昨日イクスもクリアしてしまったのですが、
これも中々感想が書きたくなるような内容でした。
時間があれば記事を書いてみたいですね。
さて、「ライザのアトリエ」の感想記事です。ぼくがプレイしたのはSwitch版。
プレイ時間は40時間ほど。ボリュームはシリーズだと平均的だと思います。
ぼくは頑張ってやり込んだので、そこそこプレイしましたが、ストレートにクリアを目指すだけならば30時間くらいでクリアできるのかな、という印象。
- 挑戦意欲は感じられる作品
- キャラクターが少なく、薄い
- 既視感が強く、冒険感の少ないフィールド
- 少なすぎる音楽
- そこらに感じる手抜き感、予算不足感
- 練り込み不足な錬金システム
- そこそこ面白かった戦闘システム
- 中々よく出来ているストーリー
- まとめ
挑戦意欲は感じられる作品
まず、今作は挑戦意欲を感じられる作品ではありました。
新シリーズなのでシステム自体がガラッと変わるのはまあ当然なのですが、今までコマンドバトルだった戦闘システムをリアルタイムシステムに変更。
全体的なシナリオの雰囲気を美少女物から青春、冒険ものっぽく変更。採取地調合や、アイテムリビルドなどの工夫もしていて新しいアトリエをつくるぞ!という意気込みを感じられる作品でした。
一方、その反面予算がなかったのか、開発期間がたりなかったのか過去作でよく出来ていたなというポイントが悉く劣化するという、非常に残念な部分がかなり目立った印象も強かったです。
黄昏、不思議とやってきてどうしても悪い部分がぼくは気になってしまったので、そこからまずは書いていこうかと思います。
キャラクターが少なく、薄い
まず、今作はキャラクター自体が少なすぎる!パーティーのメンバー6人とその他目立ったキャラクターは5人くらい?
数合わせでクリア後のボイスはそこそこ揃えていましたが、いやいや、お前ほとんど出番なかったじゃんというか、印象に残らないうっすいキャラクターばかりでした。
というのも、今作は過去作にあったキャラクター毎のイベントが全く存在しないんですよ。あるのはボイス無しの小イベントのみ。
過去作は少なくともキャラクター一人ひとりに専用のフルボイスイベントが用意されていただけに劣化具合が尋常ではありません。
もちろんキャラクターエンドもなし!アトリエってキャラゲーでもあるはずなので、ここはちょっと受け入れがたかったですねー。
既視感が強く、冒険感の少ないフィールド
今作は冒険を謳っているはずなんですが、フィールドの出来がしょっぱいです。
全体的に構造が狭く、一本道気味で探索要素も少ない。歩いていてとても退屈でした。
確かに景観は綺麗だと思います。でも冒険をテーマにしているのならばフィリスくらい頑張って欲しかったし、やっぱりあちらと比べると冒険感の差は雲泥の差。
良かったのはメモリマップくらい。これは良かったと思うんだけど、いかんせんフィールドに魅力が無さ過ぎるので惜しかったですね。
少なすぎる音楽
今作、音楽も残念な出来でした。収録曲はたったの50曲足らずでリディースールが120曲以上と考えると、半分以下です。
より残念なのは戦闘曲がたったの6曲しかないこと。いやいや少なすぎるでしょ。
過去作なら明らかにここ専用曲だなって所でも平然と普通の通常戦やボス戦曲が流れるのでとても残念。
個人的にアトリエはゲーム面が多少残念でも、音楽でおつりが来るときもあるかなと思っているくらいなんですが、今作のこの手抜きっぷりにはガッカリでした。
なお、曲自体は悪くないしアサノ氏の戦闘曲はラスボス戦を中心に素晴らしい出来でした。(ブルーリフレクションを経てまた更に引き出しが広がった気がしますね。)
まあこの曲一回しか聞けないんですけどね。6曲のうち2曲が1回ずつしか聞けないっておかしいでしょ!もったいねぇ!
そこらに感じる手抜き感、予算不足感
上記でもいくつか話しましたが、今作はこのように手抜きなのか、予算不足なのか、あるいはいずれもなのか、とにかく全体的に過去作から作りが劣化している点が多すぎる。
例えはすぐ気づく所で言うとバックログ。
細かいかもしれませんが、どこのフリゲだよと思うくらいの雑な作りで、ここでもうすぐにやばいかなと察してしまいました。(字のサイズも良くないですね。)
ちなみにリディースールのバックログはこちら。
もう全然違いますよね。過去作を多くプレイしていればしているほど、今作のシステムの手抜き感に驚くのではないかと思います。
練り込み不足な錬金システム
今作の錬金システムは新しい試みだと思いました。でも、練り込み不足だと感じました。
今作の錬金システムは一つのアイテムから派生させていって、新しいアイテムを作るというシステムを採用しているのですが、これが今作特有の採取システムと相まってまあ微妙な感じになっていました。
前述した通り、派生させていかないと新しいアイテムがつくれないんですが、今作採取に「採取道具」という概念が存在していて、一つの採取場から島後の使い分けによって別のアイテムが取れるようになっているんですよね。
つまり、全てのパターンをしっかり使い分けないと取りこぼしが出てきてしまうんです。更にそこで、取りこぼしが出た場合、派生先のアイテムがずっと作れないままになってしまうんですよ。
どこで何を取りこぼしたのか分からなくなってしまう、というこのシステムは非常に不親切に仕上がっている印象で、システムとして未成熟だなと感じました。
そこそこ面白かった戦闘システム
戦闘システムには可能性を感じました。
今作の戦闘システムは、リアルタイムシステム、というか過去のFFっぽいバトルになってるんですが、出来は悪くなくて、新しい試みとしてそれなりに成功しているかなと感じました。
オーダーシステムや、戦闘での位置、APの管理など、新しいシステムとしては上手く整備されている印象で強敵戦になればなるほど楽しい作りになっていました。
ただ、アイテムの出番にはやや疑問な感じも残ったので、もう少し作り込めば新しい柱になってくれる可能性はあるんじゃないかと思います。
中々よく出来ているストーリー
本作、ストーリーに関してはよく出来ていたと感じました。
というのも、過去作に比べて起承転結の話の作りがかなり明確になっているんですよね。
特に中盤のどういう理由で何が発生したのか、という流れが全て繋がっていく展開は、純粋にストーリーとしてとても面白くて驚きました。
全体的にはコンパクトなストーリーでしたが、キャラクターの見せ方も悪くなく、全員成長した描写を見せるので上手く作っていたのではないでしょうか。
ラストの少し寂しい感じも今までになかった感じで良かったと思います。
まとめ
こんなところですかね。
戦闘、ストーリーを中心に新しい試みは見られたかなとは思いますが、いかんせん過去作から失ったものが多すぎます。
過去作をプレイしていない人ならば、ぼくが気になった点はそこまで気にならずに遊べるかもしれませんが、ここ最近アトリエシリーズを追っていれば追っているほど何か足りないと感じるんじゃないかと思います。
ぼく粗削りでも芯が通っている作品ならば全然許容できるのですが、今作の場合粗削りとかそういう度ではなく、明らかに何か内部の問題によって突貫工事で作った作品という印象を受けてしまいました。
それでも、いいなぁと感じられるところは あるだけにもったいない。
新規で遊ぶ人にはいいのかもしれないけれど、あまりおススメできない作品かな、という印象でした。