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【レビュー】英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-【感想】RPGとしてのいまいちさは気になるが、ストーリーは面白い!

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どうも、ば~んです。


今回は、「英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-」の感想記事です。

プレイ時間は68時間。前作に引き続き、ハイスピードモードをかけつつ、こなせるクエスト関連は大体制覇。黒の庭城まで含めて大体の要素はやりつくしましたが、意外とプレイ時間自体は前作より少なく落ち着きました。

庭園が前作に比べて、サクッと遊びやすい内容になっていたのもありますが、ストーリーの密度の割には、引き伸ばしが少なく比較的スマートに遊べた印象です。ひどかった黎2の後だったので余計にそう感じたかも。

のゲームのポイント!・軌跡シリーズ13作目。前作に続いてカルバード共和国編3作目。
・軌跡シリーズ最大規模で描かれる、ダイナミックなストーリー展開。
・今までの延長戦上感が強く、RPGとしての新鮮味は薄い。

共和国編3作目は、目新しさよりもストーリー描写に舵を切った作風

本作、タイトルこそ黎から変わりはしたものの、実質的な中身は黎の軌跡3といっても全く問題ないかと。そのまま共和国編3作目でした。


特徴的なポイントとしては、過去作からケビンとリィンが主人公を務める複数ルートによる進行といったところですが、創や黎2の前半部で似たようなことはやっているので、新鮮味は薄く。かといって、サブやりこみダンジョンのグリムガルテンにしても、前作の庭城を改良した程度で、新しさを感じる要素はかなり少なかったです。


ただ、戦闘を始めとした基本部分は黎1から積み重ねた所もあり、結構よくなっているのと、肝心のストーリーが中々面白。シリーズの中でも見どころある方だったかなと感じられたので、ぼくは満足度割と高かったです。

過去最大規模で描かれるダイナミックなストーリー展開

前述した通り、あくまで個人的な印象ではありますが、本作のストーリー、とても面白かったと思います。黎2にはだいぶガッカリさせられたので期待薄だったけど、今作は最後まで楽しめた。



良かったと思う要因は、まず先が読めない点。複数のルートに分かれて描かれる主人公視点では、それぞれの立場と目的が描かれるんですが、敵側として立つ人物の意外性だったり、最終的な着地点が読みにくい所も踏まえて、先が気になる展開に仕上がっていたかと。


それぞれのルートの中で謎と伏線が色々と貼られるんですが、いまいちそれらが点で繋がらない状態から、一気に終盤設定が明かされていくので、思わずそう繋がんのかよ!って脳内で言ってしまったくらい。複数作品跨いだ伏線描写も多かったので、驚きも大きかったですね。


また、物語的な規模の大きさも良かった。過去作からの前提を大きく覆す、壮大な設定には面喰いました。正直、ここら辺の設定の所はあまり期待していなかったんだけど、閃4や創で示唆されていた伏線の先としては、かなりいい形で落ち着けたのではないかと。ようやく世界観の核心に迫るポイントが見れたのも、シリーズが終わりに向かっている感覚があってgood。

今作の設定を見ると、過去作の伏線シーンとかも見直したくなるな。

 


とりわけ、終盤のイベントシーンの見ごたえや、敵になるキャラクターの意外性も含めて、未完で終わっているはずなのに、満足度はかなり高かったです。特にグレンデル=シャダイ、いいですよね。OPにも出てたけど、誰だか全然分からなかった。

 

あのセリフからの展開は鳥肌もの!

 

それぞれのルートで思ったこと

ネタバレについて語りすぎない程度にそれぞれのルートについて触れてみます。



ヴァンルートは珍しく蚊帳の外に置かれている感覚があるのが、ある意味面白かった。今回のこのルート、振り返ると事態に翻弄されているだけで、効果的な事が何もできてないんですよ。だからこそ、終盤の展開を止められない無力感が伝わってきて、感情移入してしまった。色々キャラクターとの因縁も出来たので、次回作では主軸を張って、共和国編に決着をつけられるのだろうと思うので期待。


リィンルートはどうなるかなーって思ってたんですが、閃の悪い要素はあまり出ておらず、無難なまとまりだったので、そこそこ楽しめました。まあ、固定ヒロインがいないので、相変わらず誰に対してもなあなあな感じのイベントシーンはある意味かわいそうだったけど。次回作でもたぶん、大事な役割は残されてそうな予感。後、ミントの声は佐藤聡美さんに戻して...?


ケビンルートは、個人的にはちょっと不満。ケビンのキャラ付けが3rdの展開を経てもあれなの?って感じで、創のロイドルートと似たような部分を感じてしまいました。同じような話やっても成長感じないので、いまいちだと思うけどなー。でも、ピクニック隊は楽しそうだったので、そこは良かった。

2代目Cさん面白いキャラクターになりすぎだろ。

 

演出面やモデリング技術の向上

後は演出やモデリングは相変わらず、良くなってますね。戦闘のカットインエフェクトとかも着実に良くなっていると思いますし、単純なキャラクターのモデリングも前作からさらに良くなったように感じます。


なまじ、今作は閃や3rd以来の登場となるキャラクターがいたので、過去作に比べてのその進化をより体感できました。空もこの感じでリメイクするみたいだし、他の作品もこれ基準で遊んでみたい感もあるかも。まあ、そんなことしてたらいつまでたっても完結しないので、たぶんダメなんだけど。

バランスは悪いが、要素が増えて豪華になった戦闘

戦闘に関しては、シャードコマンドとかZOCとか要素は増えて豪華にはなったと思います。が、バランスの悪さは閃3~創時代に逆戻りしてしまった感もあるかも。


今回はとにかく、シャードコマンドが前のオーダーと似たような形なので、それ前提の作りすぎるのが、ワンパターンかなって思ってしまった所がありました。効果が派手なんですよね、ダメージ軽減80%とか、硬直0..2倍とか。確かに単純で分かりやすいけど、過去2作にあった緊張感のあるバトルはあまり感じられなかったので、一長一短という感じ。

ただ、ラスボス戦とかに関しては、これを最大限活用して、とんでもない動きをしてくる所はある意味面白かったので、、もう少し拡張されるであろう続編ではより面白くなるかも?個人的には、既存の拡張より、新しさを求めたいんですが、まあそれは新シリーズまで待ちかなあ...。

その他やりこみ要素はいつも通り

やりこみ要素に関しては、前作と大きな違いはなし。


強いていうのであれば、庭城に関しては、前作ほどのくどさはない調整になっていたので、最後までやりやすくはなりましたね。前作は途中で放り投げたんですが、今回は最後までやってもそこまで負担はなかったので、助かりはしました。


一応最後までやると重要な設定も明かされるので、今回は遊びきるの前提な作りだったという感じですかね。っていうかこの人パッケージに映ってるのにほぼ出番ねえ...。

他はあんまり言うことないですね。改めて見ると、もう少しゲーム的な違いはあっても良かったかな。

気になった点

RPGとしての意義に欠けるストーリー展開

本作、一番気になったのは、軌跡お馴染みの戦う意味のない戦闘の多さです。

どうせ倒しても逃げられる、であればまだマシなほうで、別に話し合えばよくない?って所でもゲームの都合上の問題なのか戦闘が発生するので、なんで戦ってるんだっけ?というのがどうしても頭をよぎるシーンが多い。ファルコム的には少年漫画の拳で殴り合う展開をイメージしてるのかもだけど、多すぎてげんなりしてくるんですよね。

前述したとおり、本作のストーリー自体はとても面白かった。だから、そこまでは気にならなかったけど、RPGとしてうまく組み込めているかといわれると、あまりそうは感じなかった。だって本作のラスボス戦とか、実際戦う意味ないですからね。演出好きなので嫌いではないけど。

どうなんですかね、ここら辺は軌跡シリーズのずっとの課題ではあるけど。本作はストーリーが結構良かっただけに残念さが際立ったように、ぼくは感じました。

意地悪なキャラクターイベントの仕様

本作、キャラクターイベントの仕様は前作から引き続きですが、相変わらずよくないことに、重要な設定をバンバンこのイベント内で明かしてきます。


にもかかわらず、毎回絶妙に1イベント分見れないようなゲーム設定にしてくる仕様は一体何の意味があるのか...?一応ゲーム内で後から見れる仕様にはなっていますが、そうするくらいなら、全部見れるようにしてくれればいいのに。

ここら辺、昔の軌跡と同じく周回前提ゲームの名残だと思うんですけど、もう令和なんですし、いつまでその時代の名残を引きづっているのかって感じがありますね。プレイヤーに選択させたいんでしょうけど、もうこの仕様であれば、選択にさほど意味はないと思うので、改善してほしいです。

いまいちなBGM

サウンドはイースⅩに続いて微妙!singa先生のサウンドは微妙なものはいつもの微妙な感じとして、黎1、2でちょっとずつ良くなってた数曲キレのある感じの曲も、今作は特になしで、まったく耳に残らず。

ほかの作曲者メンバも、今作は全体的にいまいちな感じ?どうも、黎1と2でアイデア出し尽くした感じなのか、ぱっとしない感じの曲に終始してしまっていたのかなと。ケビンの戦闘テーマとラスボス戦くらいでしたかね、良かったの。この分だと来年以降のザナドゥ新作とかも心配なんですが...。

まとめ

以上、感想でした。ゲーム部分はちょっと気になる所多かったし、相変わらず共和国編未完ではあるので、あんまり評価が良くないのも分からなくはないですが、

ぼくとしては一番大事なストーリーが結構良かったように感じられたので、割と楽しめた。特に終盤の盛り上がりはこれまでの軌跡シリーズでも随一だったので、衝撃的だったし、しばらく余韻に浸ってしまいました。これであれば期待込めて4作目を待てるかも。

来年は空リメイクとザナドゥ?イース新作とかも考えると、ちょっと発売がいつになるのか若干不安な所ですが、今作で残された部分をきちんと消化して、共和国編をまとめてくれることに期待したいです!