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【レビュー】ペルソナ3 リロード【感想】遊びやすくなって帰ってきた、「死」をテーマにしたペルソナ3作目!

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どうも、ば~んです。


今回は「ペルソナ3 リロード」の感想記事です。

プレイ時間は89時間超。エンディングまで合わせるとジャスト90時間くらいかなと。プレイ状況としては一周だけして、全コミュニティとリンクエピソードはギリギリ制覇。やり込み要素関連はぼちぼちといった感じ。

元々ボリュームのある作品ではありましたが、諸々の追加要素も合わさり、ペルソナ5と匹敵するほどの長さになった印象です。お腹いっぱいでした。

のゲームのポイント!・ペルソナ3をペルソナ5に近い形で完全フルリメイク。
・やや明るくなったが、ペルソナ3らしい独特な空気感は健在。
・あくまでオリジナル版のリメイクなので、後続作品の一部要素は未収録。

 

現代によみがえったペルソナ3の完全リメイク

本作は2006年に発売された「ペルソナ3」をフルリメイクした作品になります。


遊び感覚としてはペルソナ5にかなり近い仕上がりで、公式もそう謳っているので、実質ペルソナ5版ペルソナ3という認識でよいかと。グラフィックの質感なども含めて、かなり似通っています。


ストーリーや戦闘、キャラクターといった基本的な要素は踏襲している物の、様々な要素を現代水準にし遊びやすくしたので、作品としての敷居はぐっと低下。発売時期もあって、オリジナル版はピーキーな仕様が目立っていたのですが、そういうのもかなりマイルドになっています。


また、ストーリーの一部の演出や、キャラクターとのイベントが追加されたことで、雰囲気も4や5にやや近くなった印象なので、他シリーズファンでも楽しみやすくなったのではないかと。

個人的には、ペルソナ5と並んでペルソナシリーズの入門編におススメできる内容かなと感じられました。そんな本作の魅力を下記で紹介していきます。

一新された美しい映像表現

まず、最初に上げたいのがリメイクとして一新されたグラフィック面です。オリジナル版はPS2で発売されたということもあり、細部の表現の描写は浅く、ポータブル版に至っては止め絵で表現されていたということもあり、ある程度脳内で補完する必要があったんですよ。


本作はその部分は、しっかりと描いているので、これまで想像で感じてきた世界をより鮮明な映像としてインプットすることが出来て感動しました。特に四季の描写を重視している印象で、物語としての1年を体感しやすかったです。


その恩恵は学園生活のみならず、タルタロスの情景にもあり。淡々としていたタルタロスがより不気味に、それぞれの層の違いが強調されてたデザインになっていて、だいぶ印象が変わりました。BGMも併せて緊迫感が凄い…。

洗練されたゲームとしての遊びやすさ

次にあげたいのがリメイクとして洗練されたゲームデザイン。オリジナル版は発売された時期の関係もあり、何かと不便な仕様が目立つ作品でした。

例えば、タルタロス攻略を進めていると体調という要素によって複数日に分けての攻略を迫られることとか、タルタロス自体がかなり単調だったりだとか、コミュニティ周りが不便だったりだとか。これらが洗練された4、5と繋がっていったので妥当ではあるんですけどね。


本作はそういった不便さを極力排除し、5とそん色ない遊び方が出来るように変化しました。タルタロスはほぼ1日で登り切れるようになったので、コミュニティも快適に進められるし、人間ステータスも上げやすくなったので、緩く気楽に遊べるようになりました。


いかんせんタルタロスの遊び方に関しては人を選びそうですが、モナドの扉やイベント追加によって、単調さもいくらか改善された印象です。ペルソナ5と違ってギミックダンジョンがない分周回もしやすいので、一長一短かなと。

仲間キャラクターの魅力を加えるリンクエピソードの追加

追加要素で言うと、リンクエピソードの追加もポイントの一つ。3って仲間キャラクターとの仲が悪い、って評されることが多いんですが、その一端が仲間の男性キャラクターとのコミュニティがないことにあったと思うんですよね。


その改善策なのか、本作は今までコミュがなかった男性メンバーを中心にコミュニティ要素として「リンクエピソード」という会話要素が追加されました。


このおかげで、パーティー感がオリジナル版よりも増しているし、キャラクター補完としても丁寧な描き方をしていたので、良い要素だったと思います。個人的にはコロマルエピソードが地味だけどいい話でちょっと感動してしまった。

 

コロマル可愛いよね♪

 

遊びやすくなり、戦略性も増した戦闘

戦闘に関しては、基本的な要素はそのままにいくつかの要素が追加され遊びやすくなりました。


個人的に良いと思ったのは「シフト」と「テウルギア」。シフトはペルソナ5のバトンタッチのように、1moreアクションを発動させた際に行動権を他キャラに譲渡できる内容。戦略の幅が広がるので、よい追加だったのかなと。


テウルギアは各キャラクターの持つ、所謂必殺技のようなものですが、それぞれ性質に特色があって、誰をパーティーメンバーに加えるかの個性付けにもなっているのが面白かったです。演出もカッコよく、それぞれのペルソナも印象に残りやすい。

元々ペルソナ3の戦闘はシンプルなプレスターンバトル、という感じでしたが、これらの追加要素によってだいぶ戦略的要素も増し、今遊んでもそれなりに楽しめる内容になったなと感じられました。

 

でも、難易度ノーマルはちょっと簡単だったのでハードでも良かったかな…。

 

フルボイスで表現されるコミュニティイベント

コミュニティがフルボイスになったのも大きなポイント。もともとペルソナ3はストーリーシーンはボイス有りだったものの、本作はそれ以外の様々なイベントもボイス付きになりました。

とりわけ、コミュでのサブキャラクターはボイスが付いたことで、キャラクターとしてより生き生きしていて、どんなキャラなのかプレイヤーも掴みやすくなった印象です。


内容として面白く感じたのはやはり「太陽」コミュの神木。彼のコミュはペルソナ3のテーマそのものだなと感じられたので、読破必須だなと。人が何のために生きるのか、というテーマはメインストーリーにも深く通じていて、遊び終わった時の感触に響きました。



後は、文化祭のイベントとかフルボイスになってて面白かった。友近のバカやってる友達感もいいし、千尋と結子も魅力増しましたよね♪。こういう何気ない日常シーンもペルソナ3の醍醐味なので、フルボイスで臨場感が増しているのは良かったと思います。

ゲーム内要素の理解につながるオンラインシステム

後は、オンラインを活かした追加要素。ペルソナ5 ロイヤルからの逆移入ですが、他のプレイヤーの行動が日時で見れるようになりました。


これ、地味に見えてかなり便利なシステムで、取りこぼしが極力なくなるような手助けになっているんですよ。本作、というかペルソナはその日にしかできないイベントがそこそこあるので、確認しておけば探し損ねても気づくことが出来ます。

タルタロス攻略のタイミングとか、なんとなくみんなの感覚を見ながら遊び進めることも出来るので、初心者向きなシステムでもありますし、ペルソナとはよくマッチしてていいシステムですよね。今度出るリファンタジオとかにも入るんだろうか?

死をテーマにした、重いストーリー

メインストーリーは面白く感じました。「」をテーマにしているだけあり、後続の4や5と比べても一際重さと暗さを兼ね備えた内容ですが、かといって決して後ろ向きなのではなく、辛い現実の中で前を向いていくキャラクターたちの姿が描かれています。


死とはどういうことなのか、人はなぜ死に立ち向かわなければいけないのか、生きるとは何か。学生が背負うにはあまりに重いテーマですが、だからこそ青春シーンとの対比が趣深く。限られているからこそ、今しかないからこその輝きという描写は、非常に綺麗でした

 


作中、仲間キャラクターたちが見せるギスギスした雰囲気や、マイナス面の感情が揺さぶられるシーンなど、ペルソナ3らしいシーンは賛否ありそうですが、キャラクター面のフォローや演出力の向上である程度緩和されたのかなと。

終わり方を含めて、本作を唯一無二の作品に仕上げている要素でもあるので、気になる方は是非遊んで体験してほしい!

耳に残るサウンド

ペルソナ3といえばお洒落なサウンドも作品の顔の一つ。リメイクとしては、過去作のP4G辺りの形が近く、オープニングと新規の通常戦闘曲を追加し、既存曲をちょこちょことアレンジした王道の仕上がりでした。

ボーカルが川村ゆみさんでなくなったことは賛否分かれる所でしょうが、個人的には今作のボーカルも作品にはよく合っていたかなと思います。


曲として好きなのは、新OP「Full Moon Full Life」、新規の通常戦「It's Going Down Now」、ポータブル版の頃から好きだった「Master of Shadow -Reload-」、ラスボス戦の「全ての人の魂の戦い」辺り。

特にラスボス戦曲は、ポータブル版を遊んだ当時も存在を知っていて、いつかゲーム内で聞くのが人生の目標の一つだったので、実際に聞けたときはめっちゃ感動してしまいました。演出と併せて、最高のラスボス戦として記憶に刻みましたよ。

この曲は色々ズル過ぎる!

 

気になった点

ペルソナ3特有の暗さが若干薄れた感じがある

本作、リメイクとしては非常に高品質だったんですが、気になる点としては、若干オリジナル版の暗さが弱くなってしまったと感じる部分がいくつか見受けられること

例えば、イベントが追加された分仲間キャラクターたちとの距離は近くなりましたが、その分ペルソナ3らしい、暗めな人間関係という雰囲気は弱くなりました。

グラフィックもくっきり描かれているシーンが多いこともあり、影があり不穏な描写が多かったオリジナル版の空気感はやや変わってしまったシーンもいくつかあります。

もちろん、リメイクされて良くなったことは多々あるので、それに比べれば些細なことではありますが、作品全体に漂うくらいオーラも、ペルソナ3の一つの特徴ではあったので、そこが弱くなっているのはややもったいなくも感じました。

今見ると若干気になる部分のあるストーリー

メインストーリーに関しては前述した通り、面白いとは思います。ただ、終盤の良さが引き立っているのはそのままな一方で、パーティーメンバー間での役割の部分とか、いまいちすっきりしない展開があったりすることだとか、改めて見返すと気になる部分もちらほら。メインヒロインの露骨な交代ムーブとか…。


これは本作というか、オリジナル版が持っている課題なので、忠実に再現したのであれば仕方ないことですけどね。しっかりとしたストーリー演出になった分、若干気になる点が見受けられるようになった印象もありました。

あくまでペルソナ3オリジナル版のリメイクという体を取っている

本作はペルソナ3のリメイクということなので、FESやポータブルで追加された要素は収録されていません。

ポータブルに関しては、まあ追加手間がえぐそうなので仕方なさそうですが、FESのエピソードアイギスに関しては入れた方が良かったのではないかと思いました。

というのも、前述した「死」をテーマにした話。あれは残された者たちの視点を入れて完成するように作品遊んでも感じたので、そういう意味でも必須の内容だったと思うんですよね。

オリジナル版のリメイクとして、というのも分からない話ではないですが、せっかくのリメイクだったのだし、ファンサービス要素満載だと、より良かったのではないかと思います。まあ、後で完全版が発売される可能性も否定はできませんが、アトラスだし…。


(3/8 追記)
と書いていたら、早速エピソードアイギスが追加コンテンツとして発表されましたね。リメイクだし、最初から入れてくれても良かったんじゃないかなーと思うものの、完全版ではないからまだ良かったかな…。そちらもプレイはする予定なので楽しみではあります!

まとめ

以上、感想まとめでした。リメイクとしてはかなり高水準にまとまっており、ファン待望の形で見事に再現してくれていたのではないかと思います。このくらい丁寧に作ってくれるのであれば4のリメイクも見てみたいくらい。

今新しくペルソナを遊ぶのであれば5Rか、本作か。そんな択になるのではと思いました。なので初心者にもおススメ!

個人的にも、3はポータブル版を1月まで遊んだのに積んでしまったのが、10年くらい心残りだったので、それとようやく決着をつけることが出来た意味でもスッキリ楽しめました。

9月にエピソードアイギスも来るみたいなので、それも楽しみです。そちらもプレイしたら別記事で挙げる予定!