どうも、ば~んです。
今回は「マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!」の感想記事です。
プレイ時間は大体50時間。やり込み要素はクエスト関連はコンプリート。比較的ストーリー内でやり込みをコンプできるので、普通に遊んでもこのくらいの時間になるような気がしました。マリオ&ルイージRPGシリーズの中だと最長ボリュームで、長さで定評のあった4のボリュームも超えてきましたね。(4は40時間前後だった記憶。)
初の据え置き機での展開、表現が3Dへと進化したことなどで、これまでよりも大作感のある作風に変化したのは間違いないかと。かといって、長すぎるというほどの冗長感はなかったので、ある意味ちょうど良いくらいなのかもという印象でした。
- 10年ぶりに帰ってきたマリオ&ルイージRPGシリーズ最新作
- マンネリを打破した新鮮味と、これまでの雰囲気の両取り
- 過去作を踏襲しつつ、力の入った戦闘システム
- 船で世界を航海していく旅感を味わえるゲーム進行
- 色々なキャラクターにスポットを当てつつ、しっかり盛り上がる名ストーリー
- 作曲者が変わっても、質の高いサウンド面
- 気になった点
- まとめ
10年ぶりに帰ってきたマリオ&ルイージRPGシリーズ最新作
本作、位置づけ的にはマリオ&ルイージRPGシリーズの第6作目になります。(ペーパーMIXが実質5なので。)ただし、開発元は倒産したアルファドリームではなく、アクワイア。DXの発売があったとはいえ、10年越しに新作が来るとは驚きでした。
発表当初を見た感じだと、シリーズリセットしてやり直すのかな?と思っていたんですが、そういうわけでもなく、しっかり過去作の設定などはそのまま生きている形で継承されていました。(クッパのルイージ呼び、イエロースターなどなど。)
かといって、それがそこまで重要というわけでもなく、本作から入るプレイヤーも、過去作ファンも楽しめるような塩梅に仕上がっていた印象です。なぜなら本作は異世界設定で、これまでには登場しないキャラクター中心。過去作要素も精々ファンサービス要素にとどまっているから。なので、新規プレイヤーでも安心の作りかと。
下記では、そんな本作の魅力について触れていきます。
マンネリを打破した新鮮味と、これまでの雰囲気の両取り
本作、一番良い所だと思っているのは、これまでのマンネリを吹き飛ばすような新鮮感!マリオ&ルイージRPG、色々ありましたが、ストップする直前の展開はとにかくマンネリ味が強かった。
出来はいいけど変わり映えのないドットグラフィック、面白いけど小規模で拡張性の低い戦闘システム、同じような感じのギミック面。それぞれ単体で見れば決して悪くないけど、新しさが致命的に足りていない。ハードスペックの限界もあったんでしょうが、セールス面でシリーズが止まってしまったのはここら辺の要因が大きかったのかなと。
そのためか、本作は新鮮味を感じさせる様々な工夫を入れているのを感じました。例えば、舞台面。本作の舞台はコネクタルランドという、従来の世界とは全く異なる異世界を舞台にしています。登場するキャラクターも、家電製品をモチーフにしたであろう、マリオファミリーとは違った雰囲気を持っているキャラが多数登場。
ゲームの進行も、単に足で世界を歩き回るのではなく、船島を拠点に各地の海域を廻って島々を繋げていくという形になっていますし、表現面で言えば、ドット絵ではなく、3Dモデルで描かれるようになりました。と、このようにこれまでと大きく形を変えるような意欲が多数見られたんですよね。
一方、かといって今までの要素を全て捨て去ったという訳でもなく、基本ベースはそのまま健在。シンプルな操作でアクションバトルの出来る戦闘やブラザーアクション。コミカルなんだけど、熱い所はしっかり決めてくるストーリー、クエスト回りの豊富なやり込み要素、等々。
このように、新しい要素による新鮮さとこれまでのシリーズの積み重ねを良いとこどりした印象で、ゲームとしてのまとまりはかなり良かったのではないかと感じました。
過去作を踏襲しつつ、力の入った戦闘システム
本作、戦闘に関しては後述する課題もあったとは思うのですが、トータルで見るとかなり面白かったのかなと思います。まず、基本ベースは過去作を踏襲。やや難易度が高めな所はありますが、操作感も大きく変わらずにアクションコマンドバトルが楽しめる内容でした。
じゃあ何が面白かったのかというと、まず新システムの一つである「バトルプラグ」。使用回数限度のあるプラグをセット出来て、それによって戦闘時に色々な効果を付与できるようになりました。効果の範囲がとにかく幅広く、色々なことが出来るようになっているんだけど、使用制限は結構シビアで大事な時に使えないリスクもあるというのが、絶妙なバランスで成立していて、いいスパイスになっていました。
複数プラグを組み合わせて、相乗効果を生み出す要素なんかもあり、組み合わせの幅は広めなのも面白い所。何かとブラザーアクションだよりで単調になりがちなマリルイRPGの戦闘に新しい風を吹かせていた印象です。
もう一つの評価点は「ルイージセンス」。ボス戦中にルイージが一定のタイミングで閃きを行ってくれて、そのアクションに成功するとボスに大きくダメージを入れられるギミックなんですが、これも面白かった。
本作、ボスが結構強くて、難易度も結構高い方だと思うんですが、序盤で技を見切りながらもちょっとずつ削りを入れて、ルイージセンスを入れてから一気に反撃!っていう流れがボス戦として気持ちよくて。体験として面白くなっていたかなと思います。
今回のルイージ、4と同じくらい扱い良かった気がする。
船で世界を航海していく旅感を味わえるゲーム進行
前述した通り、本作のゲーム進行は「船島」から海域を航海していき、そこで島を見つけて巡っていくという方式を採用しているのですが、このシステムも面白かった。
まず、旅感が良く演出できていたと思います。色々な海域を巡って、島々を巡って、色々な人々に会っていく。RPGとしてはよく見る流れですが、マリオ&ルイージRPGシリーズは、もう少し全体的にコンパクトなスケールの中で繰り広げられることが多いので、新しさを感じました。
島々も種類豊かで、特にこのシリーズだと中々見ない都会のような雰囲気のある街があったりと、ちゃんと異世界に来ているんだなと感じられました。
また、航海のシステムも面白くて、リアルタイムでの移動式になっているんですよね。船島は移動先だけ指定しておけば勝手に移動してくれるので、その間にはクエストをやりにいったり、釣りをしたりだとか、そういうマルチタスク的なことが出来るのが面白かった。
各海域にはサブ要素としての島々であったり、収集要素の岩礁など、探索要素も用意されているので、そういったものを探しながら航海していくのは、冒険感を味わえて、とても楽しい船旅でした
色々なキャラクターにスポットを当てつつ、しっかり盛り上がる名ストーリー
ここまでシステム面も所を色々と上げてきましたが、本作にはもう一つ、語るにあたって欠かせない要素があります。それがストーリー。今回のストーリー、めっちゃ面白かった!
特徴的なポイントはいくつかあるんですが、まずキャラクターにポイントを絞った描写が素晴らしい!過去のマリオ&ルイージRPGと比べても、キャラクター個々の描写が大きく進化しています。
相棒キャラとして最初から最後まで登場するコネッタやタップーはもちろんのこと、船島に乗り込んできて、ともに冒険するキャラクターはみんなかなり深い所まで掘り下げられていた印象です。特にピーチとイエロースターと組ませたことで、ずっと存在感のあったグズグズ団や、便利屋枠のギミルダ。クッパJrの友達フレンや、装備屋のツクローサなど、記憶に残るキャラばかり。
色々なキャラクターの過去を掘り下げるクエストも充実していますし、ストーリー内での出番も細かく計算して作っている印象で、とにかくキャラクターの描写には力が入っていました。過去作はここまでは深く作っていなかったので、一気にRPGっぽい方向に進化した印象です。
もう一つは、ストーリー構成の絶妙さ。本作、序盤に関しては、いつものマリオ&ルイージRPGっぽい明るい雰囲気で進んでいくんですが、終盤はシリーズでも結構シリアス色の強い盛り上がりを見せます。ぼくが遊んだ中では一番その色が強くて、多分シリーズでも2に並ぶくらいなのかな...?
しかもただ暗いだけではなくて、しっかり絆というテーマに沿ってストーリー建てされた上で、それに合う悪役を用意しているのがとても良いなと感じました。終盤はみたい展開全て見れて、お腹いっぱい。最高のラスボス戦でしたね。
ラスボスの造詣とキャラ付け、かなり好みでした。
作曲者が変わっても、質の高いサウンド面
本作、サウンドも良かったです。個人的には2024年に発売された作品で一番好きなサウンドでした。
今回はシリーズでおなじみの下村氏ではなく、勇なまやスマブラXなどで有名な坂本英城氏が担当されていましたが、これまでとは少し違った雰囲気にしつつも、しっかりマリオ&ルイージRPG感のあるサウンドに仕上げているのがさすがだなと。
ちょっとコミカルなんだけど耳に残る通常戦闘曲から冒険感を楽しめる様々なフィールドマップ曲、終盤のシリアスな曲まで出色の出来。唯一、固有ボス戦のBGMが少ないのがちょっと残念ではあったのですが、それ以外はパーフェクトといっても差し支えない出来かと。
個人的には大ボス戦の曲が特に好きで、ルイージセンスと併せたゲーム体験に抜群にマッチしていて、すごく耳に残りました。サントラはどうせ出ないと思いますので、せめてNintendo Musicに配信してほしい!
気になった点
移動周りの快適性がいまいちなシステム面
本作、一番気になったのは移動面などの快適性がいまいちな所です。
前述した通り、海流を渡って島々を巡っていくんですが、拠点から各島々への行き来が土管限定で、都度土管まで移動しなければいけないのが何とも手間。それでいて、拠点の大砲から土管までも無駄に距離があるので、やたらと歩かされる感覚がありました。大砲の隣に土管があっても良かったのでは...?
また、マップが全体的に広いのにも関わらず、移動手段を土管に限定しているせいで、各島々の土管の配置がだんだんぐちゃぐちゃしてきて、どれがどれにつながってるのかわかりにくい、みたいな問題点も散見されていたのかなと。
これはおそらく、これまでのシリーズのシステムと本作で拡大した規模の整合性が取れていない故かと思います。一応、最低限の所は整備されていたと思うんですが、もう少しシステムを見直しても良いかな?という気はしましたね。
一部過剰気味で冗長な戦闘演出
本作の戦闘、前述した通り全体的には面白かったとは思います。ただ一点、バトルテンポに関してはちょっと気になる所がありました。
全体的な話になるんですが、演出が過剰だった印象です。マリオ&ルイージRPGってシンプルな操作で、相手の攻撃をよけたりカウンターしたりして、サクサク楽しめるというのがこれまでの印象だったともうのですが、本作はどうにもそこらへんが冗長になっている感が強く。
ボス戦にしろ雑魚戦にしろ、相手の攻撃が長くよけずらい。しかも避けても別にカウンターが入るわけではなく、こっちのメリットにもなりずらいというのも拍車をかけてめんどくささを強調していたのかなと。一方、こちらのブラザーアクションもやや演出過剰なものがあり、テンポを崩してしまっていました。
ここら辺は、今回から3Dにするにあたって新しいことにチャレンジした結果でもあるとは思うんですが、ちょっと一部に関しては調整ミス感があったので、もう少しシンプルの方がすっきりしていて良いのかな?と感じました。
永遠と相手の長い攻撃が続くのは結構ストレス…。
まとめ
以上、感想でした!だらだら遊んでいたので、クリアまで時間がかかってしまったけど、終盤は予想以上の盛り上がりで一気に駆け抜けてしまった。
これまでのマリオ&ルイージRPGの良さは残しつつ、据え置き機向けの作品ということで規模やスケールの拡張、キャラクター描写を深化させることでより本格的なRPGへの舵を切ったという所も含めて、総じて素晴らしい作品だったなと。
以前、マリルイ3DXを遊んだ時にも書いたのですが、個人的にこのシリーズ、良作なんだけどどれも突き抜けているように感じられない、という評価で止まってしまっていたんですよね。だけど、本作はそれらを打ち破って一つ先に行った感がありました。ストーリー的な繋がりも薄いので、過去作からのファンにも、本作からの新規プレイヤーにもどちらにもおススメできる一作かと。
後、記事内では触れませんでしたが、本作のオリジナルキャラクター推しを見る限り、任天堂のオリキャラアレルギーも収まったように思えるので、ペーパーマリオ含めて、今後はこの路線が期待できるというのもプラス材料ですね。
せっかく本作がこの形で、素晴らしいクオリティで発売されてくれたことですし、是非とも今度、またシリーズを続けていってくれると嬉しいなという気持ちです!