さて、今回は「グノーシア」の感想記事。先日ひとまず真エンドまでたどり着きました。
プレイ時間は大体15時間くらい。クリアまでを考えるのならば価格相応かな。でもまだまだプレイする予定です。
一人でできるSF人狼ゲーム
このゲームを一言で言い表すのならば「一人用人狼ゲーム」となります。
アプリゲームなんかでよくある、対CPUで人狼ができるゲーム性を、ループシステムと組み合わせADVゲームに仕上げています。
ゲームシステムは極めてシンプルで一般的な人狼そのまま。
占い師、霊媒師、騎士、恋人、裏切り者、妖狐と、一通り基本的なジョブはそろっており、ゲームを進めるにつれて、役割の有無も開始前に設定できるようになります。
なお、ゲームにはスタータスが存在しレベルアップで、新たなスキルを手に入れることができるという要素も。
と、これだけだと単なる人狼ゲームの説明になってしまうのですが、本作のこのシステム、とにかく出来が良かったので、以下で説明していこうと思います。
中毒性を生み出す多彩な行動パターン
まず、システムとして良かったのがパターンがとても多彩ということです。
例えばこのキャラクターは嘘をついたらバレやすいだったり、このキャラクターは主導権を握りやすい、などの色々な特性が、キャラクターごとに用意されているのですが、それぞれ、配役によって行動が変わってくるようになっているんですよ。
そのうえで基本的に論理的なゲームデザインになっているので、矛盾した行動をとればすぐ突っ込まれたり、黙っていれば怪しまれたり、人狼ゲームらしい所はしっかり健在。(理論で攻めても感情で動かれるのも健在!)
1ゲームが大体10~15分程度で終わるというのもあって、「あー負けた!、もう一回!」「よっしゃぁ、もう一回!」みたいな感じで、何度も何度もプレイできてしまう中毒性が見事に生まれていました。
全体的に理不尽な要素が少なく(なくはないですが)、対CPU特有のストレスとかもあまりなかったです。
いい意味で機械的な要素が少なく、本物の対人戦をプレイしているような感覚でした。
生半可な程度のつくりではこうはならないので、本当に細かく作りこまれているが故の中毒性でしたね.
ループしながらストーリーが進んでいくという斬新さ
そんな中毒性の高い人狼システムですが、今作はそれだけがメインではありません。
なんと、繰り返しゲームを遊んでいると、特定条件下でストーリーが進行するという斬新なシステムを採用しているんです。
そのため、前述のランダム性に更に要素が加わって飽きにくくなっているんですよ。
しかも、その内容も分岐の量がすさまじい!
1周では絶対見ることができないくらい凄い量のイベントが仕込まれています。
夢中になって人狼をしているとストーリーが進んでしまう、さながら一作で二つのゲームをしているような感覚で新鮮でした。
個性豊かなキャラククターたち
そして登場するキャラクターもとても個性豊かでした!
SFを題材にしているだけあって、性別汎のヒロイン(ヒーロー?)「セツ」に始まり、見た目がまんま宇宙人な「しげみち」、動く人形の「クルルシカ」などなど見た目だけでもインパクト大。
そんなキャラクターたちは一癖も二癖もあるいい意味で、インパクト満載のメンバーになっており、ストーリーで見せてくれる一面がとても楽しみなつくりでした。
イベント、全然見れなかったからもっと見たかったなぁ。
個人的にはセツの笑顔が大好き。あのゾクッとする感じがいい。。。
面白い航海日誌システム
今作、1ゲームが終わるごとにゲーム内容を記載した、航海日誌というログが見れるようになっているんですが、これもとても良かった。
というのも、ゲームの進行状況に合わせて、嘘を見破っていたタイミングや、誰を襲ったか、だれを守ったかなどが細かく記されるんですよね。
例えば、全員が一気に一人を疑いだしたタイミングなんかを確認してみると、嘘がバレまくっていたり。そういう振り返りを楽しめるシステムとして良い作りでした。
ゲームとしてほとんど完成している
今作、欠点らしい欠点がほとんどありません。
しいて言うならば、イベントが1周に対して1度しか見れないので、1周だけだといまいちピンとこない描写はあるし、見たいものがあればリセットをするか周回する必要があるという程度。
他はゲームとして欠点がなく、完成されていると思います。
より深化させようと思えば役職を作ればいけるのかもしれませんが、少なくとも通常人狼のADVとしてこれ以上必要な点が思いつきません。
キャラデザは若干癖が強いですが、雰囲気にピッタリだし。ボイスがないくらいですかね。イベント量的に非現実的ですが。
まとめ
と、こんな感じでした。
巷で高い評価を受けている作品だけあって、素晴らしい完成度でした。さすがは4年も開発に時間をかけたタイトルなだけはありますね。
個人的に対CPU人狼はどうしても作業感や機械的な要素が出てしまうので、敬遠していたんですが、今作はそんなのほとんど感じないようなリアリティあふれる人狼がプレイできてとても楽しかったです。
ずーっとやり続けてしまう、この中毒性は間違いなくぼくが好きな人狼そのものでした。
人狼が好きな人はもちろん、推理ゲーム、トークゲームが好きな人にはぜひプレイしてもらいたい一作です。
この完成度のゲームが3000円程度で買えちゃうなんてちょうお得です。
惜しいのはあまりに完成度が高すぎて続編のハードルが死ぬほど高く、あまり期待できなさそうなこと。
キャラクター自体も魅力的なだけに、どうにかしてこの素材を次の作品に活かしてほしいところですが。。。