もう、8月なんですねぇー。今年は本当に月が経つのが早く感じます。相変わらずこれといったことのない日を過ごしているからなのかなあ。
さて、「ペーパーマリオ オリガミキング」。
結局おたから、はてなブロック、キノピオまではコンプしたんですが、その後のコンプが予想以上に鬼だったのでここまでかなぁ。
もう少し条件を緩くしてほしかったZE。。。川下りとか絶対無理よあれ。。。
では、感想を書いていこうと思います。
プレイ時間は、前述のコンプまでして35時間ほど、クリアだけなら25時間くらいが目安かなあ。
前作と大きくは変わらないと思います。
復活したストーリー要素
まず、今作で重要なのは久しぶりに発売された、ストーリーががっつりあるペーパーマリオであるということでしょう。
今から遡ること8年前に発売された「ペーパーマリオ スーパーシール」は、とある経緯によって、それまでの作品に存在していたストーリー要素を大きく削った作品でした。
その経緯はまあ調べれば出てくるので良いとして、これがまあとんでもなく否よりな評価を受けてしまったわけで、まずいと思ったのか、次作「ペーパーマリオ カラースプラッシュ」では、若干ではありますがストーリー色が復活していました。
ただ、あくまでサブのストーリーが濃くなっただけで、本筋はこちらも弱めだった印象です。
そんな中発売された本作は、導入からガッツリヘビーな物語を展開。
所々にガッツリしたムービーシーンなどもあり、はっきりとしたストーリーが主軸の作品だったといえるでしょう。
ホラーとギャグの混ざったカオスなストーリー
そんな本作のストーリーは全体的にとてもインパクトがありました。
とりわけ印象的なのが半ばホラーともいえるようなシリアスな雰囲気。
子供がプレイしたらトラウマになるんじゃ?ってほどの内容が全編のいたるところに見受けられ、さながら過去二作で抑えていたダークな要素をまとめて吐き出したよう。
一方でISらしい小ネタやギャグは満載で、テンションの幅がすっごいカオスなことになっています。
このカオスっぷりが今作のストーリーの魅力の一つと言えるでしょうね。
また、相変わらずテキストの質は非常に高く感じました。
前作でも思ったんですが、センスがすごく良いと思うんですよ。
思わずクスっとくるような会話や、暖かい気持ちになれる会話が多く、いいなあって感じました。
相変わらず良い相棒キャラクター
ぼくは前作の相棒キャラ、ペンキーがとてもお気に入りだったので今作の相棒キャラにも期待していたんですが、
「オリビア」、しっかり良いキャラしてました!
全体的に天然気味でお姫様っぽい所は、ルーシーを彷彿させますが仲間思いかつヒロイン力も高く、リアクションが豊富なため、無口なマリオの相棒としてはとてもよかった。
重い雰囲気が少なくない今作ですが、彼女の常時楽しそうな姿勢は、いい塩梅になっていたと思います。
魅力的な仲間キャラクター
また今作には、各地で冒険に同行してくれる、仲間キャラクターが登場します。
厳密にはゲスト参加で入ってくるような存在ですが、それぞれのキャラクターの立て方が非常にうまく、魅力的に感じました。
特にPVでもスポットの当てられていた「ボムへい」。
おそらく開発陣の中でも特に押しキャラなのか、今後今作が語られるときは、間違いなくセットで語られるような、非常に印象的なキャラクターでした。
オリガミを敵にした斬新な発想
ストーリーというか設定に関することで、もう一点。
シール、ペンキと近作は紙を生かすためのエッセンスを何か一つ導入している本シリーズですが、今回の「オリガミ」はその中でもベストの選択だったように感じました。
なんといっても、「紙を折りたたんでオリガミにする」という発想ですよね。
ペーパーマリオってデザインが敵味方ともにコミカルで、ほんわかした雰囲気があるんですけど、今回のオリガミ兵は非常に無機質なデザインになっていて、凄い不気味な雰囲気を持っているんですよ。
既存キャラクター縛りという制約がありながら、ここまで不気味な異質さを表現していることに感心してしまいました。
豊富な探索要素
一方で、スーパーシールから続く探索要素も進化を遂げていました。
まず今作のフィールドは前2作と異なり、ワールドマップ形式から、RPGのように全エリアがマップで繋がっているような形式になったのですが、その分だけ、全体のフィールドが広くなりました。
規模の大きくなったフィールドは非常に美しく、それでいてそれだけではありません。
中にはオープンワールドに近いような広大なマップも存在していて、単純にマップの探索だけでも世界の広さを体感できるのではないでしょうか。
美しい景観を体感しながらじっくりと探索ができるのがとても楽しかったです。
加えて、前作にあったキノピオ探しや、意外なところから出てくる仕掛けの数々など、相変わらずフィールドの密度はすごいです!
何かを叩いたりジャンプをすれば、何かが起こるという期待感があるので、ついつい積極的に探し回ってしまう面白さがありました。
また、アクセサリーという装備的な概念が加わったのもGood!
戦闘を支援してくれたり、お遊び的なものもあったりと、探索が楽しくなるような工夫に仕上がっていたと思います。
ゴージャスなギミック
ついでにそのゴージャスなギミックについても。
前作「ペーパーマリオ カラースプラッシュ」はとにかくギミックに力が入ったアドベンチャーゲームでしたが、今作もその路線は健在でした!
唐突に始まる3Dアクションバトルに始まり、アトラクション満載のエリアや、川下りなどなど「あ、別ゲー始まったわ。」 が定期的に来るので中々飽きないんですよね。
さすがに前作ほどの種類はなかったけれど、それでも相変わらずの発想力に感心させられました。
ファンサービス要素も満載なので、前二作をプレイしているとニヤッとすることも!?
戦略性の高い戦闘システム
本作の戦闘システムは、結構新しいシステムを導入していましたね。
最大の特徴が円状のバトルフィールドの中で、時間制限内に敵を並び替えるというシステム。
さながら整列させていくようなバトルで名前は「せいれつバトル」になっています。(せいれつ成功で攻撃力アップ)。
やや癖はあるので、人を選びそうな部分はありましたが、考えるという部分がなかなか楽しく、ぼくは結構気に入りました。
また、ボス戦はボス戦で一転して独自のシステムを導入していて、こっちは円形のフィールドを矢印で移動していくというシステムに。
こちらは純粋に多彩なパターンの攻略法や戦闘法があり、体力で敵の行動も変化するので非常に順RPG的に感じて楽しめました。
前作までのボス戦は、攻略法が必要なものカードを絶対に用意しないと勝てない、という点で戦略の幅が非常に狭かったと思うんですが、大きく改善してきましたね。
その他、コインを使用してのヒントや、初期武器が固定装着になったこともあって、前作、前々作と比較すると遊びやすくはなったかなと感じました。
簡易化した謎解き要素
前々作からの流れで今作も、謎解きを解いて進めていくというシーンがいくつかありますが、全体的にかなり簡単になっていました。
特に仕掛けの解除を、そのフィールド内で解決できるようにしていたのが良かった。
前作までの別の場所から必要なものを取ってくるとか。そういう行為が必要なくなったんですよね。
それでいて相棒のオリビアはペンキー同様に、しっかりとヒントを出してくれるので、積むポイントはほぼないんじゃないでしょうか。
シールの頃を思い出すと感動してしまうレベル。(おのれルーシー!)
素晴らしい音楽
音楽は素晴らしすぎた!カラースプラッシュの音楽もすごかったので、もともと期待していたんですが、予想を大きく上回ってきました。
全体としてはマリオの音楽のアレンジ、という形にとどまらず、景観や雰囲気にばっちりあったダイナミックな音楽が多かった印象でした。
例えば通常戦闘曲。普通にいい曲なんですけど、この曲なんと、フィールドごとにフィールドの雰囲気を合わせた曲に切り替わるんです。(しかもバトルの思考中は、更に切り替わるというおまけつき)
主旋律が同じとはいえ、何曲分通常戦闘曲を作ってるねん!ってあまりの気合にびっくりしてしまいました。
またフィールド曲は更に秀逸だったイメージ。序盤からこんなサビで盛り上がるような曲が流れちゃうんだからたまりません。
耳に残った曲が数知れず、あげていくときりがないレベルです。
こんなハイクオリティの曲をなんとトータル244曲収録!
もちろん短い曲や、アレンジも多いので実質の数はその半分くらいだとは思いますが、大作RPGでも中々ない量で震えますw。
力の入れ方が尋常ではないので、間違いなく本作のポイントの一つですよ。
気になったこと
一方、気になった点もいくつかあったので紹介していきます。
所々に感じたストレス要素
前作同様、爆発的に面白い部分がある反面、イラっとくるような部分がいくつか感じられました。
例えば、武器のアイテム屋。今作は初期武器以外は使い捨てになっていて、使いたければ定期的に買いに来る必要があるんですけど、ここのUIがすこぶる悪いんですよね。
システム上、がっつりコインがたまってからくるはずなのに、1回につき1つしか選択できないので、複数買うには連打する必要があるし、いちいち演出が入るのでテンポも悪く感じました。
あと、個人的に苦手だったのがアクション要素特に某ハンマーの試練はうげーって感じでした。
ペーパーマリオのハンマーアクションって、戦闘中だからいいのであって、リアルタイムのアクションに使用するにはストレスがたまりすぎるんですよ!
もうあのワンシーンはぜんっぜんうまくできなくて発狂してました。
改善余地のあるコイン報酬
戦闘システムの報酬に関してはもう少し改善の余地があると思いました。
今作、相変わらず経験値が存在しないので雑魚敵を倒すとコインがもらえるシステムになっています。
確かに、コインを使うことで武器や装備アクセサリーなんかが買えるようになったので、システムとしてはそんなに悪くないんですが、やっぱりステータス上昇がない分、通常戦が軽視されがちな気はします。
ぼくは、今作の戦闘システムとても面白く感じられましたが、やっぱりそういう所でケチがつくのはもったいなく感じるんですよね。
例えば、コインを使用することでステータスの変動を行えるとか、そこまで振り切ってくれるならありだと思うんですけどね。
全体的な作りがRPG感増した分、ここはもう少しいじってもよかったかなと感じました。
まとめ
と、こんな感じでした。
いや-いい作品だったなあ。前作がとても気に入ったので期待値も高かったんですけど、予想以上の出来でしたよ。
全編至る所に好きなシーンがありすぎて、思い返すとキリがありません。ここまでツボに入る作品にはなかなか出会えませんよ。
本命タイトルが素晴らしい出来でとてもうれしい。
スーパーシールから、8年。いろいろな苦難を乗り越え、ようやくこの路線の決定作と呼べる作品が出せたのではないかと思います。
個人的にはISの工夫の仕方にとても感心しました。今考えてもこれだけのテキストセンスを持っている所に、「ストーリーが必要なのか?」って問いかけは絶対おかしいと思うけれど、色々縛りを乗り越えて、この作品に辿り着いてくれました。
クソゲーって評されて「ダメだったんで、あれはなかったことにします。」って認めてしまうのがぼくはあまり好きではなくて。
そういう意味では、この路線でしっかり作ってくれて嬉しかった。ここまで追ってきた甲斐がありました。
今作のおかげで個人的な次回作のハードルは更に上がりましたが、このシリーズの行く先がとっても楽しみです!