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【レビュー】春ゆきてレトロチカ【感想】ミステリードラマを見ている感覚で、推理を楽しめるアドベンチャーゲーム!

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春ゆきてレトロチカ -Switch

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どうも、今回は春ゆきてレトロチカの感想記事です。プレイ時間はエンディング到達時点で15時間15分。

 

ほぼ1本道の内容なので、バットエンド回収などしない限りは、15時間が目安な作品だと思います。価格帯考えるとやや短めですが、実写作品なのでそれなりには頑張っているのかなあという印象。

のゲームのポイント!実写表現で描かれるサスペンス系アドベンチャーゲーム。
・起こった事件に対して、情報から仮説を立てて推理を楽しむことが出来る。
・事件の雰囲気は古典的な王道ミステリー。

ネタバレ厳禁

最初になんですが、本作公式で配信やプレイ動画の公開、ネタバレに繋がる投稿を禁止と明言しています。後、ゲーム内でスクリーンショットも取れない仕様です。

 

なので、どうしようかちょっと悩んだんですが、せっかく購入したし、内容もまあまあ面白いので、何も書かないのももったいない!

 

という訳で、ネタバレは極力抜き、画像はPVで出ている所を引用という形の元、感想を書いてみようかと思います。

観る要素の強い実写系ミステリー

まず、本作の最大の特徴は実写系のアドベンチャーゲームという部分。

 

実写系ゲームで有名どころというと「街 ~運命の交差点」や、「428 〜封鎖された渋谷で〜」辺りだと思いますが、本作の場合、あれらの作品とは少し異なり、実写のムービーシーンを観てゲームを進めていく形になっています。

 

そのため、厳密にはノベルゲームではないんですよね。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=bWGYowq-vKA&t=8s

ただ、ムービーを見ていく中で所々では、重要なキーワードを取得する要素であったり、選択肢が登場。

 

選択肢に関しては、間違えるとバットエンドに行ってしまったりもするので、そういう部分はノベルゲームのシステムと共通しています。

 

バットエンドでは実写ならではの面白演技が見られるので、これも実写系ゲームとしての魅力に繋がっている印象です。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=bWGYowq-vKA&t=8s

ムービー自体のクオリティはそれなりに高く、演出も凝っているのでプレイ感覚としてはさながらミステリードラマを見ているかのよう。

 

それでいて事件では、様々な情報が一気に描写されるので、一瞬たりとも見逃せないんですよね。

 

章ごとの長さもそれほど長くなく、事件の真相が気になる内容になっているので、夢中でプレイし続けてしまうような魅力が生み出せているように感じられました。

古き良きミステリーな作風

作風は、THE・古風ミステリーっていう感じです。ミステリー好きであればツボに入るであろう、王道的な内容を詰め込んでいました。

 

具体的に説明すると...

ミステリー小説家の主人公が事件の謎を追う。

・不死の果実を持っていると噂される歴史ある一族。

・その一族の田舎屋敷で起こる殺人事件。

・過去と現代を繋げて、謎を追っていく。

・舞台設定が現代であり、現実に近い設定のため馴染みやすい。

ミステリーとしてのお約束も、もちろん健在。

という感じ。舞台設定や主人公の設定まで、王道的な古典ミステリーの雰囲気を踏襲している印象です。

 

ストーリーはちょっとこじんまりとしていますし、2022年のゲームとして考えるとややテーマ的に古臭いものは感じますが、実写での描写を採用している本作とはよくマッチしているように感じました。

 

昨年、ファミコン探偵倶楽部を遊んだ時にも思いましたが、こういう感じの雰囲気のゲーム、最近はあまり多くないので、逆にちょっと新鮮に感じられています。

本格的な推理が楽しめる推理編パートが楽しい!

本作、ムービー中に事件が発生して、その事件に対して色々な情報を集めた段階で、真実を突き止める推理編に突入するんですが、このパートが中々面白いです!

引用:https://www.youtube.com/watch?v=bWGYowq-vKA&t=8s

推理編の面白い所はいくつかあるんですが、まず1つ目は推理の難易度がそれなりに高いことです。

 

本作の事件、内容的にはそこまで珍しくなく、ミステリーを因んでいればどこかで見たことのあるような感じではあるんですが、

 

トリック自体はそれなりに凝っていて、しっかりとした観察眼と、それぞれの手がかりをむずびつけるようなひらめき力が必要となります。

 

また、事件の重要ポイントのみでなく、全貌を明かす必要があるので、全てが見えていないと、解決編パートであっさりバッドエンドになったりも。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=bWGYowq-vKA&t=8s

2つ目はですね、仮説が面白いことです。

 

推理編では色々な仮説を立てて、その中から真実を突き詰めていくようなシステムになっているのですが、仮説の中にはそれっぽい内容から全く見当違いのものまで多岐にわたった仮説が用意されているんですよ。

 

出た仮説が全て真実ではなく、そこで集めた情報の中で何が正解かということを考える必要もあります。

 

それぞれの仮説には専用のジオラマが用意されているのもあり、色々な仮説を立てて、整理していく感覚が楽しく感じられました。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=KYmWzXsmIik

3つ目は、検証できる材料が多いことです。

 

容疑者の証言を聞いて仮説を整理する他にも、例えば事件現場の平面図であったり、人物相関図、キーワードの解説や年表など色々な情報を見ることが出来るんですよ。

 

これらの情報を整理して、真実を導いていく感覚は、さながらミステリードラマの探偵役になったかのような気持ちが味わえます。

 

章の終わりには、真実をどこまで正確に突き止められたかによって、評価がされるシステムも用意されているので、推理力に自信のある方は、全章、初見時で最高ランクを狙う、なんていう楽しみ方もあるんじゃないでしょうか!

 

ちなみに、ぼくもミステリー自体はまあまあ嗜んでいるほうだと思うんですが、推理力の方はからっきしなのか、ぜんっぜんダメダメでした。

結局最高ランク取れたのは最初の章だけだったよ...。

見事なストーリー構造

ストーリーに関しては細かく解説するとネタバレになってしまうので、具体的に記載することは控えますが、内容としては非常に面白かったです。

 

正直、途中までは全体としてどういう方向にストーリーが進むのか、あまりつかめていなかったんですが、とある場面での展開は思わず「あっ!」と叫んでしまうほど、衝撃的な仕掛けが盛り込まれていました。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=KYmWzXsmIik

公式が唄っている通り、あらすじとしては、時を超えた4つの殺人事件に挑む内容となっています。

 

謎の死が続く四十万一族、突如起こる複数の事件。

 

過去の事件の内容を解き明かすことによって、一体どこに繋がっていくのか?全てが明かされる終盤の驚きは、間違いなく遊ぶ価値のある仕上がりでした。

 

内容を知りたければ、是非本作をプレイして真実に辿り着いてみてください!

あのギミックには全く気が付けなかった!

その他(演者と音楽)

実写ゲームなので演者に関しても触れようかと思います。全体的には、物語の雰囲気をうまく演出できており、配役には全く問題を感じませんでした。

 

面白いと思ったのはゲストキャラクターとして声優の梶裕貴氏、麻倉もも氏、女流棋士の香川愛生が登場すること。

 

特に声優両名はさすが声優だと感じる声の通りが見事で、俳優陣とはまた違う雰囲気を、スパイスとして加えられていた印象です。

 

音楽に関しては、主張の強い曲は少な目でしたが、メインテーマの感動系な雰囲気は割と好き。

 

後は終盤や大事なところで流れる「Suo」という曲が、いかにもサスペンス的な曲調で、耳に残りました。パッケージ版にはミニサントラが付いてくる仕様なので聞き返せるのもいいですね。

 

気になった点

テンポや操作性がいまいちな部分がある

引用:https://www.youtube.com/watch?v=KYmWzXsmIik

推理編パートは操作性がいまいちに感じました。

 

上記の画像にあるパズルのピースのようなものを、マス目に一つずつ置いていくのですが、この時にZRボタンを押しながら、スティックでカーソル移動させる必要があるので、ちょっと面倒です。

 

終盤はピースの数もかなり増えてくるので、段々と面倒くささが先行してくるのも気になってしまいました。もう少し直感的にプレイできた方が良かったかな。

 

上記もそうなんですが、他にも洗練されていないポイントがいくつかありました。

 

例えば、解決編で選択肢を間違えると、推理編に強制的に戻される仕様とか、推理編のまとめが使いづらい所とか。

 

2022年水準としては使い勝手が今一歩なので、もうちょい頑張って欲しかった。

面白くない謎解きギミック

これも細かく語りすぎるとネタバレになってしまうので難しいのですが、本作、1章のみ謎解き系のギミックが入ってくるパートがあります。

 

これがちょっと面白く感じられませんでした。というのも、謎解きの導線が弱いんですよね。

 

ヒントが少ない割には、それなりに難しいギミックを解かなければならず、絵面的にもあまり楽しくないし、物語的にも何とも言えない感じで、遊んでいてだいぶ気分が下がってしまいました。

 

まあ、実写ゲームなのでああいうギミックを入れたくなるのは分かるんですが、もう少しヒントの導線が丁寧だと良かったかな?

やや割高かも

実写ゲームなのである程度は仕方ないと思いますが、内容に対してちょっと割高感は残ってしまうと思います。

 

15時間でクリアできる、アドベンチャーゲームという部分だけを見れば、この半額程度でも遊べる作品は大量にありますからね。

 

とはいえ、今の時代にあまりない個性を持っているのも事実ですので、購入される場合は、その独自性にどこまで価値を置けるのかの吟味をしておくと、購入後との相違が発生しにくいと思うのでおススメです。

まとめ

以上、感想でした。

 

全体的には実写系の作風と、王道ミステリーの雰囲気が良くマッチしており、ストーリーの出来も素晴らしかったので、中々楽しめた一作でした。

 

推理に重点を置いたポイントは、他の実写系アドベンチャーとも一線を画していると思いますので、その方向性も良かったんじゃないかと思います。

 

総じてミステリー好きであれば十分楽しめる内容だったかなと。

 

新規のアドベンチャーゲームだったので、発売前は期待半分くらいだったんですが、それなりには好評な雰囲気を感じているので、今後もシリーズ展開か、系譜を継いだ作品を展開してくれると嬉しいですね♬

ミステリー好きなので応援したい!

春ゆきてレトロチカ -Switch

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