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【レビュー】アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉【感想】落ち着いた雰囲気のミステリーが楽しめる、謎解きアドベンチャーゲーム!

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どうも、ば~んです。

 

今回は「アナザーコード リコレクション:2つの記憶/記憶の扉」の感想記事です。

プレイ時間は22時間ほど。2つの記憶が10時間、記憶の扉が12時間くらいでした。謎解きがメインなのでそれにどれくらい詰まるかによって、クリア時間が変わってくるかも?ぼくは2つの記憶の方が詰まってしまって長くなってしまいました。

単体として見ると物足りないですが、2作セットなのでアドベンチャーゲームのボリュームとしてはぼちぼち程度なのではないかと思います。

 

のゲームのポイント!謎解き、探索がメインの3Dアドベンチャーゲーム。
・激しい展開は少なく、落ち着いた雰囲気のミステリーが楽しめるストーリー
・よくも悪くも淡々としているので、人を選ぶかも。

DS、Wii時代のアドベンチャーゲームのリメイク

本作は2005年にDSで発売された「アナザーコード 2つの記憶」と、2009年にWiiで発売された「アナザーコード:R 記憶の扉」の2作をフルリメイクした作品になります。


特徴的なのが、リマスターではなくリメイクである部分で、オリジナル作品のストーリーや世界観は残しつつも、システムの方は今風に併せてガラッと変更。キャラデザも変わりましたし、ボイスも付きました。


元々オリジナル版はそれぞれDSやWiiの機能を活かして作られた作品という背景もあり、今作はそれらの要素をちょっと削って、オーソドックスに遊べるアドベンチャーゲームの形に仕上げた印象でした。なので、オリジナル版ファンにはちょっと賛否あるのかも。


内容としては、謎解きをメインにストーリーを追っていく3Dアドベンチャーゲームになっています。2つの記憶は洋館を探索しながら謎解き、記憶の扉は色々なキャラと会話しながら謎解きという感じで、2作品違った雰囲気を楽しめるのも特徴的。

以下では、そんな本作の魅力を、両作品別に紹介していきます。

少し懐かしい雰囲気の洋風ミステリーな「2つの記憶」

まずは1作目の、2つの記憶から。こちらは、ちょっと懐かしい洋風なミステリーっぽい雰囲気な仕上がりでした。主人公のアシュレイが、父親を追って館を探索していく、そんな物語。


ミステリーと言っても、殺人事件などを追うような作風ではなく、ノスタルジックな雰囲気のある洋館を、じっくり探索していく、落ち着きのあるミステリーという感じでしょうか。

BGM含めて、2作目に比べてもかなり雰囲気面の作り込みを大切にしている印象の作品で、その美しさは一見の価値があると思います。

じっくりと探索できる感覚が楽しい

2つの記憶の良さは、探索面の楽しさ!ストーリーの途中パートでは比較的洋館内を自由に探索することの出来る章があり、部屋を廻って謎を解いていく感覚が、探索的にも推理的にも楽しかった。


洋館内には多彩なオブジェクトが用意されており、それぞれ細かく調べることも出来るようになっています。幻想的な雰囲気のBGMが流れる中で、洋館をじっくりと探索していく独特な雰囲気は他のゲームに無いものを感じられました。


随所随所で挟まれる謎解き要素に関しても、結構作りが凝っていて。例えば、他で写真を撮ったうえでそれを観ながら解かないと解けないような謎もあって、ちゃんと考える必要があるんですよね。


難しいんだけど、かといって理不尽と言えるほどのものではなく、解けるとすっきりするような、頭の体操感覚で楽しめるので、ぼくは楽しんでプレイできました。

上手く解けた時のスッキリ感が気持ちいい!

 

もし、詰まってしまっても、ゲーム内で解答を教えてくれる便利な機能もあるので、そこは初心者の方でも安心してプレイできるかと!


そうそう、これは記憶の扉もそうですが、収集アイテムが用意されているので、探す楽しみがあるのも良かったですね。部屋はあらかじめ開示されているので、取り逃す心配はなく、いい匙加減だったのではないかと思います。

雰囲気はいいが、コンパクトで動きの少ないストーリー

一方でストーリーに関しては、とにかく雰囲気は良かったです。


古い洋館を相棒キャラのDと一緒に探索し、過去の事件の真実を追っていくゲーム体験は、何とも言い語い絶妙な趣があって、ついつい遊び続けてしまう魅力がありましたし、最後の展開もとてもきれいにまとまっていて感動的でした。


一方で、全体的にとにかく登場人物が少なく、起承転結もあっさり気味でかなりコンパクトな内容です。これはこれでいい所もあるんですが、一部回収されない伏線もあったのでちょっとモヤモヤ。まあ、大体次作の記憶の扉で分かったので良いですが

あくまで、雰囲気や空気感を楽しむのであれば十分満足できるとは思いますが、本格的ミステリーを期待するとちょっと肩透かし感はあるかも。

湖畔で描かれる群像劇的ストーリーの「記憶の扉」

続いて、2作目の記憶の扉。こちらは、1作目から打って変わって、湖の湖畔で描かれる、色々なキャラクターの群像劇的なストーリーに仕上がっています。舞台も一気に郊外になったので、開放的。


他の作品で例えると、ライフイズストレンジに近いものを感じました。あそこまで暗くないけど。なので、ああいう雰囲気が好きな人には刺さりそう。



どちらかというと、こちらの方がボリュームがあるのと、オーソドックスなアドベンチャーゲームっぽい内容なので、個人的にはこっちの方が好きですが、どちらにも良さがあるとは思います。

色々なキャラクターと交流しながら、真実を追っていく楽しさ

記憶の扉の楽しさは、色々なキャラクターと交流しながら真相を追っていくゲーム展開!


2つの記憶が限界までキャラクターを少なくしている反動なのか、こちらは物語中様々なキャラクターが登場し、主人公のアシュレイがみんなの悩みを解決していくような展開になっています。

アドベンチャーゲームではよくある展開ですが、やっぱり色々なキャラクターが背景を持っていて、それぞれの設定が絡み合っていたりするのは、設定として面白く。


のどかな湖に見える「ジュリエット・レイク」に隠された謎、過去の事件、前作から残された謎などが、複雑に絡み合っており、どういう形で物語が進んでいくのか、とてもワクワクしながらストーリーを追うことが出来ました。


本筋に関わってこないキャラクターのエピソードも入ってくるので、やや間延びしている部分はありますが、群像劇としてはそれなりに面白かったかなと。その中で出てくる謎解き要素もいいアクセントとして機能していました。

前作からの成長描写や、回収された伏線要素が見事なストーリー

個人的にストーリー面は記憶の扉の方が気に入っていて。その理由の一つが、前作からの続きものとしてしっかり描かれている点。


前作で父親と再会したアシュレイは2年の時を経て、反抗期のような感じになっているのがなんだか微笑ましいですが、本質の部分は前作の事件を経てしっかりと成長しているのが描かれているのが良いなと。

前作の相棒、Dとやり取りしたときの言葉も定期的に登場するのも含めて、続編的なストーリーは見ていて楽しかった。


また、2つの記憶で語り切られなかった、母親に関する真相が明らかになるのも良かった。本作の終盤のシナリオ、原作から結構変更されているようなんですが、個人的にはすごい綺麗な形にまとめたなと感じられたのでかなり好印象です。

ストーリー前半部からの伏線と、前作からの伏線。上手くまとめているし、最後に立ちはだかるあの人の設定も、作風によく合っているし、印象的なラストでした。

あの人の設定にはちょっとビックリしたけど、凄いしっくり来たなあ。

 

気になった点

全体的に淡々としているので、刺激が弱い

2つの記憶、記憶の扉通して言えることなんですが、雰囲気がかなり落ち着いている感じで、あまり起伏を感じられませんでした。

じんわりと惹きこまれていく魅力はあるし、これはこれでいいと思うんですが、昨今のアドベンチャーゲームって強烈なパンチがないと物足りない印象を受ける人が多い印象なんですよね。

実際ぼくも、2つの記憶編は終盤まで動きがなさ過ぎて、正直退屈に感じてしまう所が多かった。逆に、記憶の扉編は色々な登場人物が出てくるので楽しめたけど、テンポ的にはこちらもゆったりしていたとは思います。

作風としてこういう形をとっているので仕方ないとは思いますが、購入される方はこの点は意識した方が良いかと思います。

 

何でも2倍速で楽しもうとする現代人にこのゆったりテンポが合うかどうか…。

 

オートメッセージ機能がいまいち

本作、アドベンチャーゲームなのでテキスト送り機能が用意されているんですが、これが中々いまいちな仕様でした。

というのも、会話シーンのテキストはスムーズに進んでいくんですが、オブジェクトを調べた時などのテキストの送り速度が異様に遅いんですよ。1回押すと5秒くらい固まるので、テンポが悪いこと悪いこと。

そのため、いちいち切り替える必要がありちょっと面倒でしたね。もともとそこまでテンポ面が良い作品という訳でもないので、こういう所は気を付けて欲しかった。

謎解きのギミックがやや物足りない

謎解きに関しては普通に面白かったんですが、オリジナル版で強調されていたような、ハードに合わせた特殊なギミックはあまりなかったのかなと。

例えば、SwitchであればHD振動とか、ジョイコンのポインターとか使ったギミックがあっても面白かったような気はします。

前述した通り、良くも悪くもオーソドックスなアドベンチャーゲームっぽい仕上がりなので、もう少し個性ある仕掛けを盛り込んでも良かったかなと思いました。

まとめ

以上、感想まとめでした。

2作通して雰囲気の差はあるものの、総じて落ち着いた雰囲気の、ミステリー謎解きアドベンチャーという感じでしょうか。

ぼくは割と好きなタイプだったので、中々楽しめましたが、人によっては退屈に感じる部分もあるのかなという感じ。万人受けはしなさそうです。

ただ、こういうアドベンチャーゲームを、しっかり今の形でリメイクしてくれたのは価値があったなと思います。ファミコン探偵倶楽部もそうでしたが、こういうリメイクがあると昔の作品に触れやすいんですよ。

雰囲気の作り込みは丁寧で、ストーリーも良い出来なので、ゆったりとしたアドベンチャーゲームを楽しみたいという方にはおススメ!