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【レビュー】ライフイズストレンジ トゥルーカラーズ【感想】1を模倣しているが、全体的には物足りない

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どうも、今回はライフイズストレンジ トゥルーカラーズの感想記事です。 

 

プレイ時間は10時間前後。前2作もあまりボリュームはありませんでしたが、本作がおそらく一番短いです。分岐要素も2ほどではないので、全体的にさっくりした内容。

のゲームのポイント!・ライフイズストレンジシリーズ3作目だが、シリーズ要素は弱め。
・田舎町を舞台とした、人間ドラマ+ミステリーで1に近い作風。
人の感情が読める超能力を使用して、物語を進めていく。

ナンバリングでは3作目だが、シリーズ要素は薄め

本作はライフイズストレンジのナンバリングタイトルで、シリーズとしては3作目に当たりますが、タイトルに3と無い通り、過去作との要素はあまり強調されていなかった印象です。

 

一応、過去作に登場したキャラクターがキーキャラになっていたりしますが、(Before the Stormに登場したキャラらしく、ぼくは知りませんでした。)

 

前作以上にプレイしていなくても特に問題はないストーリーになっているため、新規でもプレイ可能かと。


ゲームシステムは大きく変化することなくアクションADVです。

 

主人公を操作して、色々なオブジェクトを調べていきながら、街の人々と交流。時に選択肢を選んで進めていくという流れですね。

1を模倣した、田舎町での物語

そんな本作ですが、作品の方向性としては2より1に近いです。

 

舞台は鉱山のある田舎町。兄の手によって、精神病院から連れ出された主人公アレックスが、田舎町での様々な出来事をとおして、住民たちとの交流を深めていき、そしてその道中、とある事件の真相を追っていくという内容。

 

2ほど辛く描写が目立っているわけでもなく、舞台が固定というのもあり、1が好きだった人には本作のテイストはマッチするかもしれません。


舞台となるヘイブン・スプリングスは、緑と山、美しい湖のコントラストが美しい、心落ち着く田舎町に仕上がっていました。

 

所々では、景観を楽しみながら物思いにふける恒例のイベントもあり、綺麗な景観を堪能することが出来ましたよ。

 

本作、グラフィックが過去2作に比べても良くなっていた印象で、そこも良かったですね。

ライフイズストレンジシリーズは美しい世界観も魅力の一つ!

感情を読む超能力

シリーズ恒例の超能力ですが、本作は他人の感情を読むことのできる能力でした。

 

そのため、ゲームパートにおいても会話時に相手の感情を読んでから、会話の選択に活かすことが出来るようになっていますし、

 

その他にも、他人の感情を取り除いたり、モノに憑依した感情を読み取ったりと、中々多様なアクションが取れるような能力になっていました。


後述するように、前2作ほど、仕掛けとしての豊かさは感じませんでしたが、能力を使用して相手の悩みを解消していったり、

 

真相解明のために、相手に敢えて嫌な質問をしたりして、思考を読んで情報を集めたり、物語中色々な用途で能力を使用できるので、要素としては中々面白かったかな。

ライフイズストレンジらしさのある、選択とストーリーは健在

ストーリーは序盤の掴みこそ悪いですが、全体としてみれば悪くなかったです。

 

とある事件をきっかけに、一変してしまった村の中で色々な人間とコミュニケーションを取りながら、関係性を築いていくのは1と似ている所もありますし、人間ドラマとして面白かった。

 

キャラクターに関しても、シリーズ恒例の人間らしい魅力が健在で、とりわけ主人公の兄であるゲイブと、メインヒロイン的な立ち位置であるステフはかなり好きになれました。


後は主人公のアレックス。正直見た目はポリコレを意識しすぎている感もありますが、キャラクターとしては程よい熱さと冷静さ、コミカルさを兼ね備えていて、中々良い主人公でした。

 

ライフイズストレンジの主人公は、色々なアクションをする際の反応も魅力ですが、本作もそこはバッチリでしたね。シニカルな言動でも違和感のない、絶妙なキャラ仕上げは見事でした。


一部、事件の真相を追う際の不気味な雰囲気、BGMなども暗さもシリーズ同様で、相変わらず影のある描写も健在。

 

本作は暗闇を探索するようなパートが多くて、そこそこビクビクしました。鉱山って怖いね...。


シリーズではお馴染みとなる、行動、選択よってストーリーが変化する要素も健在。

 

本作では特に個人との関係性、というポイントに変化の重きを置いていて、これが上手く行くか、行かないかによって、エンディングで受ける心象も変わってきそう。

 

ぼくはどうだってかって?全然ダメでしたよ!全く信頼を得られませんでした。悲しかったですね。

人の信頼を得るってのは難しいなあ…

面白いLARPイベント

本作、物語中盤にLARPイベントというものが収録されています。

 

日本ではあまり馴染みが無い言葉ですが、ライブアクションRPGという単語で、単純に説明すると、現実世界を舞台とした、ライブ形式のロールプレイング。

 

そのため、街を実際に歩き回りながら、RPG的な戦闘を行ったり、アイテムや情報を入手したりするできるパートとなっているんですよ。


正直、このパート。本筋には全く関係がないので必要だったかと言われると微妙なんですが、最後のボスのRPGの戦闘パートの演出が妙に凝っていたり、道中のボスに色々な選択肢が取れるような自由度もあって、割と面白く感じられました。

 

色々な選択が取れるライフイズストレンジと、RPGのテイストって意外に相性がいいのかもしれないですね。

気になった点

全体的にパワーダウンしている

本作、一番気になったのは全体的にパワーダウン感がある所です。単純なボリューム面も短く感じたけれど、それ以外にも色々物足りない。

 

例えば前作2と比較するのであれば、分岐要素が圧倒的に少ないです。

 

一つ一つの行動の積み重ねによって、多様なエンドが用意されていたのに対して、本作は何をしようが、結末自体はそこまで大きく変化しないんですよ。

 

前述したように個人との関係性によって、終盤の展開に変化はある物の、大筋は結局変わらないので、選択した重みをそこまで感じられなかった。

 

作風の似ている1と比較すると、今度はミステリーとしての作りが物足りない。

 

真相を追うパート自体は悪くないんですが、その解決パートがとんでもなくあっさりなので、カタルシスが薄いし、真犯人自体のインパクトも1に及んでいません。

 

もう少し間の話で上手いと思えるような伏線づくりを展開して欲しかったところです。

物足りない超能力のエッセンス

本作の感情を読み取る超能力、悪くはないんだけど過去2作に比べると要素的に弱かった印象です。


システム的には単に感情を読み取るアクションに留まっているので、1作目であったような、物語を進めるためのギミック的要素はないですし、デメリットがあまり提示されず、使い放題なので、2作目であったような、使うか使わないかを思い悩む要素もあまりない。

 

ゲーム的にもストーリー的にもさほど広がりを感じられなかったので、もうちょいうまい見せ方があったんじゃないかなと。

 

特に過去二作は超能力の作品内での置き方が絶妙だっただけに、物足りなかった。

とっつきが悪い

個人的な印象ですが、とっつきはシリーズで1番悪く感じました。

 

アレックスは、内面が分かってくれば好きになれる主人公ですが、序盤は全くキャラクターが掴めないので、最初の感触はいまいちですし、

 

ストーリーに関しても、これまで以上に洋風の仕上がりなので、正直日本人から見るとよく分からん!って感じのノリ満載で付いていけませんでした。

 

何より超能力が物語に登場する場面が遅いので、退屈なんですよね。


序章の最後辺りから、ようやく話がライフイズストレンジっぽくなってくるので、その後から見返すと「なるほど、こういう展開したかったがための序章か」と、理解はできるんですが、どうにも掴みが悪い印象は否めず。

まとめ

以上、感想でした。シリーズとしてのらしさはそれなりに継承していた印象で、プレイしていてまあまあ楽しめた部分は多かったです。

 

LARPパートは本作の個性に仕上がっているし、鉱山の田舎町をテーマにした人間ドラマも悪くなく、よい雰囲気に仕上がっていました。

 

ただ、やはり過去作に比べると魅力が薄かった感は否めず。高い人気を誇る1は勿論、賛否ある2に関しても個人的には体験としてかなり楽しめただけに、本作は色々と物足りなく感じてしまいました。

 

要素もキャラも悪くはなかっただけに、惜しいんですよね。

 

とはいえ、まあ次が出ればまた普通に遊ぶかなとは思うので、今後もシリーズの展開を続けてくれると嬉しい限りです。

海外人気の高いシリーズなので、作品自体はまた続きそう。