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【レビュー】ライザのアトリエ2【感想】粗も多いが、従来の形を取り戻したシリーズ2作目

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最近、カテゴリーの使い方を少し再考しています。今まではゲームの感想が少しでも乗っている記事はレビューカテを入れてましたが、見る側からするとガッツリ感想記事だけを見れたほうが便利なのかな?とか思ったり。

まあ時間がないので、すぐは弄れないんですが今後は変えてみようかなあ。

さて、今回は「ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~」の感想記事を。

プレイ時間はクリアまで70時間弱

これまでプレイしてきたアトリエの最長クリア時間が「リディー&スール」の65時間だったので、シリーズでもかなり長いほうの部類に入ると思いますね。

やり込みをしなくても40~50時間くらいはかかりそうな印象を受けました。

前作プレイ必須の内容

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注意点からですが今作は基本的に前作プレイ必須の内容だと感じました。

2とついているので当たり前ですが、他のアトリエシリーズと比較しても2作目から入るハードルが高い印象です。

というのも、パーティーメンバーの半数以上が前作から引き続きのキャラクターなので、前作でのストーリーが分からないとそもそも今作のイベントやストーリーにあまりついていけないと思うのですよ。

全くストーリーやイベントに重きを置かない、という人であれば良いのかもしれませんが、主人公が同じという以上これまでのシリーズよりそのハードルは高いという事を念頭において、購入をお考え下さい。

前作から改良かつ進化したシステム

本作はライザシリーズ2作目 ということもあって、基本的に前作のシステムを引き継いでいますが、いずれのシステムにも改良かつ進化が加えられていました。

ざっと紹介してみようかと思います。

インフレさせている錬金システム

今作の錬金システムですが、基本的に前作から大きく変わりはありません。が、全体的にかなりインフレさせていました。

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まず今作から加わった「エッセンス」システム。

これは錬金の属性を変更したり、発現特性の拡張を行えたりする超便利な新システムで、錬金の幅を大きく広げていたと感じました。

中には投入したアイテムの属性値を倍にする効果のエッセンスもあり、凄い品質と効果のアイテムができることもしばしば。

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何より品質がめちゃめちゃ上げやすいですよね!

手に入るアイテムの品質の高さのおかげもあって、アイテムリビルドが前作より活きていて、内容のインフレ化がすさまじかった。

バランスに関してはともかく、作っていて楽しいのは事実だったのでそういう意味では錬金システムがシリーズでも楽しめたほうかなあ。特性も併せて、めちゃめちゃ作りこんでしまったしね。

高品質なアイテムが量産出来て気持ちいい!

スピーディーな戦闘システム

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戦闘に関しては、前作をベースにしつつ引き継ぎつつ、ダイナミックかつスピーディーな作りになりました。

今作からの要素としては「ガード」が加わったのと、パーティーキャラクターの入れ替えが追加されたのが大きいかな。(3人+1人がパーティーで1人が戦闘中に入れ替え可能。)

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カメラワークがダイナミックになったこともあって見栄えは前作よりも大きく向上しているし、シフト(入れ替え)スキルの存在のおかげでオーダー発動も楽になったし、

爽快でスピーディーな内容に仕上がっていたと思います。普通に遊ぶだけならば、シリーズでも上位に入る楽しさでした。

が。。。⇒気になるところに続く。

探索のし甲斐がある広大なマップ

マップは前作からかなり広大になりました。

元々不思議シリーズでもマップの広大化には取り組んでいたので、前作がコンパクトすぎただけ、というのもありますが本作の特徴として大きいのは水中に入れるようになったことですかね。

過去には一応フィリスでも入れていましたが、今作のようにシームレスで水中に入れるようになったのは初です。(フィリスは別マップ扱い)

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全体的には入れる箇所も限られており、存分に要素を活かしきれてはいなかった物の、フィールドに下の概念が出来たことで探索が非常に楽しかった。

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個人的に特に好きなフィールドは、「シルム湿原」。ここは水中に入って探索することもできるし、縦にも長いし、かなり広々としていてとにかく探索が楽しかった(BGM「渓谷を渡る鳥」「渓谷に眠る月」もいいよね。)

こんな感じで全フィールド作れるようになってくれればゲームのクオリティは一段上がると思うので期待したいですね。

ファンタジックなフィールドを探索出来るのは魅力的!

行いやすくなった採取

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採取に関してですが、採取する前に各道具で何のアイテムが取得できるかという表記が追加されました。これは非常に良かったです。

というのも、前作はこのシステムが無かったため、「何がどこで何の道具で取れるのか」ということが非常にわかりずらく、そのせいで一部のアイテムを取得しぞびれていると、一部のアイテムが調合できなくなるという悪循環が生まれていたんですよ。

このシステムのおかげでそういう詰まりがなくなったのでとても良かった。 

復活したキャラクターイベント

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前作「ライザのアトリエ」ではなぜか削除されてしまっていたキャラクターイベントが、今作では復活しています。

全編フルボイスだったので、過去作同様くらいに力が入っていて良かった。数もかなりの量なうえに、イベントフラグが止まるようなバグもありませんでした。

前作ではボイスが無かったキャラクターにボイスがついていたりすることもあって、さすがにしっかり作ったなあと。

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イベント内容の方ですが、サブはともかくメインのメンバーのイベントはいずれもよくできていたかなあ。

クラウディアのライザに対するガチっぷり、アトリエでは珍しいくらいの乙女パトリツィア、次作では味方になってくれそうなボオス、辺りが印象的。

全体的に前作に比べてキャラクターに愛着が持てたのは良かったです。前作組はみんな大人になっていて良かったですね。

今作からのパーティーメンバーではパトリツィアが群を抜いて好き。次作でも出てほしなあ。

相変わらず質の高い音楽

音楽は今作もよかった。

残念ながら前作同様、曲数は少ないですが、今回はボス戦が数曲あったし、フィールドが広いのでフィールド曲もしっかり聞けるし、前作よりは良かったかな。


戦闘曲は後半通常戦闘曲「白露、荻の上風」も好きだし、特定ボス戦「ヤロカミズ」も、浅野氏らしい曲調で好み。

何よりラスボス戦の「"wish"」は感傷的なギターのメロディが素晴らしく、 心に響く一曲でした。アトリエのラスボス戦闘曲の中では一番好きかもなあ。

静と動の使い分けがうまい曲で、前作「Won't forget, can't regret.」と似たにおいがを感じるけれど、今作の方が響きましたね。

それだけに。。。⇒気になる点に続く。 


 フィールド曲としては、先に上げた通り、「渓谷を渡る鳥」「渓谷に眠る月」が良かった。

この王道のフィールドから一歩レベルアップして辺境に足を入れた感がフィールドの情景ともすごくマッチしていて。冒険感をくすぐられたのでとても好みです。

 

気になったこと

 一方で、前作ほどではありませんが気になる点は明確に存在していました。こちらもざっと紹介。

あまり面白くないストーリー

ストーリーはあまり面白く感じられませんでした。何だろう、全体的に薄味過ぎるのかな?

前作のように展開が二転三転して物語が進んでいく感じではなく、「遺跡探索」という名目のもと、じっくりと進めて行くタイプなので動きが少なく感じました。

盛り上がるシーンとかほとんどないし、明確な敵もたいして登場しないし、とにかく地味です。その割に全体のストーリーは長めなのでやや冗長にも感じてしまった。

溜めていってラストで盛り上がるのかなとも思っていたのですが、残念ながら全くそんなこともなく、すごいあっさり終わってしまいました。

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各所の遺跡にまつわるエピソードを追うことはそこそこ面白かったけれど、本編のシナリオをうまくリンクさせられてないし、何よりあれだけ脅威として描いてきたラスボス戦の展開が恐ろしいほど拍子抜けな内容で、「えー。。。」って感じでした。

BGMと設定はマッチしているのになあ。。どうしてああなった。

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前述通り、キャラクターイベントの出来は良かったのですがキャラクター同士の交流に一作使ってしまった印象で、もう少しストーリーの方と上手く絡めてできなかったのかなあと。

フィーに関してのエピソードももっとうまくストーリー中で作れたら、最後のシーンはもっと感動的に出来たんじゃないのかなあ。ぼくはちょっとあっさりに感じてしまいましたね。

練り込み不足な新システム

本作は前作のシステムをベースに新システムをいろいろ組み込んでいますが、いずれもつくりが甘く感じました。

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まず、スキルツリーシステム。

前作などで取得したレシピなどをツリーから取得できたりする要素で、続編的なシステムとしては上手いし、成長要素としても面白かったのだけど、終盤に行くと全部取得し終わった後なのに、無限にスキルポイントだけ貯まっていくので何かモヤモヤ。

スキルポイントには別の使い道を用意してもよかったのでは?

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街の評判システムも浅かった。

カフェでのクエストをクリアしていくと、購入できるアイテムが安くなるという恩恵が受けれるシステムなのですが、そもそも高品質のアイテムがバンバンフィールドで手に入るので、街でアイテムを買うことってほとんどないんですよ。

このせいでシステムが全然活きてないし、そもそもこういう要素を入れるのであれば、もう少し街のキャラクターをストーリーとも結び付けてほしかった。

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そして本作でたぶん一番問題であろうシステムは「遺跡の欠片探し」でしょう。

遺跡のフィールドに散らばっている過去の欠片を探して、過去の真実を突き止めるという、これまでのアトリエにはなかった斬新なシステムで、形としてはとても良かったと思っています。が、システムが悪すぎた。

何を思ったのか、欠片が発現するタイミングを遺跡の後半~に設定しているせいで、一度歩き回った遺跡をもう一度歩き回る必要がある、という極めて面白みのないシステムになってしまっているんですよ。


無難に遺跡の開始時点で探せるようにしていれば、探索のついでに集められただろうに、何でこんな調整に。。。

個人的には遺跡の過去を探っていくこと自体は面白かっただけにとてももったいなく感じました。

こんな感じで新システムは試みは面白いので、導入ではいい印象を受けるんだけど、いずれもつくりの甘さが後半で目立ってくるという尻すぼみ的な内容になってしまっていました。

崩壊している戦闘バランス

これも新システムの問題の延長線上の話ですが、戦闘バランスに関しては、正直崩壊していたと思います。

というのも敵が弱すぎるのに、装備やアイテムの強化が簡単に行えてしまうので内容がインフレしすぎているんですよ。 

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また、バトルに関しても色々なシステムが用意されていますが、前述通りあまりに敵が弱いので、特に使わずに勝ててしまうんですよね。

例えば、新要素のコアドライブなんて一切使わなかったし、恒例のフェイタルドライブ(必殺技)も発動条件が難しすぎて貯まる前に、殴り勝ててしまう始末。ゲーム通して1回だけしか見れませんでした。

雑魚敵を固くしてほしいとは言わないので、ボスに関してはもう少しちゃんと調整してほしいです。

戦闘時の見栄えは良いだけに、バランスの残念さが際立っていたように感じてしまいました。 

まとめ

と、こんな感じでした。

全体的に前作よりは大きく改善されかつパワーアップしていたので、作品としてはまあまあ満足という感じですかね。

今までの作品は何だったの?という感じで先祖返りしたような印象すら受けてしまった前作のせいでハードルが下がっていたのは否めませんが。

ソフィー、フィリスほどの満足感はないですが、それ以降のアトリエ作品の中では一番楽しめたかなと。

一方で、相変わらず新しく追加したシステムの完成度がいまいちという、シリーズ恒例の課題もしっかりと継承してしまった印象です。

ストーリーも前作くらい動きがあった方が良かったかなあ。最初の満足感が高かっただけに尻すぼみな感じを受けてしまったのはあまり心象は良くなかったです。

次回作以降ですが、おそらく次作も同主人公で「ライザのアトリエ3」を発売するのかなとみています。(次作が最終作になるかは不明ですが。)

前作に比べて作品全体の雰囲気は好きになれたので、個人的には次回作は少し期待値が上がっています。色々な部分を改善して、より良いゲームに仕上げてほしいですね。