炎に煌めくゲームレビュー

主にコンシューマーゲームの感想を取り扱うブログです。

ポケットモンスターシリーズの今後についての考察

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今日は休みの日なのに遠出をしてしまった為物凄く疲れました。
一日中寝ていたかった…。

さて、今回の記事では前回、次の記事で書くと言っていた
ウルトラサンムーンをプレイして色々言いたいなと思ったことをまとめて紹介します。

どんな内容かというと、ウルトラサンムーンの完全版商法について ではなく
シリーズについての建設的な考察についてです。
僕も今回の完全版商法に思わない点がないわけではありませんが、
そこまで騒ぎ立てる気もないので、そこに大きく触れようとは思っていません。
問題だと思う方が騒いでいればいいんじゃないかな。

・新しい形を模索し続けているポケットモンスターシリーズ

僕はポケットモンスターシリーズはDSのHGSSから入り、
BW、BW2、XY、ORAS、SM、USMとプレイしてきました。
全作品をプレイしているわけではないので、「そんなんで考察なんかするな!」と怒られそうですが、
個人的にこの順でポケットモンスターシリーズを追っていて思う事があったんですよね。

それはポケットモンスターシリーズは既存の形から脱出しようとしている、という点です。
この順で言うと、まずHGSS、金銀のリメイクであるこの作品は
ストーリー性があまり強い作品ではありませんでした。
シンプルにジムを求め旅を続けていく、悪組織もいるけどそこまでシリアスではないという雰囲気が
いかにも既存のポケモンという感じでプレイしていて「ああ、なるほどこれがポケモンなんだな」と思ったのを
強く覚えています。



しかし、その後BWをプレイした時僕は驚きました。
何故なら、ポケモンなのに「ストーリー性」が大幅に増加していたからです。
N関連のストーリーは子供には理解ではない内容だったし、他の登場人物の
人間ドラマにしても一風違う雰囲気を強く感じました。
エンディングもただ楽しいという訳ではなく、別れを意識した少しビターな感じになっているし。



そして、第6世代XY。3D化を取り入れたこの作品はストーリーは薄めでしたが、
代わりにそれまでの硬派寄りだったとされているシステム、対戦要素の敷居を
大幅に下げることに成功しています。
個人的にもポケモンの対戦はこの作品から入りました。それほどに衝撃的な変化だったんですよね。



その先のORASではポケモン界屈指の賛否両論エピソード、「エピソードデルタ」が追加。
ここでは(原作レイプがどうかは置いといて)本作品について異質その物のヒガナというキャラクターの登場。
それに加えて「戦闘!伝承者ヒガナ」や「流星哀歌」などの
おおよそ既存のポケモンの音楽とはかけ離れた音楽に驚かされたものです。



そしてサンムーンでは、BWを意識したかのような非常にキャラクターに焦点を当てた
ストーリーが展開されます。それに加えて、サンムーンでは既存システムの大幅改革を行っています。
ギアパワーによる秘伝技マシンの廃止、個体値はボックスで見れるようになる、
ジムシステムを廃止して試練に、チャンピオンの形式も変更等々。
第6世代に比べて更にフィールドの3D感も増しましたし、
「既存から変えよう」という意識が伝わってくる作品でした。
残念ながら、完全に変わり切れてはいませんでしたけどね。

このように、ポケモンは5世代以降ストーリー性やシステムに毎回
大きな変革を追求して作られている印象を受けるんです。
特にストーリー性や一部の演出の強化を見て思うのが
ポケットモンスターJRPGの要素を取り込もうとしているのではないか?という事。
BW以降の作品は演出なんかを見ても、それを強く感じます。

常に、変化を続けているポケットモンスターシリーズ。
僕も対戦含めて毎作楽しませていただいています。
その一方で、SM、USMに至ってみてとにかく惜しいなと感じる点がいくつかあるんですよね。
何が惜しいのか、以下で解説していきます。

・既存から抜き出しきれない弊害

ポケットモンスター、ウルトラ・サンムーン。この作品は完全版ではある物の、
間違いなくこれまでのポケットモンスターの集大成、そして新しい形を狙った作品だと思います。
演出の強化、ストーリーのパワーアップはもちろん、過去作の伝説ポケモン、悪役も大集合。
サンムーンで行われたシステムの変化もそのまま引き継いでいます。

その一方で、既存のシステムと新しいシステムが合わさる事によって
どうしてもシステムに噛み合っていない部分が生じてしまっているんですよね。

ポケットモンスターという作品とその演出

例えば、ポケットモンスターという作品は無言系主人公システムを採用しています。
それもそのはず、ポケットモンスターは主人公はあなた自身というスタンスを採用しているので
そうせざるを得ないのです。

しかし、ストーリー性が強化されて改めて浮き出てくるのが
無言系主人公はストーリーの演出において相性があまりよくないという事です。
無論、ドラクエのような作品もあるので無理ではないとは思うのですが、
動きの少ないポケットモンスターの演出とは噛み合っていません。

この傾向はBWから出ていましたが3D化した影響で特にSMで顕著になっていました。
どんなにシリアスなシーンでも主人公は無言で立っているだけだし
表情も変えません。(ここはあえてなのかもしれませんが。)
どうしても見栄え的にあまり良いモノにならないんですよね。

それに加えてストーリー上の演出の欠点はゲームのテンポを悪くしてしまっている事です。
例えばサンムーンではゲームを進めていると定期的にリーリエやハウに呼び止められるんですが
これはテンポという観点から見るとあまりよくないと感じました。
確かにキャラクターの魅力を伝えるという点ではいい働きをしているんですけど、
単純にポケットモンスターというゲームとマッチしているか微妙なんですよね。

・ハードのスペックが足りていない

これらの微妙な点が出来上がってしまうのは
ゲームソフト上の問題もあるかもしれませんが、単純に3DSというハードのスペックの影響もあると思います。
思うに、SMはもっと大きな改革を狙った作品だと思うんですよ。
キャラクター性の大幅強化、システムの変更がこれまでの作品よりも
かなり顕著になっていますから。

でも、実際の所グラフィックは3DSのハード相応になってはいますが、
大きな進化は感じられないし、あくまで6世代の延長戦になってしまっている印象です。
演出のシーンも一部のムービーシーン以外はとにかく動きが少ない。
あまり魅せてくれないのでいまいち印象に残りません。

実際問題3DSトリプルバトルですらまともに動かない性能で
7世代では廃止、New3DSですらダブルバトルで重くなる体たらくで、
少なからず足を引っ張っている部分もあると思います。

・インフレが続く対戦環境

そして、対戦環境。これも現状あまり良いとは思っていません。
第6世代以降、対戦環境はインフレの極致を迎えようとしており
新参が入りにくい環境になってしまっています。
せっかく対戦自体のハードルは徐々に下がっているのに、肝心の対戦内容がこれではなー…。

特に問題なのが、インフレの加速。
第7世代はバランス調整をシングルからタプルに置き換えて結果か、
完全にシングルがインフレゲーになってしまっているんですよ
第6世代がメガガルーラゲームだとしたら、第7世代はミミッキュゲーム。
メガガルーラがなんでもできるアタッカーだとしたら
ミミッキュはなんでもできるストッパーです。
せっかくガルーラやファイアローを弱体化したのに、他に強いのを作る意味とは?

メガストーン、Zストーン、単体で見ればどちらも面白いシステムだと思うんですけど、
ここまでくるともうバランスの取り様がないと思います。
ぶっちゃけ他ゲーに比べるとこれでもマシな方だとは思いますが、
そろそろまともにバランス調整をすることを考えて欲しいかな、と。

・スイッチ版ポケットモンスターはどうなるべきか?

このように今のポケットモンスターは面白いけど、行き詰まりを感じる部分も少なくありません。
では、今後出ると既に発表されているスイッチ版ポケットモンスターはどうなるべきなのでしょうか?
僕は以下のように考えています。

まず、作品規模を据え置き機相応のゲームにして欲しい。
今のポケモンのコンセプトを突き詰めるのなら
もう携帯機相応の規模では足りないと思うんですよね。
オープンワールドにしろ、なんて事をもとめている訳ではありませんが、
カメラ自由のフル3Dでも良さそうかなーと、サンムーンをプレイしていると感じるんですよ。

そして次に、ストーリー性をはっきりと押し出すのか全く出さないのかどちらかに絞って欲しいです。
今のままだとどうにも中途半端な印象で、はっきりとイベントシーンという区切りを入れて欲しい。
そうすればスキップなんかも導入できそうですからね。

より押し出す方向性を取るのならいっその事
今までのお約束を破ってボイスをつけたりなんかしても僕はいいと思う。
固定主人公採用なんかもありなんじゃないでしょうか。(大ブーイングくらいそうですけど。)
もしくは初代や金銀のようにストーリー性を思いっきり薄める方向性もありかも。
せっかくここまでやってきてそういう方向性に進むのはもったいないなぁとは思いますが。
あるいは、両バージョン発売するとかね。

そして、対戦環境を一旦リセットして欲しいかな。
無論今までのを全て消せと言っているわけではないですけど、
このままの流れで行ってもインフレが進むだけの印象なので、
これまでのとは違う、別の形を模索して欲しいんですよね。

僕が次のポケモンに求めているのはこの三点です。
次の作品がどの程度の規模になるのかわからないですが、
個人的にあんまりすぐ発売するよりは、じっくり作りこんで発売して欲しいかなー。
来年、出るなんて予想している人もいますけど、
個人的にはハードを売るために発売するよりもブランドを大切にする方が重要だと思うんですよ。

GOが一時期ブレイクしたのに、SMは結局XYの売り上げに届かなかったですし
安定に見えるポケモンブランドも完全に安康とは言い切れないんですよね。
だからこと、次の作品は気合を入れて作って欲しいと思っています。