さて、今回は「ブレイブリーデフォルト2」の感想記事を。
プレイ時間はクリアまでおおよそ85時間。
色々やり込みながら進めはしたものの、ストレートにプレイしても50~60時間が目安になりそうで中々のボリュームでした。
公式で3桁遊べると言っているだけの密度と量があるなと感じましたね。プレイ時間的にもダントツで、シリーズ最長でした。
- ナンバリングながらも完全新作
- 過去作の土台を引き継いだ安定感のある作り
- 忙しい人に優しい探索システム
- 堅さはあるものの、よくできたストーリー
- 豊富なサブクエスト要素
- ハイクオリティなサウンド
- 気になった点
- まとめ
ナンバリングながらも完全新作
まず、本作の1番のポイントは2と付いていながらも、完全新作であるという事でしょうか。
過去作、ブレイブリーデフォルト及びブレイブリーセカンドは、同じ世界観を共有した地続きの物語でしたが、今作は舞台からキャラクターまで、完全に新規の内容になっています。
一部、過去作をプレイしていると分かるお約束的な内容がある物の、プレイしていないと分からないことはほとんどないので、そういう意味ではプレイするハードルは低いのかなと感じました。
過去作の土台を引き継いだ安定感のある作り
今作、多くのシステムを過去作の土台から引き継いでいるので、安定感のある作りになっていたと思います。
今作のつくりで過去作から大きく変わった点は、
・エンカウントが、ランダムからシンボルエンカウントに切り替わったこと
・戦闘システムが1ターンに4人すべての行動を選ぶシステムから、ターンが回ってきたキャラごとに選ぶシステムに変わったこと。(行動に素早さが適用された感じですね。)
くらいで、後はほとんど過去作をベースに作っていた印象です。
ストーリーを追って、世界を回って、ダンジョンを巡って、ジョブを増やしていって、というある意味お約束の流れですね。
その上で、全体的なスケールはハードに合わせてパワーアップしているので、作品の進化の仕方としては妥当な方向性だったかな?とは感じました。
もう少し色々と変えてほしいと感じた点はあった物の、このシリーズは「ストーリーベースで、ジョブの育成を楽しむ」ゲームだなあと改めて感じたので、良い落としどころだったのかなと。
ちまちまと色々なジョブのレベル上げをして、面白いストーリーを追って、敵を倒してまたジョブを増やしていって~、みたいな流れは安定感があって、個人的には楽しめました。
このチマチマ感こそコマンドRPGの醍醐味!
終盤インフレする戦闘システム
システムに付随する話なので、ついでに戦闘システムに関しても少し触れますが、今作の戦闘システム、終盤までは結構固めで一部が壊れている以外は、あんまり、とびぬけて強いと感じる物は少なめです。
一方で、終盤に入るとジョブの上限解放と、同時にとんでもないスキルとアビリティが大量に出現します。
個人的にはジョブレベルを上げ切った後に使える、ジョブ特性2の存在が面白く感じましたね。
この特性、非常に強力で中にはジョブの存在意義そのものになりえるレベル物なんかもあって、色々と組み合わせの幅を広げていると思うんですよ。
ジョブの種類は大きく増えてはいない物の、カスタマイズ性という点でパワーアップしていて、順当に進化しているように感じました。まあ、その一方で不満はあるのですが。。⇒気になる点へ続く。
ジョブレベルが上げやすい工夫が詰まっている
もひとつ、システムに付随する特徴に触れます。
今作、全体的にレベル上げがしやすいつくりになってたと思います。
半ば戦闘シミュレーターになっていたセカンドに比べると、さすがに程度は落ちますが、下記のようなポイントが揃っています。
・経験値を上げられるアイテムが手軽に手に入る。
・他ゲーでいうメタルスライムポジションの敵がそれなりに頻繁に出てくる。
・戦闘のテンポが速く、前行動オートもあるため、作業テンポも悪くない。
・稼ぎやすいダンジョンが多め。 ...etc。
特に、オクトパストラベラーと比べるとその差が顕著です。最近今作をクリアして、あっちをちょこっと触ったんですが、レベル上げの難易度が雲泥の差でした。
あちらは結局裏ボスまで行けてなかったんですが、本作くらい上げやすかったらなあと思ってしまったくらいです。
忙しい人に優しい探索システム
本作、過去作にもあったようなスリープモードを活用した「船探索」という要素がありますが、これは良かった。
これは「探索屋」という場所で、「探索を始める」というコマンドを選んでいると、Switchをスリープモードにしている時のみ探索が進み(12時間まで)、各所でアイテムなどを手に入れてきてくれるというシステムなんですが、
手に入るアイテムがJPを上げられる「JP玉」や、ステータスを上昇させられる「~まんじゅう」シリーズなど非常に有難いアイテムが多いんですよね。
なまじボリュームの多いゲームだけあって、こういうプレイ時間外にも有用なアイテム収集をしてくれるシステムは、平日忙しい人には非常に助かるシステムで、プレイするユーザー層をよく理解しているなと感じました。
プレイ時間外でも有用なゲームってね、すごい精神的に楽なんですよ。
色々なゲームをやる雑食ゲーマーとしてはとても助かった!
堅さはあるものの、よくできたストーリー
ストーリーは全体的には良くできていたかなという印象です。
前作の事もあって、序盤はやや堅く作りすぎかなと感じはした物の、1章の後半から2章以降に関しては、きっちり本作らしい味を出せていたので、そこからは中々惹き込またかな。
所々で、先への伏線もうまく展開しているし、ブレイブリーらしいな、と感じる演出などもそれなりに多く、全体を通して、 楽しんで読み進めることが出来ました。
個人的には3章までの各国を回っていくパートが一番好きでしたね。
本作、各国にクリスタルを取り戻しにいくのが前半のメイン目的なのですが、その国で発生しているクリスタルが及ぼす事象及び、事件、異変が物語として純粋に面白くて。
史実的な内容を元に作っているのかな?と感じるほど、丁寧にそれぞれを描いてくれていたので、とても印象的でした。
また、それぞれ独立した内容になっていながらもパーティーメンバー一人一人に見せ場を絞って、シナリオが展開されるので愛着のわきやすい仕組みになっているし、
4章以降の物語へしっかり繋がっているので、物語の作り方として非常に上手かったのかなと感じました。
豊富なサブクエスト要素
過去作と比べて、クエストの要素は非常に充実していました。
というか、たぶん過去作に明確なクエスト要素は無かったと思いますが、今作は全部で100個くらいのクエストが存在します。
簡単なお使いクエストみたいな物も多いですが、キャラクターを掘りさげる、ボイス付きのサブイベントなどもそれなりの数が存在しており、中々力が入っていた印象です。
中にはサブクエストを進めないと手に入らないジョブなんて物も存在していました。
そうそう、キャラクター面はシリーズ恒例な安定した立て方だったかなと。
今作はアスタリスク所持者が倒しても死なない、という設定のため、サブクエストなどで補完されているシーンも多く、そういう意味でもサブクエストは見たくなる内容になっていて良かったと思います。が、。。。⇒気になる点に続く。
後はミニゲーム枠の「B&D」。
これはボードゲームっぽいつくりでしたが、RPGでよく見るミニゲームとは少し趣が違っていて新鮮でした。
バトルの合間に進めるミニゲームとしては良い出来でしたね。元ネタのゲーム、何なんだろう?
ハイクオリティなサウンド
サウンド面は無印で担当していたRevo氏が手掛けられていますが、さすが、という内容でした。
この点に関しては、サウンドトラックの記事でめちゃめちゃ詳しく語ったので、そちらをご参照ください。
気になった点
中途半端な戦闘バランス
戦闘バランスは全体的にいまいちに感じました。というのも、バランス調整を意識しすぎてか、結構全体的に抑え気味なジョブが多いんですが、それにも関わらず、一部明らかに抜けてしまっているスキルが存在しているんですよね。
特に中盤~後半にかけて、そのスキルを使うか使わないかでは火力に数倍の差が出ることは明らかで、ほかのジョブを使う機会が薄かった。
せっかく色々なジョブがあるのだから何を使っても、強いゲームバランスの方が面白かったんじゃないですかね?(それで敵も強ければ言うことなし。)
ただまあ、最終盤まで行けば、ジョブ特性2のおかげでどれ使っても相違ないくらいの火力とバランスを両立できるんですが、そこはそこでいまいちな所があって。
せっかくクリア前にジョブレベルが解放されるのに、ラスボスがそれを伴った強さになっていないので、せっかく考えた最強の組み合わせを試せる相手があまりいないんですよ。
そこがもったいない。この組み合わせで、あのボスをこうやって撃破した!みたいなことがしたいのに、敵のバランスが成り立ってないんですよね。
個人的には、ジョブ開放は完全に裏にするか、もしくはもう少し手前にして欲しかった。
終盤はほんと色々考えられるのに、ラスボスが恐ろしく弱いので、ものすごく拍子抜けしてしまった。
クエストログがない
前述通り、本作のクエスト。種類内容共にかなり力が入っているのですが、大変残念なことに、全体のクエストログがないため、何をクリアして、何が残っているのかという事を把握できません。
そのため、結構ガッツリ確認していかないと見落としが発生する可能性があります。
確かに、こういう探す要素があってもいいとは思うんですが、要素を出来る限りコンプしたい者としてはかなり不便に感じてしまったかな。
一部説明不足なストーリー
全体としてのストーリーのクオリティはそれなりに高かったと思うんですが、ちょっと説明不足な点が終盤にぽつぽつ見られた印象です。
特に黒幕サイドのキャラクターの心理描写が足りなかったかなー。
あんまり語らせ過ぎたくない、という想いがあったのかもしれませんがそれにしても足りていない印象で、物足りなかった。
FSのような、追加版を出してくれたり後々DLCコンテンツを展開してくれるなら、それでもまあいいんだけど、今作あんまりそういう雰囲気を感じられないので、このまま宙ぶらりんにされないか少し心配しています。
目新しさは薄い
今作、安定感があるのは評価できる一方で、あんまり今作独自の味がストーリー以外に見つけにくいのは少し気になりました。
確かに、終盤の仕掛けはらしいとは思ったけれど、それも過去作に比べるとインパクト的にはそこまでという印象だったかなと。
個人的にはセカンドで冒険しすぎて、失敗してしまったという認識を製作側が抱いているからというのが大きいと思っていますが、もう少しシステム的に冒険してもいいんじゃないかな?とは思ったかな。
例えば、終盤のセーブデータに関する演出なんかは、もう少し「プレイする側の視点」を裏にとる演出なんかが欲しかった。
まあこれに関しては、次作があれば次に期待しますか。
まとめ
と、こんなところですかね。目新しい部分は薄いものの、とにかく手堅い仕上がりで、無印が好きだったプレイヤーならまず楽しめるのではないでしょうか。
前作までとのつながりもほぼないので、コマンドバトルが好きな方には是非おすすめしたい一作。
オクトパストラベラーとは方向性も違うし、Switch内だとほとんど競合タイトルは無いのではないかと思います。
個人的には、前作の方向性も好きだったので発売前から、本作が楽しめるか少し不安でしたが、まあこれはこれで十分楽しめたかなと。
やっぱりコマンドバトルでチマチマ進めるのは良いですね。色々なゲームをやってても、一番落ち着くのはこの時だなって感じますから。
気になるのはシリーズとしての展開ですね。セールスとしては現状だとちょっと微妙な印象なので、もしかしたらシリーズが続かない可能性があるのを懸念しています。
今作のような感じで完全新作として、数年ごとに展開してくれるのが一番理想的には感じるのですが。(以前の世界樹の迷宮みたいにね。)まあ、今後の展開があることを祈りましょう。