さて、今回は「モンスターハンターストーリーズ2」の感想記事を。
プレイ時間はクリア前のクエスト9割方コンプという条件で、68時間24分。
ストーリーだけ追うと、もう10~20時間くらいは短くなるかと思いますが、大作RPGと言って差し支えない規模の作品に感じました。
- 前作はプレイしておいたほうがよいかも。
- 携帯機相応の内容から、据え置きRPGへとスケールアップ!
- 改良された戦闘システム
- 相変わらず楽しいオトモン集め
- よりシリアスで規模の大きいストーリー
- 圧倒的なやり込み要素
- 気になった点
- まとめ
前作はプレイしておいたほうがよいかも。
最初に注意書きから。
本作は「モンスターハンターストーリーズ2」は、3DS,IOSで展開された「モンスターハンターストーリーズ」の続編です。
舞台こそ微妙に違う物の、世界観は共有で時系列は前作から4年後。前作キャラクターもがっつりシナリオに絡んできます。
そのため、今作から入ると、一部キャラクターの設定や関係性がいまいちわかりにくいかも。
分からなくてもプレイできなくはないのですが、ストーリー中、前作キャラにスポットが当てられる場面が結構多かった印象で、作品をフルで楽しみたいのであれば、前作もプレイしておいたほうが良い気がしました。
携帯機相応の内容から、据え置きRPGへとスケールアップ!
まず、本作を語るにあたって欠かせないのが、その圧倒的なボリューム感!
ストーリーを純粋に追うだけでもおそらく40時間規模の作品だと思いますし、色々な要素を埋めながら進めていくと、60~70時間はかかるであろう
ボリュームに仕上がっています。前作からは、丁度2倍ほどの内容になっていて、さすがは、対応ハードがパワーアップしただけはあるなと感じられました。
まだ、ボリュームだけでなく全体的なスケールもアップしていました。
・キャラクターの等身があがり、大人びたデザインに。
・より広大になったフィールド
・力の入ったムービーシーン
・各地では仲間に入ったキャラクターとの「共闘」システム ..etc
と、ざっと挙げた程度でこれだけあります。
よりJRPG的に変貌を遂げた表現
そんなスケールアップに関して、より細かく触れるとしたら表現部分。
前作はキャラクターの等身が低く、モンハン語という固有の言語による演出を採用しており、良くも悪くも一癖ある作品でした。
作風の方向性として、子供向け感があったのも否めず、いまいち広がり切らなかった要因はそこなのかなと思ってます。
(作品としては子供向けの内容にとどまっていなかったから、一定の評価がある作品だったんですけどね。)
今作は、そこから一気にJRPG的な雰囲気に変化したなあと感じました。
キャラクターたちは日本語をしゃべりますし、等身も高く変化。
イベントシーンとその他のシーンにおいてのグラフィックの差もなく、演出面も高いレベルに進化していました。
個人的には方向性として理想的な進化を遂げてくれた印象で、良かったんじゃないかと感じました。
ここまで純正なJRPGに進化するとは!?
広大なフィールド
追記その2。フィールドは正当に前作から広くなっていて良かった。
空中や水上を移動できる要素も前作から引き継いていますが、いずれも、スケールアップしており探索のし甲斐がありました。
中には、「縦に広い」タイプのワールドマップなんかもあり、そういう工夫が感じられたのも良かったかなと。
細かいキャラクリエイト
追記その3。等身が上がった影響もあり、キャラクリエイトがとても豪華になりました。
これは言い過ぎかもしれませんが、アニメ調RPGのキャラクリとして一つの理想形に達していると思います、それくらい綺麗に作ったキャラが動いてくれる。
ムービーシーンの装備反映もバッチリだし、キャラクリしてた画面と実機モデリングが違うなんてこともないし、表情も豊かなので、すごく良くできています。
個人的にベストなデザインが作れて、もうそれだけで満足度高かった。
改良された戦闘システム
戦闘システムは前作をベースに程よく改良されていたイメージでした。
特筆すべきは、難易度調整ですかね。
全体的に前作に比べて敵の体力が高く、攻撃力も高くなっており、その上で3すくみ無効かつ、防げない無属性大技が増えているため、
例えば、絆技と敢えて先延ばしにしてタイミングに合わせて発動など、考える駆け引きが重要になったと感じました。
また、スキル自体に3すくみが割り振られていることや、体力の減少に伴い、行動パターンが変わるボスなど、戦略性という意味では全体的に奥深くなっていた印象です。
ちょっと固すぎてめんどくさいな、と感じた点はあったけれど、個人的には所々で戦える強敵クエストモンスター戦は、非常に戦いごたえがあって楽しかったです。
各地で加わってくれる仲間システム
戦闘に付随する形でついでに紹介しますが、本作は基本的に、仲間が加わった状態での4人パーティーがメインとなります。
ストーリー進行に合わせて、各地で別の仲間がパーティーインするという形。
各地で仲間と協力する、というシステムはRPG的ですし、仲間と協力しての大技などもあり、より戦略の幅を広げていて、良かったんじゃないかと思いました。
まあ、その分仲間が勝手に3回死ぬと、ゲームオーバーという、微妙も問題もあるにはあるんですが…w。
仲間のオトモンは変更できないので、中々難しい..。
相変わらず楽しいオトモン集め
オトモンに関しては前作と大きな変化はありませんが、相変わらず新しい場所に行って、新しいオトモンを見つけて、パーティーを考えるのは楽しかったです。
本作から追加されたオトモンだと、ネルギガンテがお気に入り。
ストーリーの中では、ほんとの最終盤しか使用できませんが、そのハイスペックでラスボス戦でも大活躍でした。
また、「伝承の儀」による遺伝子配合に関しても、スロットの縛りが廃止されたおかげで自由度が増していて、前作よりも要素としてまとまっていた印象です。
こういう要素の強化のおかげで、個人的には、育成系RPGとしての枠に定着しそうなポテンシャルを感じました。
よりシリアスで規模の大きいストーリー
ストーリーは全体通してみると良かったんじゃないかと思います。ポイントとしてはいくつかあって、
・成長した前作キャラクターとの共演
・前作よりも主人公に対して厳しい試練が待ち受ける
・過去の伝承を追う規模の大きい物語
・主人公の祖父の軌跡を追う
という感じかな。
特に2つ目の印象が強くて中盤以降は、まだ子供の主人公に対してここまでさせるのか!?と感じるほど、重い展開が続いた印象です。
でもそこを描いたからこそ、あのシーンの盛り上がりは最高だし、物語最後のシーンも感じられるものがあったので、ちゃんと描き切れたのではないかと。
また、各所各所で1作目のキャラクターが登場し、成長した姿を見せつつ主人公の成長に貢献するのは、続編として上手いつくりだし、
伝承を軸として、事象を探っていくストーリーの方向性も面白かった。
微妙に気になる点はありましたが、敢えてつつきたくなるほどでもなく、全体的に良かったんじゃないかと思います。
圧倒的なやり込み要素
前作もクリア後の要素は豊富でしたが、本作も凄まじい量のエンドコンテンツがあります。
クエストを順当にクリアまでの物を埋めるだけで70時間、そこからクリア後に追加される上位以降のコンテンツをプレイすると、ゆうに100時間くらいは遊べそうに感じられました。
また、それだけでなくオンラインのコンテンツや、定期的なアップデータもあるので、大作PRGにふさわしいコンテンツ量でした。
気になった点
やや中だるみする部分がある
全体的にコンテンツが莫大な点は素晴らしい点ですが、前作と比較した上で気になったのは途中、微妙に中だるみする部分ですかね。
これは後述する、古代巣の使いまわしの話も関係しますが、ストーリー進行にしろ、やり込み要素にしろ、やや単調な要素が一部固まってしまっている部分があるように感じてしまいました。
要因としては、ゲームの進行が基本的にお使い形式で、新しい街に行っても基本大きく流れが変わらないのが大きいのかな。
ここら辺は前作でも感じたところではあるんですが、より規模が大きくなり大作RPG的な作りになったことで、更に気になるようになってしまった印象です。
次があるのであれば、ゲーム進行にもう少し幅を用意しても良いのかなあ。
使いまわしが気になる古代巣
本作、プレイしていて一番気になったのはマップの使いまわしです。
各所フィールドに要素として「古代巣」というダンジョンが用意されているんですが、このダンジョンの作りが、ちょうどそのチャプター前後のストーリーダンジョンマップを、切り貼りしているような内容になっているんですよね。
新しいフィールドに入って古代巣探索⇒ストーリーと進めていると、どうしても何度も同じようなマップを歩いている感覚が拭えず、だんだんと飽きてきます。
正直、古代巣で手に入る「ビン」に関しても、そこまでガッツリとした使用用途がなく段々と余るので、コンプリートは別にしなくてよかったかなあという感じでした。
何にせよ、もう少し変化をつける工夫が見たかったところです。
いまいち物足りない音楽
音楽面はちょっといまいちだったかなーという印象です。
いやね、確かに今作もいい曲はあったと思うんですよ。「ヌア・テ村」や「敵○○〇ー戦」などは耳に残っているし、新規の雑魚通常戦闘曲なんかも好きです。
ただ、それ以上に、
・雪山・砂漠の戦闘曲が前作と変わらない
・新規戦闘曲の割合が物足りない。(特に、汎用大型戦は聞く機会があまりに多すぎて聞き飽きました。。雑魚戦の方もっと聞かせてくれ。)
という辺りが気になってしまいました。終盤までくれば、特定のボス戦曲も増えては来るんですけどねえ、
前作の「絡み合う宿命」とか、「戒めと解放」に匹敵する曲は無かった気がしてしまったんだよなあ。
前作はね、音楽面での満足度ほんとに高かったので、あれに比べれるとどうしても物足りない感は否めませんでした。
三すくみオトモンのバランスがいまいち
これは個人的な感覚なので、実際どうなのかは正直分かりませんが、ストーリー後半に行くにつれて、出現オトモンの三すくみ属性が、結構固まってしまっていた気がしました。
大体、パワーだった印象で、いまいちうまく使い分けられませんでした。
後、レウス固定なのもやっぱりパーティーの幅からするといまいち。
どうしても他飛行タイプのオトモンやパワー&炎の枠を奪いがちで、よりRPG的要素がました本作からすると、前作よりも気がかりなポイントになっていたというのは事実です。
ストーリー的にも、難しい所だとは思うのですが、どうするのが正解なんでしょうねえ。
まとめ
と、こんな感じですかね。
気になる点はそれなりにあれど、前作の要素を引き継ぎつつ、全体的な規模を大作PRGへと押し上げていて満足な出来でした。
JPRGらしいポイントをいくつも抑えているので、日本のRPGファンであれば楽しめるんじゃないかと思います。
前作であった独特の癖も抜け、より万人向けになったとは思いますが、キャラクター関連で前作をプレイしていないと分からないことがあるのが玉に瑕か。
前作はiosでも出ているのでハードルは低いほうだと思いますが。
個人的に、今作発表前はもうこのシリーズは新作はないだろう(少なくともコンシューマー機では。) と思っていただけに、発表されたときにとても驚いたことを覚えています。
改めてSwitchで発売してくれたということで、今後のシリーズ展開にも期待したい所ですね!