炎に煌めくゲームレビュー

主にコンシューマーゲームの感想を取り扱うブログです。

【感想】ゼノブレイド3 新たなる未来【考察】クリアしたので、またまた色々と語ってみる(ネタバレ注意!)

スポンサーリンク

どうも、ば〜んです。

 


先日、4月末に配信されたゼノブレイド3の追加エピソード「新たなる未来」をクリアしました。

プレイ時間としてはだいたい20時間ということで、過去最大となるボリュームのある追加コンテンツでしたか。

書きたいことは色々あるのですが、本編と同じく思ったことを色々と上げていこうかなと思います!

考察

人が自分の手で、未来に進むための前日譚

新たなる未来における最大のテーマ。それは、過去のゼノブレイドシリーズと同じく、人が自分の手で未来に進む、その土台となるためのストーリーなのかなと。


本エピソードにおいて、特にそれが強調されているのが、ラスボスアルファとマシューの会話。アルファの主張は、たしかに過去にとらわれているアイオニオンを否定している部分は同じなんですが、

あくまで独善的に、救うべき対象を限定して神という立場で力を行使するしているので、人のためではないんですよね。


それに対してマシューはメビウス自体は否定するけれど、それによって生まれているケヴェスやアグヌスたちは決して悪ではない。彼ら自身が振り返って、戻って、新しい道を見つける、積み重ねこそが未来なのだと。

結果的に、アルファを倒したことによって、メビウスが世界を統治する3本編の世界が誕生してはしまうのですが、

純粋にケヴェスとアグヌスであり、なおかつ執政官であったエヌのもう一つの可能性でもあった、ノアたちがアイオニオンとの決着をつけるという展開をよりドラマチックに演出しているので、意義深い前日譚に感じました。

アイオニオンとオリジンの設定

新たなる未来の時系列はゼノブレイド3の本編からおおよそ1000年前。

アイオニオン創造から新たなる未来までの時系列は、最初はそこまで長くないと思っていたんですが、Nとマシューの家系図の関係性などを考えると、数100年単位では経っているようですね。(頂いたコメントから追記。


流れとすると、

 

・ウーシアのコアクリスタルをもとに、オリジンを1と2の世界で生成。

・対消滅発生。

・メビウスがオリジンを掌握。
↓(間数100年?)
・アイオニオンの現状を見たアルファがシティの住民だけを連れ出そうとするが、シュルクレックスとゼットの抵抗にあい失敗。(冒頭のシーン)

・数年後、コアとなったアルファがナエルに拾われる。アルファと一体となったナエルは、シティの住民を連れて行こうとするが、エヌに阻まれ失敗。シティ崩壊。

・新たなる未来開始。


くらいの間隔でしょうか。


ここらへんの時系列に加えて、今回新たにリンカとの会話の中で、「アイオニオンが誕生したと同時に多くの人はオリジンと同化した」という設定が明かされたことで、まあ本編内で残されていた謎はおおよそ解けたのかなと。

役割として必要だと認識されたシュルクとレックス、メリアとニア(&ハナ?)以外の過去作キャラクターはそもそもアイオニオンに存在しなかったという感じなのでしょうね。ブレイド関連の寿命の話がどういう設定になっているのかも気になっていたのですが、なるほどなあという感じ。



ついでに、オリジン内部にあるコアクリスタルのような物体。おそらくあれが、オリジンと同化している人の情報なんじゃないでしょうかね。

3にはいない神として描かれるアルファ

オリジンを3本編内自体で制御していたのはゼットらメビウスたちでしたが、新たなる未来において、その支配者はウーシアの片割れ、アルファでした。


トリニティプロセッサーの1柱であるウーシアは、クラウスなき後、感情なき機械として出した結論をもとに、アイオニオンを滅ぼし、シティの面々を旅立たせようとさせる、それが新たなる未来のシナリオの大筋。


アルファの存在は、3にいない神としての役割に最も近い描かれ方をしていた印象です。それ故に、ラスボスとしての姿やBGMはかなりザンザに近く、やはり神の子だけはあるんだなと。


この描かれ方によって、受ける印象が変わったのがメビウス。

アイオニオン初期の段階では、メビウスたちの力は世界において絶対と言えるものではなく、それ故にシュルクやレックスたちリベレイターとは協定を結ぶかつ、本編中においてもせいぜいエヌを差し向ける程度で、やや弱い力関係が見えるのも新鮮だなと。

メビウスたちも結局は人から生まれたものなので、神に対しては敵わないということなのでしょうね。ゼノブレイド3本編はね、構図がメビウスと人の一辺倒だったので、こういう新たな視点が入ることで、また変わった雰囲気を感じられるのが面白かったです。

対消滅と霧乃獣

本編だとさくっとしか語られなかった対消滅とついでに、DEで描かれていた霧乃獣に関しても、多少説明が保管されていました。


対消滅の要因は結局、1と2で物質の構成が根本的に異なるからということで、世界の成り立ちの部分からの問題ということ。また、霧乃獣は、対消滅時に現れる黒い霧によって生み出されるモンスターということが明らかになりました。


となると、つなみらで描かれた一連の事件も対消滅現象が元となり、霧乃王自体もやはり、黒い霧発生時にアルストのグルドゥの生命情報を基に現れた存在ということになるのかな。

見た目が霧状になっているのはおそらく、物質を構成する要素が異なるから故、本来あり得ない存在が具現しているから、とかそういうニュアンスなのでしょう。


また、霧乃王を復活させていた存在、霧の狭間という存在も明らかになりました。

霧乃獣自体が対消滅時に生み出されてしまう負のエネルギーのようなものなので、DEの時は無理やり、テレシアのエーテルパワーで相殺したとか、そういう感じなんだろうなあ、あれ。設定的に多分、つなみら後も同様の事件が多数発生したはず。

対消滅厄介すぎる…。

 

強い主人公として描かれるマシュー&その他パーティーメンバー

主人公のマシューに関して。短い話の中でも、メビウスを倒してしまう高い実力、主人公らしい真っ直ぐな考え方、熱いハートと、THE・主人公という感じの要素をこれまでもと詰め込んだ王道主人公でした。


彼くらい、主人公らしいキャラがあえて本編ではなく、前日譚として、過去作の主人公とともに世界を救うというのは、実にゼノブレイド3らしい所だと思っていて。本編との対比具合をいい感じに描けていたと思います。

それにしたって、メビウスに正面から勝てるのは強すぎでしょう!

 

後は他のパーティーキャラクター。シュルクとレックスは、成長した親の姿になっていて、RPGでこういう形のようにのちの作品でがっつり成長を見せるゲームってそこまで見かけないので、レアケースだなあと。二人ともいい感じに渋くなっていて好印象でした。


特に、シュルクの腕をニコルが直すシーン、1本編のシュルクを思い出して思わず涙が...。


一方で、カギロウとの距離感を図りかねてしまうレックスの描写もね、ある意味らしくて悲しくも微笑ましかった。

エイに関しても、1で叶わなかったアルヴィースとの共闘のような感じですし、まあファンサービス満載で大満足でしたわ!


後は、本編に関係する存在としてはリクでしょうか。実は彼が2におけるじっちゃん枠だったというまさかの設定を持っていました。

彼はおそらく、リキの息子の一人で、メリアと旅し、オリジン内にも存在し、かつ物語のキーパーツであるラッキーセブンをノアに託すという、スーパーキャラになっていました。

経緯や年齢を考えると、本編での頼れっぷりも納得です。

本編とはまた違った姿が見れたエヌ

後はキャラクターで言うと、エヌが印象的でした。


本編だと、何かと脳破壊だとかでネタにされがちな彼ですが、本作で見せた姿は、本編の執着にかられている感じと違う、やっぱり彼も元はノアなんだなと感じられる描写が目立っていたのかなと。


ゴンドウやマシューとのやり取りの中だと、なんだかんだ肉親に対しての甘さは感じる部分が多く、本編であんな感じだったのは、やはり相手がノアだったことが大きかったということなのでしょう。

どうしても、なかなか同情しきれない、どうしようもない部分もあるキャラクターというイメージでしたが、今回のキャラ付けで、エンディング時の印象もまた変わってきましたし、良いさじ加減だったのはないかと思いました!

衝撃的だったファンサービス要素

というわけで、ここまでおおよその設定部分の話を想像含めてしてきたわけなんですが、一番遊んでいて驚いたのはやっぱり5話の始まり方でしょう!もうね、衝撃度としては2の10話に並ぶくらい。


それというもの、いきなりカットインしてくる過去のクラウスの世界、ラダマンティス自治州ですよ。グラフィックの雰囲気がガラッと変わった時点で察しが付きましたが、まさか今回映像化するとは!?

2を遊び終えた時、そのうち過去編とかもやるのかなあなんて想像していた通りの光景がゲーム内で見れて感動してしまいました。


しかも、なんかこのグラフィックでモノリスだとゼノブレイドクロスを思い出すなあ、うんうんとか言っていたら後ろのラジオ音声で「地球種汎移民計画」とかいう、聞き覚えのある単語が出てくるし!

色々と調べてみたんですが、どうやらここのラジオのキーワードや登場人物、ゼノブレイドクロスのみならず、ゼノサーガやゼノギアスなどとも関連するキーワードがそのまま使用されているようですね。

色々事情がありますし、公式で明言されることはないんでしょうが、本編の裏で繰り広げられている壮大な舞台設計には相変わらず圧倒されます!

まあブレイド以外のシリーズに関しては、あくまでパラレルというか、匂わせ程度に留めるのかもしれませんが、ゼノブレイドクロス関連の単語がこちらにも出てきたのは地味に大きいのではないかと思っていて。もしかしたら今後のゼノブレイドクロス展開にも期待が持てるのかもしれません。

本編だけでも面白いのに、こういうスケールの大きい要素を用意できるのすごいなあ!

 

感想

続いてシステム面の感想に関してもざっくり触れていきます。

DLCコンテンツ用に整備された、遊び応えのあるシステム

システムに関しては、3のシステムを上手く短編で遊べるように置き換えたような、そんな感じでしたか。なので2における黄金の国イーラと似たような雰囲気。


特徴的だったのは、各フィールドがかなり過去作要素強めなのと、ラスボス戦の場所以外はすべて地続きで繋がっていること。


特にフィールド面はかなりゼノブレイド1要素が強く、ロケーション名だけで懐かしさを感じてしまうほどでした。

ちょうど、ぼくが好きな巨神脚~マクナ原生林辺りのロケーション多めなのもテンション上がりましたねー。ここら辺、やり込みまくったせいか全部ロケーション覚えてるんですよ。

逆に2に関しては、そこまでこれというロケーションがなかったのでちょっと寂しかったかも。ルクスリアの遺跡くらいだったかな?

イーラと同じく、本編システムをより活用した楽しい戦闘

後は戦闘面に関する工夫が素晴らしかった!イーラもそうだったんですが、限られたメンバーだからこそ、本編とは違った味付けにしようという心意気が良いですよ。


本編であったウロボロスシステムがない代わりに、ユニオンコンボという、ライジング状態からの派生先を選べるシステムが追加されており、これが大変爽快でした!

2のコンボであったような、コンボ演出がババーン!って表示されるのも気持ちいいですし、結構バンバン連発できるので、色々な組み合わせが気軽に楽しめるんですよ。


後は概ね、本編と同じような感じですが、全体的に難易度はやや高めのような印象も受けました。

特にラストの、ラスボスではなくエヌがきついのなんの。本編だとそこまで強さ感じなかったんですが、えらい強くて一回負けてしまった。歯ごたえあって楽しかったです。

限られているからこそ、各地の探索に重きをおいたゲームシステム

後は、探索を軸にしたキズナビリティシステムも良かったのではないかと。


本編ほどの広さではないからこそ、フィールドの隅から隅まで探索してみてほしい、という開発側からのメッセージを感じますし、リターンがあるからこそじっくり探索する意義が生まれているのが良かったと思います。

やっぱり、広大なフィールドってこういうリターンがあるからこそ成立するんですよねー。



遺物や宝箱の位置なんかもね、かなり凝った場所に配置していた感じで、回り込んだり、上下隅から隅まで見渡したり、じっくり探索するのが面白かった。

気になったこと

逆に気になったことだと、ヒトノワに関してはイーラほどうまくは扱えていなかったかなーと。コロニー9自体がね、イーラにおける王都ほど話の中心に添えられていないので、終盤の展開が刺さるっていう感じでもあまりないし、そこまで愛着が沸かなかった。

まあ、各キャラクターが色々な情報を話してくれるのを見るのは面白かったんですけどね。



後は、キズナビリティのアンロック要素が一部重く感じました。特に、アーツの部分はもう少し解除条件を緩めにしておいた方が良かったんじゃないかと。結構やり込み気味に進めても、全員分の解除が出来なかったので、若干モヤモヤしました。

まとめ

以上、感想でした!いやー、素晴らしい前日譚でした。

配信前はね、正直過去編っていうことで、期待していたものが見れないかもなあ、なんて思っていたこともあるんですが、全然そんなことはなかったです。

シリーズ全てを追ってきたからこそ、ここから本編の展開につながることでより深みが生まれているのを感じられましたし、本編で残された謎のもおおよそ解消されたので、すっきりできました。


欲を言うのであればね、3以後の物語を見たいという気持ちも有りはするんですが、ゼノブレイドシリーズはこれで綺麗に終わっているような感もあり。

ゼノシリーズは今後も別の形で続いていくとは思いますので、そちらの中で何か繋がりが見れることに期待という感じでしょうか。

素晴らしいシリーズをありがとう、モノリスソフト!