さて、レビュー記事です。今回レビューするのは、「GRAVITY DAZE2 重力的眩暈完結編 上層への帰還の果て」。
このゲームは2017年1月19日に発売された、アクションゲーム「GRAVITY DAZE」シリーズの最新作。
前作からおよそ5年ぶりということでかなり久しぶりの新作となりました。その関係で、対応ハードもPSVからPS4へと移行しています。
プレイ時間は28時間45分。メインストーリーはもちろん、サイドミッションはすべてクリア済み。
スコアアタック他オンライン要素はほぼ手つかず。その他寄り道はぼちぼち。
ミッション以外のサブ要素も豊富なので、多分もっと寄り道しようと思えばいくらでもできると思います。
ゲームの特徴
今作、シリーズの続編という事もあり、基本的なシステムは前作と変わりません。
重力を操って空中を飛び回り、敵を蹴ったり物をぶつけたりして倒していくという感じです。
前作と異なるのは全体的なボリュームの大幅な増加。特に、2.5倍以上となったフィールドの大幅な拡張は必見です。
その他、ハード変更に伴い全体的なグラフィックもパワーアップしていますし、操作性もタッチから通常の操作に変化し、プレイしやすくなっていたと思います。
アクション面も新要素を取り込みパワーアップ。いずれの点でも順当と呼べる以上の大盤振る舞いっぷりで、ボリューミーな作品に仕上がっていました。
評価点
上下に広いオープンワールド
今作のフィールドは前作の約2.5倍と宣伝しているだけあって、非常に広いものとなっています。
序盤からちょっと進めた辺りで今作での新しい街、「ジルガ・パラ・ラオ」に到着するのですが、あまりの広さに驚愕してしまった!
広さに関して、特筆すべきは上下にとても広いという点で、なんと上下に街が4つにも分かれて存在しているんですよね。
それぞれ雰囲気が異なる街に仕上がっており、作りこみもしっかりしていてオープンワールドとしての完成度はかなり高いと思いました。
これだけ広いと移動がめんどくさく感じそうですが、そこは前作でもあったワープマンホールでしっかりと配置されています。
まあそれでも最初は足で行かなければいけないので、上に上がるのがすっごい遠いなぁとは思いましたけどw。
また後半は、前作の舞台だったヘキサヴィルが舞台になるのですが、前作よりもハードのスペックが大幅に上がったおかげか、
空中に大量の船が行き来していたり、人々の表示数も増えていたりとより街がリアルになっていて良かった。
フィールドでは飛んでいる船にはしっかり乗れたりする楽しみ方もあったり、こういう要素は非常に楽しくて好きでした。
グラフィックも非常に美麗な物となっており、全体的にハード変更の恩恵をかなり受けているなぁと感じられる仕上がりでしたね。
より進化したアクション
アクション面も進化が見られました。
基本の重力システム、蹴り、投げなどには大きな変化はありませんが、今作からの追加要素として、アトリビュートチューンシステムというモノが追加されています。
アトリビュートチューンシステムとは、ストーリーの進行に合わせて解放される要素なのですが、重力をより軽くするルーナチューン、より重くするユピトールチューン、のいずれかを使用することのできるようになるんですよ。
例えば、軽くすればその分バネのようにぴょーんっと飛んでいきますし、逆に重くすればずっしりとアクションが重くなります。
これらのアクションの変化を利用した、色々なボス戦が作中に用意されているので、それぞれの使い分けが面白く感じられました。
例えば、ルーナチューンはキックが敵を自動追尾するものとなり、回避してくる敵や素早い敵に有効であったりするのに対して、ユピトールチューンは貯めからの重い一撃を出せるので、固い敵に有効だったりするんですよ。
この工夫のおかげで、前作に比べてアクションの単調さが薄れて、より奥深くなったように感じられたのが良かったですね。
秀逸かつ前作の伏線をうまく回収したストーリー
ストーリーは非常に秀逸だったと思います。
前作が結構中途半端なストーリーの終わり方だったというのもあり、その続きが描かれることを期待していたのですが、予想以上でした。
前作からの伏線のほとんどは最終章で怒涛の勢いで回収されますが、特にこれといった矛盾も少なく割と丁寧だったと思います。
また、最終章以外のストーリーの出来も良かった。
前半では格差社会の問題、後半は事前ムービーで描かれていた某姉妹をテーマにした物語となっており、先が読めない感じになっていながらも、基本王道的なストーリーだったのでとても面白かったです。
テンポよく話が進んでいくので飽きることがないのも良いんですよね。
そのテンポの良さに貢献しているのが、前作と同じとなる、コミック風表現でのストーリー進行で、これもなかなかいい味を出していたと思います。
非常に豊富なサブ要素
今作、サブ要素も前作から大増量しています!
前作にもあったチャレンジミッション(スコアアタック)はもちろん、前作ではDLCでのみ展開されていた、サブミッションが章ごとに各地に現れるようになり、その数は全部でなんと50個近く!
種類も幅広く基本的にはギャグテイストのものがメインですが中にはメインストーリーに関わってくるものなんかもあって、夢中でプレイしてしまいました、気づいたら全部クリアしていましたよ。
個人的には3章のクエスト「冒険者はかく語りき」がお気に入りでした。あのクエストの少年がエンディングで映っているのもなんだか感慨深かったです。
これ以外にも今作から追加された「フォトモード」。オンライン要素も生かされているトレジャーハンティング。
タスマリン集めの採掘場など、やれることは幅広い印象。※オンライン要素は2018年を持って終了したので、現在はプレイ不可。
前作はやりこみ要素が薄かったので、パワーアップ間を強く感じました。
問題点
深刻な3D酔い
本作、一番気になったのはとにかく酔う事です!
ぼくはそれなりには色々な3Dアクションゲームをプレイしてきたつもりですが、本作ほど深刻な3D酔いに遭遇したタイトルは初めてでした。
序盤なんか、あまりに酔いすぎて1日1時間プレイが限界な程でしたよ。
とにかく移動時間が多く、画面の切れ替わりも激しいので、3Dゲームが苦手な人はプレイするのは厳しいでしょうね。前作に比べて拡張した点による弊害だと思います。
まあとはいっても中盤までくるとなんとか慣れてきましたし、終盤は割と一気にプレイしてしまったので、結局慣れな部分はあるかもしれません。
でも、本作はとにかく酔うという話をよく聞く作品でもあるので、そこは留意して購入したほうがいいかも。
全体的にやや調整不足なサブミッション
もう1つ、全体的にやや調整不足に感じられたポイントがいくつかありました。これは特にサイドミッションで強く感じましたね。
量が大幅に増えたせいか、一つ一つのゲームバランスがいまいちになっていたんですよ。
特に3章の「続・伝説は女で作られる」というミッションでは、次々と船を飛び降りて最後に受け身を入れるという内容の部分があるのですけど、もうそこがあまりにも難しすぎて。
ぼくがへたくそなのも大きいとは思いますがクリアに1時間もかかってしまいました。あそこはちょっと受け身の着地点が狭すぎだなぁと強く感じましたね。
バランスもそうなんですけど、今作のサブミッション、重力に制限をかけるものが多くそこもちょっと気になりましたね。
せっかくの重力システムを無視して、追跡や飛び降りのミッションを増やすのはどうなんだろうと少し感じました。
まとめ
こんなところでしょうか。
個人的に前作で不満だったボリュームの少なさ、アクションの単調さ、ストーリーの分投げっぷりの3点を見事に改善していてとても楽しめたタイトルでした。
やや大味になった調整面は賛否がある所だとは思いますが、めちゃめちゃ広いフィールドのおかげで、お手軽重力アクションで飛び回る要素は本作の方がより活かされていた印象です。
本作以後、続編の気配もないですし、本作が気になった方は是非前作からの通しで遊んでみてください。
ストーリーにはきっと感動させられるはず!