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【レビュー】Voice of Cards ドラゴンの島【評価】カードで表現された世界を旅する、独特でコンパクトなRPG!

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お正月辺りから始めた作品2つは無事先週でクリアしきったので、最近は昨年で積んでいた月姫リメイクを再開しています。


とりあえず、1月末までプレイするけど長そうだし終わらないかな?結構面白いので、いつかブログでも感想上げたいけど、スクショ取れないのが中々ネックですねえ。


さて、今回はVoice of Cards ドラゴンの島の感想記事を。例によって、Switchのダウンロード版でプレイしました。


プレイ時間は13時間ほど。やり込み要素はぼちぼち程度なので、頑張ればもう少し遊べるかもしれませんが、価格帯もあり、ボリュームは少なめでした。

カードで描写された世界を旅するRPG

本作、ジャンル的にはオーソドックスなコマンドRPGになります。


ドラゴンを倒すという目的を元に、最初の城から旅立ち、フィールドを渡り歩き、敵と戦っていく。敵との戦闘もシンプルなコマンドバトルです。

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そんな本作の最大の特徴は、全ての描写がカードで表現されていること


物語の演出から、フィールド移動、戦闘に至るまですべてがカードを用いた表現になっているんですよ。


これがね、中々独特で面白かったので以下で解説していきます。

裏返しカードで表現されるフィールド

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まず、フィールドに関してから。


本作のフィールドは裏返しのカードで表現されており、移動に合わせてカードが反転していくという仕掛けになっています。


最初の状態では街ですら、どこにあるか分からないので、自分の足で歩いてフィールドの構造を把握していく必要があるのですが、この探索、中々趣があって楽しかったです。

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フィールドの至る所には宝箱が隠されていますし、ランダムイベントから、固定クエストまで多様なイベントがフィールドの中に隠されているので、端から端まで歩きたいなと思える魅力がありました。


単純にカードをめくっていく感覚も楽しく、いい作りでしたね。

フィールド自体もね、実にファンタジー世界って感じでのんびりと世界を回っている感じが、凄く心地よかったです。


なお、一度開いたカードの上には、スクロールすることで自由に行き来できるなど、マップ移動も快適でした。(一部ダンジョンを除く。)

ボード上で行われる戦闘

戦闘はランダムエンカウントで発生する、普通のコマンドバトルでした。


ただ戦闘描写はカードで演出され、ステータスもカードに表記されているため、カードゲームっぽい雰囲気ですし、独特な趣がありました。

(基本的に攻撃キャラの攻撃値ー対象の防御値がダメージになります。)

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特徴的なポイントとしては、ジェムシステムですかね。左上にカウンターみたいな物が見えるかと思いますが、これがジェムで、ターンごとに1つずつ溜まっていきます。


これを使って、スキルを使用する流れがバトルのメインとなります。

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スキルの特性も結構面白いのが揃っていました。例えば、固定ダメージを与えるスキル。


一見ダメージ自体は少なく見えますが、お互いのステータスを無視してダメージを入れられるので、防御がめちゃ高い相手とかに有用だったりするんですよね。

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後半は大量にジェムを使用する大技なんかも増えてくるので、どうジェムを貯めるのか、だれが大技を使うのか、みたいな試行錯誤が多少楽しめるようになるので、中々面白かったです。


全体的な作りの浅さは否めませんが、個人的には結構気に入りました。

ナレーション形式で進行するストーリー

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本作、ゲームマスターの導きの元、物語が進められていく、という設定になっているのもあり、物語の形式は全て、ゲームマスター(CV安元洋貴)のナレーションで進んでいきます。

第三者視点で語られる形式は、TRPGっぽい雰囲気もあり中々独特ですが、静かなゲーム性ともマッチしていて、いい味が生まれていた印象です。


時々ふざけたりとか、お遊びの要素があるのも面白かった。

コレクション要素のあるカード

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本作のカードにはコレクション要素があります。


例えば装備は各キャラクターに武器、防具、アクセサリーと装備できるのですが、単純に武器屋だけを追っていればすべての最強装備が入手できる、という訳でもなく、各所を巡ったりする必要があったりするんですよね。


そういう意味では、コレクション要素としては中々面白かった。


もう一つ。ネタバレになってしまうので画像は貼りませんが、キャラクターカードも面白かった。


こちら、キャラクター及びエネミーを短文で説明したコレクション要素なのですが、中には設定に関する重要な説明が書いてあることもあるんですよ。

内容も気になる物だったので、こちらも集めたくなる要素に仕上がっていました。

ヨコオゲーらしいシナリオの雰囲気

本作のストーリー、最初は結構王道な感じで始まるんですが、中盤~後半のテイストは中々シリアスな内容で、ヨコオゲーらしいなあという感じの内容に仕上がっていました。

※本作の開発は「ニーア」「DOD」シリーズなどのチームが手掛けています。

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単純なシナリオの暗さも去ることながら、前述したコレクション要素の中の文面なんかも、最初の明るい雰囲気で見ているとビックリするくらいダークな要素が後半は出てくるので、中々インパクトはありました。


全体通してめちゃめちゃ出来が良い、とは思いませんでしたが、コンパクトな割には中身のあるストーリーで、印象には残りましたね。

耳に残る音楽

音楽も耳に残りました。ミュージックディレクターはこれまた、開発シリーズと関わりの強い岡部啓一氏が手掛けられています。


メインテーマの雰囲気とかも実にらしい感じの曲調。

Voice of Cards ドラゴンの島 Original Soundtrack

Voice of Cards ドラゴンの島 Original Soundtrack

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後は、使い方も良かったのではないかと。


本作、フィールドでの戦闘時は曲が切り替わらず、フィールドBGMのままなんですよ。

最初はこの仕様、いまいちかな?と思ったんですが、段々と慣れてくると、フィールド曲を長く聞けるし、たまに聞ける戦闘曲が凄く新鮮に聞こえるし、結構良く感じられました。

個人的には~中盤までのフィールド曲「自称勇者の冒険」、戦闘曲「脈打つ力」の2曲がとても耳に残ったので、サントラも買っちゃいました。

価格相応のコンパクトなボリューム

前述した通り、ボリュームはやりこんでも1周15時間程度とかなりコンパクトな内容でした。

価格が3000円台と考えても、やや少なめな印象はありますが、その分デザインや音楽はかなり凝っているのでまあ妥当ではあるのかなと。


骨太な内容を求めるタイトルでは全くないという事を、念頭に置きつつ、プレイするのが良いのかなという感じですかね。

気になったこと

低い難易度

本作の戦闘、難易度が低いです

フィールドを歩き回っているとすぐ適性のレベル値を超えるうえに、至る所のボスも全く強くないので、せっかくのジェムを活かしたシステムもさほど活きていませんでした。


ただ、ラスボスだけはまあまあ強かったので、ボスをもう少し強くしてほしかったですかねえ。

いまいちなシナリオプロット

前述した通り、ヨコオゲーらしい雰囲気が垣間見えるストーリー自体は、中々良かったと思うのですが、シナリオプロットの流れはいまいちに感じました。


例えば、後半で明らかになる事実は、単体で見たらインパクトのある内容に仕上がっているんだけど、いまいちストーリーの流れとしては単発的というか、あんまり個々の話に繋がりがあるようには感じられなかったんですよね。


どちらかというと、オムニバス的というか思いついた話を各章に入れていったような内容だったので、もう少し全体が繋がっているとより楽しめたのかなという印象です。


後は、一部のキャラクターの設定があまり語られずに、終わってしまったのも残念。

全体的にボリュームが少なさ過ぎて、少々尺不足感があったのは否めませんでした。

※注意点

最後に注意点。本作、全体的にTRPGっぽい雰囲気に近いし、実際PVでもそんな感じに見えるかなと思うのですが、作品としては一本道のRPGになります。


フィールドを探索したり、クエスト的な物を消化するなどのRPG的な自由度はあるものの、話に分岐はほとんとありませんでした。


ですので、あくまで一本道のコンパクトなRPGとして買う事をおススメします。

まとめ

と、こんな感じですかね。

個人的にはもっとTRPGっぽい内容を予想していたので、やや思っていた方向性とは違いましたが、

カード主体の落ち着いた雰囲気で魅せる、王道RPGは何とも言えない、趣ある仕上がりになっていてこれはこれで良かったかなと。


最近は重いゲームばっかりだったので偶にはこんな作品もいいよねって!


骨太な作品を求める方にはおススメしませんが、大作の合間にプレイする作品としておススメ!


個人的にはVoice of Cardsシリーズとして、新作展開していってくれると嬉しいのですが、どうなるかな。