炎に煌めくゲームレビュー

主にコンシューマーゲームの感想を取り扱うブログです。

薄めの王道RPG 「いけにえと雪のセツナ」レビュー

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春休みに入ってからガンガンレビュー記事上げてる気がしますね
これで4つ目か
でもシャリーPlusは移植+αタイトルなのでレビューする気はないですし
DQMJ3は多分クリアするのは春休み終わって後だと思いますし
とりあえずこれで春休み中のレビュータイトルは終わりかな

さて今回レビューするのは「いけにえと雪のセツナ」
例によって僕がプレイしたのはPSV版になります




この作品は今年の2月18日にスクウェア・エニックスから発売されたRPG
初報か出たのは昨年9月のSCEカンファでしたね
あのカンファは個人的に気になるタイトルが少なかったものの
ちらっとPVで流されたこのタイトルは割と最初から気になっていました
その後11月あたりに発売日が出たものの
情報をほんと小出しという感じで宣伝にもあまり力は入っていなかった印象です

このタイトルもそうなんですが
なぜか最近のスクエニタイトルはPSVだとプレイ時間が見れないので
正確なプレイ時間がわからないんですよね
おそらくストーリークリアまで大体20時間前後
その後キャラクターのサブイベントを全てクリアしたので
+3~4時間程度といった所でしょうか
まあ価格相応ではあるかなー?という感じでしたね


ゲームの特徴

今作はキャッチフレーズが「とりもどそう、ぼくたちのRPG。」というだけあって
昔のRPGをかなり意識した作りとなっています
2Dを意識したフィールドやSDキャラクターなどなど
でも最近この手のRPG別に珍しくもないのでそこまで新鮮味もなかった印象
同社もブレイブリーシリーズとか出していますしね

戦闘システムはクロノトリガー辺りのゲームをベースとした
ATBシステムになっていますね
全体的に90年代のゲームを意識したのだと思われます

また価格がPS4&PSVタイトルにしては安めであり
その分ボリュームも割と抑え目になっていました

ここは発売前から公言されていましたし
前述通りそもそもあまり宣伝にも力を入れていなかったので
そんなに予算をかけて作られたゲームではないのでしょう

評価点


・綺麗なフィールドと世界観



今作はタイトルにも入っている「雪」がテーマの1つにもなっており
旅をする全ての大陸が雪に覆われているんですよ
そのためフィールドの情景は中々に素晴らしく綺麗でしたね

前に雪、冬の音楽の記事を挙げましたが
僕はこういう雪国の世界観結構好きなんですよ
現実で寒いのは大嫌いですけど



ダンジョンも全体的に綺麗な雰囲気の物が多く
中々ゲームを進めていても雰囲気いいなぁと感じる場所が多かった印象です
まあ実際ダンジョンは使い回し多いんですけど
でもある意味雪をテーマにしてしまえば使い回しもさほど気にならないという点では
うまいことやってるなーとも感じましたね
RPGで最初から最後まで1つの雰囲気を保っているゲームは珍しいので
まあこれはこれでよかった

・昔ながらのよくできた戦闘システム



前述のとおり今作の戦闘システムはATB(アクティブタイムバトル)システムを採用されていますが
全体的な戦闘のバランス調整は良かったかなという印象です
雑魚戦はそれなりにサクサク進みますし
ボス戦も前半は割と大味でしたが
終盤になってくるとしっかりとした駆け引きが楽しめる難易度で
中々面白かったですね
本作独自の刹那システムに関しても戦闘のメリハリがついていてよかった →悪い部分に続く

今作には法石を使用して
キャラクターに自由にスキルを覚えさせることのできるシステムが採用されていますが
これを自由に入れ替えられるため
どういう構成にして連携技を入れたりするかなどの
組み合わせを考えるのも楽しかった

総じてやや強すぎるキャラクターもいるにはいましたが
それでもバランス調整は割としっかりしていたと思います

・暗めだけど王道なストーリー

全体的に短めな本作ですが
ストーリーに関しても王道でしっかりとしていた印象です


各地を旅して仲間に出会い旅を続けていく
離脱からの再起イベントもあったりと王道の基本となる部分は大体抑えられていたかなと
まあ短いゆえ結構急な流れでしたが

全体的に暗い話が多く割と容赦ない世界観ではあるのですが
それでも王道ではあるのでそこまで欝には感じませんでした
各キャラクターのエピソードに関しても
最低限には一応掘り下げられていたかなという印象です
ほんとに最低限ですが

ただラストに唐突に出てくるラスボス関連の設定はちょっとなーとも思ったり
後半部分にその存在が明かされるのですが
ラスボスとパーティーキャラに因縁が特にないんですよね
与えられた役割をそのまま全うしてエンディングを迎えてしまうため
なんだかすっきりしないラストでした
なんか役割を本当に押し付けられた感が強いストーリーだったんですよね
だからすっきりしなかったのかな

とはいえそのラストの割とお涙頂戴の感動イベントではあったので
本作の暗いストーリーには雰囲気とはてあっていたと思います

全体的に見てもそこまで粗もなく目くじらを立てそうな人もいなさそうなストーリーでした
完成度が高いかと言われると何とも言えませんが僕は割と好きだったかなー

・素晴らしいイベント&フィールドの音楽



今作の特徴に音楽が全てピアノ音源というものがあげられます
以前の記事にも書きましたが
正直最初はどうかと思っていました

クリアまでプレイしたらまあフィールドやイベントに関しては
中々素晴らしく別にこれもまあありかなとも思いましたね
個人的には上の動画のフィールド2、イベント1、イベント7が好み
特にイベント1の曲は物語中何度か流れますが
シーンの雰囲気ともマッチしていて感動的でした



一方戦闘曲に関してはどうだったかというと
悪くしないものの全体的に盛り上がりに欠ける曲が多かった印象です
やっぱりピアノだけだと限界があるのか
あんまり印象に残らなかったんですよね
印象に残ったのは審判者とラスボス手前の4体のボス戦くらいかな…?
特に痛いと思ったのがストーリー中何度も戦う相手がいたのですが
その戦いの曲が全く印象に残らなかったんですよね
まあなのでやっぱりピアノオンリーは一長一短だなと思いました
面白い試みだとは思いましたけどね


・クリア後のやり込み要素



今作はクリア後にもいくつかのやり込み要素が存在します
全体的にボリュームは少なめですが
それでも全てのやり込み要素も網羅するには
おそらく30時間以上はかかるのではないでしょうか
クリアまでには非常にコンパクトな作品ですが
そういう所がしっかりしているのは良いなと感じましたね
それらの要素も
開発者の遊び心を感じる村だったり
裏ボスだったり
各キャラクターのエピソードだったり
今まで冒険してきた場所でサブイベントが発生したり
種類が豊かなのも良かったかな




僕はキャラクターエピソードは一応全てクリアしました
ストーリーでは語られないキャラクターのエピソードは
各キャラクターの掘り下げにもなっていて良かった
メインストーリーで登場したキャラが再登場したりするのもよかったです
メインストーリーは必要最低限の会話しかないので
こういうイベンがあるのは良かった

問題点

・全体的に薄味で地味な作り

評価点では基本的な部分はしっかりしていると述べましたが
今作では本当に基本的な部分が最低限入っているだけで
+αの部分が弱いなと感じました
具体的に言うとパーティー会話などがないので掘り下げが少なく
はっきりしたクエストのような物もなく
どうしても薄く地味という印象は拭えません
まあ一応その分価格は安いんですけどね

また景色が雪で統一されているのはまあいいのですが
ダンジョンや敵も使い回しが多いんですよね
本当に低予算が作られていることがひしひしと感じられてしまって少し残念でした
せっかく基本的な所はよくできているのだからもっと力を入れて作れば良いのに

・カクカクでロードが長いPSV

これはPSV版オンリーの問題ですが
今作戦闘シーンやイベントシーンでしょっちゅうカクカクします
イベントシーンでカクカクするのはまあまだ許容できるのですが
今作の刹那システムはタイミングが重要なシステムなので
ガクガクだと割と深刻な影響をもたらすんですよね

またロードも結構ひどく
建物や街の出入りでは10秒以上かかったりと
街はともかく建物のロードはちょっとなぁ
何度も出入りしたりするのでもう少しどうにかならなかったのかなーと

最近PSV版が異常に劣化していたりするマルチタイトルをよく見かけますが
別に今作なんてマシンパワーを使う作品ではないのに
こういうことになっているのは手を抜いているとしか
メガテンのバグについても書きましたが
年度末だからって手を抜いていいわけじゃないんですよねー
しっかりして欲しい

・見分けが付かない強敵

今作、フィールドに強敵が存在しているのですが
他のモンスターと区別が非常につきにくく
エンカウントしたら絶対に勝てないレベルで強いんですよ
でまあ必然的にエンカウントしてしまったらセーブポイントに戻ることになるんですが
悪質なことにダンジョンの最後の方に配置してあるんですよね
僕は一回終盤のダンジョンでそれに引っかかり
もう1度ダンジョンを最初から始めることになってしまいました

別にそこまで大した長さではないとは言え
他と区別がつかないことにメリットは全く感じませんでした
昔のゲームだからこういう仕様でいいと開発は判断したのでしょうが
僕は別に昔のゲーム=不親切なゲームだとは思ってないんですよね
なので正直この仕様は嫌でしたね
単純にめんどくさいだけでしたし



こんなところでしょうか
最初にプレイしたときはあまりのカクつきと
地味な展開に売ろうとすら思ってしまいましたが
最後までプレイしたらまあまあ楽しめたかなという感じに落ち着きました
とはいえPSV版特有の欠点については全く擁護もできないので
今から購入を考えている人は是非PS4版を買うことをおすすめします

元からそこまで期待していたタイトルでもありませんでしたが
最終評価的には期待値よりはやや上という印象
なんだかんだキャラクターのサブイベントを全て見るくらいには
やり込みましたしね
基本はしっかりしている王道RPGなので
サクサクゲームをクリアして次に行きたいみたいな感じの人には合うと思います
価格も安いので気になったら買ってみては

総合評価 80/100

総合評価の基準

90~100 神ゲー
80~90 良ゲー
70~80 凡以上良未満
60~70 凡ゲー
それ以下 糞ゲー 

(点数は結構適当なのであくまで目安です)
※このレビューはあくまで主観です