3週連続で感想記事をあげたので、来週以降にあげる記事のストックがこれでなくなりました。
とりあえず今週は新作を2本買うし、それ含めて色々書く記事でも上げようかな。
さて、今回は「ATRI -My Dear Moments-」の感想記事を。先月発売されたSwitch版※をプレイしました。
プレイ時間は11時間前後。価格が2000円台なのもあって短めです。短編ADVみたいな立ち位置になりますかね。
※本作、Win版が2020年に発売されてい ます。2021年の12月にSwitch//Android/iOS版が発売。
元々プレイしたかったPCゲーム
本作、発売元はアニプレックスなんですが、製作は枕×フロントウィングという、所轄18禁ゲームに定評のあるメーカー2社による作品となっています。(本作は全年齢対象作品。)
元々はDMM,Dlsite,Steamで配信されていたんですよね。
個人的な話になりますが、実は本作、元々PC版発売時から注目していたタイトルだったんですよ。
と、いうのも2020年の7月にPC買い替えした際に、当時、PCゲームを何かプレイして見ようかなーと考えていてその時に偶々見かけた作品だったんですよね。
結局DMM Gamesで体験版がエラー落ちしまくってしまって、断念したという感じだったんですが、1年半経ってようやく遊ぶ機会が来ました!
ということで、本作のSwitch版の発売を知ってひそかに喜んでいたのでした。
短くまとまったSF系の美少女ADV
そんな本作の内容ですが、SF系の美少女ADVゲームに仕上がっていました。
一言でいえば王道の泣きゲー。
美少女ゲームに定評がある両者の製作ということで、序盤から繰り広げられる安定感のあるラブコメ、ヒロインの魅力的な描写と共に、SFでシリアスな設定を見事に融合させている、という部分が最大の魅力なのかなと。
内容はひと夏が舞台になっていることもあり、10時間程度で見終わるくらいのコンパクトな内容。
ただし無駄を省き、必要な部分はほぼ完ぺきに描き切っています。
サクッとプレイできる割には充実した物語を体験できるので、体験的なコスパは中々良かったのかなと。
そんな本作の魅力を以下で説明していきます!
美しい世界観
本作、海面上昇した近未来が舞台となっているのですが、設定上、今まで地表だった所が海面に沈んでしまっているんですよね。
それ故かロケーションに海の要素が強く映り込んでいて、絶望感がありつつもとても美しかったです。
特に印象的なのは、物語中定期的に海の中に潜水艇で潜るんですが、その際に差し込まれる沈んだ街の描写。
とても幻想的で。ビジュアル自体の質の高さもさることながら、沈んだ世界というのをどう魅せるのかという部分にこだわりを感じられました。
BGMもあっていて、綺麗なんですよねえ。
少しずつ、終わりに向かっている感じがありつつも、儚く、黄昏ている雰囲気に魅了されてしまいました。
海って、美しいなあ
緩急ある物語
ストーリーは面白かったです。
作品がコンパクトな分、あまり長くはないのですがその短い中で色々なイベントが詰め込まれていました。
特に、緩急の付け方が良かった。
前半はとにかく美少女ADVとして、主人公とヒロインが交流を深めていく、明るい内容なんですがある場面を起因として、ガラッとシリアスな雰囲気になるんですよ。
それも急な内容転換という訳でもなく、序盤から丁寧に伏線描写を引いた上での描き方なので、構成の妙を感じました。
後から前半部の読み返したくるような、そんな魅力もあったので、良い仕掛けだったのかなと。
まさか、あんな展開になるとは!?
魅力あるヒロイン、アトリ
ヒロイン「アトリ」のキャラ付けも素晴らしかった。
アトリは設定としてはAIロボット系ヒロインなんですが、とにかく表情豊かなキャラで、動き回る姿が赤尾ひかる氏の演技ともとてもマッチしていて、見ていて楽しかったです。
ポンコツ系かと思いきや、それだけでない色々な要素を兼ね備えており、特に物語中盤以降に見せる様々な姿はとても印象に残りました。
AI系ヒロイン、今では数多くの題材に扱われているので、それ自体に新鮮味はありませんが、こういう人間的魅力を強調しているキャラはそこまで見ないので、キャラ付けは結構個性的だったのではないかと。そこが良かった。
彼女と主人公の関係性、序盤から最後まで、とても丁寧でしっかり描写されていたので、満足できました。
その他、メインキャラクターは全部で6人くらいしかいませんが、いずれもストーリー中に掘り下げられているし、見せ場もあるので、きっちり魅力的に描かれていた印象です。
良くマッチしている音楽
音楽面も良かったと思います。
海中探索時に流れる「海中都市」は非常に美しく幻想的で、世界観をよく表現できていると思うし、「こんにちは太陽」「黄昏期の風景」辺りのカラっとした雰囲気は,夏が舞台な本作の内容にも良く合っていたなと。
後はオープニング「光放て!」も好き。単曲としてもかっこいい一曲なんですが、クリアしてから聞くと、とても歌詞が響きます。
豪華なキャスト陣とアニメーションPV
本作、ロープライスでコンパクトな割に、声優陣が異様に豪華です。
メインキャラはほぼ全員有名声優さんなので、質の高い演技が楽しめる、という点では良かったですね。
また、宣伝PVアニメーションに関しても最近名を上げている「CloverWorks」による質の高いものが、3つも公開されており、異様に力が入っていました。
ここら辺の、ロープライスに似合わぬリッチな所は、発売元がアニプレックスなのが関係しているのかな。
いずれにせよ、見栄えは大変良かったかなと。
気になったこと
遊ぶ要素はほとんどなし
本作、ADVらしく一応選択肢を選ぶ場面が存在しますが、分岐らしい分岐はほとんど存在せず、実質的な分岐は一つのみでした。
ロープライスなのである程度は仕方ないですが、ほぼ読むゲームとして割り切った方が良いのかなと。
主人公にボイスがない
もひとつ。主人公にボイスが無いのがもったいない!
本作の主人公、クールに見えてかわいい部分も多く、中々魅力的に仕上がっていたので、ボイスも欲しかったです。
やっぱりこの手のゲームは主人公にボイスが無いゲームも多いんですが、個人的には、仮に1人称視点だろうが、主人公自体の描写もしっかりやって欲しいなと思っているので、ちょっともったいなく感じてしまいました。
まとめ
と、こんな感じですかね。
ボリューム自体は価格相応である物の、それ以外の点に関しては、かなり力が入った作品だったのかなと。
お手軽感覚でサクッと楽しめるので、久しぶりに王道の泣きゲーADVやりたいなあ、と感じている人や、ADV初心者の方なんかにもおススメできます。
PVやデザインの雰囲気に惹かれた方は是非プレイして見てください!