どうも、ば~んです。
今回は、「メタファー:リファンタジオ」の感想記事です。
プレイ時間は90時間超。難易度は序盤以外はハード。やりこみ要素は2周目以降出ないとやれない要素以外は大体やりつくしたかなと。ボリューム的にはペルソナナンバリングとほぼ同じ感じでとても長かった!
ボス戦で詰まってレベル上げした箇所もいくつかあったので、難易度を下げればもう少し短くなるのかも?それでも、60前後は優にかかりそうではありますが。作品規模的にはペルソナ5Rと五分五分くらいかなと思います。
- ペルソナ製作チームの作った新作RPG
- ペルソナのシステムをファンタジーRPGに落とし込んだゲーム性
- 重厚なストーリーと魅力あるキャラクター
- アトラスファンに向けた豊富なファンサービス要素
- 気になった点
- まとめ
ペルソナ製作チームの作った新作RPG
本作、初報はかなり古く、2016年12月に「PROJECT Re FANTASY」として発表されて以来、おおよそ8年越しでの発売となりました。あの頃はまだPS4が勢いあった時代なので、すごい期間。
特徴としては、やはりペルソナシリーズを手掛ける製作チームが作った新作RPGという所でしょうね。そのためか作品の至る所にペルソナシリーズの要素を感じられるので、実質的にペルソナ6としての側面も強く持っているかなと感じました。
ただし、それだけにとどまらず、システム的に色々な挑戦をしていたり、ペルソナシリーズ以外のアトラスゲームからの要素の流用だったり、アトラスファンに向けたファンサービス要素だったり、逆に新規層でも遊びやすいように単体で完結したりと、色々な工夫が入っていた作品でもあったのかなと。
ペルソナのシステムをファンタジーRPGに落とし込んだゲーム性
ゲームの基本的な流れの所はペルソナシリーズの形を、ファンタジーRPGに落とし込んだ形かなーと思いました。
目的の期日があって、そこまでにはコミュニティイベントを見たり、クエストをやったり、ステータス上げのための行動をしたり。メインの主目的はダンジョンなどを攻略して進めていくという形。ただし、そのまま載せただけではなくて、きちんとファンタジーな世界観に合う形に落とし込まれていたかなと思います。
その一つが、鎧戦車での移動パート。本作、進行状況ごとに拠点地が変わるんですけど、各地で街の外に出向く必要のある依頼を受けることになるんですよ。拠点地から外のダンジョンに向かうには日数を消費するので、そこらへんも考えて行動を決めていく形はオリジナリティがあって良かったかなと思います。
そんな形で旅感を強調している演出も多く、物語中、世界を周ってることを感じられるイベントがあるのも良いところですね。作中で幻想と表現されている、ファンタジックな世界観には心躍らされました。
と、こんな感じで、本作独自の工夫が色々盛り込まれているので、下記で具体的に触れていこうかと思います。
快適な戦闘
本作、戦闘システムはアトラスのRPGでお馴染みのプレスターンバトルを採用していますが、独自のオリジナリティをいくつか取り入れているのが面白く感じられました。
まず、やはり一番特徴的なのは戦闘の巻き戻し機能なのではないかと。雑魚戦闘、ボス戦闘問わずいかなる状況かでも、自分のターンが来さえすれば戦闘を開始時の状況に戻せるというのは、新しさを感じました。確率系の技とかが、このシステムのおかげでだいぶ強くなっているという独特な匙加減も魅力の一つ。
死に戻りならぬ、死ぬ前戻り!
後は目立っていたのが、相手に弱点を作り出す、というスキル。あまりペルソナ系列のタイトルだと見ない要素ですが、プレスターンシステムとしては良い追加要素で、攻略法がだいぶ広がっていた印象です。これと、合体技のジンテーゼをうまく組みあわえて、一気に大ダメージを狙えるのは爽快でした。
後半のゲームバランスは結構スキルなどもユニークで、だいぶ壊れているようにも感じるんですが、敵は敵で結構強く、難易度ハードだと通常のラスボス戦でもだいぶ辛難易度に感じたので、バランス面は結構良かったのかなと。
ジョブシステムを採用した各キャラクターの育成要素
成長要素にもアトラス系列の作品では珍しく、アーキタイプという所謂ジョブシステムを採用しているのもポイントの一つ。
各キャラクターごとに初期アーキタイプが設定されており、任意のタイミングで新たなアーキタイプを取得できるので、さながらペルソナ×ジョブシステムの重ね合わせにも感じられました。
肝なのが、一度取得したスキルは、他のアーキタイプに転職しても継承させることが出来ること。なので、強力なスキルを取得すればするだけ冒険が楽になります。
ここら辺はほか作品のジョブシステムのいい所をしっかり継承していた印象ですね。それぞれのアーキタイプに上位職のようなものも用意されていたりする所も含めて、ジョブシステムの基本を抑えた作りなのがgood!
遊びやすさを感じさせるゲーム仕様
本作、令和の作品なだけあって、至る所のシステムがとにかくユーザーに優しいつくりになっていました。
例えば日常パートでは、今なんのイベントやクエストが発生しているのか、ということをわざわざ街を周ることなく、相棒のガリカが教えてくれるので、要素の取逃しが発生しにくくなっています。コミュニティイベントに関しても、選択肢によっての好感度の差がないので、発生さえできれば必ずランクが上がるのも助かる所。
戦闘周りでは、前述した戦闘巻き戻しに加えて、レベル性のある敵はコマンドに入ることなく、フィールドでなぎ倒せますし、宝箱を開けるときやアイテムを拾うときにオートセーブ機能があるので、万が一全滅しても、ダンジョンの初めから戻されることもあまりありません。
アーキタイプのレベル上限も20設定ですが、20になった状態で使い続けても、他のアーキタイプレベル上げに使用できるアイテムをレベルアップの代わりにもらえるので、デメリットもなくと。とにかくストレスフリーな作りが至る所で見受けられました。
ペルソナシリーズのシステムをそのまま乗っけるのではなくて、現在の形に合わせて作り変えているのは好印象な所でしたね。
1周で大方の要素を遊びつくせる、やさしさのあるゲームバランス
もう一点、ゲーム仕様だけでなく、バランス自体が優しいのも特徴!
というのも、本作。普通に遊んでいれば、クエストからコミュニティイベントまで、ほぼ全てのことを1周遊ぶだけでコンプリート出来る作りになっているんですよ。できる限り1周ですべてのプレイヤーに満足してもらいたい、という心意気を感じられるゲームバランスでした。
もちろん、2周目以降にしか出現しないボスなどもいますし、アーキタイプ全コンプリートなど、やりこみ要素自体は豊富にあるので、周回要素自体はあるんですが、周回しないと見れないイベント自体はかなり少ないので、多くのユーザに大体の要素が楽しめるようになっているのが良いと思うんですよ。
後述するように、これによって気になるポイントが生まれているとは思いましたが、今の時代はこのくらいのバランスのほうが良いのかなあという所も感じられたので、ここも新しさを感じた点ではありました。
重厚なストーリーと魅力あるキャラクター
ダークファンタジーな世界観で描かれるストーリーということで、本作のストーリーは全体的に重厚な雰囲気が強かったです。だけど、内容自体は王道的なのでペルソナシリーズの流れを汲んでいる感もありました。
特徴的なのは、主人公の目的が国王を目指すために人々の支持を取り付けるという、選挙のような流れで物語が進んでいく所でしょうか。一風変わってはいますが、主人公たちが各地に赴いて、その地の問題を解決して、人々と親交を深めて、仲間が増えていく、という流れなので、王道RPGとそこまで変わりはなく。
とりわけ中盤までのストーリーは丁寧な作りで、世界各地に残る問題や事件を、ダークファンタジーらしく、えぐさやキツイ描写で演出しつつ、それに立ち向かっていく主人公たちが徐々に成り上がっていく展開はとても面白かった。後半の部分は後述するように、やや不満はありましたが、トータルで見れば悪くはなかったかな。
ストーリーの良さとしては、やはりペルソナシリーズ譲りのキャラクターの良さ、というポイントも大きいのかなと。特にメインパーティーのバランス感にこだわっている印象で、組み合わせがいい感じ。コミュに恋愛の要素が薄いのもあって、ペルソナとはまた違った雰囲気があるのがいいですね。
例えば、恒例の親友枠のストロールに関しても、過去のペルソナ親友枠からの改善も兼ねたキャラクターに仕上がっていて、面白かった。勢いで突っ込んでいく参謀役、嫌いじゃないぜ。
ネタバレになるから言いにくいけど、最後から2番目に加入するキャラが一番好き。
アトラスファンに向けた豊富なファンサービス要素
最後に触れなければならないのが、アトラス作品ファンへのファンサービス要素。ペルソナシリーズのチームが作っているので、ペルソナシリーズのファンサービス要素がある、というのはたぶん発売前に誰でも想像できたことだとは思うんですが、それ以外のアトラスが作った色々な作品のファンサービス要素が細部にちりばめられていました。
例えば、主人公のパラメータ成長要素に関しては、ペルソナシリーズでは見られない、女神転生シリーズでよく見るステータス形式になっていますし、ダンジョンから一瞬で脱出できるアイテムとして「アリアドネの糸」という世界樹シリーズで登場するアイテムがあったりするんですよ。
個人的に一番驚いたのは中盤のダンジョン「竜宮神殿」です。事前情報を知らずに内部にたどり着いたので、初見時は「えっ?」って口に出してしまうくらいの衝撃がありました。
あの作品、遊んでいて良かったなーと思ったよね。
このように、単にペルソナを遊んでいる人向けという訳ではなくて、アトラス作品全体で入れてくれた所が、色々な作品を遊んできたぼくにとってはとても嬉しく感じられた所なのでした。ある意味、アトラス的にもこれまでの作品を振り返る、みたいな想いがあったのかもなーとも感じましたね。
気になった点
いまいちな後半のストーリー
本作、一番気になったのは後半のストーリーの出来です。前述したとおり、前半はかなり丁寧な作りで、世界の謎や各キャラクターそれぞれの目的などを明かしつつ、各街を旅していく内容が描かれていたのですが、
ある場所でのイベントから一気に物語は急ピッチに進んでいった印象です。そしてそこの部分が残念ながらあまり出来が良くない。展開が早すぎて、ダイジェストみたいになってしまっていました。
おそらく、製作過程でいろいろあって、展開の変更や削除されたダンジョンなども伺えるところではありますし、それがあっても非常に長いストーリーなので、意図が分からないわけではなかったですが、せっかく前半で描いてきた、おいしい設定を雑に投げ捨ててしまっている感が強く、ガッカリ感がすごかった。
三つ巴をうまく描くのって難しいのかなあ...。
ここら辺をきちんと描いてくれれば、文句無しだったんですけどね。いいシーン自体は多いと思うので、本作のストーリー、決して嫌いではないけれど、じゃあ名ストーリーかといわれると、ここら辺の展開が頭をよぎってしまうので、なんともって感じになってしまっている感は否めません。
ジョブ性とペルソナ式加入システムの噛み合いの悪さ
本作のジョブ性。システムの試みとしては面白いと思うし、好きではあるんですけど、一方で気になる点もありました。それは、後半に加入してくるキャラクターが育成しにくくなってしまっている点です。
本来、ジョブを採用するゲームは、加入キャラクターは初期固定にするか、精々序盤にまとめて加入して一律で育て方を選んでいく作りになると思うんですが、本作の場合は加入の方法が従来のペルソナ式と変わりないため、だいぶ遅れて加入してくるキャラクターも多いんですよね。
遅れてくるキャラクター自体も、最低限必要なスキルを取得して育成することは可能なんですが、結構無理なレベル上げを試みないといけない感覚もありましたし、初期のように、試行錯誤で色々なジョブを試す余裕はなかったので、そこらへんはもったいなく感じました。
遅れてくる場合は、一定基準のスキルポイントをもった状態で加入とか、そういうのがあっても良かったかな。後はあるいは、スキル振りはいつでもリセット可能、とかだとより面白かったかも。
プレイヤーごとの違いが出にくいゲームバランス
本作、前述したとおり、どの要素も遊びつくしてもらえるように、ユーザーフレンドリーな作り、バランスにしよう!というメッセージは伝わってくる内容で、それ自体はすごい良かったと思うのですが、
一点もったいない所があるとしたら、プレイヤーによってゲーム進行に違いが出にくい所になるでしょうか。例えばペルソナであれば、誰のコミュニティをマックスにした、だとか、誰を恋愛相手に選んだとか、そういうプレイヤーごとの進行の違いが出てくると思うんですが、
本作のゲームバランスの場合、よっぽど下手な進行をしない限りは、誰が遊んでも同じようなゲーム進行になるだろうなという感覚が強かったです。なので、ペルソナシリーズ由来の他のプレイヤーの進行を見れる機能も、あんまり活きている感じはなかった。
最初に本作の情報を見た感じでは、もう少しプレイヤーごとで進め方が変わる自由度の高い作品なのかな?という捉え方をしていたので、そこはやや拍子抜けではありました。
まとめ
以上、感想でした!濃い作品だったので書くこといっぱいありました。まだまだ書き残している要素やシステムもあるけど、ピックアップしたかったのはこのあたりかなと。
総じて、これまでのアトラス作品の色々拾い上げた集大成的な側面と、それらとは全く違う作風を描いた新規作という二軸で出来た、とても良い作品だったかなと思います。
気になった点にも書いた通り、いくつかマイナスポイントはあったので、今年のベストゲームとまではいかないけれど、ペルソナのナンバリングクラスには楽しめたかも。ファンサービス要素に関しても、これまで色々なアトラス作品追ってきて良かったなと感慨深くなりました。
今作で追加されたシステムのいくつかは、おそらく出るであろう次のペルソナのナンバリングにも引き継がれそうな印象を受けたので、そういった意味でもアトラスの作品の進化が楽しみになりました。
ただ、今後の展開は若干気になる所で、本作をシリーズとして展開していく形にするのか?という所ですよね。ペルソナは切れないと思うので、新しい柱としてやるにしても、製作工数重そうできついんじゃないかなーという気もしており。一発限りの作品となる予感もありますが、今後に注目していきたい所ですね!