあれを手動で進めていくような感じ。


船に乗ってカードで隠された大海原を旅する、その雰囲気は前作のフィールド巡りとはまた少し異なる、心落ち着く仕上がりでとても癒されました。

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なお、物語は海旅で辿り着いた各島内で進んでいきます。この島に関しても、各所特色豊かでうまく特徴づけられていた印象。


それぞれの島で状況や雰囲気が全く違うので、そこからどうストーリーが広がっていくのかを考えながらプレイするのが、楽しかったですねー。

心地よく、趣のある海旅って最高だ!

魅力的なキャラクター

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キャラクターは前作よりも魅力的に感じました。


重い過去を抱えたヒロインラティの心を、主人公が少しずつ溶かしていくような展開は王道的で良かったし、各地で出会う巫女と従者のキャラクターもかなり立っていました。

各地の巫女たちはそのパートのみ、ゲストキャラクターとして戦闘でも使用できるため、最終的には全員との旅の思い出が残るような仕様になっていて、愛着を持てました。

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戦闘で巫女と従者ペアでのみ使用できる、合体技があったのも良かった。


各島でそれぞれ巫女とそれを支える従者の関係性は違いますが、いずれにおいても信頼の形が伝わってくるような内容で、キャラクター描写の補完になっていたのかなと。

ボサノバ調の心落ち着く音楽

Voice of Cards できそこないの巫女 Original Soundtrack

Voice of Cards できそこないの巫女 Original Soundtrack

  • スクウェア・エニックス ミュージック
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音楽は前作に引き続いて良い出来でした。


前作はケルティックorアイリッシュ的な曲調が多めでしたが、本作はそれとは異なり、いわゆるボサノバ調の曲が中心となっていました。


地中海的なイメージ
なのかな、航海する旅と抜群にマッチしていて、心落ち着く海旅の雰囲気を惹き出すことに成功していたと思います。


個人的には、タイトル兼航海マップBGM「航海士の船旅」と、前作の脈打つ力のアレンジ「戦士の血潮」がお気に入り。


後、ラスボス戦の曲も好きかな。某ボス戦で流れていた、コーラス無しverのが好きなんですが、収録されていなくって残念。

気になったこと

全体的に冗長気味

本作、前作からボリュームは多くなっていたし、密度も決して劣ってはいなかったとは思うんですよね。


でも残念ながら密度が増えていない分、冗長に感じた所はありました。

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特にそれを感じてしまったのは定期的に入る「心の世界」パート。


このパート、現実世界とは違う特殊な世界を巡るんですが、色合いが淡白で見栄えが良くないし、仕掛けが少ない割にはマップがめちゃめちゃ広いので、だいぶ冗長に感じてしまいました。


特にラストの方のダンジョンは長すぎて、途中から半分くらい放心していたような...。

ここに関してはもう少し工夫が欲しかったです。

制限を感じるゲームデザイン

前述した通り、本作の戦闘は難しくて歯ごたえはあったんですが、その難易度のあげ方がちょっと気になりました。


というのもですね、全体的に制限を感じる内容になっていたんですよ。


例えば、本作のメインパーティーの一人「ラック」に関しては、最初から最後まで装備を変更することが出来ません


このシリーズ、装備によって変動するステータスの影響が大きいため、ちょっと厳しい制限に感じました。

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また、各地で仲間になるゲストキャラクターに関しても、こちらはこちらでレベルアップをしない仕様になっていて、いつまで経ってもHPが伸びなかったりするんですよね。


装備も変更できるのはアクセサリーのみでした。


上記に加えて更に、メンバーが離脱するケースなんかも多く、なにかと厳しい制約に付きまとわれているようなバランスに感じました。


前作は全メンバーの最強装備を集めたりするのも楽しかったので、そういうのがあまりなかったのも残念なポイント。


もう少し制限している感を弱めて欲しかったですねえ。

一部の悪ノリが気になった

本作のナレーション、速水奨さんが勤められているんですが、どういう訳か、セリフを読み間違えて咳払いしたり、何度か読み直したりするような場面が結構ありました。


これ、製作チームが面白いと思って入れたんだと思うんですけど、個人的には滑っていると思ったし、悪ノリっぽく感じてしまった。


というのもね、くどいんですよ!

1回や2回なら別に、笑って終わりなんですが、結構何回も何回も繰り返してくるので、さすがにしつこく感じました。

こういうのって程度が過ぎると、あんまりいい方向に行かないと思うので、是非やめてほしい。

前作との繋がりに関して

最後に繋がりに関して。


明確な物はあまりないです、あくまで前作をプレイしていると何となく、本作の位置づけが分かるようなそんな感じ。


細かくはちょっとネタバレを含むので、隠します。

ネタバレ(クリック)

前作との繋がりに関してですが、これは同世界観でしょうね。


時系列に関しては明確には提示されていませんが、クイーナとブライトの子供の名前が「彼女」であることから、過去編であることは確実なのかなと。

後、純白の都のストーリーは、前作の白の教団のヤバさっぷりとリンクしてましたね。


次回作が仮にあれば、前作と今作の間をやるのか、それとも一番最新の時系列をやるのか、どうなるんでしょうね。


個人的には間をやって、ドラゴンの島で微妙に触れられきっていなかった黒の一族関連の話をもっと見てみたいです。

まとめ

と、こんな感じでした。


全体的には前作よりもゲームとして遊べる調整になっていたので、個人的には中々楽しめました。

ストーリーやキャラクターも好きになれたし、戦闘のバランスもじっくり遊べて良かったです。


ただし、いかんせんゲーム的に単調な部分に変化はないので、冗長な一部のパートはプレイしていて中々眠くなってしまった...。


前作はさっくり遊べるのも魅力だっただけに、次回作を発売するのであれば、もう少し工夫が欲しい。

 

僅か4か月で発売された続編という事でしたが、物語の設定を見る限りは、もう少し作品を展開したいような意志を感じます。


なので、おそらく3作目も遠くなく発売される予感。より作品として面白くなることに期待したいですね!