どうも、ば~んです。
今回はSwitchで発売された「ペーパーマリオRPG」の感想記事です。
プレイ時間は38時間。やりこみとしては、クエストはすべて完了。それ以外に関してはぼちぼちといった感じでコンプリートまではやってない感じ。
ストーリーだけ遊ぶのであれば、20~30時間が目安かと。シリーズの中ではお使いイベントが多めなのもあって、やや長いくらいなのかな。RPGらしく、色々なやりこみ要素も用意されているので、クリア後も遊ぼうと思えば遊べそうな感じはありました。
- 原作を補強した感じのリメイク作品
- 現代基準でも魅力あるキャラクターとストーリー
- ロケーションに凝った冒険感のある舞台
- 単なるレベル性でなく、カスタマイズ要素のある強化要素
- 仲間の能力を活かしたギミックが面白い
- ロケーションによって切り替わるBGM
- 気になった点
- まとめ
原作を補強した感じのリメイク作品
本作はゲームキューブで発売された「ペーパーマリオRPG」のリメイクですが、基本的にはオリジナル版を大きく変えず再現する形に努めているタイプのリメイクなのかなと。
見た目としてはグラフィックが現代水準になっているのと、遊びやすくシステム周りを改修。あとはBGM面の作りは最新作のオリガミキングを踏襲してバリエーション豊かにするなど、細かい所は結構凝っているんですが、あくまでベースはそのままな印象です。
全体的に現代で遊んでも特に問題なく遊べるレベルのクオリティがあったのはさすがだと感じた一方で、時代相応のシステム面がそのままになっている所は古臭くも感じました。下記ではそんな本作に感じたポイントを紹介していきます。
現代基準でも魅力あるキャラクターとストーリー
本作の最大の魅力はやっぱりストーリーやキャラクター。そしてそれを彩るテキスト面にあると思います。上手いテキストが魅力を引き出すのは、ペーパーマリオシリーズ共通だと思いますが、本作の場合仲間キャラクターが多いのもあって、会話のイベントが豊富なのがよかったなと。
特に面白いと思ったのが、クリスチーヌのフィールドアクション。色々なオブジェクトやキャラクターに関して、会話とは別に情報を教えてくれるんですが、とにかく細かい!同じキャラでもタイミングによって内容が変わったりもするので、テキスト量がとんでもないことになっていそうな気がしました。
それにしても、インテリジェントシステムズのゲームだけあって相変わらずネタのセンスは抜群ですね。唐突にメタネタが入ってきたり、ついクスっと笑ってしまうような演出があれば、いきなりシリアスになったりで、この温度感はやっぱり良いなと思ったのでした。
演出時の仲間キャラクターの活かし方も良かった。基本一人しか場に出せないので、イベントではその際に出ている仲間キャラクターがしゃべるんですが、それぞれ違うセリフや表情が用意されているという、豪華な演出になっているので、見ごたえがあります。本作の仲間キャラクター、全員個性的でキャラ立ちしているので、だれを使うか毎回迷ってしまいました。
ストーリーに関しては、終盤の盛り上がりが素晴らしかった。明らかに異質な舞台に足を踏み入れている感じがワクワクしたし、ラスボスの造詣が非常にダークなのもあって、それまでとは一風違ったシリアスな空気が味わえました。やっぱりペーパーマリオのラスボスはオリキャラでないとね!
ロケーションに凝った冒険感のある舞台
色々な舞台を回れるのはペーパーマリオ共通の魅力だと思いますが、本作もその部分は非常に良かった。各ロケーションが結構凝っているので、それぞれのステージが印象に残りやすいです。王道ファンタジーな草原から、闘技場、南国、雪原。世界を股にかけている感はやはりいいですね。
個人的に好きだったのは4章の舞台。4章はストーリーの雰囲気もちょっと独特ですが、全体的にダークなテイストで統一されていて、記憶に残りました。怖いってほどではないんだけど、程よい不気味さ加減が癖になる。
後は6章の舞台も好き。おしゃれな列車に乗るパート自体が進行になっているのは、ちょっとアドベンチャーゲーム感があって独特だし、途中で挟まる探索ダンジョン含めて、章全体のテイストが不思議と噛み合ってて面白かった。
その他、全体的に後続の作品でも見たような舞台が多く、本作のオマージュ的な意味合いもあったのかと後から理解できるのも面白い発見でしたね。特にカラースプラッシュは汽車ステージとか、南国とか、本作と被るロケーション多いなと感じました。
シリーズと遡ると新たな発見があるので、こういうリメイクは良いね!
単なるレベル性でなく、カスタマイズ要素のある強化要素
ジャンルがRPGということなのでお約束なのはレベルのシステム。本作で面白いと思ったのは、ステータスの向上値を選択できること。
このシステムだけであれば、スーパーマリオRPGなどとも変わりませんが、本作の醍醐味はバッジシステムにあると感じました。
ステータスやスキルポイントよりも、装備できるバッジを拡張できるバッジポイントを伸ばしていくことで、非常にカスタマイズ性の高い強化ができるのが面白いです。本作、スキルや攻撃力や防御力に干渉できる要素がバッジに限定されているので、かなり自由度が高く色々な組み合わせが楽しめる良さを感じました。
バッジ自体もクエストや探索によって手に入ることが多いので、それらを行う動機付けになっているのも良かった。
ちなみに戦闘システムに関しては、シリーズおなじみのアクションコマンドで、そこまで本作独自の要素は感じなかったんですが、RPGらしくステータスが設定されている所が、上記のバッジシステムの良さを引き出すことに繋がっていたのかなと。
ステータスを直接あげるとダメージが上がるので、バッジの調整が楽しかったです。
仲間の能力を活かしたギミックが面白い
本作、ギミックに関しては全体的に面白く感じました。基本的に仲間がそれぞれ持っている能力を生かして進んでいくんですが、仲間が多いだけあって、仕掛けのバリエーションが豊富で解き甲斐があります。長ジャンプして届かない所まで渡ったり、風を吹かせて仕掛けを解いたり、その種は様々。
段階的にマリオ自身の能力が解放されていくのと、仲間がどんどん増えていくので、序盤の街で解放できなかった要素が解放されていくのもRPGっぽくてよい要素だなと。仲間がその場ですぐ切り替えられるシステムが追加されたのも相まって、気軽に楽しめるのもgood!
個人的に面白いと思ったのは、影隠れの能力。影に隠れて仕掛けから身を守る、というのは想像がつきますが、隠れること自体を活かしたアクション、というのは予想できない発想で驚かされました。
ロケーションによって切り替わるBGM
リメイクに合わせて、原作と大きく変わったと思われる要素がBGM。最新作の仕様に合わせてなのか、戦闘曲が各ステージでアレンジされていたり、各ダンジョンに複数バージョンの曲アレンジが用意されていたりと、かなりゴージャスな仕様になっていたかなと。
特に戦闘曲の工夫が面白かった。ステージ6では夕方と西部っぽい場に合わせてなのか、ジャズ調のアレンジ。ステージ7ではダンジョンに合わせて機械系のアレンジになっていて、とにかくステージとの親密度が抜群です。細かいですが、先制時と奇襲時でイントロが違うなんて仕様も。
ダンジョンの曲も、階層ごとにアレンジが切り替わるという今風のゲームな仕様にしあがっており。元々固有のボス戦の曲は人気なイメージありましたが、この工夫でダンジョンや通常戦闘曲がより耳に残る作品になったかなと。
こんなにサウンドいいのに、サントラ出さないのがもったいない...。
気になった点
お使いイベントが多く単調なゲーム進行
本作、ゲーム進行が全体的に単調に感じました。目的地があって、そこに向かっていくのが基本ですが、一度目的地に行って、また街に戻って、また目的地に向かわされるみたいな、お使い的な流れが中心で、とにかく色々な所を無駄に行き来させるような場面が多いです。
合間の道もただの一本道であまり探索のし甲斐もなく、精々落ちているアイテムを回収する程度。構造も狭く、敵もなかなか避けにくいので、時間を稼がれているような感覚です。
元々あまりマップが広い仕様ではないので、RPGとして遊ばせるためにも敢えて何度も行き来させるような作りにしているんだと思いますが、あまり良い工夫とは感じられませんでした。
まあ、ここら辺は当時の形をそのまま再現している弊害なんだとは思いますが。最新作のオリガミキングと比べると、探索面の作りはかなり物足りず、時代を感じるなというのはありました。
探索の魅力が磨かれたのは最近のペーパーマリオシリーズの功績ですな。
同じくお使いが中心で、あまり捻りのないクエストシステム
サブ要素のクエストに関しては、メイン進行以上にほぼすべてお使いでしたね。悪くはないけど、もうちょっと捻ってもいいんじゃないかなと思ってしまうくらいにはお使いしかなくて笑ってしまった!
特に、各所をたらいまわしにされるようなクエストが複数あったのも印象に残ってしまって。確かに会話イベント自体は面白いんですが、やりこみ要素としては悪い意味でRPGに寄ってしまっている感があり、あまり好きではありませんでした。
厳しすぎるアイテム制限
後は、アイテム容量。最大15は少なすぎる!ストックで保管できる容量ですらも少なく感じるほど、作中で大量にアイテムが手に入るバランスなのに、無駄に厳しくて謎でした。
もっとガツガツ戦闘で使えばよかったんですかね。でも戦闘も別にアイテムに頼らないといけない場面もあまり多くないので、だいぶ使い余してしまった。せめてストックは無限でよかったような気がします。
まとめ
以上、感想まとめでした。
全体としてはかなり面白かったです。今見ても魅力に溢れたキャラクターや演出、バッジを活かしたカスタマイズ性の高い成長システムと、魅力あるRPGの条件を満たしていますし、これが20年前に遊べたのであれば人気が出るのも納得です。
ただ、一方でやはりゲーム進行がお使いベースでテンポが悪いことと、探索要素が狭く密度に詰まってしまっているのは、時代相応にも感じました。なので、そこら辺の要素が後続のシリーズで強化されたのは、一概に悪くはなかったのかなとも思います。
ペーパーマリオシリーズは長らくオリジナルキャラクターが作れない問題で、新作は色々な形を模索していましたが、本作のリメイクが発売されたことで、今後どうなるのか注目したいですね。
個人的には、探索はオリガミキングの形を継承しつつ、本作のようなオリジナルキャラクターも盛り込んだ新作が遊んでみたい!