どうも、先週分の更新が日曜日に間に合わなかったので、代わりに今日更新します。
なんか色々書いてたら、今回も7000字超えという。最近大作記事ばっかりですね。
さて、今回は「BLUE REFLECTION TIE/帝」の感想記事を。
プレイ時間は45時間弱。前作は20時間も無かったと思うので、ボリュームは倍増しましたね。思ってたより長かったです。
今作、感想以外にもいろいろと考察が渋りそうな作品だったので、ネタバレ項目以下で色々と語ってます。
- BLUE REFRECTIONシリーズの第3弾!
- シリーズ間の繋がりが熱いストーリー!
- よりRPG的に進化したシステム
- 相変わらずの雰囲気の良さ
- 粒ぞろいの音楽は健在!
- 気になった点
- 色々ネタバレ込みで細かく
- まとめ
BLUE REFRECTIONシリーズの第3弾!
まず、本作の立ち位置ですが、「BLUE REFRECTION」のクロスメディア展開の第3弾となります。
ブルーリフレクションは元々、2017年3月に発売された「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」単作品で止まっていたシリーズなのですが、2021年に入って「RAY/澪(アニメ)」「TIE/帝」「SUN/燦(PC,スマホ、まだ未配信)」の3つが発表されたんですよね。
澪が2021年4月~9月の2クール、24話分放映された後での本作、という感じなのでその流れを意識した展開だったかと思われます。
そのため基本的には前2作を追っている想定、という内容でした。
4年越しにいきなりシリーズが動き出したので驚いた!
シリーズ間の繋がりが熱いストーリー!
さて、そんな本作ですが、やはりシリーズのクロス描写が良かった!
細かい話に関しては、ネタバレの箇所で書こうと思いますが、時系列としては過去2作の後になるので、彼女たちの本編のその後の描写が見られるんですよね。
特にアニメ、澪のストーリーは重苦しいテーマを、じっくり丁寧に2クールやり切ったのもあり、キャラクターに愛着を持てたので、本編後の姿が見れるのは嬉しかった。
また、澪と本編の時系列や設定に関しても描写しており、特に、澪の中で残された伏線なども回収していました。
そのため世界観設定や考察などが渋る作りになっていて、これも大変良かったなあと感じた部分です、
いやー、クロスメディア展開はこれがいいんですよね!
追うのが大変な分、作品間の繋がりに関して色々と楽しむことが出来るので、そういう意味では、本作は良い役割を果たしてくれたなと思います。
その他、まだ未配信のSUN/燦に関するキャラクターや、伏線なんかも登場。
他3作品のキャラクターが全員登場するという意味では、ある種シリーズのお祭り作品、という枠組みなのかも。
まあ、SUN/燦がどんな作品か次第な所だと思いますが。
色々な作品が繋がっていく感覚が楽しい!
よりRPG的に進化したシステム
システム面に関しては、全体的に前作から大きく進化していた印象です。
前作はコンパクトなのもそうだし、RPGとしてみると、中々いまいちな点が多い作品だったのですが、本作でだいぶ遊べるようになったなと感じるポイントが多かった。
いくつか挙げてみます。
スピーディーになった戦闘システム
戦闘システムに関しては、ターン系コマンドシステムから、アクティブタイムバトルシステムに変化しました。
おそらく、ライザのエンジンを使っている故だと思いますが、全体的にテンポが良くなったなという印象です。
テンポが速い分なかなかやること忙しないので、飽きないしコンボを繋げていけば繋げるほど、火力が出るシステムも爽快で、個人的には前作の戦闘システムよりも面白く感じました。
後、ボス戦で入るインファイト。
一定ダメージが入ると発動する、1対1のアクション要素ですが、これも良かったと思います。
戦闘のメリハリにもなっていたし、演出もかっこいい。アトリエにも逆移入しないかなーこれ。
パーティーメンバーの増加&経験値の概念が追加
パーティーメンバーは前作が最初から最後まで3人だったのに対し、本作はマックス6人と倍増しました、
正直まだ少ない感はありますが、前作より幅が広がったのは良い点。
また、経験値の概念が追加されたのも大きな変化ですね。
前作は、経験値という概念がなかったため、雑魚敵と戦う意義が著しく薄いゲームだったのですが、本作は普通に敵を倒せば経験値がもらえるので、より純RPG的な方向性になったなと感じました。
自動生成ダンジョンの廃止
フィールドマップの形式も変化していました。
前作は明確にダンジョン(コモン)の形が決まっていない、自動生成のランダムマップ形式を採用していましたが、本作ではそれが廃止され、固定のフィールドマップ形式となりました。
今作のマップがめちゃめちゃいい、というわけではないのですが、前作に比べマップの規模が大きくなっているし、雰囲気の緩急の付け方が明確になっている分、メリハリもついているので、こちらの方式にして良かったのではないかと思います。
キャラクターサブイベントの拡張
サブイベントも拡張していました。
前作でいうサブのイベントを、今作はデートイベントとして膨大な数に増加。
全量見ようとすると、それだけでかなりのボリュームなイベントが見れるのでお腹いっぱいでした。
また、それだけでなく各キャラクターにタレントレベルいうシステムもあり、これが上がるごとにフルボイスのイベントが挟まれるんですよね。
キャラクターの量も前作に比べて大幅に増えており、かなり力が入っていた印象です。
ガストの他シリーズから逆移入した要素
その他、いくつかのシステム面ではここ数年のガスト作品から、逆移入したようなものがいくつか見受けられました。
例えば、フィールドで狭い場所でのアクションは、ライザシリーズと同様の物だし、戦闘システムもライザっぽい。
(というか、たぶんゲームエンジンがライザと同じものなのだと思いますが。)
後、学校開発で施設を増やしていくのは「ネルケのアトリエ」っぽい。
前作から4年を経て、その間に色々な作品とあったなあと、懐かしみつつも進化を感じられたので、ファンとしては良かった。
相変わらずの雰囲気の良さ
ゲームの雰囲気に関しては、前作に引き続いてとても良かった。
前作ほどの透明感はありませんでしたが、「夏」をテーマにしていることもあり、照りつく太陽、海、ひまわりなど、それに因んだ描写が多く、全体的にさわやかな雰囲気で統一されていたのかなと。
フィールド、「ココロトープ」の中の景観も美しかった。
前述通り、種類も規模も増加しているため、色々な感じの景観が見れたのは良かったですね。
個人的には「詩帆のココロトープ」の雰囲気が一番好み。青々と広がっている空と海に転々とする人工物のコントラストが美しい。
粒ぞろいの音楽は健在!
音楽に関しては、サントラを購入したので、後日正式な記事をあげる予定です。
細かくはそちらで語りますが、全体的には質が非常に高く、前作に引き続いて素晴らしい出来でした。
ただ、一点だけ不満点があったのでそこは後述しています。
気になった点
相変わらずゲーム性は弱い
前述してきた通り、前作に比べてゲーム性は進化しているとは思います。
ただ、それでもやっぱり2021年発売のゲームとして考えると、弱いかなと思ってしまった。全体的にあんまり質が高くないです。
フィールドは広くなっているとはいえ、一本道気味で単調です。
分岐先もマップで先が見えているので、寄り道要素も薄め。
基本、目的地に向かって歩いて、敵を倒すだけなので段々と眠くなってきてしまいます。
クエストもワンパターン気味でした。基本お使いのみ。
一部ステルスミッション要素が追加されたのは、新しいとは思ったものの、面白いかと言われると何とも言えず。
学校開発もオブジェクトを置くだけで、特に位置での組み合わせなどはなく、置いたら基本それで終わりなので、あまり奥も深くない。
前作に比べれば、これでも改善しているとは思うのですが、まだちょっと、作品の魅力になっているとは言い難いかなー...。
何とかアトリエとも違う方向性で模索している感は伝わってくるので、応援はしたいんですけどね。もう一歩頑張って欲しい。
温すぎる難易度調整
これは前作もそうだったんですが、難易度が温すぎる!
せっかく戦闘に色々な効果や要素が用意されているのに、それらをしっかりと把握せずとも、なんとなーく攻撃回復していれば勝ててしまうので、要素があまり活きていないのがもったいない。
特に中盤以降は簡単すぎたかなと。この調整なら、1週目からハード解禁して欲しかったところです。(難易度:ハードは2週目から解禁。)
1週目ではコンプリートできないキャラクターイベント
前述したキャラクターイベント。
タレントレベルが1上がることに発生するんですが、1週目だけでは、最大値まで上げるのがかなり難しい調整になっていたのが気になりました。
しかも、好感度を上げるためのイベントが結構ランダムに発生するので、狙ってあげる意識をしないと上げられないし、事前セーブも難しいので何かと不便だった印象。
ぼくはほとんどのキャラが丁度マックス手前で止まってしまい、イベントも中途半端な所でクリアしてしまったので、ちょっと消化不良感。
戦闘曲が少ない
音楽面、前述通り質は非常に良かったと思うのですが、1つだけ、戦闘曲が少なかったのは気になりました。
前作の戦闘曲が多すぎた、というのがあるにしても、今作の新規戦闘曲はたった5曲だけというのは、ちょっと物足りない。
全体としてみると粒ぞろいだったので、大きな不満は無いんですが、前作のあのボリュームを期待すると、肩透かしを食らうかなと。
色々ネタバレ込みで細かく
さて、ネタバレなしで色々と書いてきたので、ここからはネタバレ込みで細かくストーリーやキャラクター、世界観なんかについて書いていこうかと思います。
ネタバレ(クリック)
かっこいい系主人公の愛央
まず、主人公の星崎愛央から。めっちゃかっこいい主人公でしたね!
自称平凡と言いつつ、誰にでも良い沿える優しさと、物事を冷静に判断できる視野の広さ、柔軟な思考、瞬時の判断力を兼ね備えており、主人公としてスペックが非常にとても高いなと。
あまりのスペックの高さに、ぜんぜん平凡じゃなくない?と途中から思ったものの、まさかのその非凡さすら伏線という、終盤で明らかにされる設定には驚きました。
彼女のココロトープに、雫世界でのイベントしかなかったのも、彼女が過去に何度も何度も、同じことを繰り返してそれを大切な記憶として覚えているから、ということなんですかね。
そりゃー対応力も高くなるし、仲間にも寄り添えるよなあ。。
愛央が望む元の世界での再会を果たすためには、愛央自身がまた雫世界に戻ってこなければいけない、でもその流れの中に彼らとの再会は含まれていない。
彼女だけは、新しく作られる世界の中で誰からも観測されることのない、という中々残酷な設定。
でも、そんなジレンマを抱えながらもラスボスと戦い、「いってらっしゃい」と送りだせる彼女はまさしく主人公でした。
SUN/燦でも出てきてほしいですが、時系列的には難しいのかなあ。
キーパーソンだった詩ちゃん
澪を見ていた人ならだれでも印象に残ったであろう、駒川詩。
あの物語のメインキャラクターの中で、唯一抱えていた問題が何も解決しなかった、大暴れキャラですが本作では愛央、勇希に次ぐキーパーソンという感じで、かなり優遇されていたように感じました。
なぜあんな性格になってしまったのか、という過去も含めて、丁寧に描写しており、よりキャラクターとして魅力的に感じました。
記憶を失った彼女が、仲間たちと親交を踏まえて、最終的に陽桜莉たちとも和解する所まで含めて、澪の物語が本当に終わったような気がして、感慨深かったです。
シリーズ時系列の考察
さて、ここからは本シリーズの時系列の考察を。時系列に関しては、帝で明らかにされた事実を元に推測すると、下記であると推測しています。
1.BLUE REFLECTION RAY/澪の1周目の世界(美弦リフレクター世界軸)
日菜子にリフレクトされてたはずの原種が存在していることから、時系列で一番最初になることは確定。
この世界は原種に美弦が破れ、巻き戻しが発生。
(帝を見る限り、世界システムが世界巻き戻しを実行?)
2.BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣の世界
1で巻き戻された世界で、日菜子が原種と戦う時間軸。
後述する「RAY/澪」本編との時系列との前後が難しいが、澪に回想シーン以外で原種が出てこないことや、有里がAASAになっていることから考えると、ややこちらの方が前と予想。
3.BLUE REFLECTION RAY/澪の本編の世界
2とは同じ世界であり時間軸も被り気味。
2との正確な前後関係が難しいが、20話終了時点で灰が降り始めていることから、澪20話の時点では既に、原種のリフレクトは完了しているものと思われる。
また、紫乃のコモン介入と時を合わせて灰が降り始めてもいるため、澪のストーリーそのものも、世界システムのリセットの動機に繋がっているとも読めるのかも。
本作における灰は明確な役割を示していませんでしたが、その役割は4の帝で明らかにされましたね。
4.BLUE REFLECTION TIE/帝の本編の世界
そして本作、帝の時間軸。
灰が悪性化し人類消滅の危機を迎えた中での、雫世界の中での物語。
本編内の様々な描写から、澪の後であることは確定。
どれくらい先かは不明だが、勇希の灰病が進行していることから、灰が降り始めてからそれなりの時間は経っていたものと思われる。
5.BLUE REFLECTION TIE/帝の本編後世界
ラスト、帝の主人公「星崎愛央」が元々いた時間軸、かつ帝のラストで「うまれかわった」新しい世界。
愛央は4.5をずっとループ中。
と、こんな感じなのかな。「SUN/燦」はどこやるんでしょうね?
設定的には詩帆こころの組織を出してきそうだし、一番不明な3.4の間をやるのかな?
滅ぶの結末としてわかっちゃう気もするので、どうなんって感じですが。
世界観の考察
最後に、世界観の考察。本作、難しいワードが色々出てくる割に、一度しか説明されないことが多く、把握が難しいので整理してみました。
なお、一応ストーリーでの描写を元に書いていますが、明示されていない点も多く、想像での解釈も入っていることはご了承ください。
原種
⇒前作で消滅したので、今作では未登場。強さを求める神。
世界システム及びオリジンとの関連性は明示されていないので謎だが、要素として独立しており、それぞれの存在も認知している。(詩曰く。)
日菜子が次の原種にならず、管理者が生まれなかったことが、世界システムがリセットかけた動機として大きいらしい。
詩が手に入れたとされる原種の声に関しては、SUN/燦での伏線回収待ち?
世界システム
⇒本作から登場した概念。きららが聞く神の声の元で、原種の消滅を受けて、世界を消滅させようとした張本人。
灰を降らして人類を消滅の危機に追い込み、勇希を復活させ雫世界に送り、そこから位置を特定して、クラックのたびに消滅機構を送りこんだ。本作における明確な敵。
オリジン
⇒原種、世界システムの更に上位の存在。オリジン(起源)の名の通り、世界を構築した創造主のような存在と思われる。
星崎愛央をオリジンに触れさせ、雫世界の中に愛央を送り込んだ。(なお、うまれかわれというメッセージを送っているのは、星崎愛央から何かになった存在であり、オリジンではない。(?))
ポジション的には帝の黒幕的存在。
なぜ雫世界に愛央を送ったかについては謎だが、愛央の存在が、他のみんなに新たな世界の再構築を決意させているため、世界システムとは別に、人間の可能性を見極めたかったなど、そういう思惑を持っていたような印象。
(ここら辺は描写されてないので想像です。)
星崎愛央
⇒愛央の設定は解釈が難しい所。
影愛央の言葉通りに行くのであれば、スマホを拾った時点で、オリジン本体に近しい存在になったということのはず。
(ラスボスの姿が、オリジンそのものでなく、それに近い造形であることからもそう推測できる。)
何度も雫世界を繰り返しているから故、彼女のココロトープには、雫世界の思い出が残されている。
ラスボス
⇒これも推測になるが、オリジンルートの中での影キャラとの対話を見る限り、「星崎愛央」の深層心理そのものと思われる。
表面上記憶を保持していない愛央と違い、愛央自身がループしていることを認識出来ており、ループを止めたがっている。
故にオリジンに想いを届ける際に、その前に立ちふさがったと考えるとしっくりくる。
ただ、この解釈だと繰り返し後の世界で、「うまれかわれ」とメッセージを送っている所が難しい所。
一度触れた時点で、時間という概念を超越した存在になった、とかなら説明付きそうなんですけどね。
と、こんな感じか。オリジン関連は意図的に説明ぼかしているので難しいですが、他は大体作中で説明されていたかなと思います。
中々壮大な規模になっていて面白いですよねえ。
前作ゲームをプレイした段階では、ここまで世界観が広がるとは思っていなかったので、いい意味で驚いています。
まとめ
と、こんな感じでしょうか。
全体的には2作品で描いてきた「ブルーリフレクション」の世界観を上手く結びつけ、設定など含めて更に深化させた素晴らしい作品だったかなと思っています。
一方で、ゲームの内容面は前作から進化しているものの、特筆できるような内容はなく、あくまでストーリーや世界観、キャラクター目的に楽しむ、という性質自体は前作から大きな変化はないかなと感じました。
でも、魅力的な部分が格段にパワーアップしていたので、個人的には満足度は前作よりも遥かに高かったかなー。
さて、このシリーズも残すは「SUN/燦」のみということで、ここまで追ってきたからには、是非プレイしたいなと思っています。
ただ、スマホゲーなのがネックなんだよな。。
ソーシャルゲームという感じではなく、ガッツリしたテイストだといいんですけどね。
とりあえず続報を待ちたい。