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【レビュー】超探偵事件簿 レインコード【感想】パンチのあるキャラクターと演出で魅せる、意欲的で個性的な推理アドベンチャーゲーム!

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どうも、ば~んです。

超探偵事件簿 レインコード -Switch

超探偵事件簿 レインコード -Switch

  • スパイク・チュンソフト
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今回は「超探偵事件簿 レインコード」の感想記事です。

プレイ時間は、50時間弱。DLC関連はまだノータッチ。クエスト、キャラエピソードは全部コンプリートでこんな感じ。

色々寄り道込みでこのくらいという感じなので、ストーリーだけ追うのであれば30~40時間前後が目安かな…?アドベンチャーゲームなんですが、遊ぶ要素が色々と多く用意されているので、割とボリューミーな内容に感じられました。

のゲームのポイント!・ダンガンロンパスタッフの贈る、完全新規の推理アドベンチャーゲーム。
謎解きとアトラクションを融合させた、独特な「謎迷宮」システム。
・パンチは強めだが、魅力的に表現されているキャラクター描写。

ダンガンロンパスタッフの贈る、完全新規の推理アドベンチャーゲーム

本作は、スパイク・チュンソフトから発売された新規の推理アドベンチャーゲームですが、開発元のシナリオライターや音楽、キャラクターデザインなどはいずれもダンガンロンパシリーズを共通しています。


なので、ダンガンロンパシリーズの精神的後継作品のような立ち位置と考えてもいいのではないかと。

ただ、話が地続きで繋がっているという感じではなく、あくまで新規作品ではあるので、シリーズ未経験者でも問題なくプレイは可能でした。(実際ぼくも、ダンガンロンパシリーズはゲームはノータッチ。)

あちらがコロシアイをテーマにしているのに対して、こちらはあくまで事件を探偵が追っていく形をとっているので、作風も若干違いますし、マイルド気味になっていたのかなと。そこらへんも購入までに考慮しても良いかもしれません。


そんな本作なんですが、この製作スタッフらしく推理という要素に関して、新たな切り口でゲーム的表現を行うという、個性的かつ意欲的なアドベンチャーゲームに仕上がっていました。

下記では、そんな本作のポイントに関して色々と紹介していきたいと思います!

3Dで表現される事件現場を調査していく調査パート

まず、ゲームの流れからなんですが、基本的には章立ての構成となっていて、それぞれストーリーを追っていると事件発生⇒調査⇒手がかりを集めて謎解き、という流れになっています。


事件現場はいずれも3Dで表現されたマップ形式になっており、雰囲気、背景は結構作り込まれています。ここら辺は没入感高めで良いと感じました。


そんな現場検証で活かされるのが本作に登場する超探偵たちの能力。いわゆる異能を使って、本来検証することが不可能なことを検証したり、現場に潜入したり、保安部という警察機関と対峙したり、捜査パートで色々な形で活用されていました。

個人的にはこの超探偵能力、キャラクターの個性付けやストーリーでの見せ場づくりに上手く作用していると感じましたし、何よりダイナミックな表現が可能になっていたので良かったのではないかと!

バトルやアトラクションのような表現で謎を解いていく、斬新な「謎迷宮」

本作の最大の特徴は何といってもこの「謎迷宮」システム!


これは本作における事件の解決編のようなパートなんですが、とにかく斬新な内容に仕上がっていました。

一般的に、ミステリーを題材にした作品って、その解決は静かな文章表現で描かれることが多いですよね?

でも、本作の謎迷宮はアトラクションやRPGのバトルのような演出と、謎解きを合体させたような「動」の演出を主体としたデザインになっているんですよ。これがとにかくユニークで面白い発想に感じられました。


特に個人的にお気に入りなのが「推理デスマッチ」。これは謎怪人という迷宮内の敵とのバトル時に発生する演出なんですが、敵側の嘘の発言に対して、真実の「解鍵」を使うことで、それを消し飛ばせるんですよね。


ダンガンロンパの「それは違うよ!」と大体一緒だと思うんですが、うまく推理通りハマった時が最高に気持ちいいんです!

 

この謎を斬る!

 

これ以外にもQTE形式で謎解きが飛んできたり、キーワードの穴埋めミニゲームが挟まれたりと、体験として飽きさせない工夫が満載で、演出として非常に面白く感じられました。まさか、謎解きをこんな感覚で遊ぶことが出来るとは!?

後述するように良くも悪くも演出ありきの内容で、ややテンポが悪い点など気になる所もありましたが、本作における唯一無二の強烈な魅力になっていたと思います!

ミステリーとしても面白く、先の読めない名ストーリー

そんな本作、ストーリーの出来もかなり良かった!

 


基本的にはミステリーとして、事件を追っていく流れにはなるんですが、ダンガンロンパの色を受け継いでいるだけあって、プレイヤーの予想を上回ってくるような衝撃的な展開がいくつも用意されているので、いい意味で先が読めないんですよ。

章にもよりますが、単にミステリーとしての出来も悪くないですし、各章でそれぞれのキャラクターを掘り下げていきながら進んでいくので、流れもスムーズ。


舞台に関しても、警察側が腐った組織として描かれている故、捜査が難しく常に逆境の状況というのもひっ迫した空気感を上手く出せていますし、ハラハラドキドキしながら物語を追うことが出来ました。

個人的に話としてお気に入りだったのは2章と4章。いずれもトリックの完成度が高く、とりわけ4章の真相は衝撃的過ぎて、プレイしていて「マジか!?」と口に出してしまったくらい。

後述するキャラクターの魅力を中心に、今後も語られていくようなクオリティだと感じられたので、満足度は高かったです♪

4章で明かされていく真相がわかった時の衝撃よ!

 

アクは強いが魅力的なキャラクターたち

そんな名ストーリーを彩るのが、今作に登場するパンチのあるキャラクターたち。特殊能力を持った超探偵、街を牛耳る悪の組織保安部、謎の仮面の男、記憶を失った主人公とその相棒の死神。


設定からして要素もりもりの濃い面々ですが、物語の中ではかなり丁寧にかつ魅力的に表現できていたのではないかと。


特に超探偵(一部探偵含む)たちは、それぞれきっちりと見せ場が用意されているので、印象に残りやすい作りになっていますし、各キャラクターとの会話イベントなども用意されているので、愛着が持てる仕様になっていて非常に良かった。


個人的にお気に入りなのはハララ・ナイトメアとヴィヴィア・トワイライト。この二人はエピソードでの活躍が非常においしいキャラクターだったので、凄い魅力的に映りました。かっこよすぎる…。



後は主人公と死に神ちゃんのペア。正直、主人公のユーマはあんまり最近見ないタイプのショタ系よわよわな感じで、いまいちパットしないなあと途中まで思っていたんですが、

最後までプレイすると、キャラクター付けや死に神ちゃんとのコンビも含めて、絶妙だったなと感じられる仕上がりだったので、しっかり好きになれました!これは是非続編も見てみたい!

雨に濡れたアングラな雰囲気が魅力的な舞台「カナイ区」

舞台に関しても触れさせてください。本作のメイン舞台は「カナイ区」という雨が降り続ける閉鎖的な街なんですが、アングラな雰囲気が非常に美しいです!


ネオンサインで彩られた街並みは、目を惹くレイアウトに仕上がっていますし、ゲームシステムとして街を歩き回る機会が多いので、ロケーションも印象に残りました。

明るくは決してないんですが、かといって不気味という訳でもなく、BGMの雰囲気も併せて独特な落ち着きがあっていいんですよ~。



各章には、そんなカナイ区の住民とのイベントが描かれた「クエスト」のような要素も用意されています。これも本編に出てきたキャラクターの補完的な内容になっていて、満足度は高かった。内容はただのお使いなのが玉に瑕ですが。

耳に残るBGM

本作、音楽も良かったかと!

ダンガンロンパシリーズでおなじみの高田雅史氏が手掛けるサウンドは、相変わらずサイケデリックトランス風の曲調が多く耳に残りました。



特にメインテーマのアレンジが多いのが良かった!まさしく謎に挑んでいるような怪奇で複雑なフレーズが、様々なシーンで流れるので自然と覚えられるんですよね。

単に盛り上がる曲だけという訳でもなく、シーンやマップに併せた曲の出来も抜群で、作品通してサウンドのクオリティはかなり高かったのではないかと。

個人的には各チャプターの謎迷宮フィニッシュ時の曲2つと、ラスボス戦が特に好きでした。サントラ、完全版が出たらぜひ買いたいので出してほしい!

気になった点

ゲームテンポがいまいち

ゲーム自体のテンポは全体的にいまいちに感じました。

前述した謎迷宮はあくまで演出ありきの作りになっているため、やや冗長になっているようなシーンも少なくなく、人によってはクドさを感じてしまうかもしれません。

また、リプレイ性に関してもゲームオーバーになった際に戻されるシーンが微妙に前で、ムービーをもう一度見る必要があったりするなど、あまり良いとは感じられませんでした。

捜査パートに関しても、複数の事件現場を移動させられるパートでは、街を行き来する必要があることもあり、とにかく時間がかかるのでこちらの若干の間延びを感じてしまう箇所もありました。

クリアまで50時間かかったのも、ここら辺のテンポの悪さに関係するところもあるので、仮に次回作があるのであればより改善されていると嬉しいですね。

ロード時間が長い

後は、ロード時間の長さも気になりました。Switchの性能の低さに起因しているのかもしれませんが、本作、かなりロードが多いですし、その時間も長いです。

とりわけ場面ごとの反転切り替え時間がかなり長いので、物語体験を損なうこともあり、ちょっともったいなく感じてしまいました。

特に謎迷宮に関しては、前述した通りテンポが良くない部分もあったりするので、そういう所も含めて、ロード時間の長さは悪い意味で噛み合ってしまっており、もう少し何とかしてほしかったなと思ってしまいましたね。

まとめ

以上、感想でした。総じて粗削りな部分はあるものの、良作アドベンチャーゲームと呼べる出来だったかと!

とりわけシナリオとキャラクター描写の出来はかなり良く、ダンガンロンパシリーズの遺伝子を汲んだ後継作ポジションとして上手く収まれそうな印象を受けました。個人的にも本作の設定を受け継いだ2作目をぜひ見てみたい!

ダンガンロンパに比べて毒のある描写も全体的に減っており、割と広い層でも楽しめる内容に仕上がっていると思いますので、

キャラクターやシナリオの良いアドベンチャーゲームを遊びたい、新しい形の推理アドベンチャーゲームを遊んでみたい、という方にはぜひおススメの作品です!

超探偵事件簿 レインコード -Switch

超探偵事件簿 レインコード -Switch

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