どうも、ば~んです。
今回は「英雄伝説 黎の軌跡Ⅱ -CRIMSON SiN-」の感想記事です。
プレイ時間は71時間弱。プレイ時間自体は前作よりも短いんですが、これはハイスピードモードによる影響が大きいので、仮にこのモードを使っていなかったら前作よりもかかっていたような気がします。結構長かった印象。
後はまあ、お伽の庭城をどこまでやるかにもよるのかな。ぼくは一応9層まではやりました。
新しい仕掛けを盛り込んだ共和国編2作目
本作は軌跡シリーズ12作目で、前作に引き続いて「カルバード共和国」が舞台となっています。
時系列的にも前作から数か月後を描かれているので、ほぼ地続きのような内容なんですが、前作までにはなかった意欲的なゲーム表現を盛り込んでいました。
仕掛け自体は賛否はあるかなと感じはしましたが、新しいゲーム表現を盛り込もうとする意欲は良いと感じたので、個人的な印象は良かったです。
ただですね、途中まではそのシステム含めて、シナリオも結構楽しめていたんですが、後半に行けば行くほど、軌跡の悪癖である引き伸ばし癖が強く出てしまっていました。
特に断章~3章の出来は結構酷かったんじゃないかと。
なので、最初はもうちょい酷評目になるかな?と思ったんですが、最終章はラスボス戦の演出含めて素晴らしかったのと、2章までは普通に楽しめていたので、トータルだとまあまあかなあって感じ。
という感じなので、下記で詳しく解説していきます。
タイムリープシステムを組み込んだゲーム進行
本作の最大の特徴は、アドベンチャーゲームのようなタイムリープシステムをゲーム進行に組み込んでいることです!
これ、事前情報を全く見てなかったのもあって、最初に見たときはびっくりしましたねえ。まさか、こんなシステムを軌跡シリーズに盛り込んでくるなんて。
基本的には一度展開を見てから死に戻って別の行動をするという、ストーリー展開ベースのシステムなので、プレイヤーの選択での変化という点ではやや弱かったですが、
でも、キャラクターが簡単に死にまくるという、なかなか軌跡では見ないシナリオ展開になっていたのも含めて、ぼくはありだったんじゃないかと。特に物語前半はいいスパイスとして機能していたと思います。
キャラが全然死なない閃とのギャップ凄くて笑っちゃった。
ただ、断章以降の展開はこのシステムを使ってグダグダし始めてしまっていた感もあるので、もう少しうまい使い方をしてくれれば、より魅力的に映ったかなあ。
ストーリー設定的に多分今後採用することはないと思うので、向上が見られないのが残念ではありますね。
前作に引き続いて、歯ごたえのある戦闘システム
戦闘システムは前作をベースに、ちょっと変化を加えていた感じでしたかね。
アクションとしてはアーツが使えるようになったり、回避したときにキャラチェンジして強攻撃できるようになったりしていたのが好印象。この調子だと、そのうちもう少しアクションベースよりの作りになるのかしら。
コマンドバトルはですね、2点良かったと思います。
1点目はEXチェイン。スタンしている相手にシャードブーストした状態でスクラムすると、連携攻撃みたいなものが発動するシステムですが、爽快感があってよかったんじゃないかと思います。
雑魚戦闘はこのおかげで、よりスムーズだったし、ボス戦は一度スタンまで入ったら一気に削って行けたりするので、戦闘にもよりメリハリが付いた印象でした。
2点目は敵キャラクターが「割り込みSクラフト」を使用してくること。これ、結構びっくりしましたね。
おそらくある程度のフラグ設定はされているんだと思いますが、なかなか読めないタイミングで高威力大技が飛んでくるので、戦闘の難易度が結構上がっていた気がします。
特に、双子が連発してきたり、毒のおじさんが開幕でブッパしてきたり、中々きつかった。
ただ、おかげで前作に引き続いてある程度歯ごたえある戦闘難易度が楽しめたので、よかったなと。
今回は火力の高い複数ボスが多くて、倒し方に苦心したなあ。
やり込み専用ダンジョン「お伽の庭城」
やり込み専用ダンジョンも追加されていました。「お伽の庭城」というダンジョンなんですが、システム的には創の「無限回廊」と似たようなものかな。
階層ごとに好きなキャラを使って攻略していけて、クリアして貯まるシャードトークンを利用することで、所謂ガチャみたいなゲームを遊べたり。
ボコボコ色々なアイテムが手に入る楽しみがあったので、ハクスラとしては良かったんじゃないでしょうか。
後、あんまり本編とも関係なかったので、遊びとして独立させたのも良かったのではないかと。
復活したミニゲーム&快適なゲームシステム
後はゲーム的な特徴ですと、ミニゲームが復活しましたね。前作では一切に無かったことへの改善なのか、釣り、尾行、ハッキング、カードゲーム、バスケットボールと結構幅広く用意されていました。
特に、釣りはやっぱ軌跡の一つの顔でもあると思うので、戻ってきたのは良かったんじゃないでしょうかね。
後は、快適性に関してはやっぱり「ハイスピードモード」の存在が大きいか。前作のPS5版やリマスター作品などであったモードのようですが、移動と戦闘が倍速できるんですよね。
これ、結構大きくて、クリア時間をかなり削れたんじゃないかって。軌跡ってやっぱ肝はストーリーだと思うので、それ以外の部分を作業的に倍速できるのは、モードとしてよいなと。
今後もこのモードは必須搭載にしてほしい!
前半までは面白いストーリー
ストーリーはですね、~2章までと最終章は中々良かったんじゃないかと思います。ほかのダメな点は後述します。
見せ方の良い展開
2章までは見せ方含めて、前作からの流れを上手く汲めていたんじゃないかと思いました。
面白かったのが同一章のなかで、Aパート、Bパートとそれぞれキャラクターと舞台を分けていたこと。おかげでキャラクターと舞台を使い余さずにメリハリある描写ができていた気がします。
Aパートでは、ヴァン中心に首都以外の場所を周る内容。
前作と同じ舞台を周ることもあったんですが、事件の内容も前作とはちょっと違う雰囲気に仕上げている匙加減が絶妙。特に2章の皇都編はワクワクしましたねえ。
一方のBパートは創以来の登場となるスウィン、ナーディアをメインに置きつつ、彼らと黎のキャラクターを組み合わせて、首都で展開される物語を描いていました。
こちらも、組み合わせに工夫が感じられる仕上がりで面白かったです。特に2章はスーナーの組み合わせで見たかったような話だったので、お気に入り。
と、こんな感じで前半部分は各地で起こる異変を探っていきつつ、意欲を感じるシナリオ展開にワクワクしていたのですが...。
相変わらず出来の良いキャラクターイベント
キャラクターイベントは前作に引き続いて出来が良かったです。あまり数は多くありませんでしたが。
今作は特に、他キャラクター×他キャラクターのような組み合わせでのイベントを見ることができたので、キャラクターの関係性を見るという楽しみがあってよかったなと。
黎のキャライベは、各キャラクターの立ち位置がちゃんと異なるから面白く感じるんだろうな。いい意味でコピペ感がないので、キャラが活き活きとしていました。
一方、キャラクターイベントの見せ方で気になったのは本編で入れないといけないようなシーンと、イベントに入れてしまっていたことです。
重要なシーンに関しては、イベントというより本編で描写しなきゃダメなのでは...?
一部イベントって頑張っても複数周回しないと確認できないのにね,。こういう所もぼくの嫌いな軌跡って感じで嫌。
素晴らしいラスボス戦の演出
後ですね、ラスボス戦の演出も素晴らしかったです。個人的にはシリーズで一番気に入りました。
タイムリープならではの独特なバトル演出、同じく独特なんだけど凄い雰囲気に合ったテクノ系BGMに切り替わっていく雰囲気はほかのシリーズにないものを感じましたし、ラスボスの正体も意外性があって面白かった。
最初の締めの演出にシームレスに移行する技術はファルコムの成長を感じたし、見栄えも良かったんじゃないかと思います。
あと、あのキャラクターとの一騎打ちという形で終わらせたのは、作品としての嫌な感じが残ることなく綺麗に終わらせられている要因だと思うんですよね。3章のボスが仮にラスボスだったら綺麗にはまとまってないと思うんで。
そういう意味では前作に引き続いて締めの部分はばっちりだったので、過去の未完作品に比べて印象は良かった。
向上した演出、グラフィック
後は、見栄えの部分か。
前作の時点でもグラフィックや演出に関しては上向きを感じましたが、今作は特に演出面がよりよくなっていたように感じました。
特に、一部では戦闘時からシームレスにムービーに移行するシーンなんかもあって、ようやく次世代的な表現に追い付いてきたのかなと。
その他のムービーシーンに関しても、一部まだぎこちない感じはあるとはいえ、閃の時の人形劇に比べるとずいぶん進化したなあと感じましたね。
後は、Sクラフトの際にカットインが入る仕様が復活していたり、オープニングムービーの出来が良かったり、見栄えは着実に進化していると感じます。
閃での3D化から9年、時間はかかりましたが、一定以上のクオリティに仕上がってきましたね。
悪くないサウンド
サウンドはまあ相変わらず。いい曲も多いんだけど、うーんって曲も一定数やはり存在します。
ただ、前作並みかそれ以上に良さは感じられたので、シリーズ間の中だと評価できる方にはなっているのかな。
個人的に好きだったのはお伽の庭城の通常戦闘曲。
何となく、創の「Wind-Up Yesterday! 」に似た雰囲気を感じられて良き。多分同じく古口さん作曲なんだろうな。この人の作る戦闘曲は新しい軌跡って感じで好きです。
後はまあ、ボス戦は全体的に悪くなかったし、ラスボス戦も結構好きなんですが、曲名が分からないので語りにくいですね。
オープニングの「CRIMSON SiN」も中々。名もなき悪夢の果てほどではないですが、Aメロ~Bメロの勢いは結構気持ちよく、聞いていて好きになれました。サビ以降の展開がちょっと残念ですけどね。
と、聞き返したい曲がそれなりにあったので、サントラは今回も買う予定です。
気になった点
軌跡の悪癖が目立つ後半のシナリオ
今作、中盤以降の展開の出来がよろしくないです。特に、閃あたりから指摘されがちな「引き伸ばしのための展開」が多くて、単調でグダグダに感じました。
例えば具体的な話だと、断章は、いかにもな無駄な戦闘パートが多すぎますし、戦う敵にインパクトが足りないので、すごいダラダラしてる感じがしました。
後、黎から登場したキャラ以上にあのキャラクターにスポットを当てる必要性は今更あるのか?とも思ったなあ。あのキャラはもうサブの位置づけで良くないですか?過去作で十分掘り下げられてるじゃんって。
それと、3章はですね。とにかくもったいない!
展開自体は悪くないんですけど、途中からの流れがコピペでもしたの?って感じで同じ内容にしかなってないので、単調すぎるんですよね。どうしてあの脚本でGOしたのかって思ってしまうくらい酷かった。
例えば、1日1日にもう少し起伏を持たせて、パターンを複雑にすれば、ゲームとしてもシナリオとしても非常に面白くなった章だと思うんですけど、時間がなかったのか予算がなかったのか、手抜きっぽく感じてしまいました。
あの展開をやってしまったせいで、各キャラクターの掘り下げも足りなくなっちゃってましたし、話がグダグダしてあまり進んだ感触もないので、悪いことづくめでしたね。
軌跡のダメさが詰まった結社関連
※ネタバレなので、隠します。
ネタバレ(クリック)
前作では単に物語を引っ掻き回すだけでなく、傍観者&味方寄りで面白い立ち位置に感じたウロボロス。今作では正直ダメダメでしたね。
結社、何がダメかって彼ら自身の存在が引き伸ばしにしかなってないんですよな。マリアベル、シャーリー、閃以降のカンパネルラ。どいつもこいつも作品中に決着をつけるつもりがないのに立ちはだかってくるので、RPGとして戦う意味がわかりません。
どうせ倒せないんだから戦う意味ないじゃん?
そう思われた時点でRPGとしては破綻している気がするんですが、残念ながら今作の破戒さんの立ち位置は、そういう結社のダメなところを詰め合わせたような感じでした。特に終章の戦闘とか最高に意味わからんがな。
加えて、あの存在意義の分からん双子!一体彼らは何のために出てきたんでしょうか?庭園関連ならスーナーと絡ませるべきだと思うんですが、そのポジションはガーデンマスターに奪われているので、どういう役割を持たせたかったのが全く分からなかった。
ジェラールダンテスの子供っていう設定もおいしいはずなのに、それを活かそうともしない3章以降のシナリオ展開に完全に見せ場を奪われ、結局使い余して結社入り、っていうのがまあ実に軌跡のダメなところ尽くし。ヨルダの声が古賀葵さんということ以外に価値を見出せないわ!
キャラの掘り下げ不足
上記で挙げたように無駄な点がストーリーに多すぎて、あんまり見たかったものも見れなかった気がしたんですよね。
特に、解決事務所の面々の掘り下げとか足りなかったような?
精々カトルとフェリくらいですが、彼ら2人はあの見せ方でよかったのか?って感じが強かった。特にカトル君の見せ方は違うって...。せめて章単独で彼に充ててくれよと。オープニングの展開からの肩透かし感が凄かったです。
なまじ、前作は丁寧に1章一人ベースで描いていたため(ジュディス除く)、余計に今作のストーリー内の見せ方に物足りなさを感じました。
それで、終盤のキャラクターイベントのように重要なものを本編に入れてないわけですからね...。もっとやらなきゃいけないことがあるはずなのに、どうしてこうなってしまったのか。
使い余したLGCアライメント
前作から引き続き搭載されていた「LGCアライメント」システム。
クエスト内の選んだ選択肢に伴って「ロウ」「グレー」「カオス」のステータスが上がっていくシステムですが、これは明らかに使い余しましたね!?
まさか、ストーリー内で一切関わってこないどころか、ラストダンジョンに最強装備アイテムとして落ちる場所が変わるだけなんて。悪い意味でビックリ。
まあ、クエスト内の分岐としては面白いと思うんですけどね。もうちょい頑張ってよ。
まとめ
と、こんな感じでした。
前作が久しぶりにシリーズで気に入れた作品だったので、まずその続きの物語が見れたのはまあ良かったです。キャラも相変わらず魅力には感じられました。
ただ、やっぱそれを踏まえても断章~3章のストーリーの出来は良くなかったですね。
正直、ぼくはいまの軌跡は惰性と一部のキャラクターで追っているので、彼らの話が見れれば軌跡本筋のストーリーなんてどうでもいいと思っている節まであるんですが、その描写すらもいまいちだったので、なんだかなあって感じでした。
ただ、一方で2章までのシナリオと、終章の綺麗な締め方に関しては評価します。
その他に関しても、徐々にシステム面の進化は感じられるし、戦闘のバランスはいいとこついていると思うし、音楽もなんか段々良くなってきてるので、トータルだと前作よりやや下がる程度でしょうかね。
次作に関しては、たぶん引き続き共和国編をやるんでしょうね。発売間隔的にはそろそろイースが入ってきそうなので、再来年発売という感じなんでしょうか。まあ、ここまで来たら最後まで買うので、引き続き追うことにします。