今日もいくつかゲームを買ったんですが、
それに関しては次の記事以降に話そうと思います。
さて、「最悪なる災厄人間に捧ぐ」
ここ数日結構じっくりプレイしたらクリアできました!
本編、クリア後の要素、コレクター要素もコンプしたので
久しぶりに完全クリアですね。欲を言えばレイジングループのような
オーディオコメンタリーが欲しかった。特にクロの声優さんの。
プレイ時間はまだSwitchに出ないので
分からないんですけど、20~30時間くらいかなー?
後半だいぶハイペースでやってしまったのではっきりは分からないんですよね。
(※追記 Switch本体によると15時間でした。でも、体感20に近い気がするし、
だいぶボイスをすっ飛ばしながら読んでた箇所も多いのでボリュームは
レイジングループと同程度だと思います。)
レビューはするか分からないんですけど、
とりあえず感想が書きたい気分なのでざっと書いてみます。
ギャルゲー×ホラーADVゲーム?
まず本作のジャンルに関してなんですが、
ギャルゲーとホラー、そこに推理要素を含んだノベルゲームという感じかな?
割合としてはギャルゲ3割、ホラー5割、推理2割くらいでしたが。
人、動物が見えなくその声も聞こえなくなってしまった主人公。
そんな彼が唯一見え、声も聞こえる「クロ」という少女との
交流、生活を描くというのがあらすじですが、
この部分はあくまで前半部分。今作はむしろ中盤以降がメインなので、
全体的な話の雰囲気はかなりダークです。
特に中盤以降は怒涛の展開で、どんどん精神が削られていく反面
早くゴールにたどり着きたくてやめ時がなくなるという、
ダブルパンチを食らうので僕は精神がとても疲弊しました。
(なお、中盤以降は全てがネタバレになってしまうので、
クロかわいい、としか言われていない模様。僕もそれには同意です。)
でも、最後にはしっかりと報われるエンドで終わるので
それは良かったですけどねー。
使い古されているようで上手い設定。
ループ、パラレルワールド、透明人間、自分にしか見えない少女、など
どこかで見たことのあるような設定が今作には多々存在しますが、
最後までプレイするといずれもしっかりと
「今作の要素」として組み込まれていました。
世界観自体はちょっとふわふわしている所もあるので、
そこが納得いかない人には合わないかもしれませんが、
よくもまあ二人だけの世界でここまで壮大で残酷な話が作れたものですよ。
ライターさんはマイナス方面のシナリオに実績がある人みたいですが、
これは奇才の域ですね。
不安を煽るゲーム的演出が素晴らしい。
次にゲームである意味、という事に関してですがこれもばっちりでした。
プレイヤーは主人公の視点で物語を見る事になるので、
誰も見えないという怖さがしっかりと視認できますし、
何より中盤以降の「靄」がかかる演出や、
不気味二さサやイてクるカタカナ言葉の演出など、
映像表現があるからこそ理解できる描写で味が出ていると感じましたね。
ピアノ中心の音楽も陰鬱な雰囲気を絶妙に醸し出していて、ばっちりでした。
特にメインテーマのジワジワくる感じは凄い。
そこからエンディングの曲にも繋がっていくのもいいですよね。
クロが可愛い。
これは前述しましたが、触れておかなければいけないので触れます。
今作のヒロイン「クロ」は素晴らしいヒロインでした。
とにかく可愛いし、役割がヒロインとしても完璧すぎる。
一人の少女の成長を追うという部分だけでもズルいのに、
それが何人もいるんだからもう強い。
5人のクロの中だとやっぱりナツが一番好きかなー?
ナツはちょっと役割がズルいですよね。あれは人気出ると思います。
そして、5人どころではない何人ものクロを一人で演じきった声優さんが素晴らしい。
特に悲鳴の演技が迫真過ぎてとても精神に刺さりました!
小鳥遊ゆめさん、調べても出てこない人なので新人さんなのかな?
初主演でこれだけ出来るのは凄いですね。
全てが明かされるおまけモード
実は今作、本編だけだと微妙にぼかされている部分を残しながら終わります。
そしておまけモード「最悪に捧ぐ」が解禁されるのですが、
このモードがとても良かった。
このモードは今作の黒幕的立場における人物の視点から
物語を認識できるのですが、微妙に分からなかった本編シーンの
意味が全て明かされますし、何より本編だと単一的に恐怖しか
抱けなかった黒幕に対する印象が随分と変わりました。
何より本編最後のシーンで黒幕が何を考えていたのか、
というのが分かってよりスッキリします。
救いあるラストで良かったなー。
気になった事。
大きく気になった点はそこまではないんですがいくつか。
まず、選択肢が全体的に少なく、
バットエンド直行選択肢が分かりやすいのが気になりました。
前述した通り、ゲームとしての要素は他の要素でもしっかり出ているのですが
もう少しプレイヤーが試行錯誤出来るようなシーンがあっても良かったのかな?と。
まあ中盤のあのシーンみたいなのを
永遠とやられても困るので、難しい所ではあるんですが。
バットエンドが分かりやすすぎるし、
演出もあっさり目なのが多いのでそこはいまいちに感じたんですよね。
(まあ一つ目のバットエンドは最後まで行かないと分かりませんでしたが。)
もう一つ、微妙に気になったのはBGMがループ仕様じゃなくて
一度切れてまた流れ始める所。
シーンごとのBGMがそこそこ長いので何回かプツ切れている印象を
受けて微妙に感じました。致命的では全然ないですけどね。
まとめ
と、こんな感じでした。
全体的にプレイヤーが主導的に選択できる要素が
そこまで多くないので「読む」側面の強いADVゲームでしたが、
不気味さ、陰鬱さの表現を「ゲームならでは」の方法で行っていたので
サウンドノベルとしてはアリかなと感じました。
ストーリー、設定の出来はかなり良く、
陰鬱ながらも先の展開が気になって
夢中で進めてしまう面白さがあったので僕はかなり楽しめましたね。
レイジングループと比ベると僕はやっぱり前者の方が好きですが、
今作も強烈のインパクトを残したと思います。このストーリーは忘れられないなぁ。
そういう意味では、ケムコはレイジングループの次にこの作品を
出せたのは大きいと思いますね。
こりゃー次回作も出たら買うしかねぇ!