どうも、ば~んです。
今回は「ライブアライブ」の感想記事です。
プレイ時間は24時間37分。最後の章を結構やり込んで、5~6時間遊んだので、やり込まないともう少し短くなるかもしれません。20時間前後が目安かなと。
スーパーファミコンで発売された作品のHD-2Dリメイク作品
本作は、1994年にスーパーファミコンで発売された「ライブ・ア・ライブ」のリメイク作品です。
特徴的なのが映像表現にHD-2Dを採用していること。HD-2Dと言えば、オクトパストラベラーやトライアングルストラテジーで採用されたドット絵の表現で、リメイク作品で採用されたのは初となります。
(発表はドラクエ3のリメイクの方が先だったんですが、こっちが先に発売されましたね。)
内容の方は、改良されていそうなポイントは多いものの、基本的な内容はレトロチックで、原作を踏襲しているように感じました。
そんな本作、ジャンルとしてはロールプレイングゲームなんですが、非常に独特な内容となっているんですよね。そんな本作の魅力を下記で説明していきます。
オムニバス形式を採用したゲームシステム
本作の最大の特徴は、オムニバス形式で描かれるゲーム性にあります。
時代も舞台も異なるキャラクターエピソードが7つ存在し、それら全てを遊びきると続きのエピソードが登場するような内容になっているんですよね。(順番は選択可能。)
1エピソードはそこまで長くなく、長い物でも5時間あればクリアできるような内容になっています。
このシステム、RPGとしてはかなり珍しいし、それぞれ内容が個性的で面白かった。下記でそれぞれパートに関して、簡単な内容を紹介していきます。
近未来編
近未来編は、王道ロボットモノという感じの雰囲気でした。街の雰囲気も比較的、現代世界に近いのもあって、当時だと結構先取感あった内容なのかも。
ゲームジャンルとしても特に癖は無く、順当なRPGという感じ。ただ、念力を利用して、人の心を読めるというシステムはちょっと特徴的かも。
7つの短編の中でも、話の組み立てはかなり丁寧。短くまとまっている物の熱さを感じられたので、結構お気に入りでした。特にラスボス戦が非常に熱くて印象的ですね!
原始編
原始編はですね、言葉のない時代を描いているのが特徴的です。
言葉がないので、全て絵柄のような吹き出しで進行するんですが、これが中々趣があって、良かった。これも内容は普通のRPGに近いんですが、匂いを追って、フィールドを探索するという要素がちょっと面白かったですね。
ただ、ストーリー内容はかなりコミカルなので、やや本作の中だと浮いているような感も否めず。
西武編
次に西武編。舞台はその名の通り西部なんですが、これはゲームシステムが特徴的でした。
時間制限があって、その間に色々なアイテムを集めて、それを適切に振り分けるという、タワーディフェンス的な側面が強いんですよね。エピソード自体も1時間かからないくらいの短いものなので、色々な試行錯誤が楽しめる内容になっていました。
戦闘もほぼボス戦オンリーと、RPGとしてみるとかなり異色な内容です。
シナリオは王道な西部劇って感じで後味悪くなく、さっぱりしていて好きでした。マッド好き。
幕末編
幕末編は、7エピソードの中だと一番時間がかかりました。5時間くらいは遊んだかな?
このエピソードはですね、他に比べて自由度の高さが凄い!
というのも、城に潜入して目的を果たす、という以外全てプレイヤーの手動で楽しめるんですよ。城の中も一本道でなく、色々な道筋が用意されています。
アクション要素としてステルスアクションも存在するので、すべての敵から逃げて隠れて進めるのか、あるいは逆にすべての敵をなぎ倒していくのか、プレイヤー自身が決めて選ぶことが出来るので、幅が広く感じられました。
寄り道要素もかなり豊富で、至る所まで探索するのがとても楽しかった!その分、シナリオは単純明快な内容でしたが、悪くは無かったかな。
現代編
現代編もこれまためちゃめちゃ独特でした。
格闘ゲームを模した内容で、なんと30分程度で終わってしまうんですよw。シナリオもめっちゃ格ゲーっぽいさっぱりとした内容。
なんですが、RPGのジャンルでこれをやろうという試みが面白いし、技を覚えていくという要素も面白いので、発想的にはすごく新鮮に感じられました。
SF編
またまた独特なSF編。これはですね、実質アドベンチャーゲームです!というのも、戦闘がラスボス戦だけなんですよ。それ以外は全てイベントで進行します。
テイストはSF+サスペンスホラーという感じで、結構怖かった。特に、中盤以降は「あれ、今ホラーゲーム遊んでたっけ?」と思ってしまうような要素が用意されていて、だいぶビビってしまった!
物陰からふっと出てくるの怖すぎるからやめて!
功夫編
最後に遊んだ功夫編は、ジャンルとしてはオーソドックスなRPG。ただ、内容が分岐するので周回要素があるような感じかな。
ストーリーは凄く、感動できる内容だったので、個人的にはこれと近未来編が特に好きな話でした。弟子への継承、良い描かれ方だったなあ。
インパクトのある○○編
なお、これら7つのエピソードをクリアすると、その後のエピソードとして新たな章が追加されますが、これ以降はネタバレになるの細かい内容、伏せておこうかと思います。(PVとかで映ってしまっていますけどね。)
ただ、ストーリーとしてはですね、これも非常に意欲的な内容に挑戦したい!、という意気込みが伝わってくる、非常にインパクトの強い内容でした。
従来の王道RPGを遊んでいると、よりそのギャップに驚きを得られると思うので、RPGファンは是非遊んでみて欲しいですね。
あの名言をようやくゲームの中で聞けて満足♬
メリハリつけて、斬新なゲーム体験が楽しめるリッチ感
と、ざっと7つの章を紹介してみましたが、本作の良いところはこのように、ゲームジャンルすらバラバラなエピソードをグルメコースのように楽しめる所でしょう!
しかも、それぞれRPGというジャンルにとらわれずに、新しい試みをしようという、今ではあまり見れないような斬新な発想で作られているので、新鮮な感覚で楽しめるのが良かった。
その分だけ、一つ一つの内容の濃さという点ではいまいちですが、体験的なコスパでいうとかなりお得な感覚でした。
なお、各エピソード、戦闘システムは全て共通の内容になっています。
戦闘システムは、コマンド形式なんですが、マス目形式を採用しているのが特徴。敵に近づいて攻撃する必要があったり、逆に位置取り気を付けないと大ダメージもらってしまったりと、一定の戦略性が感じられたので、まあまあ楽しめました。
が...⇒気になったことに続く。
秀逸なBGMと演出
基本的に本作の魅力は前述したオムニバスシステムが全てなのですが、それに加えて一点。BGMがとても素晴らしかった!
全編、雰囲気に併せて異なる曲調に仕上がっており、かつ通常戦闘曲も全て異なるというかなりリッチな作り。
なにより素晴らしいのが、各エピソードのラスボス戦で流れる「MEGALOMANIA」。
この曲、いずれのエピソードでも流れる共通曲なんですが、驚くほど、どのラスボス戦にもピタッとハマっていて最高に熱いんですよね!
演出も素晴らしくて、戦闘直前に熱いシーンと共に曲がカットインしてくることも多く、イントロと共に、「さあ、エピソードのラスボス戦だ!」という気持ちになれる、お約束的な曲としても素晴らしかったです。
正直、ゲームと共にこの曲を聞けただけでも、本作を遊んだ価値はあったなと思うほどでした。
曲自体は知っていたんだけど、まさかここまで熱いとは!?
気になったこと
時代相応感のあるゲーム内容
本作、面白かったとは思うんですが、全体的に時代相応な内容という印象があります。
確かに、この意欲的なシステムやシナリオを1当時ゲームとしてまとめた、というのはとても凄いと思うんですが、あくまで1990年代だからこその内容なんですよね。
実際、シナリオ面は確かに面白いですが、スーパーファミコン時代の作品らしく描写がアッサリ気味なので、細部まで熱心に語られるような内容とまでは感じませんでしたし、どこかで見たような感覚も抜けはしませんでした。
システム面に関しても、後述しますが、現代基準で考えるとデメリットにもなりえているかなという点がいくつか存在しました。
そういう所を踏まえると、あくまで当時のゲームを再現した、という所が全てであって、2022年のゲームとして考えるべきではないのかなと思いましたね。
RPGとしてはいまいちな要素がある
本作、RPGながらもかなり異色なシステムを搭載しているのは面白い試みなんですが、逆にRPGとして見ると、いまいちな点もそこそこありました。
例えば、ゲームバランスは全体的に大味に感じました。
戦闘は、技によって、威力の上下がかなり大きく、有用な物と不要な物がはっきりと分かれてしまっていますし、難易度に関しても、あまり丁寧に調整されている印象がありませんでした。
ある程度、RPG的な作りになっているパートであれば、まだ戦略性が楽しめる所もあるんですが、戦闘回数が極端に少ないパートに関しては、かなり大味な調整になっていたのかなと。そのため、戦略性を楽しむ部分があまりなかった気がします。
後はですね。ジャンル的に仕方ないんですが、後戻りできないので、育成を楽しみにくいです。
各パート、ボリューム少なくサクサク終わってしまうため、スキルをゲットして成長させたりだとか、装備を集めたりだとかする要素がそこまで多くないんですよね。
一応、最終章だけ、育成や装備集めが楽しめるパートがあるにはあるんですが、オムニバス形式を採用している関係で、後戻りが出来ないゲームの仕様上、そこまで幅が広くなく、RPGとしてみるとどうしても制限が強いように感じてしまいました。
まとめ
以上、感想でした。
名作と呼ばれている本作を、HD-2Dで丁寧に再現された作品が発売してくれたおかげで、ようやく本作を遊ぶことが出来て、個人的にはとても良かったです。
実際に遊んでみて、遊びや発想の豊かさを色々と感じることが出来たので、確かに名作と呼ばれるだけはあるなと感じました。
ただ、一方で原作を再現することに重きを置いているため、2022年の新作として遊ぶと肩透かしを食らってしまうかもしれません。
あくまで、当時の再現として、レトロゲームに理解ある形で購入すると、楽しめるかと思います!