どうも、ば~んです。
今回は「オクトパストラベラー」の感想記事です。
(※)実際にプレイしたのは発売年の2018年なので、色々と記憶を掘り起こしながらの記載となります。
プレイ時間は70時間超。8人の主人公のストーリーは全てクリア。ストーリー後のやり込み要素に関しても、裏ボス関連以外はほぼ終わらせたので、8割くらいはやり込んだのかな。
裏ボスに挑戦するともう少し準備が必要そうなので、80時間以上が目安になりそうです。ストーリークリアのみであれば、40~50時間が目安かと。
- 往年の作品を彷彿させるような高い自由度
- 高い自由度を拡張させるフィールドコマンド
- 歯ごたえがあり、爽快な戦闘システム
- 成長が楽しい育成システム
- 単エピソードとしては十二分によくできているストーリー
- 豊富なやり込み要素
- 冒険意欲を掻き立てられるファンタジックなサウンド
- 気になった点
- まとめ
往年の作品を彷彿させるような高い自由度
本作、色々と作品としての特徴はありますが、何が一番の肝なのかというと「自由度」というのが真っ先に来るのではないかと。
というのもですね。本作、8人いる主人公が、最初に村のエピソードをクリアして旅立つという点は共通しているんですが、その後のエピソードは、目的の街にプレイヤー自らの足で赴いて進行するというシステムを採用しているんですよ。
そのため、最初のエピソードだけ終えてしまえば、後は想いのままに世界の各地を好きに駆け巡ることが出来てしまいます。この感覚は、それこそ、1980、90年代のRPGを彷彿させるかのよう。
ストーリーによる移動制限は一切ないため、自由度を阻むのはレベル概念のみ。8人の主人公のエピソードをどのように進めるか、誰から始めるかも全て自由です。
地方ごとのフィールドは広々としており、中にはサブダンジョンも存在します。ダンジョンの奥には思わぬボスが待ち受けていたりするので、めちゃめちゃ探索が渋るんですよね。
こんな感じのゲームとなっているので、自分で考えて遊んでいきたい人にはたまらない作品に仕上がっていました。
これぞ世界を冒険するというRPGの醍醐味よ!
高い自由度を拡張させるフィールドコマンド
そんな本作の自由度を更に魅力的なものに仕上げているのが、フィールドコマンドです。
本作には7人の主人公それぞれ個別に、街の人々に対して独自のアクションを行えるコマンドが用意されているんですよ。
例えば、盗賊テリオンの持つ「盗む」は成功確率が足りた場合、街の住民の持っているアイテムを盗むことが出来ますし、
薬師アーフェンの持つ「聞き出す」は街の住人がどういう素性を持っているか、という事を明らかにしてくれます。
そのシステムの性質上、本作は街のモブキャラクター個人にも細かい設定が用意されており、かなり奥深い作り込みでした。
上記のシステムは単に冒険を便利にしてくれるものの外、クエストやストーリーでも使用する機会も多く、幅も非常に広いです。(※細かくは後述します。)
通常のRPGでは単なるモブにすぎない住民にスポットを宛てて、ゲームを深化させているのが見事だなと感じられました。
歯ごたえがあり、爽快な戦闘システム
戦闘システムは昔ながらのオーソドックスなコマンドバトル形式ですが、歯ごたえと爽快感が特徴的な作りです。
特筆すべきは「ブレイク」と「ブースト」。
ブレイクは、相手の弱点を一定回数以上付くと相手がブレイク状態になり、行動不能+ダメージ量増加の状態となるシステム。特にボス戦で重要で、今作のボスは基本的に攻撃力も高く、かなり固いので、うまくブレイクを狙っていかないと歯が立ちません。
色々な攻撃を行って、相手の弱点を見抜いて。激しい攻撃をしのぎつつ、隙を見てブレイクを狙っていく。そんな駆け引きが楽しめます。
そのブレイクシステムの魅力を更に引き出しているのが「ブースト」。
ブーストはターンごとに貯まるゲージなんですが、このブーストゲージを使用することで、その分だけ使用時のスキルが強化されるんですよね。貯まったらすぐ使わなければいけない、なんてこともないので、最大4ゲージまでのストックも可能です。
なので、ブレイク状態に合わせて一気に貯めていたブーストを使って攻撃、なんていう非常に気持ちのいい合わせ技をする、なんてこともできます!
このように、基本難易度が高いながらも、こちらの戦術を押し付けて戦闘することが出来るシステムなので、RPGの醍醐味である戦略が楽しめるのが良かったですね。
成長が楽しい育成システム
キャラクターの育成も本作の醍醐味です。
本作では各キャラクターに初期のジョブが一つ設定されているのですが、ゲームを進めていくとサブに設定できるジョブが解放されていくんですよ。
そのため、最終的には一人2つのジョブを組み合わせることになるんですが、この組み合わせがまた楽しくて。色々な幅が楽しめるので自由度が高いんですよね。
ジョブにはそれぞれ固有のスキルが設定。スキル取得のアシステム自体には珍しさはないものの、面白いことにスキルを取る順番が固定されていないんですよ。
後になるにつれて必要になって来るスキルポイントが多くなっていくので、自分が有用だと感じたスキルから選んで取っていけるシステムになっていました。
なんて試行錯誤しながら冒険する感触は楽しかったですねー。
単エピソードとしては十二分によくできているストーリー
自由度の高い本作なので、ストーリーの方の作りはやや割り切った内容になっています。
各主人公同士の繋がりはメインストーリー上では無し、ボイスなしのパーティトークがあるのみ。パーティートークの内容自体はそれなりに凝ってはいますが。
それぞれの主人公のストーリーが1章~4章まで独立して存在するという感じになっています。
ただですね、この独立しているエピソードなんですが、単体の話としてはかなり良くできています。特に良いのが、主人公によってそれぞれ趣向の異なる雰囲気が楽しめること。
例えば、踊り子プリムロゼのように最初から最後までひたすら重い設定のエピソードもあれば、商人トレサのように最初から最後までほぼひたすら明るい話もあります。
それぞれが持つ全く異なる境遇を元に、オルステラ大陸という本作の舞台の中で、全く違う生き様が描かれる。そんなオムニバス形式らしい良さは十二分に描かれていた印象で、ぼくは結構楽しめました。
個人的には話の起伏が一番面白く感じたのは、オフィーリア編かな。前後半で全く雰囲気が異なっていながらも、綺麗にまとまっていて完成度高かったかなと。単に好き嫌いであれば、トレサ編がお気に入り。
なお、単体完結とは言いましたが、裏ボス以降の隠された設定などを踏まえると、実は
全てが繋がる重大な設定が隠されていたりします。そこまでを評価に入れると、とんでもなく作り込まれているストーリーなのですが、
難易度的な面で遊ぶハードルが高すぎるのと、あくまでおまけ要素としての作りなので、大々的に打ち出されていないのが少しもったいない気はしますね。
ちなみに、ぼくも裏ボスは倒せませんでした。もうやりたくないよー…。
豊富なやり込み要素
本作、やり込み要素も非常に豊富です。
前述した通り、地方ごとのフィールドはかなり広々としており、ストーリーで全て渡りきる必要はないため、数多くのサブフィールドが存在します。中にはストーリーと全く関係のないサブダンジョンなんかもあり、要素としてかなり豊富。
各マップの探索は、そのままジョブを始めとした育成要素の解放にもつながっていく仕様になっているので、探索しているだけでも本作の濃密さを味わえる作りとなっていました。
それに加えて素晴らしいのが、クエストの仕様です。本作のクエスト、普通のRPGと比較すると一風変わった仕様になっているんですよ。
というのも、単にお使い形式で進んでいくのではなく、前述したフィールドコマンドを使って、攻略していく内容になっているんですよね。
例えばですね、とある人に会いたいと考えている人の前に、フィールドコマンドでその人本人を連れていったりすることで、クエストが進められたりするんですよ。
NPCに対して、倒す、動かす、盗む、調べるなどといった、幅広い要素を駆使しながら、クエストを攻略していけるので頭を使うのと同時に、モブキャラクターに対する関心が強まる素晴らしいシステムだと感じました。
冒険意欲を掻き立てられるファンタジックなサウンド
スクウェア・エニックス製のRPG。ということで当然ゲームサウンドにも注目したい所ですが、本作はそこもバッチリな出来!
西木康智氏が手掛けた、ファンタジックで熱く、壮大な楽曲が揃っており非常に高品質に整っています。
個人的にはですね、バトル曲も好きなんですが、それ以上にフィールド曲の作りが完璧に感じられました。各地の情景に抜群にあった曲が揃っていて、思わず聞き入ってしまうクオリティです。
サンランド地方の乾いた砂漠の雰囲気、フロストランド地方の降り積もる雪の情景。いずれも、後で曲を聞き直したときに、ゲームでの旅路を思い出させてくれるような作りにもなっていますし、素晴らしかった。
もちろん、バトル曲もバトル曲で見事な出来で、特にストーリー最終戦の「旅路の果てに立ちはだかる者」は印象深いですねぇ。それぞれの主人公とラスボスとの対峙、熱いんだよなあ。
2も同じく西木さんということなので期待大です!
気になった点
単調な作りのダンジョン
本作、フィールドの作りが中々秀逸な一方で、全体的にダンジョンの作りがかなり簡素な印象を受けました。
というのも、RPGでありがちな仕掛けを解いて進んでいくような形式がほぼなく、多くのダンジョンが一本道のような仕様なんですよね。
確かに、これはこれでテンポがよい所はあったんですが、どのダンジョンも同じような内部構造なのも含めて、単調に感じてしまう所がありました。
もう少し仕掛けなどが盛り込まれていると良かったかな。
主人公同士の繋がりが薄め
本作、メインストーリーの出来は前述した通り良かったと思うんですが、一方で8人の主人公それぞれの繋がりという意味だと、それほど濃くは描かれていません。
あくまで、ボイスなしのキャラクター会話イベントこそ用意されてはいるものの、キャラクター設定から考えるとなぜ同行していんだろう?という設定のキャラも見受けられますし、繋がりはおまけ的要素という印象が強いです。(会話内容自体は面白いんですけどね。)
一応前述した隠し要素のの設定など含めて考えるとね、確かに意味のある8人のストーリーにはなっているんですが。オムニバス形式とはいえ、もう少しメインストーリーでのクロス要素があっても良かった気はしました。
オクトラ2では繋がりが描かれるそうなので、楽しみ!
気になるゲームとしての融通の利かなさ
後はですね、全体的に融通が利かないというか、遊びやすさとしての配慮が弱いのが気になりました。
例えば、経験値。本作8人主人公揃った時点で8人PTになるんですが、4人しかメインパーティーには入れられないので、残り4人は酒場での待機になります。ただ、この待機メンバはレベル上がらないんですよ。
なので、全員分ストーリー回していくためにはうまく動かしていかなければいかず、めんどくさい所があります。
その他にも結構色々気になることはありました。具体的に上げると…
・パーティーチャットは時限式なので、一度聞き逃したら二度と聞けない。なお、複数回トライしなければ聞けないトークもある。
・裏ボスに挑むための必要レベルが高いわりに、レベル上げ用の場が少ない
・ジョブスキルを取得するためには、いちいちジョブを選択して装備しなければいけない。(他キャラクターが持っていた場合は強制強奪となるため、都度付け替えが必要。)
・ジョブを切り替えると装備が初期装備に切り替わってしまう。のわりに、パーティー単位での装備アイテムの最適化ボタンが存在しない、
どうでしょう?なくてはならない、というほどの問題点ではありませんが、改めて最近遊んでみて、ここら辺の要素はちょっと遊びにくいように感じられました。
往年の名作を意識して、敢えてこういう作りにしているところもあるとは思うんですが、ここに関しては今風に遊びやすい仕様にしても別に良いような気がするんですけどね。
同社で同じ浅野チームから発売されているブレイブリーデフォルト2を遊んだ時に、よりそのことを感じました。
まとめ
以上、感想でした。
当時プレイしたときはプレイ日記のみで終わってしまっていて、その後のやり込みの中途半端のまま感想記事を書き逃してしまっていたので、2の前に改めて総括記事が用意できてよかったかなと。
全体としては、自由度と密度という2つの質の高さを軸に、古き良きRPGの良さをしっかりと作り上げた名作だと感じてします。
往年の名作を意識して購入されるのもいいと思いますし、単にRPGとしても出来が良いので、探索型のRPGが好きな人にもおススメできるかなと。
本作の発売以後、HD-2D作品の展開が続いたことや、浅野氏チームの新作が活発になっているのも本作が好評だったことも関係しているように感じますし、コマンドRPG好きとしても本作の存在は大きかったなと、今でも好印象を持っています。
是非、今週発売のオクトパストラベラー2も併せて、HD-2DRPGの代表作として、今後もシリーズ展開を続けていってくれると嬉しいですね!