どうでもいいんですが、最近ブログでも。を使うようにしました。
たまたま自分のブログを読み返していた時に気になったんですよね。
せっかく最近はレビューとかも丁寧に書くようになっているし、時の形式も丁寧にしようかなと思って変えてみました。
(※本記事は2017年に発売された3DS版を元に記述しています。2019年にSwitch版が発売。内容自体は大きな変化はなし。)
さて、今回レビューするのは「アライアンス・アライブ」。このゲームは先月、6月22日に発売されたフリューのRPG。
開発陣的には2015年に発売された「レジェンドオブレガシー」の続編的な立ち位置と考えてもよさそうではありますが、実際の所、関連性は開発陣以外にはなく完全新規のRPGと捉えた方がよいと思います。
プレイ時間は31時間38分。寄り道要素はおそらく7~8割程度プレイ、レベル上げ、というかスタータス上げもほどほどにはやったのでm平均プレイ時間よりやや長め、くらいですかね。
25~30時間くらいが一周の目安だと思います。RPGタイトルとしてのボリュームは平均かそれよりやや少ないくらい。
ゲームの特徴
この作品はまあ見た目通り、古き良きRPGを意識して作られたRPGです。
ただ癖が強かった実質的な前作とは異なり、非常にオーソドックスな世界を旅するタイプのRPGですね。ストーリー要素もしっかり健在です。
序盤だけオムニバス形式が採用されていますが、途中でキャラクターが合流してからは1つの視点で物語が進んでいきます。
ストーリーは章ごとに進んでいきますが、所々では自由にフィールドを移動できるので全体的な自由度はそこそこ高め。
それらの自由度はゲームの様々なシステムとも、うまくかみ合っていたという印象です。
具体的には以下の評価点で。
評価点
テンポの良い戦闘システム
(まともな画像が残っていなかったのでロビンスでスキルで失礼します)
まず、今作は戦闘システムが良かった!
基本的な部分は前作「レジェンドオブレガシー」のシステムを引き継いでいますが、(陣形、スキルシステム、一戦ごとにHPは全回復等)細かい部分は結構変更されています。
精霊術のようなややこしいシステムがなくなり、全体的にシンプルになっているし、2倍速や4倍速の設定が追加された事によって大きくテンポも良くなりました。
戦闘中はいつでも変更できるので雑魚専は4倍、ボス戦は2倍くらいでプレイすると、個人的にはちょうど良かったですね。
難易度調整も全体的にマイルドになっていて前作のような、理不尽な死はほとんどなくなっていました。
それでもボス戦はきっちりそこそこの強さになっていましたし、プレイしやすい難易度だったと思います。
(死に足りないという人は是非フィールドの巨大な敵に当たってみよう!)
前作にあった陣形システムも健在。パーティーメンバーが3人から5人に増えたおかげで、組み合わせの種類が増えより戦略性が増していました。
そして新要素の「ファイナルストライク」も良かったですね。
これは戦闘中、一定のゲージが貯まると必殺技が使えるというシステムなのですが、発動すると使用している武器が壊れてしまうんですよ。
壊れてしまうとスキルが使えなくなってしまうので、いつ撃つかという取捨選択が楽しかった。
ちなみに、壊れた武器は後々修理できるようになるので、後半は安心してバンバン打つことが可能になります。
自由度の高いキャラクターの育成が楽しい!
今作の成長システムは基本的には前作の通りで、「覚醒システム」や「HP、SPだけになったとはいえランダムで伸びるスタータス」といった要素は続投しています。
ここら辺の要素は個人的に前作でもかなり好きだった要素ですし、今作は何より寄り道が楽しい仕様になっているので二重に育成が楽しかったですね。
更に、今作では各キャラクターに、スキルポイントを振り分けるシステムが存在しており、各キャラクターの武器を好きなような決めて、スキルを振り分けることができます。
一応各キャラクターには適正武器が存在しているようなのですが、少なくとも一周プレイするくらいなら、適当に自分で決めても問題ないくらいには、育成のカスタマイズ性が高く、人によっては全く違うキャラクターになっていそうな所が非常に面白かった。
そしてなまじ戦闘のテンポが良いためレベル上げも楽しいんですよ!ここもうまく噛み合っていました。
壮大で完成度の高いストーリー
今作は前作とは異なりしっかり軸となるストーリーが存在するのですが、全体的に完成度は高めだと感じました!
魔族&妖魔&人間、分断された世界、黒き流れ、等々、正にザ・ファンタジーRPGといった感じの要素満載のストーリーなので、王道ファンタジーRPG好きならまず楽しめると思います。
簡単にいうと今の世界がどうしてこうなっているのか、というのがストーリーの主軸でその情報を集めていく、というのが序盤の流れですね。
ストーリーの概要も、一気に説明されるわけでなく、定期的に新しい情報が公開されていくので理解もしやすいし、主人公たちとは別の視点でのシーン、
主に敵側サイドの視点が所々で入るので常に先が楽しみなストーリーでした。
主人公サイドは基本的に和気藹々としたパーティーなので、そこまでシリアスよりの雰囲気という訳でもないのですが、要所要所はきっちり盛り上げてくるので。展開に退屈もしません。
主人公キャラクター全員に見せ場がある、とはさすがに言いませんが、それでも全員必要なキャラクターであったと思います。
パーティーシーンはほんとに和むし、好きでしたね。
最も、ストーリーでははやや語りきられていない部分も存在するので、「端から端まで説明してくれないと嫌だ!」という人には不満が残るかもしれません。
でも、個人的には本編での物語はしっかり完結させつつも、考察の余地が残る感じになっていて良かったと思います。
意味深なセリフや用語が作中に多くちりばめられているせいか、今作は考察も非常に楽しいと思うんですよね。
そこら辺気になっているので時間があれば二週目もプレイしてみたいのですが…。
景観に拘っているフィールドや街
今作は街やフィールドの作りにもかなり力が入っていると思いました。
特に中盤で訪れることとなる白嶺城が凄いんですよ!和の世界といった雰囲気なのですが、階段を上がる際にいちいち綺麗な塔が目に入るので、移動のめんどくささを感じないのが素晴らしい!
街の作りも江戸時代を思わせる古風な作りになっていて、非常に印象的です、いいセンスしているなーと感じました。
また各所サブイベントが発生する場所の景観。
意外にも拘って作られていることが多く、驚かされる事は多々ありましたね。
ワールドマップ自体、結晶世界は非常に綺麗な雰囲気で落ち着きますし、デザインでもいいセンスをしているなーと感じました。
非常に多い寄り道要素
もはや昨今のRPGでは必須級のサブイベントの作りこみ。
今作はそこもバッチリでした!
形としてクエストらしいクエストが存在するという訳ではないのですが、フィールド各所にはメインストーリーと全く関係無い物から関係ある物まで、幅広く、小型のダンジョン、家がいくつも存在しておりそこでは必ずイベントが発生します。
数も決して少なくないのでワールドマップを全て回れるようになってからは、夢中で探していました。
特に、選択を迫られる形式のイベントが多いのですが、この選択によって後にギルドに加わってくれるキャラクターがいたり、他の人物の会話内容が変化したりと多様な効果をゲームに及ぼすのが非常に面白い!
サブキャラクターのセリフ一つ一つがタイミングによって変化したりするのも、寄り道が楽しい要因に繋がっているんですよ。
例えば最初の町には母を魔族にさらわれた父子が住んでいるんですが、ストーリーを進めた後にもう一回行ってみると母が帰ってきていたりするんですよ!
こんな感じのイベントが結構あるので定期的に街に戻りたくなってしまいます。
仲間集めが楽しいギルドシステム
これも前述の寄り道要素の一貫ではありますが、要素として独立しているので紹介。
本作におけるギルドシステム。
これは中盤以降利用になる戦闘の援助や装備品の援助などを行えるシステムなのですが、これも寄り道を楽しくさせていてなおよかったと思います。
というのもこのギルドシステムは人員が必要になるシステムなのですが、街やダンジョンで人に話しかけるとギルドメンバーに加入してくれることがあるんですよ。
しっかりイベントつきですし、これを探すだけでも寄り道がかなり楽しくなりました。
サブキャラクターは加入後しっかりと、とある乗り物で生活しており、これまた会話が作りこまれているんですよね。
こんな感じでサブキャラクターも、しっかりメイン補助のポジションに入ってくれるので、大所帯での法舟で旅している、という感じが今作は強く、それも仲間を集めている、という感じが感じて良かったです。
ゲームにあった素晴らしい音楽
今作は前作に引き続き音楽は浜渦氏が担当していますが、より、作品にあった素晴らしい楽曲だったと思います。
曲自体も素晴らしいのですが流れる場面もしっかり場面場面、考えて決めているな、という事が伝わってくる音響面も非常に秀逸。
特にイベントの曲の使い方は絶妙でしたね。
中でも某ボス戦で計3回使用される「分断された世界」。
これは特典サントラにも収録されている曲なのですが、戦闘前の演出からバトルに入る部分が驚くほどにマッチしていて、とても印象的な曲でした。
特に某ボス二戦目は演出も内容も強烈ですね、あそこは音楽も最高にマッチしているし素晴らしかったと思います。
特典サントラ曲では他にも多数のイベントで使用される「予感」、実質強敵戦として使われている「イグニッション」、イベントからボス戦まで、幅広く使われた「動乱」など、印象的な曲が多く入っていていました。
現在では完全サントラが発売されているので気になる方はそちらをどうぞ!
相変わらず快適なインターフェース
これは、実質的な前作「レジェンドオブレガシー」のレビューでも書いたのですが、このシリーズはほんとにインターフェースが優れていますね。
セーブがいつでもできるクイックセーブシステムや、快適なセーブ、ロードによって全滅しても全く気にならないくらいすぐ再開できるのが素晴らしいです。
フィールドからダンジョン、街移動の際のロードも非常に短いですし、プレイしていて不便を感じることはほとんどないと思いますね。
問題点
ワールドマップのキャラクターが小さい
今作、プレイしていて気になったのが、ワールドマップの操作キャラクターの小ささです。
フィールドの比率に対してもあまり大きく表示されないので、通常の3DSだと少し見づらいように感じました。
ワールドマップの表示の大きさは世界観を見せるためにも悪くはないと思うのですが、出来れば拡大か収縮の視点変更モードが欲しかったところです。
後半に行くにつれて気にならなくはなりますけどね。
後個人的に困ったのが、ストーリー中どこに行けばいいのかわからなくなる時があった時に、対処法が何もなかったことです。
ワールドマップは前述の通り視点が広く、オブジェクトがいまいち見つけにくいというのもあって、何度か迷ってしまったことがありました。
エンドコンテンツが弱い
エンドコンテンツの弱さも少し気になりました。
せっかくキャラクターの育成が楽しいのに裏ダンジョンや、裏ボスが存在しないせいか、周回プレイくらいしかそのキャラクターを使える場所がないんですよね。
全体的にクリアまでのプレイ時間も精々30時間くらいですし、肝心のラスボスは正直拍子抜けするくらい弱いので、最後の方はもう少しだけ要素が欲しかったかなー。
まあなんとなく、予算的に終盤を作りこむのは厳しかったのかなという印象も受けたのですが。
まとめ
こんなところですかね。元からまあまあ期待はしていたんですけど、正直ここまで面白いとは思っていなかったなという感じです。
ぼくは3DSのRPGはもう20本近くプレイしてきたと思うんですけど。このゲームその中でも1、2位を争う出来でした。
とにかく色々な要素が1本のゲームの中で上手くハマっているというか、決して大ボリュームの大作ではないのですが完成度は屈指の出来だと思います。
開発の裏話とかを聞いているとよくあの状況下でここまでまとめたなという感じ。本当に奇跡の一作なのかもしれません。
ぼくはRPGに求める部分って、「戦闘や育成が楽しい、ストーリーが良い、キャラクターが良い、寄り道要素、探索が楽しい、音楽が良い」大まかに分けるとこんな感じなんですよ。
最近プレイしたRPGでこの中のいくつかを満たしていた作品はあれど、中々これ全て網羅しているタイトルは少ないんですよね。
でもこのゲームはそういうぼくにとっての「RPGと言ったらこれだろ!」という要素をほぼ全部踏まえて作られていました。
そういう意味ではかなりお気に入りの作品ですね。実質的な前作「レジェンドオブレガシー」の頃から注目していた者からするとほんと感無量って感じでした。
この作品チームの次の作品が出るかは分かりませんが、是非次回作も作って欲しいです。