炎に煌めくゲームレビュー

主にコンシューマーゲームの感想を取り扱うブログです。

【レビュー】ソウルハッカーズ2【感想】全体的に古臭いが、アトラスらしいRPGとしての面白さは健在!

スポンサーリンク

どうも、ば~んです。


今回は「ソウルハッカーズ2」の感想記事です。


プレイ時間は48時間39分。サブクエストは全てコンプリート。ソウル・マトリクスは全員4層まで解放済み、という感じのプレイ状況でした。(難易度はノーマル)

ストーリーを追うだけならば、30時間前後でもクリアできるかな?そこまでボリュームは無かったです。

のゲームのポイント!・デビルサマナーシリーズの新作だが、ほぼ独立しているので新作として遊べる。
・メガテンでもペルソナでもない、サイバーSF×悪魔という独特な雰囲気。
・全体的に古風なゲームデザイン。

 

10年ぶりとなるデビルサマナーシリーズの新作

本作、シリーズとしては「デビルサマナー」シリーズの新作に当たる作品となります。

2012年に3DSで発売された「デビルサマナー ソウルハッカーズ」が直接の前作に当たるようですので、おおよそ作品としては10年ぶりの展開という感じでした。

ただし、内容の方は独立気味で、単体で完結しているのでシリーズを未プレイでも別に問題なく遊べるという印象です。実際、ぼくもシリーズとしては初プレイでしたが、あまり気になりませんでした。


ゲームジャンルとしてはコマンド式のRPG。ダンジョン攻略をメインに進めていくので、ペルソナ系列のアトラス作品と類似している内容でした。細かくは後述します。

メガテンともペルソナとも違う雰囲気

そんな本作の最大の特徴は、アトラス製のRPGの雰囲気を持っていながらもメガテンでも、ペルソナでもない独特な空気を持っていることでしょう。


例えば、世界観。現代がテーマなのはペルソナっぽいですが、よりSF的でサイバーチックな世界観で構成されているんですよね。主人公もAIということで、近未来感があります。


パーティーの雰囲気もかなり独特です。即席で出会った、一時的な協力関係という雰囲気なんですが、仲は悪くなく。ペルソナほど明るくはなく、メガテンほどダークではなく、いい意味でサッパリしていました。

加えて、主人公が女性だったり、戦闘がちょっと違ったり、何かと独特な雰囲気を持っているんですよね。アトラス作品の感じはそのままに、他作品とは違う空気を持っているので、アトラスファンであればその違いに注目して楽しめるかも!

アトラスらしいRPGとしての楽しさは健在

RPGのシステム面はアトラスらしい作りで、安定感はあったのかなと。具体的に説明していこうかと思います。

プレスターンバトルに類似したスタック&サバトシステム

まず、戦闘システムから。

本作の戦闘システム、プレスターンバトルではないんですが、その流れを汲む「スタック」と「サバト」というシステムを活用するものとなっています。

 



戦闘時、相手の弱点を突くと所持している仲魔をスタックし、全員のターン行動が終わった段階で「サバト」が発動。スタックした悪魔が一斉攻撃を仕掛ける、という内容ですね。



正直、プレスターンに比べて、総攻撃タイミングが遅いので、あちらに比べて明確な良さは感じにくかったんですが、

それでも弱点を突いてダメージリソースを稼いだり、悪魔の専用スキルでサバトに付加効果が付けられたりなど、それなりに戦略性は感じられたので、まあまあ楽しめました。

後半になるとどんどんスタックがたまっていくので、総攻撃で殲滅するのも中々爽快!

 

恒例の悪魔配合

アトラス作品恒例の悪魔配合は今作も健在。


匙加減はペルソナ程度なので、そこまで本格的ではない物の、色々な悪魔を成長させて組み合わせていく過程は本作でも楽しめます。

スキルとしては前述したサバトに関するスキルが特徴的でした。例えば、サバト発生時にMPを吸収&回復したり、追加ダメージを与えたり、お金を奪ったり。

それ以外は通常のメガテンペルソナと大きな変化はないかな。


後、本作。悪魔を仲魔にするのが非常に簡単なので(ダンジョンで悪魔と会話するだけけ。)気楽に色々な悪魔を揃えられるのも特徴的ですかね。

個人的には、メガテンのシステムの方が好きなんですけど、これはこれで割り切っていて悪くはないかなと思いました。

色々な強化が楽しめるゲームデザイン

上記の悪魔合体の話とも被りますが、強化が楽しめる要素が多いのも良かった。


例えば、COMPと呼ばれる武器を強化できる要素があったりします。属性適正を強化したり、スキルを習得したり、攻撃力を上げたり、種類は非常に多岐にわたる内容。

色々なポイントを強化していくことが可能なので、育成要素としては中々面白かったかなと。


後は、ソウル・マトリクスというダンジョンを突破していくと、仲間ごとにスキルを習得できる要素なんかも用意されていました。これも、自分が好きなスキルを選んで習得できますし、ゲーム進行に便利になるスキルが多いので、中々楽しい。

総じて育成要素は面白かった。中盤~終盤はここら辺の要素が楽しくて一気に遊んでしまいました。

キャラクター描写が丁寧なイベント

パーティーキャラクターの掘り下げも中々丁寧でした。



Barで発生するイベントは各キャラクターの色々な組み合わせでの会話を楽しめるので、キャラクターをより理解することができるようになっています。

本編には無いような一面も見られるので、愛着を持てるいい作りになっていたかと。


ソウル・マトリクスでのイベントも併せて、パーティーメンバーに関してはかなり丁寧に描写していた印象です。(個人的にはパーティーの中だとサイゾーが好きでした。)

それなりに面白いストーリー

ストーリーはそこそこ面白かったと思います。特に中盤以降が良かった。


正直前半はダイジェストのような感じであっさり進んでいくので、あまり惹き込まれなかったんですが、後半は黒幕の正体とか結構意外性がある展開が続くので、驚きをもって進められたのが良かったです。



テーマもAIと人間という、近年ではありきたりなものではあるんですが、どちらかというとAIというより「人間らしいAI」というポイントに絞った描写も悪くなく。

最終的に立ちふさがるキャラクターの意外性や、そこに至る描写などもそれなりには丁寧に作られていた印象で、名ストーリーというほどではないけど、十分楽しめましたかね。

 

まさかラスボスがあの人なんて!?

 

アトラス×MONACAが送る新鮮なサウンド

サウンド面も中々良かった。本作、アトラス製のタイトルとしては珍しく外注しており、サウンドをMONACAが担当しているんですよ。

MONACAと言えば、ゲームだとニーアシリーズで有名なチームですが、従来のアトラス製タイトルのサウンドとは若干方向性が違うので、いい意味で新鮮に感じました。



特に良かったのが電子コーラスを使用した楽曲。ニーアオートマタでもよく聞いた覚えがありますが、サイバーチックな世界観に合っていて聞きごたえがあります。

特にこのボス戦の曲はシチュエーションも熱くて、耳に残りました。これと、後ラスボス戦も似た感じの雰囲気で、良かったなと。サントラが出たらここら辺の曲は抑えたいな~。

気になった点

古臭いゲームデザイン


本作、全体的になんですがゲームデザインが古臭く感じました。具体的にピックアップすると下記のような感じ。

・ワールドマップがあって、街の各所やダンジョンを渡り歩いていく。
・ダンジョンの作りは仕掛けこそある物の、基本的に一本道。
・ダンジョンを闊歩する悪魔はノイズデザインで中身が分からない。
・街のカメラワークが固定。
・クエストは単調なお使いのみ。


別段、致命的な部分ではないんですが、遊んでいて何だか10年前に時を戻したような感覚になってしまいました。


それもそのはずで、いずれもペルソナ4やメガテン4のような、最新シリーズから一つ前のナンバリングで採用されていたようなシステムなんですよね。

そのため、最新のJRPGを追っているゲームファンからすると、悪い意味で懐かしいような印象を抱いてしまうかもしれません。

 

(幻影異聞録#FEのスクリーンショット)

まあ、製作チームからすると、幻影異聞録#FEと比較すべきなのかもしれませんが、あれも発売されたの2015年ですからね...。いくらなんでも、あれから進化がなさすぎるので、もう少し頑張っても良かったんじゃないかと。

単調すぎるソウルマトリクス

本作、各仲間キャラクターごとに「ソウル・マトリクス」というダンジョンが用意されているんですが、このダンジョンがとにかく大変でした。


何が大変って、めちゃめちゃ単調なのに超長いんですよ!

3つあるダンジョン全て背景もBGMも同じなのに、異様に広いし、仕掛けも凝っているので進めるのが中々苦行だったかなと。ぼくは平日の夜に進めてたんですけど、あまりに単調すぎて一回寝落ちしまいました。

まあ所詮、やり込み要素なので、やらなければいいじゃんという話ではあるんですが、一部このやり込み状況によって本編の展開が変わったりするという要素もあったりするので、そういうわけにもいかず。

せめて、各キャラクターで雰囲気を変えるとか、もしくは3つも用意しないとか、もうちょっとどうにかして欲しかったですね~。

あまりに単調すぎて途中から逆に癖になってきた感じはあったけれど。

痒い所に手が届かない作り

全体的にシステム面の快適性もいまいちに感じました。


例えば、上記のソウル・マトリクスの仕様。ダンジョンの入り口自体には回復ポイントがないため、

一度ダンジョンから出る⇒入り口に戻る⇒マップからセーフハウス(拠点)に戻る⇒回復⇒マップから入り口に戻る⇒またダンジョンに入る


という極めてめんどくさい仕様になってるんですよね。何だかメガテン3を思い出すような作り。


後は、悪魔合体時に素材となった悪魔が持っているスキルがその場で見れなかったり、初期状態でのカメラワークが意味わからないくらい見づらかったり(オプションで調整可能)、

移動速度を上げた状態でダンジョン歩いていると、エンカウントシンボルが歩いて場所からそのまま出てきて強制エンカウントみたいになったり。

遊んでいて気になることが何かと多かったので、もう少し工夫が欲しかった。

まあ、10年前のゲームならこれでもいいと思うんですけどね、2022年にちょっとこれでは足りないかな。

唯一無二の良さに欠ける

後はですねー、この作品。唯一無二の良さに欠けると思います。

確かに、メガテンともペルソナとも違う雰囲気は持っているんですが、じゃあその両作品と比べて明確に優れているポイントがあるかと言われると微妙なんですよ。

システムは古臭いし、ストーリー&キャラクターもそれを覆すほどの内容には仕上がっていません。

なので、例えばPSハードのRPGを遊びたいのであれば、まず間違いなくペルソナシリーズを先におススメしてしまうかなあという感じ。

あくまで、色々なアトラス作品を楽しんでいるファンであれば遊べる内容にはなっていると思うんですが、他の作品を差し置いてこの作品を推すことはあまりないかなあと思ってしまった。

例えば♯FEのように戦闘がめちゃめちゃ面白いとか、そういう明確な強みがあればよかったんですけどね。ちょっとその点は欠けてるのかなと。

まとめ

以上、感想でした。

ちょっと辛口になってしまったかもしれませんが、そこまで感触は悪くなく、そこそこ楽しんでプレイは出来ました。特に、ストーリー後半は先が気になって一気に遊び進めてしまいましたしね。

定価の高さ、内容の古臭さが気にはなる物の、アトラスのRPGが好きな方であればそれなりには楽しめる内容なのかと。


ただ、それ以外のゲームファンであれば、まずはペルソナシリーズや、女神転生シリーズを遊んだほうが無難かと思います。

個人的にはもうちょい、作品の顔となる何かが欲しかったですねー。そこがあればもっと推せる作品だったかな。