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【レビュー】ゼノブレイドクロス ディフィニティブ・エディション【感想】10年の時を経て、作品に区切りを付けた決定版!

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どうも、ば~んです。

今回は「ゼノブレイドクロス  ディフィニティブ・エディション」の感想記事です。


プレイ時間は90時間超。13章までクリア、キズナクエストもコンプリート。クエストに関しては、オリジナル版で結構がっつり遊んでいたので、そこまでは追わずという感じ。アレス90とかも作ったので、そこそこはやりこんだのかなと。

オリジナル版の情報があったので、比較的サクッとテンポよく遊べている、というのはありますが、ゲーム的仕様が幾分か分かりやすくなっているのもあって、オリジナル版ほど長時間にはなりませんでした。それでも、追加ストーリーがだいぶ長かったのもあって、クリアはいつものゼノブレイドシリーズくらいの時間になりましたが。

のゲームのポイント!・2015年に発売されたゼノブレイドクロスをベースに再構築した決定版
・表現力の向上により、更に魅力の増した惑星ミラの探索。
・オリジナル版に残された謎を、力技でまとめあげた追加エピソード

あの惑星探索をもう一度、10年ぶりに帰ってきたゼノブレイドクロス!

本作は2015年に発売されたゼノブレイドクロスをリマスター軸に作り直した決定版的作品。

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ゼノブレイドクロスと言えば、他に並ぶもののない異様に広いフィールド、分かりにくいけど作りこみが深すぎるシステム面、癖の強いストーリー、キャラクターなど、とにかくあらゆる意味で話題性を持つ、強烈な作品だったのですが、実はWiiUでしか今までは遊べなかったのですよね。

ここ10年はゼノブレイドシリーズの展開に追われていて、中々出せなかった、という所だとは思うのですが、10年経ってのようやく再展開にはリアルタイムで遊んでいたファンからすると、感慨深いものがありました。

長らく待たせやがって...。


実際遊んでみた所、濃すぎるシステムはいまだに良くわからない所も多く、ムービーの拘束などの癖強部分はそのままで、相変わらずゼノブレイドクロスだな!って感じる部分もあったのですが、色々改善されたポイントもあり、相対的にではありますが、遊びやすくなったのではないかと。

下記では、色々感想ベースに語っていこうかと思います。

10年前の作品とは思えないゲームの規模

まず、本作を遊んで思ったのが、とても2015年に発売されたゲームとは思えない、ということでした。本作のフィールドやゲームの規模感、2025年に発売された新作として捉えても、余裕で通用してしまうほどの圧倒的な内容だな、と。


ゲーム開始でいきなり超広大なオープンワールドに放り込まれて、自由に歩き回れるゲーム進行とか、ゲームの進行をプレイヤーに委ねる進行システムだったりだとか、大陸間の探索に移動制限が少ないから、歩こうと思えばどこまでも行けるとか。ドールに載ってオープンワールドを飛び回れたりだとか、オンラインゲームでもないのに、プレイヤーのキャラメイク要素の作りこみがいかれていたりだとか。


おそらく、それら全てが予定通りに開発されたのではないのだろうな、と感じ取れるそれらの要素はとっちらかっているし、美しさはないものの、これだけの異様なエネルギーを感じる作品は、そうそうないなって。特に和製RPGを中心に遊んでいると、どうしても各作品予算的な限界が見えることが多いので、改めて本作の特異性を感じました

美しき惑星、ミラの魅力

本作の舞台、惑星ミラ。もともと好きなフィールドマップだったのですが、改めて今回プレイして、この惑星、好きだなって感じられました。ゼノブレイドシリーズのマップはどれも好きだけど、ミラはそれらとは少し違ったワクワク感があるんですよね。


まず、やっぱり良いと思うのが、全てがシームレスだからこそ映える遠景の景色。これが本当に素晴らしい。他の地方に行っても、ここに来るまでに通った別マップが遠景で見られるので、こんなに遠くまで来たんだな、って感じられるんですよね。これはゼノブレイドの他の作品でもあるのですが、ゼノブレイドクロスの場合は、全てが繋がっているからこその実感がある。


大陸間の間の海を移動する際にも、前に巨大な島の遠景が迫ってくるので、ワクワク感がすごい。この未知の惑星を歩き回るときのワクワク感だけを切り出したら、オープンワールドゲームの中でも、本作はかなり高いレベルの体験が出来ると思います。


リマスターにあたって全体的なグラフィックが向上したことにより、細部の描写は当時よりも更に向上していると感じました。とりわけ夕焼けが本当にきれいで、もうこの時間にドールで飛び回っているだけで、本作の些細な不満点などどうでもよくなってしまうくらい。10年経っても、やっぱりこの惑星探索は唯一無二の良さを感じます。

向上した快適性により、より魅力的になったゲーム体験

本作、大きな作り直しというレベルのシステム変更はないものの、細かい不満点がいくつか改修されたことにより、遊びやすくなっていると感じました。


特に大きいと感じたのがパーティーメンバー周りの仕様。一度加入しさえすれば、街でもフィールドでも好きなタイミングで入れ替えが可能になったので、かなり便利に。おかげでキズナイベントも容易にコンプリートが出来るようになったので、かなり助かりました。


他にも、時間をいつでも変更できることでの手間緩和だったり、高低差がある場でのナビゲーションボールの挙動がより優秀になったり、フィールドスキルレベル要素の廃止だったり、細かい所に手が行き届いているなという印象。ゲームの全ての要素で一切ストレスが無くなったとまでは言えないものの、WiiU版を遊ぶよりもはるかにハードルは低くなったという印象です。

キャラモデリング向上により魅力の増したキャラクターたち

後は、キャラクターモデリングの向上も語るにあたって欠かせないポイント!これはゼノブレイドDEもそうだったんですが、本作もかなり大きな恩恵を受けていると感じました。


メインキャラクターだとやっぱりリンが設定どおりの美少女になっている所が一番大きい所かと思いますが、個人的にはマイアバターのモデリングもかなり良くなっているとうに感じました。完全にアニメ調ってほどではないけど、オリジナル版に比べてアニメ調に寄せたおかげで見栄えはかなり向上したのかなと。


オリジナル版を遊んだときは、見た目変えまくって遊んでたんですけど、正直どれもあんまりしっくりは来なくて。でも、本作はせっかくだし、最初から最後まで同じ見た目、声で遊ぼうと思えるくらい、気に入ることが出来たので、主人公の見た目向上は大きかったように思います。

ここら辺の改良によって、ムービーシーンも結構印象変わるなって感じるんですよね。特に追加編の13章はムービーにかなり力が入っていたんですが、本作のキャラモデリングだからこそ、更に見栄えが良かった印象がありました。

思ったよりずっと濃かった13章(※ネタバレ注意)

さて、では追加編だった13章について。ここからはがっつりにネタバレになるのでご注意ください!


まず、感想なんですけど、すごく濃かった!追加ストーリーというよりも、ほぼほぼ12章までの解答編として描いていて、ゼノブレイドクロスのストーリーを一応の完結させるためのエピソードとして成立していたので、だいぶ面食らいました。


展開についても、これを10年前のゼノブレイドクロスに期待していたんだよ!って言いたくなるくらい、王道な出来で満足度高かった一方で、やはりオリジナル版ゼノブレイドクロスの頃から設定を変更したのだろう、という部分も明確に見え隠れする所はちょっと複雑だったり。

ゼノブレイドらしさを感じられる、「見たかったストーリー」

まず、良かったところからなんですが、ストーリーの見せ方が非常に良かった!13章、全編にわたってゼノブレイドシリーズらしい描写が満載で、まさにプレイヤーが見たかったもの、に仕上がっていたと思います。


ゼノブレイドクロスのストーリーって、核心の部分を明かさずにお預けしたせいなのか、どうしてもこう消化不良というか、盛り上がりに欠けるまま終わってしまった感があったと思うんですが、本作はそこらへんの力のセーブ加減など知ったことか、と言わんばかりに核心設定をバンバン出してきて来ました。


加えて、グロウスの「あの方」要素を回収しつつ、いかにもゼノブレイドシリーズらしい悪役が出てきたり、めっちゃかっこよくキャラ立ちしている英雄が出てきたり、その中で主人公に激熱なカットインムービーが用意されていたり、他のゼノブレイドシリーズとの繋がりを仄めかしたりと、見たいもの全部見れてお腹いっぱいって感じ!


個人的にはやっぱりボスとの対峙のシーンかな。ゼノブレイドクロスに足りてなかった大ボス感のあるボスとの戦い、その中で主人公に見せ場を用意してくれたところが一番良かったなって。昔、ゼノブレイドクロスの発売前に期待していたような展開がそのまま見れて、なんだか不思議な気持ちになりました。

 

まさか、10年越しにこんな物語が楽しめるなんて!

 

良い匙加減になっていた、英雄と主人公の共存

13章から登場した英雄 アロイス・ブルノルト。デザインとかも含めて、洋画の主人公みたいなキャラでしたが、個人的には彼もかなり好きになれたキャラクターでした。


良かったと思うのが、主人公との関係性です。こういう英雄キャラって扱い方を間違えると、主人公の見せ場を奪いかねない、かなり難しい立ち位置だと思うんですけど、今回の13章はそこがとても上手かった。

主人公にかつての英雄を重ねさせて、13章までの積み重ねを深める描写だったり、先輩後輩のような立ち位置で独特な関係性を見せたり、絶妙なんですよね。むしろアルの存在が主人公に見せ場を作っていたな、と。



キャラクターとしても、ピザパーティーのシーンから、気分はどうだ?のお約束セリフまで、無駄なくまとまっていた印象で、ラストシーンまで含めて、とても印象に残りました。

ゼノブレイドクロスのテーマにあったラスボス

新しく追加されたラスボス、ヴォイド。小物感があるのは賛否の分かれる所かとは思いますが、ゼノブレイドクロスのテーマにあったラスボスに仕上がっていたかなと。


ゼノブレイドクロス全体のテーマって何か?という話になると、やっぱり「生きていく、生き抜いていく」という人間の生への執着といった部分になる気がしていて、それに対して、死を理解できないというキャラクターを出してきたのはとても面白かった。


後、唯一の存在だからこそ誰にも想いを託すこともできないから、生きた証が残らない、という結末はある意味、ゼノブレイドシリーズのテーマのアンチテーゼ的な意味すらも感じられて、見所多かったです。

造形や思想については、ゼノブレイド3と通じる所も感じたので、ある意味、今の時代だからこそ、こういう形のボスになったような印象も受けますが、今回の追加編には良くはまっていたのではないかと。

完結させるための展開については残念、でも仕方ないのかも

逆に13章で残念に感じた部分は、巻きに行っているせいで元々あった設定を変更したんだろうな、という所が多かった点。DE版のストーリー見返しても分かると思うんですけど、回収されてない伏線、多いんですよね。


例えば、ミラで異星人言葉が通じるという設定シーンだったり、12章のラストで「何かあるというの、この星に」というエルマのセリフを見るに、元々は確実に「惑星ミラ」について大きな設定があったのだと思うのです。そもそも、「この星で生きていく」が、テーマだったわけですからね。

ドクターBのクエスト関連もそうかな。


後は、タツをはじめとしたノポン関連に残された「ゼノブレイド」との繋がりを彷彿させる用語だったり、(ホムホムとか。)、終焉のテレシアだったり、ルーさんが何者なのかよくわからない所だったり。そういう伏線を展開のために全部すっ飛ばしてしまった感があり。

そもそもの話、英雄のアルについても、元々想定していた英雄の設定からすると若干相違があります。(ナギ長官のキズナトークで聞く「あいつ」とはちょっと違う感じがします。)なので、当時想定していたストーリーを見る機会が無くなってしまった、という点においては、残念と言えば残念。これでもう永久に設定が明かされることはなくなってしまったのでね。

でもまあ、仕方ないのかなと思ったりもします。だって、モノリスソフトが抱えているシリーズの中から、ゼノブレイドクロスを元の設定のまま、改めて何作も展開するとして、どれだけの年数がかかるのか?リソースに見合った売り上げに至るのか?とか、商業的な所も考え始めると、現実的な話ではあまりないので。

無理やりにでも一つの物語を終わらせて、次につなげやすい形にするための物語として、ぼくは納得しました。これはこれで面白かったしね。

設定についての考察はあまり幅が広がらない

後は設定面については、考察できることはそんなにないのかな、という気がしました。並行世界、マルチバースという単語を使われてしまうと正直なんでもありなような印象はあるので、敢えて考察出来る要素はないのかなと思ってしまうのです。

敢えてポイントをあげるとするのであれば、今回の物語の始まりも結局過去のゼノブレイドシリーズ、及びゼノシリーズと同じく、ゲートだったということ。ゴーストの存在はどちらかというと、ゼノブレイドシリーズよりゼノシリーズに近い存在っぽい所、くらいなのではないかと。

アレスと3のウロボロスが似ていたりだとか、ヴォイドが監獄から脱出できたきっかけとか、最後の惑星とか、気になる要素はあるんですが、13章で提示されている情報だけだと少なさ過ぎて、あまりちゃんと考察出来ないのは悩ましい所ですね。

まとめ

以上、感想でした!総じて、良い決定版だったのではないかと思います。細部の改修によって遊ぶハードルが下がったおかげで、本作自体に触れられる機会が多くなっているし。オリジナル版の強みが今なお強みとして生きているので、それだけで作品の魅力としては十二分でしょう。

13章についても、前述したとおり残念に感じる所はある物の、10年前に本作をプレイした時の行き場のない気持ちにようやく決着がついたのかなという、感慨深い想いもあり。一応、この終わり方であれば、他の作品から入ったゼノブレイドファンでも楽しめると思うので、色々な方におススメできるかと。

続編も繋げそうな形で終わりましたし、今後は1~3の系譜とは別にシリーズを展開する予定もあるのかな?また、こんな路線のがっつりオープンワールドゲームの新作が遊べる日が来たら、嬉しいですね!