どうも、ば~んです。
今回は「ライザのアトリエ3」の感想記事です。
プレイ時間は、おおよそ70時間弱。
やり込み度に関しては、フィールドに表示されているイベント系のクエストは見れるだけ見ました。どうなんでしょうね、全部イベント見れたのかしら。クエストはやる気があまり出なかったので、かなり放置気味。
時間自体は2と同じくらいなんですが、2はかなりやり込んだ上での時間だったので、単純なコンテンツボリュームであれば、おそらく本作はアトリエ史上一番長い作品だったと思います。
- ライザシリーズ3作を締めくくる最終作品
- シリーズの良さを継承した調合システム
- 終盤の展開が印象的なストーリー
- 丁寧に描かれたキャラクターエピソード
- 調合と戦闘の魅力を引き上げている鍵システム
- 気になったこと
- まとめ
ライザシリーズ3作を締めくくる最終作品
本作はライザ、もとい秘密アトリエシリーズの3作目で、本シリーズの最終作に当たる作品となっています。
時系列的には2の1年後、舞台は1と同じくクーケン島から始まり、1~2で描かれてきた錬金術や異界に関してのすべての真実が明らかになるという、正に締めの一作というポジション。
システムとしては、基本ベースは2から正統進化。更にフィールド周りをオープンワールド風に寄せた作りとした意欲作!、、、というのが発売前の売り文句でしたかね。
そんな本作なんですが、全体的に課題の多い作品に感じました。作品の完成度としてはベース元の2より明らかに劣っていますし、正直ここ数作のガスト作品と比較すると明確にワンランク落ちます。
ただ、良さが全くないわけでもないので、もったいないんですよね。下記では、そんな本作の良いと感じた部分、悪いと感じた部分を色々とまとめていきます。
シリーズの良さを継承した調合システム
まず、調合システムに関してはですね、基本ベース2から正統進化していて、まあ面白かったかなと。
本作から追加された要素として印象的なのは、まず「超特性」。
アイテムに対して、3つある特性に加えて更に1つ、専用の効果を持つ特性を追加することが出来るようになりました。
超特性で付けられる特性は中々強力で、例えばスキルの威力を50%上昇させるウルトラスキル、火・氷・雷・風属性の追加ダメージを攻撃アイテムに付加する四天一流など、通常の特性と比べて派手なものが揃っています。
これらの素材を上手く組み合わせて、強力なアイテムや装備を作り出すのはとても楽しく、ゲームの幅をより広げていました。
後は、リンクコール。これも中々面白くてですね、調合時のアイテム効果を任意のタイミングで変えることが出来るようになりました。
序盤は中々使う機会はないんですが、色々と素材が揃ってきた後半になってくると、アイテムの全く別の効果を引き出すことが容易にできるようになるので、調合の幅が広がるのが面白かったです。
いずれの新システムも単体だとそこまで派手さはないんですが、シリーズで積み上げてきたベースシステムと組み合わさることで、面白さを広げてくれた印象で、色々な特性が付けられる後半の調合は相変わらず面白かったです。
終盤の展開が印象的なストーリー
ストーリーに関してはですね、かなり気になる点はあるので、そこは後述しますが、本筋となる「万象の大典」を軸とした話は結構良かったかなと。
2までで描かれてきた錬金術や古代クリント王国、神代の民とフィルフサ、門と異界といった要素の話を全て回収しまとめ切ったのは見事だったと思いますし、
何よりラストダンジョン。あれだけのことをやったのに、残ったのはただひたすらに何もない、寂しく虚無の場というのがね、敢えて王道を外したような感じで中々印象深かったです。
ラスボスに関しても、ポット出ではありますが、秘密シリーズのラスボスとしては納得が行く設定と背景を持っていたので、まあまあ気に入りました。このシリーズらしいラスボスだったのではないかなと。
なので、1や2の設定面が気に入っているという方はこの点に期待して購入されてみてもいいのではないでしょうか。
丁寧に描かれたキャラクターエピソード
キャラクターエピソードに関してもですね、2から引き続きの流れで丁寧な出来でした。
印象的なのがキャラクターの成長というテーマに軸を絞ったイベントづくり。
本作、もうキャラクターが大人と言える年代まで成長しているため、昔と比較しての今の変化を強調するようなイベントが多いんですよね。
それぞれ次のステップに進んでいくことに、寂しさ、恐れをいただいたり、その中で進んでいったりする描写は眩しくもまっすぐしていて、このシリーズらしさを感じられました。
後は単純に本作登場するキャラクターの数がかなり多いので、かなりの数のイベントが楽しめます。
1から登場したボオスの成長っぷり、相変わらずの乙女パトリツィア、本作でより魅力の広がった感のあるアンペル、等々見たかったイベントが色々見られたので、キャラクター面でのエピソードは満足だったかなと。
ちなみに、新キャラクターはちょっとパンチ不足気味でしたが、カラさんは割と好き。ロリババア系のキャラなんですが、主軸ストーリーでは結構おいしい位置にいるし、イベントも面白いので印象に残りました。やっぱオーレン族はつえーや。
調合と戦闘の魅力を引き上げている鍵システム
本作から追加された鍵システム。
敵やフィールドのロケーションから取得でき、戦闘や調合の強化、装備品としてのパラメータアップを行うことのできるアイテムですが、これに関してはですね、最終的には良いシステムだったのかなと思えました。
戦闘面でよいのが、単純に戦闘が爽快になること。通常攻撃を短い間隔で連続でたたき込みながらAPを貯め、スキルを使いまくって一気に敵のHPを削っていくことが出来るので、かなり気持ちいいんですよ。
終盤のボスなんかはかなり体力高めに設定されているんですが、鍵を上手く使っていくと、ゴリゴリ削れるので、サクサク相手を倒すことが出来る爽快感を楽しむことが出来ました。
調合面の良さはですね、調合時にワンアクション追加できるので、調合の選択肢が増えているのが良いです。
例えば、調合時の属性値をアップさせたり、調合投入アイテムを増加させたりと、カギによって別のアクションを追加させることが出来るため、かゆい所に手が届くような仕様になっていました。
消費性なのでめんどくさかったり、手に入れるためのアクションがめんどくさかったり、課題はあるんですけどね。やり込めばよい点が目立っていくシステムではあったので、新システムの中では割と良さを感じられました。
気になったこと
触り心地の悪いUIデザインと分かりにくい導線
本作、非常に気になったことが多いんですが、まず触った触り心地が悪いなーというのが第一印象でした。
それがですね、おそらく戦闘を始めとするUIデザインやチュートリアルの出来の悪さからきているのかなと思います。
例えば、本作の戦闘。基本的なシステムは2から引き続きとなっているんですが、スキルの説明を戦闘画面から確認できないようになってしまっているんですよ。
いや、確かにね?物理か魔法か、属性が弱点か耐性か、それ以上の情報は必要ないかもしれませんが、本作の戦闘システムでそれをやってしまうと、何のスキルを打っているかもわからずにボタンを連打するゲームになってしまうんですよ。
直感的にアクションを楽しむようなゲームにしたかったのかもしれませんが、結果的にただの連打ゲームになってしまっていて、過去作ほど戦略的な面白さを感じにくかったです。敵も固いので雑魚戦闘はとにかく眠かった。
こんな感じで必要な情報を的確に提示していない部分が多いので、何を錬金で作って、どうやって効率よく戦闘するか。その導線の引き方が非常に悪く感じました。(まあ、これはオープンワールド化の悪影響もありそうですが。)
システム周りの無駄な要素の多さは、2でもあった課題ではあったんですが、改善するどころか反って悪くなった印象です。
何を見せたいのか伝わってこない、芯のないオープンワールド
本作、前述した通り、オープンワールド風のシステムにしているのが最大の特徴なんですがね、残念ながらこのシステム。ゲーム的には悪い面ばかりでした。
そもそも気になったのが、オープンワールドにして何がしたかったのかが良く分からないこと。本作、ゲーム進行の多くにお使いイベントが混ざっていますし、クエストも数合わせのようにお使い系のイベントが大量収録されています。
やり込み要素が多いといえば聞こえはいいかもしれませんが、単に時間がかかる要素を増やしただけにしか感じられず、面白くなっているとは感じられませんでした。
ゲームの進行も気になるんですよね。例えば、上記のようにスキップトラベルが出来ないような、移動に時間がかかる場所に何度も何度も行き来をさせられることがありましたが、ゲームとしてテンポが悪くなっているだけだったなと。
この部分ね、個人的な意見なんですが、ライザ3は作品としての軸足がない気がするんですよ。例えば、広大な世界を旅するという作風だと、アトリエシリーズだとフィリスのアトリエ、という作品があるんですけどね。
(引用:フィリスのアトリエ)
あれは粗いながらも、先が分からないフィールドをいくつも超えてゴールという目標をめざず、というしっかりとしたゲームデザインがあったんですよね。だからこそ、ぼくは魅力を感じたし、その路線のアトリエに期待したいなってずっと思っていました。
でも、ライザ3のオープンワールドは、ただオープンワールドにしただけで、そこでこれを表現するんだ、という意思を何も感じませんでした。
(引用:ライザのアトリエ1)
わざわざ、冒険というテーマがあるのであれば、拠点式じゃなくてキャンプ式のアトリエにするとか、1であったようなメモリマップのような要素を用意するとか、いろいろできる工夫はあったと思うんですけどね。多分、オープンワールドにすることがゴールになってしまったのでしょう。
フィリスやライザ2であったような、他のエリアマップを探すような楽しみも一切ないので、最初から最後まで探索に一切楽しみを見出せませんでした。
テンポが悪く、引き伸ばし感の強いストーリー
ストーリーはですね、前述した通り、確かにいい部分もありますが、一方でテンポが悪いのがかなり気になりました。
なんだろうな、話の進行がゆったりしすぎていて、ダラダラしているように感じるんですよ。本作、ストーリー進行としてメインの「万象の大典」という要素は比較的物語序盤で明かされるんですよね。
でも、その次に始まるストーリーは、その要素とは直接関係ない、別地方の別の街の物語なので、本筋と関係ない話を見せられている感が凄かった。ていうかサルドニカ地方の話必要でしたかね?
結局、話の本当に大切な部分はプレイ時間50時間過ぎたあたりから始まったような感じで、確かにそれ自体の話は面白かったんですが、ちょっと間延びしすぎていたかなと。
ここら辺、ライザ1はね、次から次へと要素が繋がっていくテンポの良さが見事だったし、本作も1のライター起用しました!って宣伝していたのもあって、そういう感じのシナリオを期待していたんですけどね。
むしろ全体的に2に近い、淡々と薄い話で進んでいく形だったので、期待外れに感じてしまいました。
この淡々とした雰囲気は雰囲気で良さはあるけど、ちょっと長かったかなあ…。
要素が多すぎて、整理できていない新システムの数々
後はですね、全体的に新要素がかなり多いんですが、まったく整理が出来ていないように感じました。
戦闘周りのゴチャゴチャ感は2から引き続き、これはまあ前述したので置いておくとして、それ以外も中々に取っ散らかっています。
例えば各地に用意されているキャンプシステムは、体力の回復や料理が出来るようですが、拠点式のアトリエシステムとまるで噛み合っていないので使う機会はほぼありません。そもそも、かごの容量とかもあるので、探索し続けるのゲーム性的に無理なんだけど…。
各地方別にアトリエ建築が出来る、というシステムもあるのですが、これも良く分からなかった。建てたアトリエの種別ごとに違いがあるんですが、いずれもリターンが少ないのでさしたる違いが出てないんですよ。
こんな感じで、なんで追加したのかよく分からないシステムが多く、練り込みが浅いように感じてしまいました。
その他にも、2で追加した潜水はほぼ要素として死んでいるし、フィールドの敵はどこまでレベルが上がっても攻撃しに来るから採取めんどいし、
マップは区分ごとの指定が出来なくなったのでスクロール併せなければいけないのがめんどいし、システム周りの配慮が全くありません。
テストプレイしてたら気づくだろーというポイントも多いので、純粋に納期が間に合わなかったんでしょうかね。
耳に残らないサウンド
これは完全に個人の好みなんですが、サウンドがまーったく耳に残らなかった。こんなに残らないアトリエは多分遊んで来たシリーズでも初か…?って感じで、悪い意味で驚いてしまいました。
不満の残ったライザ1のサウンドですら、いいと思った曲は5曲は上げられるんですけどね、本作、良かったの前半通常戦の夏暁、ボス戦の揚げ雲雀群青くらいでしょうか。
まあ、曲の方向性的なところもあるとは思いますが、昨年のソフィー2とは対照的にアトリエらしさを感じる曲がほぼなかったので、もうサントラも買わなくていいかなって感じでした。
まとめ
と、こんな感じでした。ちょっと不満が多すぎて、だいぶ辛口な表現になってしまったかもしれません。本作のファンの方がいたら、申し訳ないです。
まあ、ストーリーとかね、音楽のような要素はあくまでぼく個人の好みの問題でもあると思うので、そこはまあ別にいいとして、
やはりゲームシステムの質が低すぎるのが気になりました。何となくフワッとオープンワールドっぽくして、それっぽいシステムを色々追加したけれど、
面白いか精査しきる前に納期が来てしまって、何とか形にだけして発売したような、そんな感じ。これであれば、無理せず2の形を正統継承すればよかったのではないかなと。
という感じなので、ぼくはあまりおススメしませんが、1、2と遊んできてシナリオやキャラクターに愛着を持つことが出来た人は遊んでみてもいいかもしれません。そこの質はそこまで悪くなかったので。