先週からサマポケロスにうめいて、結局ドラマCDを買ってしまいました。
まんまと乗せられていますね…。まだ聞いてないのですが、これを今週の楽しみにしようっと。
さて、先週予告していたSummer Pocketsの感想記事です。
本作のプレイ時間は25時間程度でした。多分30時間に近い25時間なのでノベルゲームとしては、まあまあボリュームがある方だと思います。
ルートとしては4ヒロインルート+2ルートで6ルートという、表現が正しいんでしょうかね。
ゲームとしてはほとんど読み進めるだけのゲームで、そこら辺は基本的に美少女ゲームという感じでした。
まあゲームならではの表現をシナリオで行っているので、そこは上手いと思いましたけど。
夏休みというテーマにした作品
今作はとにかく「夏休み」というのがまず前提にある作品でした。
舞台は孤島で季節は夏休み。その中で夏らしい虫集めや水でっぽう、探検やお祭り、駄菓子屋、海岸での水遊び、お泊り会など、
とにかく子供の頃を思い出す夏休みらしいイベントを全て盛り込んで、各ヒロインに充てたような、そんな作品でしたね。
子供の頃の夏休みって正にずーっと続くかのような楽しげな日々ですが、本作はそこに重点を置いたストーリーになっていました。
後半~終盤の展開はやっぱりkeyらしいというか、そういう展開になっていくんですが、
そうなっても本題である夏休みの意味というか、役割が変わることは無いのでそこは最後まで一貫していてとても良かったと思います。
もっと見ていたくなる島の日々
そんな夏休みをテーマにした本作ですが、舞台となる島を初めとした全体的な雰囲気は抜群に良かったです!
舞台の鳥白島はとにかく夏らしさに溢れた島で、モデルとなった島にも行ってみたいなって思ってしまうくらい。
また登場するキャラクターも素晴らしかった。
メインルートの感想は後述しますが、ヒロインだけでなくサブキャラクターも非常に魅力的に仕上がっていてもっとこのキャラクター達との日常が見たいな、と感じられるほど。(特にこの3人がいい味出しているんですよねー。)
そのため、ゲームクリアしてしまった時の喪失感は中々の物でした。
総じていい世界をつくったなーという印象です。
各ルートの印象
さて、ルートに対しての感想も書こうと思うのですが、裏2ルートはどう書いてもネタバレになってしまうので個別4ルートだけ書こうと思います。
ちなみにぼくは鴎→紬→蒼→しろはの順番でプレイしました。
しろはルートは裏とのつながり的に最後が良いかなーという感じで、蒼ルートも設定的に紬、鴎の後の方が良い感じ。
まあ他2人はどっちでも良いかなーという印象でした。
鴎ルート
という訳でプレイした順に紹介しようと思うんですが、鴎ルートは全体的に冒険というテーマを強く押し出した物語でした。
夏と言えば、船、海賊船!子供時代を思い出すそんなロマンを見つけに行くというテーマはとてもワクワクする内容で、懐かしいなぁと感じられました。
ストーリーとしては先が見えない展開と、ミスリードが非常に上手くて面白いなと感じた一方で
ヒロイン力が他ヒロインに比べて圧倒的に足りないのと、ラストのフワッとした感じがあんまり好きじゃないかなぁという印象でした。
まあ多分そこら辺は狙って作っている気はするんですけどね。
もちろんキャラとしては好きなんですけどね。
鴎は他ルートでも割と良さが見えるキャラクターだったので、そこは良かったなと思いました。
紬ルート
次は紬ルート。このルートはとにかくヒロイン力全開のルートでした!
鴎ルートの次にプレイすると落差に驚くこと間違いなし!
クリアしてからしばらくむぎゅという言葉が頭を離れませんでした。
ラストはとても感動的なんですが、中盤辺りで何となく結末が見えてしまうので、ちょっとそこからの展開が冗長に感じてしまった部分があったかなと。
静久というキャラクターもいい味を出していたし、最後の方の全イベントをやるみたいな発想も好きなんですが、ちょっと長かったかなという印象もあって、そこはちょっと惜しかった。
後、このルートは全体的に説明が足りていなくてそこら辺のフワッとした感じもkeyらしいなって思いました。(いい意味でも悪い意味でも)
蒼ルート
次に蒼ルート。
蒼ルートは個人的にコンパクトにまとまっているという印象でお気に入りのルートです。
ギャグもヒロインもできる蒼のキャラクターも好きなんですが、記憶と蝶の設定の使い方も面白くて、先が気になる展開でした。
日常パートでの伏線もうまく回収していて感心しましたね。
長さもあんまり長くなく、ややコンパクト気味ではあるんですが、蒼の想いの強さが見れる最後の記憶に触れるシーンは個人的に今作で一番響いたシーンでした。
終盤で登場するあのキャラクターもいいキャラだけに、仕方ないとはいえ他のルートで全く姿を見せないのがもったいない…。
しろはルート
最後にしろはルート。
メインヒロイン感出しているなーと一目で感じたので、最後に回しましたがまあよかったかなと思います。個人的には困り顔が好き。
このルートはしろはルートでもあるんですが、どちらかというと裏の2ルートに繋がる内容になっていて、その為の伏線ルートという作りになっていました。
そのため話自体はややあっさり気味で、他3つを先にプレイすると、あれっこれで終わりかと思ってしまいましたね。
ただ全体的に良一や天善、のみき辺りが他ルート以上に、多く登場するルートなのでそこら辺は魅力的でした。
特に終盤の男組のかっこよさは必見でしたね。
しろはというキャラクターは裏2ルートまでプレイして、とても完成度の高いキャラクターだなと感じました。
色々と詰め込まれたキャラクターだなと思いましたが、何より優しさが第一に出てくる、テーマ曲ともピッタリ合うキャラクターで、人気が出るのも納得です。
素晴らしい音楽
今作、全体的に音楽が素晴らしかった印象です。
keyの作品をゲームでやるのは初めてだったんですけど、こんなに音楽のクオリティ高かったんですね。
Sea, You & Me、蝉声とともに、夏休みの過ごし方、辺りが序盤から耳に残っていましたが、とにかく色々な曲調で夏を表現しているのが凄いと思いました。
各ヒロインのテーマもキャラクターにぴったり。
後半に進むにつれてシリアスな曲が増えていきますが、そこも抜群のクオリティ。
特にTwinkle of Alcorは聞くだけで来るものがあるなーって。
オープニングのアルカテイルも凄いいい曲で全体的にハイクオリティでしたねー。
間違いなく本作の価値を上げるのに一役買っていると思います。
しかしオープニングの映像は今みるとネタバレの嵐ですね…。
プレイしなければ分からないと思うだけに上手い作りになっています。
気になったこと
一方で気になった事も存在しました。
これはまとめて一言で総括できるんですが、全体的に描写が足りません!
設定をきちんと多分考えているんだろうなってところも、はっきり描写されないのでそれが正しい解釈なのか分かりませんし、そもそも説明不足過ぎてフワッとしている部分も多数あります。
keyらしいと言えばそうだし、そのフワッとした感じも、良い味を出していると言えば否定はできませんが、ちょっとさすがに説明が無さ過ぎた。
個人的には個別ルートで残った伏線を、裏で一気に回収していくんだろうなと思っていたのですが、裏2ルートはほとんどしろはルートの続きみたいな感じの内容だったので、他ヒロインルートで残った謎が一切説明されないのも不満でした。
グランドエンディング、あれはあれでとても感動的なんだけど、見たかったのとはちょっと違ったかなーというのもありますね。
快適にプレイできるSwitch版
さてSwitch版の違いですが、ほとんどオリジナル版と変わる所はないと思います。
CGの規制が云々でちょっと話題になっていましたが、あのシーン以外には規制は一切なし。
あれもCEROを考えると妥当な処置でしょう。
Switchらしくタッチ機能対応、万能なスキップ機能、快適なセーブ&ロード。
ADVゲームとして必要な要素は完備しており非常に快適でした。
今作はずーっと寝転がってプレイしていたんですがすっごい楽にプレイできましたよ。
これだからSwitchのADVゲームはやめられん…。
まとめ
とこんな感じでした。後半のシナリオ面での不満はある物の、全体を通してみるとその世界観には見事に魅了されてしまいました。
もっとシナリオを見ていたいのに、クリアしてしまった時は、何かを失くしてしまったかのような喪失感を覚えてしまいましたからね。
引いて計算するとそうでもないけれど、足して計算していく方式だと間違いなく高評価になるような、そんなゲームでした。
Switchではあまり他にないタイプのゲームであることは、間違いなく、美少女系のADVゲームの中でもよく出来た方だと思うので、気になる方はプレイしてよいと思います!
丁度これから夏に入りますし、夏をゲームで体験してみたいな人にもおススメですよ!