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【レビュー】ポケットモンスター バイオレット【感想】品質は荒いが、多様なアイデアが盛り込まれた新機軸のポケットモンスター!

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どうも、ば~んです。


今回は「ポケットモンスター バイオレット」の感想記事です。


プレイ時間は40時間超。メインストーリークリア時、その他のやりこみ要素は授業イベントをある程度見たくらいで、クリア後のイベントはやり残した状態でした。

ここ最近の本編ポケモンシリーズはクリアだとだいたい、20時間前後の作品が多いので、かなり長い方ですね。

後述しますが、これはオープンワールド化したのと、3つのストーリーを用意した影響が大きかったかと思います。

のゲームのポイント!・ポケットモンスターナンバリングタイトル9作品目。
シリーズ初の完全オープンワールドを実現した意欲作。
・様々なアイデアが盛り込まれている一方で、クオリティは荒い。

 

シリーズ初のオープンワールド

今作を語るにあたって外せないのは、やはりオープンワールド要素。


本作、ポケットモンスターシリーズとしては初となるオープンワールドを採用しているんですよね。

あれ?ポケモンレジェンズ アルセウスもオープンワールドじゃなかったっけ?


って思われるかもしれませんが、あの作品はあくまでエリア間ごとの区切りがある内容だったので、広大な世界ではありましたが厳密にはオープンワールドではなかったんですよ。


ですが、本作の場合区切りなく、地方全体を移動することができるようになっているんですよね。なので、本作がまぎれもなく初のオープンワールド作品となっています。

そんなオープンワールドですが、単にそれだけだと何が魅力が良く分からないですよね?

開発元のゲームフリークもそこはよく考えたのが、オープンワールドの何が魅力なのか?ということを、多数のユーザーに伝わるような様々な工夫を盛り込んでいました。下記で良いと思った点をまとめていこうと思います。

自由度の高いゲーム進行

本作のオープンワールドを魅力的に仕上げているシステムとして一番のポイントは、自由度の高いゲーム進行でしょう。


これまでのポケットモンスターシリーズって基本一本道の作品だったんですが、本作は3つのシナリオがあり、それらを自分の好きな順番に進められるようになっています。

もちろん、RPGなのでレベル的にはある程度ここから進めていくとか、そういう道筋はあるにはあるんですが、


それでも最初の街からの旅立ちで西に行くのか、東に行くのか自分で選べたりだとか、

広大に広がる世界を好きなだけ歩き回って、ポケモンを捕まえたり、写真を撮ったり、ピクニックをしたり。

決められた制限がないからこそ魅力的に世界を表現できていたと思うので、非常に良い仕上がりだったのではないでしょうかね。

ちょっとまだ未整備な印象はあるんですが、ライト層に向けたオープンワールドの自由度としては程よい感覚もあるので、良い匙加減だったかなと。

3つの軸で進行するストーリー

そんな自由度に付随するストーリー。今回は3つのシナリオにメインストーリーが分割された内容となっています。



それぞれジムリーダー+チャンピオン。ぬしポケモン。悪の組織と、これまでの作品の合わせ技、集大成的な感じでなかなか豪華。


一つ一つはそこまで長い内容ではないけれど、キャラクターを軸にしているストーリーは相変わらず面白く。軽く見えて意外と重く、熱いシナリオはこれまでのポケモンらしい良さを引き継いでいて楽しめました。

個人的にはペパーとクラベル校長がいいキャラしていて好きでしたね。

快適に探索できる親切仕様

自由度以外のポイントで良いと感じたのは、広大な世界を旅するに当たって快適な工夫を取り入れていたことです。


例えば、ポケモンライド。過去作からある要素ではありますが、本作は序盤から伝説のポケモンに乗ってフィールドを駆け回ることが出来るようになっているんですね。

最初のうちは制限が多く、あまり速度も速くないんですが、ストーリーのひとつ「レジェンドルート」を進めていくと、どんどん快適に移動できるようになっていくので、そこも楽しさの一つですね。


後はですね、ポケモンセンターの仕様も良かったんじゃないかと思います。今作、ポケモンセンターが街中だけでなく、ワールドの各地に点在しているんですよ。

単に適度な感覚で回復できるのも良いんですが、ポケモンセンターはロケーションとして、いつでもスキップトラベルできる対象に入るので、

探索時にマップを確認しながら「よし、次はここのポケモンセンターを目指して進むか」と、経路を模索しながら経路を進める楽しさが生まれていました。


他にも、探索中にポケモンのレベル上げを両立できるレッツゴーシステムが追加されたり、各地のロケーションで自撮りが出来たり、いつでもピクニックを開けたり、

色々と旅を楽しめる工夫が色々と詰められていたのも良かったですね。

美しいロケーション

後はですね、単純に各地の街やフィールドの雰囲気づくりも結構良かったのではないかと。


ずっと平原が続いているわけでもなく、荒野や雪山、湖に森と種別豊かで、色々な顔を持つパルデア世界をシームレスに体験することが出来ました。



各地にある街々もそれぞれ個性豊かで、フィールドから街を見た時はとてもワクワクします。

グラフィックも結構良くて、後述するようにフレームレートの粗があるので、見た目ほど見栄えは良くないですが、スクリーンショット見る分には申し分ないくらい。自撮り機能も併せて、本作はスクショを撮るのがとても楽しかったですね。

きのあるストーリー演出

前述した3つのストーリー。それぞれの出来が良かったのもそうなんですが、それで終わりじゃない、というのが本作の素晴らしいところ!

3つすべてをクリアした後に解禁される本作の終盤のストーリーは、新しいポケモンの形を感じさせるにふさわしい、驚きと興奮に満ちた展開でした。


ストーリーも演出もBGMも素晴らしく、未知を感じさせるワクワク感は過去最高レベルだと思うので、意外性のある展開が好きな方はぜひ遊んでみてほしいですね。

ラスボス戦が色々と衝撃的過ぎた!


それにしても魅せ方という面では剣盾以降、進化著しいですね。後はボイスがついてくれたらなー、そこだけ惜しい。

力の入っているポケモン描写

ここまでRPG的要素をメインに話してきましたが、じゃあポケモン自体の要素はどうだったか、というとこれも中々頑張っていたんじゃないかと思います。



良かったと思ったのは、フィールド内でのポケモンの動きの作り込み。例えば嵐の時は飛ばされていくポケモンがいたり、湖や海近くでは泳いでいるポケモンがいたり、種別豊かな動きが用意されていました。

こういうのはオープンワールドらしい醍醐味でもあるので、単に棒立ちでないのは頑張っていましたね。まあ、部分部分怪しいのでバグっぽい挙動も少なくはないんですが。



もう一つ良かったのは未知の相手との戦闘感。今作、結構色々なポケモンが追加されてはいるんですが、フィールドが何分広いので、プレイヤーによってはクリアまで野生では遭遇しないポケモンも少なくないと思うんですよ。

なので、新しいポケモンや知らないポケモンを見た時の新鮮感や驚きが大きく、終盤に行けば行くほど「なんだこいつ!?」という知らないポケモンに出会う機会が多かったので、戦闘がとても楽しかったです。

手探りでタイプを推測して弱点を見つけていく感覚が楽しい!

 

相変わらず最高の音楽

いつも好評のポケモンサウンド。

個人的には前作の剣盾はこれまでの作品よりも更にワンランク先に行った感覚があって大好きだったんですが、本作もその流れを見事に受け継いでいたなと思います。


例えば、ジムリーダー戦は剣盾の流れを踏襲して、最後の一体は相手のテラスタルに併せて歓声が入る要素が採用されていたりとかね。今後はこの流れをベースにするのか!って感じられてうれしかった。

加えて、終盤の個別戦闘曲が全部素晴らしい!四天王、ライバル、悪の組織のリーダー、全部完璧。強いて言うならチャンピオンが若干印象薄いくらい。

ラストダンジョン~ラスボス戦あたりの曲ははおそらくToby Fox氏が手掛けたであろう、これまでになかったような異質極まる素敵なサウンドになっていますし、なんてリッチなんだ!って感じですよ。

世代を超えていくごとにサウンドの方向性に変化はあるものの、質という点ではいつになっても劣らない。こういう所は外さないのでさすがだなあと思います。

気になった点

非常に荒い品質

今作の一番の欠点は品質の荒さにあると思います。

技術的な問題なのか、あるいは納期的な問題なのでしょうか?これまでのポケモンでここまで荒いまま発売されてしまった作品はそうないくらい荒い部分が残ってしまっていました。

まず、最初に目につくのがフレームレートの異様な低さ。ちょっと距離があるだけでキャラクターやポケモンの挙動がガクガクになるので非常に見栄えが悪いです。

まあ、最近のSwitchはこういうゲーム増えてきてはいますが、ここまでひどいのはルーンファクトリー5とか、あれくらい以来。


後はバグもかなり多いです。個人的にはそこまで遭遇したわけではないですが、ライド状態時でのオブジェクト判定、カメラワークは相当ひどいレベルで、これに関しては誰でも遭遇してしまうバグな感じがしました。

洞窟に入るとすぐに見える裏世界!


個人的にはゲームフリークの開発力にそこまで期待しているわけではないので、ある程度は許容したいのですが、ちょっと本作の品質はその限度を超えてしまっているかな?という印象でした。

ゲーム自体は面白いだけに、もう少し頑張ってほしかったですね。

オープンワールド化したことによる一部の弊害

本作、オープンワールド化したことによる良ポイントは前述しましたが、逆にそれによる弊害も一部見受けられました。

例えばですが、レベル帯の調整の難しさです。本作、ある程度マップ内の区切りで野生ポケモンやトレーナーのレベル帯が設定されているんですが、それを上手く把握しないと適正帯での戦闘が難しくなってしまっているんですよ。


これの何が問題かというと、ジムリーダーやボスと適正レベルで戦うのが難しくなってしまっています。人によるとは思うんですが、相手よりレベル10以上のポケモン使って戦うジムリーダー戦とかってどうですかね?

ぼくはちょっとシチュエーション的にげんなりしてしまうので、できるだけ避けたいんですよね。

なので、ちょっとそこが難しくなってしまっているのはマイナスポイントに感じました。(まあ、ここら辺はオープンワールドRPG共通の課題ではあるので本作に限った所ではないんですが。

他にもですね、オープンワールドしたことによって、全体的に街がコンパクトになってしまっていたり、野生ポケモンの位置が把握しにくかったり、

まあ、ただ本作はまだオープンワールド一作目ということなので、そこを踏まえると、そこまでめちゃめちゃ気になるってほどではなかったです。ですので、今後に期待したい点という感じですかね。

オミットされた着せ替え要素

後はですね、地味なところですが、着せ替え要素がオミットされたのも残念でした。

本作、主人公の衣装が制服固定となってしまっていて、ここ数作で楽しめた着せ替えシステムがなくなってしまっているんですよね。

一応、装飾品や髪型を変更できる魅力は健在ですが、せっかく自撮りカメラの要素もあるのであれば、この要素も残してくれたほうが良かったんじゃないかなあ。

おそらくリソースの部分で間に合わなかったのだと思いますが。

そろそろ欲しいボイス

後、これは完全に個人の感想ですが、そろそろボイスが欲しいなーって思いました。

演出が剣盾からさらにパワーアップして、3Dでのムービーシーンもかなりリッチになってきたことですし、ボイスがないのが逆に浮いてきているような気がするのですよ。

なまじ多くの層に向けた作品なので難しい所ではあるとは思うんですが、事前公開されていたナンジャモのムービーとか見る限り、そういう動きをしたいようにも見えるんですが、どうなのかなー。

まとめ

以上、感想でした。

品質の低さ故、序盤の感触はあまりよくなかったんですが、尻上がりに魅力が伝わってくるような作品だったため、最終的にはいいゲームだったなという感想になりました。

ただ、品質さえ良ければ歴代最高傑作、と言えるような内容でもあったので、ちょっとそこはもったいなく感じます。

作品の位置づけとしては、剣盾の良かった演出面、キャラクター面を引き続きパワーアップさせつつも、これまでのシリーズで徐々に進めてきてオープンワールド化を一つの完成形に到達させた作品という感じでしょうか。

オープンワールドとしてはまだ未洗練ですが、ゲームとしての形は着実に進化していると感じられます。

今後はオープンワールドを軸に新たな形を期待できそうな一方で、今回のような品質での発売が再び起こること無いよう、ゲームフリークには頑張ってもらいたいですね!