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【レビュー】ポケモンレジェンズ アルセウス【感想】課題は多いが、新たなポケモンの形に挑戦した意欲作!

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先日ダイレクトもあったということで、色々他にも書きたいことがあるのですが、ゲームの消化も優先しないとという感じで、中々手に付けられていません。


常々もっと時間が欲しい日々。自分が二人分くらいいたらなー。


さて、今回は「ポケモンレジェンズ アルセウス」の感想記事を。


プレイ時間は30時間程度。ストーリークリアだけならば20時間前後が目安、ぼくは一応てんかいの笛入手までプレイしました。


それで大体30時間という感じ。オープンワールド風ゲームの中だと、ストーリーはさほど長くない部類の作品ですね。

シリーズ初のオープンワールド風ポケモン

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本作の最大の特徴は、シリーズで初となるオープンワールド風のゲーム性を採用していることでしょうね。


完全フル3D作品としてもシリーズ初ですが、そこから更に飛び出して、1エリアを拠点に、遥か彼方まで広がる広大な大地を自由に探索していく、

というゲーム内容は、今までのポケモンには全くなかったもので、シリーズとしては大きな一歩を踏み出したように感じられました。

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なお世界観の設定として、DPシリーズと世界観を共有しているという物がありますが、DPシリーズを知っていると知っているとより楽しめる、知らなくてもまあ問題は無しくらいの塩梅に感じました。


ぼくはプレイしたことなかったですが、深く考察とかしない限りは、単作でも問題なく理解できるかなと。

「静」の要素の強い、落ち着いた雰囲気が生み出す中毒性

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本作、全体的にかなり落ち着いた作風に仕上がっています。


いくつかポイントはあるんですが、まずはフィールドがとても静かなこと。


おそらく、ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドを意識したであろう、環境音中心の音使いが耳に心地よく、のんびりとした雰囲気を味わえます。

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もひとつ、探索パートにおいて機械的な要素がほぼ出てこないんですよ。


移動手段も全て、ポケモンの力を借りて行うので、ここら辺も作品として統一感が取れていたのかなと。


そんなわけで、探索パートはかなり静かな雰囲気に仕上がっており、それが本作の独特な中毒性に繋がっていると感じました。

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本作、オープンワールド風ゲームの割に刺激があまり強くないので、長時間プレイしてもあまり疲れないタイプのゲームなんですよね。


で、そんな内容が上記の静かな雰囲気と見事にマッチしていて、フィールドをのんびり行ったり来たり、見つけたポケモンにボールを投げたり、アイテムを回収したり、発生しているクエストを受けたり。


フィールドでミニゲームを遊んだり(※画像上)と、色々なことを永遠とプレイし続けられる魅力を生み出していました。


こういう点は他ゲームには中々ないモノなので、オリジナリティとして非常に良かったんじゃないかと。

オープンワールド風ゲームをこんな雰囲気に仕上げるなんて!?

今まで見せてこなかったポケモン描写への挑戦

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作品全体として、ポケモンの描写に対する工夫を感じられました。


例えばですが、アクション要素が加わったことによって、実際にモンスターボールを投げて捕まえるという事が可能になりましたが、そのおかげで、ポケモンの捕獲をより直感的に体感できるようになっていました。

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また、フィールドに存在する野生ポケモンは、直接プレイヤーに攻撃してくるという、今までのポケモンには無かったポケモンの怖い性質を表現しているし、


定期的に入る特定のボスとの戦いでは、アクション要素をポケモン戦闘を組み合わせることで、プレイヤーとポケモンの共闘を表現することも実現していました。


いずれもアクション面だけ切り出すともう一歩な点は多いですが、どちらかというと、描写面に重点を置く作りだったので、工夫をしては中々面白かったです。

探索のし甲斐のあるフィールド構造

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フィールドの出来は発売前に想像していたより良かったです。まず、かなり広く感じられました。

完全なオープンワールドでこそないものの、個別のフィールドの広さはワイルドエリアなんて比ではないくらいの広大感。


日本の大作RPGと比較してもそう引けをとらないくらいなのかなと。


それでいて、高さの概念がある立体的な作りになっているし、徐々に乗れるポケモンが増えていくことによって行ける場所が増える仕掛けも、探索感をくすぐられる要素となっていて良かったですね。

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後、探索面においても工夫を感じられました。


オープンワールド風ゲームって、いかにフィールドに探索の要素を盛り込むか、という事が一つのポイントだと思うんですが、本作は「ポケモンの配置を工夫する」という点で、それを盛り込んでいました。


一部ポケモンは各フィールドの特定の場所でしか出現しないので、探索をすることによって、それを探すという楽しみが生まれているんですよね。


上記以外にも、フィールドには多彩な探索要素が用意されているので、中毒性のあるゲーム内容と併せて夢中で駆け回ってしまいました。

世界観を軸に展開されるストーリー

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ストーリーに関しては、世界観描写に重点を置いた作りになっていた印象です。


キャラクターの描写が浅いわけでは全くないけれど、どちらかというと個人がこの世界でどのように生きるのか、というポイントにスポットライトが当てられていたのかなと。


それゆえ全体的に話の起伏は少なく、終盤以外は淡々としていました。


いい話ではあったけれど、やや大人しかったかな。でも、終盤は結構動き激しくて面白かったです。

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でも、ヒスイという地の中で、色々なキャラクターの生き様を描写しているのは、従来シリーズにおける表現とはまた違った良さがありました。


キャラクターも、主要メンバーに関してはクリア後もエピソードがあったりするので、うまく描写出来ていたんじゃないかと思います。

やっぱいカイが一番人気なのかなあ。

熱い演出

ストーリーに付随する点として、もう一つ。演出が良かったかなと。


前述通り終盤まではそんなにストーリーに動きは無いんですが、終盤~クリア後のストーリーに関しては中々面白い内容になっていて、結構印象に残りました。


特に、クリア後に戦うとあるボス戦闘のインパクトは絶大でした!


DPシリーズに詳しくない僕でもかなり衝撃的だったので、ファンならたまらない演出になっているんじゃないかと。


本作、某全能ポケモンに合うまでプレイするのは、ハードルがやや高いかなと思うんですが、あのボスまでだったら、割と気軽に遊べるので、あそこまではプレイしたほうが良いですね。


作品に対する印象が結構変わってくると思います。

気になった点

大味な戦闘システム

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戦闘に関しては全体的に不満点が多かったです。


まず、内容が大味でした。特性が存在しないのもそうですが、技の種類も従来に比べて少ないですし、基本的に有利対面のポケモンを出して、出し勝つ対面式の戦いばかりになっていた気がします。


一応、素早さの仕組みを変えたり(早ければ1ターン複数行動可能。)、早業、力業システムというシステムを導入したり、工夫は感じましたが、いずれも作りが浅くて、大味になっていただけだった感は否めません。


その他、集団戦の全く面白みのない理不尽な仕様や、後述する戦闘経験値の不満点も含めて、もう一歩と感じてしまいましたかねー。

戦闘経験値の入るタイミングがおかしい

上記に続く内容ですが、トレーナー戦で経験値が入るタイミングが戦闘後固定、なのがかなーり気になりました。


従来のポケモンは、1体倒すごとに経験値がもらえる仕様になっていますが、今作はそのタイミングが戦闘終了時なんですよね。


これはとても気になりました。何がまずいって戦闘不能になったポケモンには経験値が一切入らないことです。


本作、ナンバリングと違って相手の入れ変えに併せての、交換が出来ないので、基本死に出しがどうしても多くなってしまうんですよ。


そのため、大事な仕事を果たして倒れたポケモンには経験値が入らず控えであったまっていたポケモンだけに経験値が入るという、歪さに溢れるシステムに仕上がってました。


テンポを考えたのかもしれませんが、テストプレイして気にならなかったのかという..。

見栄えの悪いフィールドのグラフィック

フィールドのグラフィックは明確に質が悪いと感じました。


全体的に背景色が淡く、配色も明るくないので見栄えが悪いですし、それでいてオブジェクトの描写も少ないので何とも殺風景気味です。


なんか、開発途中のゲームのような雰囲気を感じてしまいました。

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ぼくはそんなにゲームのグラフィックは拘らない方なんですが、本作の質の低さは人によってはモチベーションにかかわるレベルで低クオリティかなあと思ってしまったくらい。


2022年に発売されたゲームとしてはもう少し頑張って欲しかったですね。

没入感を阻害するメッセージ

本作のフィールド、前述した通り広さという意味では申し分ないんですが、マップに見えない壁があり、そこを通ろうとすると、「これより先には進めません」というメッセージが出てきてしまうんですよ。

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これも大変よろしくなかったです。というのも、こういう表記が出てくると探索の没入感が台無しになってしまうんですよね。


確かに、ポケモンとしては全年齢対象としての配慮なんだとは思いますが、それだったら、フィールドの構造を見直すとかもっと工夫をして欲しかった。

まとめ

と、こんな感じでした。


発売前のPVとか見てて、正直そこまで期待は寄せてなかったんですが、実際にプレイして見ると、見るだけでは分からない魅力があって、中々楽しめた作品でした。ポケモンはこういうとこあるよね。


気になる点に関しては、上記ポイント以外にも細かい所をつつくとまだまだあるくらい、荒いんですがそれをカバーするくらいの魅力は十二分に持ち合わせていた作品だったので、結構楽しめたかなと。


ただ、クリア後の全ポケモン収集要素に関してまでやり切るモチベーションは湧いてこなかったかなぁ…。

大体良さはここまでで見つけ切ってしまった印象なので…。


本作、結構受けた印象なので、本編とはまた別に他のシリーズとして今後も展開していってほしいですね。


まあまずは第9世代のポケモン本編が先になりそうですが。本作のノウハウを得て、本編もどのように進化してくれるのか楽しみです。