さて今回レビューするのは「STELLA GLOW」。このゲームは2015年6月4日にセガから発売されたSRPGですが、実質的にはイメージエポックの遺作となっています。
プレイ時間は52時間37分。SRPGとしてはテンポが悪いのもあって、ややクリア時間は長めのように感じました。
ただぼく自身のプレイが下手というのもあると思うので、1週は大体40時間くらいが目安だと思います。
今回からレビューの際は今まで以上に頑張ってネタバレ要素排除しようと思います。というのも今までの見返して思ったんですが、あれじゃ未購入者向けのレビューになってないですね。プレイ感想にしかなってなかったので、方向性を変えていきます。
ゲームの特徴
本作、ジャンルとしてはシミュレーションRPGとなります。特徴は後述しますが、歌を使用したゲーム性です。
ぼくはプレイしてないので比較できないのですが、イメージエポックが過去に開発していた「ルミナスアーク」シリーズとは共通点も多く、実質的なシリーズ後継作とも言われていたり。
評価点
オーソドックスかつ分かりやすいゲームシステム
本作のシステム、飾ることなくシンプルで非常に分かりやすい内容になっています。
戦闘では、キャラを操作して移動、コマンドでスキルや攻撃を選択するなど、
かなりオーソドックスな作りで、すんなりとプレイすることが出来て良かった。
地形の変化や、キャラクターの向きによってのダメージ変化など、シミュレーションRPGにありがちな、位置取りの重要性も取り入れていて、戦略性の高いバトルに仕上がっていました。
また戦闘以外では、ストーリーの合間に街での自由行動時間があります。
キャラクターとのイベントや外に出ての戦闘、お金がもらえたり、アイテムがもらえたりするイベントを選択できるのですが、これもゲームのメリハリ的によくできていたと感じました。
特に自由にレベル上げができるのは、遊びやすくて大変良かった。
ゲームを彩る魅力的な歌
本作、最大の特徴は「歌」をテーマにしていること。
歌を歌う、魔女と呼ばれたキャラクターが複数人存在し、それぞれに応じたキャラクターソングも用意されています。
戦闘時には、彼女たちが歌うことで発生する副次効果も存在します。
この歌、ストーリーにおける役割もとても良かったんですが、単純に音楽としても非常にクオリティが高かった。
1キャラクターに対して、2曲用意されているのもあって、収録されているボーカル曲は10曲以上とかなり豪華な仕様です。
歌っている声優陣もかなり豪華なので、この曲のためだけに、プレイする価値はあるといっても過言ではないほどでした。
魅力的なキャラクター陣
今作、最終的な仲間になるキャラクターがかなり多いんですが、それぞれ個性的で良いキャラクターが揃っていました。
イベントにおける各キャラクターの掘り下げも丁寧で、仲間感を良く演出できていたのかなと。
後は、単にハーレムになっていないのも良かったです。この手の作品は基本的に女キャラメインのハーレムゲーと思われがちですが、今作は男性キャラもかなり丁寧に描写されているので、好感を覚えられるつくりになっているんですよ。
特に主人公のアルトはとてもかっこよかったし、後半に立ちはだかる「あのキャラ」もとても印象に残りました。
王道ながらよくできているストーリー
ストーリーは非常に王道的で面白かったです。
平和な序盤から敵との出会い、ヒロインたちとの出会いからの覚醒、中盤のどんでん返し、終盤の熱い展開などなど、名ストーリーと表現して差し支えないほど見事な出来。
世界観設定からの、伏線回収もかなり丁寧で、ストーリーだけ切り出した作品のレベルは3DSの中でもトップ5に入ります。
サブキャラクターに関しても、基本的に見せ場がどこかであるため、愛着を持てますし、未熟な主人公がしっかりと覚醒する場面もあって、遊んでいてとても感情移入しながらプレイできました。
ファンタジー雰囲気を存分に表している良質な音楽
今作の音楽はお馴染みのプロキオン・スタジオの光田康典、土屋俊輔両氏が担当しています。
この組み合わせは個人的にプレイしたゲームでは、アークライズファンタジア以来でしたが、相変わらずファンタジー系のゲームによくマッチする曲が揃っているなぁと感じました。
色々と好きな曲は多いんですが、まずはやはりこの勝利時に流れる壮大なテーマ曲!
いかにも、このサウンド組という感じの曲で耳に残りました。
そして、戦闘曲はこの曲!物語後半の重要ボス戦を彩ってくれる、非常に熱くエモい曲です。この曲はとにかく、流れるシーンが最高に熱くて、めちゃめちゃ耳に残ってくれました。
後は、オープニングも非常にかっこいいです!
この曲を聞いて、本作の購入を決意したくらいにはいい曲なので、是非聞いてみてください。
問題点
戦闘のテンポが悪い!
ここまでよい所ばかり上げてきましたが、残念ながらこのゲームには致命的な問題点があります。
それは戦闘のテンポです!
戦闘、ターンシステムなんですが、相手キャラのターンがもっさりしている上に、味方や相手の全体攻撃で、全てのキャラクターにいちいち細かく判定が入るため、とにかくテンポがよくないんですよ!
残念ながら相手ターンのスキップ等便利なシステムもついていなかったので、お互いのターンを見ているだけでもかなり時間がかかってしまいました。
せっかく、戦闘演出自体は短くなっている上にカットできる仕様なのに、キャラクターの動作のみもっさりしていてテンポが遅くなってしまっているのが、気になってしまいました。もったいない...。
やや偏りのあるスタータスシステム
今作は各キャラによって伸びやすいスタータスと、伸びにくい、もしくは全く伸びないスタータスがあるのですが、システム上敏捷が伸びないキャラがものすごく使いにくいという欠点があります。
何故使いにくいのかというと単純に遅いとターンが回ってこないのですよ。
終盤は速い敵も増えていくため、速いキャラクターに比べると全く動けないので、キャラクター格差が起きてしまっていたのが少し残念でした。
まとめ
こんなところでしょうか。
とにもかくにも、歌をテーマにしたゲーム性と見事な完成度のストーリーが最高な作品でした。戦闘やその他要素もうまくまとまっており、テンポさえ良ければ完璧だった作品。
イメージエポックの作品は、当たり外れ激しいものの、いい作品それなりにあったので、本作が最後になってしまったのは少し残念でした。
出荷もあまりされなかったようなので、若干レアかも?是非遊んでみてください!