炎に煌めくゲームレビュー

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【現役Sier】ゲーマーが語る独立系Sierの働き方【SES】

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どうも、ば~んです。

記事名通り、今回は若干いつもと気色の違う記事内容となります。

以前にもブログで書いた通り、ぼくは今年の10月で3年半務めた企業を退職しました。


どこで働いていたかと言いますと俗にいう「中堅の独立系のSier」企業です。(まあ、次も種別は同じなんですが。)


働いていて、色々思うことがあったので、ちょっと色々書いてみたいんですが、ネットの中では、既に散々この業界のことが書かれているので、ちょっと変わった切り口から攻めてみようかと。

ということで、ゲームブログならではの視点として、ゲーマー的に見たこの業界のいい所、嫌な所をザックリ挙げてみたいと思います。

独立系SIerってどうなんだろう?みたいなこと考えている人はぜひ読んでいただければと。

 

用語の前提

本題に入る前に、一応ワードをざっと解説してみましょうか。

Sierってなに?文系でもなれる?

Sierって単語。この業界に詳しくない人からするとピンと来ないかもしれないので、一応説明すると「システムインテグレーター」の略称です。

大まかな区分だとシステムエンジニア (以下SE と大きくは変わらない認識でいいと思います。基本的にはパソコンでシステムの開発や保守、テストなどを行う仕事ですね。

システムの仕事をしている、ってなるとよく「難しそう」だとか「理系なの?」とか言われるんですが、ぼくはバリバリの文系でした。(というか、数学とか理科は死ぬほど苦手です。)


なので、文系でも別に全然なれます。業務内容に関しても、正直プログラミング言語の読解は文理関係ない分野なので、なんか適当な言語の参考書とか見て拒否反応を起こさない限りは大丈夫なんではないでしょうか。

特に工流にもよりますが、文系Sierはエクセルばっかり触って会議に出るだけで一日が終わる、なんてこともある職なのでプログラミングを一切しない人も少なくないです。(まあ、これが業界をよくない感じにさせている要因だとは思いますが。)

安定感もあるので、公務員なんかと近い感覚もあるかもしれません。なので、大学生の文系の人で、特にやりたいこともなく、日々ある程度決まったことをしたいなーなんて思っている人には、まあ悪くない選択肢なのではないかと。

独立系Sierとは?

もう一つ、独立系について。

Sierは種類として大きく分けると3つ「メーカー系」「ユーザー系」「独立系」に分かれています。簡単に独立系のみ説明すると、親会社がなく資本が独立している企業のこと。

特徴としては色々あるんですが、客先常駐という形態がかなり多い分類に入るのが一番重要なのかなと。自社で働くことが少なく、基本客先に飛ばされる、そんな働き方が多いのが独立系Sier。

まあ、企業としてはもろもろメリットデメリット色々あるんですが、働き手としては結構デメリットが大きいです。

ちょっとそこらへんに関しては下記の悪い点で解説していこうかと。

ゲーマーから見たSierの良い所

さて、ではさっそく本題に入っていきます。まずは業界的に良いと思った所からピックアップ。

リモートワークができる

一つ目の良いところはですね、現場にもよりますがリモートワークが可能なです。


昨今、コロナ情勢でリモートワークはかなり普及してきましたが、業界柄どうしても導入が難しい職もあるかと思います。でも、Sierはその中でもかなりリモートワークがしやすい方かなと。

実際、ぼくの参画現場も入ってから辞めるまで2年間ずーっとフルリモートでした。

このリモートワークができるっていう点は非常にゲーマーとしては大きいんですよね。だって、仕事が終わったら即ゲームが起動できるんですよ?

出社してたら平日にできるゲーム時間なんて精々1~2時間程度ですが、リモートワーク時であれば最大3~4時間近くの時間を確保することも可能です。なので、そういう意味では非常に良いなと。

ただ、このリモートワークの可否はあくまで現場によるところが大きいので、独立系のSierのように参画現場がランダムだと実際どうなのかわかりにくいのがネックではありますね。

なので、そこらへんに関しては会社として公言しているとか、そういう方向性で探すといいのかなと思います。(例えば、会社としてリモートワークを推し進めているとか。)

ある程度休日がある

2つ目の良い所はある程度の休日が確保される点です。Sierに限らず、大抵のIT企業は基本的に完全週休2日(土日祝)という勤務体系を採用しているので、年間休日は少なくとも120日前後はあります。



加えて、夏季休暇や年末年始。最近は5日取得が義務となっている有給などを合わせると、年130日以上は休めるんじゃないでしょうか。なので、休日に関しては、業界全体で多い方かなとは思います。

休みが多いとやっぱり、まとめてゲームを消化したりできますし、土日に友達と一緒にマルチプレイを遊んだりすることもできるので、やっぱり多いのはゲーマーとしてはメリットに感じました。

まあ、実際に取れるかどうかはまた別だったりするので、そこらへんは後で悪い所に書く予定ではありますが、それでもそもそもの休日数が少ない業界よりは全然いいかなと。

イメージほどは忙しくはない(あくまで全体平均)

3つ目の良い所は、全体平均的な残業時間は一般的に思われているほどは長くない点です。


残業って趣味の大敵で、やる時間はそがれるし気力も持っていかれるので、とにかくこのバランスが取れるのが重要なんですが、Sierはまあ良くはないけど、最下層でもないかなあっていう印象ですね。

昨今、IT業界全体で残業を減らそうという動きが徐々に増えてきていて、少し前に比べて業界の健全化が進んでいます。

まあ、あくまで平均なのでやばい所は相変わらずやばいし、まだまだ黒い体質が抜けきっていない現場企業も多いですが、

割とSier企業は法令は守らせる企業が多いので、一昔前のやばいイメージと比べると多少マシになっているのかなと思います。

実際、ぼくの友達で他業界行った人とかの方が激務で苦しんでたりするので、Sierより残業がやばい業界も全然あるんじゃないかと。

参考程度にぼくのここ3年間の平均月残業時間は20~30時間程度でした。一番多かった時も60超えたくらいかな。ま、同じ現場の同期は3桁出してたりしたので、人に寄るんですけどね。

少ないと思ってはいるのはおススメしないですが、いい現場を引ければそこまで残業三昧になりすぎることはないです。

ゲームをたしなんでいる人がそこそこ多い

4つ目の良い所は、業界内にゲームをたしなんでいる人が多めなところです。

やっぱり業界柄、割とインドア派だったり理系の人が一定数存在するのもあって、まあまあゲーマーも見かけるのかなと。

そうなると、ゲームの話なんかで繋がりを作ることも一応可能なので、話の幅が極端に狭い自分のような人間からすると、ちょっと助かったこともありました。

最初の飲み会で孤立していた時に、ゲーマーの先輩から声を掛けてもらったなあ。

勤怠が緩い

5つ目の良い所は勤怠が緩めなところが多い点です。

これは現場にもよりますが、IT企業って全体的に勤怠規律が緩い印象が多いです。

なので、結構遅刻とかしてもなあなあになったり、業務中に中抜けできたり、有給に関しても業務都合さえつけられれば、特に理由などを言う必要もなく休むことが可能です。

ゲーマー視点だと、有給が結構自由に取れるのがいいなあって思いました。実際過去の当ブログ見てもらえれば分かると思うんですけど、期待している新作の発売日とかって大体有給入れられてたんですよね。

ただし、あくまで「業務に都合がつけられれば」の話なので、激務の現場であったり、炎上している現場であれば、この限りでは全くないのでそこはご注意ください。

なお、リモートワークだと有給中にも仕事ができてしまう模様...。

ゲーマーから見たSierの悪い所

続いて、悪いと思った所を紹介していきます。

突発的な残業が多い

1つ目の悪い所は、突発的な残業が多いことです。色々要因はあるんですが、例えば障害。

SIerってシステムの開発保守をやることが多いと思うんですが、そういう業務をするにあたって「障害」という概念は避けられない事象だったりします。

しかもですね、障害って障害担当チームとかが修正するんじゃなくて、開発担当チームが対応することが多いんですよ。


となると、通常の業務の中で上から障害が降ってきて、並行で作業しなければならない、なんてことが日常茶飯事だったりします。そうなると、どう頑張っても残業しなければいけなくなってしまったりするんですよね。


この障害が来るか来ないかいうのをひやひやしながら毎日を過ごすのは中々にストレス。特に順調に業務消化して、定時後に新作を遊ぶのを楽しみにしていた時間に降ってきたときなんてもうね。最悪の気分ですよ。

こんな感じで障害が筆頭ですが、ほかにも納期が急に短くなったり、唐突な要件変更が起こったりと、何かとスケジュールが前後することが多く、

これまで順調だったものが急に崩れてるということがまあまあ多いので、それに伴って突発的な残業が起こりがちです。こういうことが多いので、現場によっては平日ほとんど何もできない、なんてこともあるわけですね。

メンタルを病みやすい

2つ目の悪い所はメンタルを病みやすいことです。

これはIT業界全体の傾向でもあるかもしれませんが、今回は独立系Sierに絞って語っていきましょうか。

個人的に、独立系のエンジニアが苦しむポイントはやはり「SES」という業務形態にある気がしています。

SESとはシステムエンジニアリングサービスの略称で、時間単価でエンジニアを他の企業に提供するという雇用形態の一つなんですが、中堅以下のSIerはとにかくこの形態が多いです。

~500人程度の企業で自社開発も行ってない企業は、ほとんどがこの形態を採用していると思った方がいいでしょう。

んでですね。このSESという働き方は色々な意味で問題を抱えている形態な気がしました。ぼくも2年ほどその形態で働いていていたんですが、特に嫌だったことをピックアップしてみます。

・客先常駐がメインとなるため、自社で仕事ができず、帰属意識が薄れる。

・現場に参画する際に、わざわざ常駐先企業と面談をする必要がある。

・現場では自社企業を名乗れないケースがあり、別企業の社員として働かされる。

・大量の企業が参画しているため、自社内のみで情報が完結しないケースが多い。

・大量の企業が参画しているため、情報の伝達にも時間がかかり無駄が多い。

・3次請け以下などの下流工程で入ってしまうと、ほとんど上から作業が降ってくるだけ。使われるだけ。

・工流が上のプロパー社員に問題があったとしても、別会社なので自社からは強く言えない。


ざっとこんな感じでしょうか。特に一番下が最悪で、ぼくはあまりに人間性に問題があるプロパー社員にうんざりして、会社を辞めてしまいました。


構造の問題は、建築業界の下請け構造と似ているのかなと思うんですが、下に行けば下に行くほど扱いが悪くなります。

給料は低いのに、何もやってないで給料だけもらっている上に使われるだけ使われる。自社名乗れないし、自社にいないんで、ぼくはどこに勤めてるんだっけ?ってなるのもザラ。

そんなわけで、こういう問題のある構造に、しかも下に入れられがちな中堅独立系Sier企業っていうのはメンタルを病みやすいわけですね。

このメンタルが病みやすいっていうのは、ゲーマーとしては結構なマイナスポイントでした。実際ぼくも今年の5~6月あたりはだいぶやられてて、私生活もかなり気持ちが落ち込んでしまっていて、あまりやる気がなかったですからね。

メンタルを病みたくない人はできればSES形態の現場は避ける、あるいは社として常に社員のメンタルケアを行っているような会社を選ぶ方がいいと思います。

勤務地が安定しない

3つ目の悪い所は勤務地が安定しないことです。

これは2つ目のSES契約の延長線上の話になりますが、独立系Sierの社員って基本客先常駐になることが多いんですよ。

なので、契約の都合でコロコロ勤務地が変わることも全然あったりします。

特に、最悪の場合だと自宅からの距離を全く考慮されずに、片道2時間かかる現場に配属されたなんて話も聞いたことが。



通勤時間が長くなると、日々のプライベート時間は短くなってしまいますからね。最近はテレワークが進んでいるので過去よりはマシかもしれませんが、仕事場が安定しないっていうのは中々、ゲーマーとしてはストレスでした。

この点はぼくも入社してから気づいたんですが、いろいろな仕事に挑戦できる、というのは裏返すと勤務地が全く定まらないということなので、独立系Sierに入社を考えている人はここもよく考えた方がいいと思います。

業界自体に黒い文化が残っている

4つ目の悪い所は業界柄黒い部分がまだ残っているところです。

確かに、近年IT業界全体で少しずつホワイト化してきているところはありますが、いかんせん、長らく残業が染みついている現場などが一定数存在するのも現状です。


特に、SESが主流の独立系Sier企業は基本給が低く、残業代が全額支給というパターンの企業が多いため、残業代で稼ぐという手段が割と横行していたりするんですよね。

そうなってくると、なかなか定時で上がりにくい空気がどうしても出来上がっていますし、残業を多くしていることが評価につながったりするという昭和のような文化も残っていたりします。

やっぱり、趣味を優先したいものとしては、無駄な残業って極力避けたいので、ぼくも最初の1年なんかは頑張って定時に帰っていたんですが、結構それで文句を言われることもあったので、やっぱこういう所は昔から変わらないんだなと思いました。

目や体が疲れる

5つ目の悪い所は目や体が疲れることです。



これはまあシンプルで、仕事でもPCモニターを眺めつつ、趣味でもゲームをやっているわけですから、目をとにかく酷使します。

なので、目を使う必要のある演出の激しいゲームや、大作ゲームなんかは中々平日触る気力が起きなくなってしまうんですよね。

それ以外も、目だけでなくて態勢がずっと座ったままになってしまったりもするので、体に負担もありますし、あんまりいいことがないです。

なので、例えばストレッチの時間を入れるとか、目を休める時間を作るとか工夫がいるので、ちょっとめんどくさかった。

まとめ

以上、ゲーマー視点から見た独立系SIerの良し悪しでした。

悪い点の方が長く書いてしまってはいるんですが、リモートワークが出来たりする所は悪くなかったなーと思うので、なんだかんだこの業界に入ってよかったとは思ってます。

おかげで、今もこうしてゲームをしながらブログの更新が継続できているわけですしね。

ただ、やっぱり未経験から入れるということがどういうことなんか、自社で働けないSESという働き方、というあたりはしっかり認識して入った方が良いですね。

ちなみに、ぼくの職場は同業ではあるんですが、どちらかというと「ユーザー系」に近い部類の職になると聞いています。また数年働ければ、同じような記事を挙げて、比較とかしてみたいですね。