この記事、4年前くらいに上げようとしていた記事を大幅に修正加筆して仕上げた物だったりします。
まさかあげる日が来るとは思いませんでしたが、これも不思議シリーズに動きがあったおかげですね。
さて、いよいよ明日「ソフィーのアトリエ2」が発売されますね。
不思議シリーズとしては、2017年以来、実に4年ぶりの新作、それもアーランドに続いての4作目ということで、シリーズファンには嬉しい作品なのではないでしょうか。
せっかくですので、本記事ではこの機会に不思議シリーズ3作品の総括、各作品ごとに持っている個人的な印象をまとめてみました。
※ネタバレ表現は出来る限り控えていますが、気にされる方はブラウザバック!
- 従来回帰をテーマに掲げたシリーズ
- 特徴的な錬金システム
- 色彩豊かな世界観
- 意外とシリアスだったりもするストーリー
- 一貫性皆無の戦闘システム
- 良くも悪くも美少女ゲーム感の強いキャラクター
- シリーズの締め方はやや物足りなかった
- 音楽について
- 各作品ごとの印象
- まとめ
従来回帰をテーマに掲げたシリーズ
最初に、不思議シリーズの背景から。このシリーズ、最初のテーマは従来路線への回帰だったのかなと。
良くも悪くも挑戦的だった黄昏から、元の方向性に戻しますというのを強調していた印象です。
ソフィーのキャッチフレーズも「そろそろ世界を救うのにも飽きてきた。」でしたしね。
で、作品の方も実際にぷにであったり、パメラであったり、過去のアトリエを踏襲したお約束が多いシリーズでした。
その一方で、黄昏からも同名称のキャラクターをパラレル扱いで出演させるなど、中々ファンサービス意識は高かった。(まあ成功したかは別問題だけど。)
特徴的な錬金システム
このシリーズ、おそらく最大の特徴は錬金システムでしょうね。
マス目を埋めていき、パズル形式で品質、効果を発現させるシステムは、ソフィーの時点でも非常に完成度が高くまとまっており、シリーズとしての大きな魅力の一つになっていました。
何かの目的のための錬金、よりも単純に錬金すること自体が楽しくなる、というのは、アトリエとしての形を再定義していてとても良かったんじゃないかと。
ぼくは不思議シリーズ以前にも、アーランド(新ロロナのみ)⇒黄昏とシリーズを触れてきていましたが、本シリーズの錬金システムをプレイした時は力の入り様にびっくりした覚えがあります。実際、その後のライザシリーズの錬金システムは物足りなく感じました。
ものを作るのって楽しいなあ!
色彩豊かな世界観
世界観はシリーズ通して色彩豊かでした。
ファンタジックなんだけど、その中でも特に絵本の中のような、明るさ前面のファンタジック感。
黄昏はもちろん、ライザともアーランドともちょっと違う独自の雰囲気があって、癒された覚えがあります。
ソフィー2は多分、ライザのエンジンだと思うので若干雰囲気変わってしまうような気もするのですが、出来る限りあの美しい世界観を維持していてくれると嬉しいですねえ。
意外とシリアスだったりもするストーリー
本シリーズ、世界観、テーマは明るいんですが、ストーリーはシリアス成分も多めなんですよね。
ソフィーの時点から結構暗い設定がいくつか出てきますし、フィリスもキャラクターの過去とか割と重いし、リディスーに至っては本筋自体が中々重めだしと、割とシリーズ共通で、意外にもシビアな世界観設定だったりします。
個人的にはこのギャップに結構良さを感じられました。キャラや世界観の掘り下げにも繋がっていたし、良かったと思うんですよね。
一貫性皆無の戦闘システム
戦闘システムはとにかく一貫性のなさが凄かった!なんと、全作品まったく形式が違うんですよね。
ソフィーは簡素なパーティーターン形式(※全員がターン前に行動を選択)。
フィリスはシリーズ初の4人PTが特徴な物の、内容としては普通に素早さで行動順が決まる個々のターン形式。そしてリディー&スールは前衛,後衛という、黄昏っぽい感じの戦闘システムが復活、と、恐ろしいほどに全て全くの別物に仕上がっていました!
確かに黄昏も同じような所はありましたが、本シリーズほどではなかったので、毎作混乱させられましたw。
システムとしては、ぼくはリディー&スールが一番好きでした。
ソフィー2はあまり情報を調べてないのですが、前衛後衛の概念があるみたいなので、もしかするとリディー&スールの要素を多少継承しているのかな?
まあ多分、ライザ2のシステムみたいな感じになる気もしますが。
ちなみに、黄昏も似た感じだったので、戦闘がコロコロ変わるのはシリーズおなじみ。
良くも悪くも美少女ゲーム感の強いキャラクター
キャラクターに関しては前後シリーズと比較すると、良くも悪くも美少女ゲーム感が強い雰囲気だったのかなと。
黄昏ほど男女バランスに気を使っている感もないし、ライザほどの青春感もないので、近年のシリーズでは男性向けな印象がどうしても強いです。
個人的には、もう少し魅力的な男性キャラが欲しかった。
いや、マティアスとかアルトとか、リディースールの男性陣は悪くなかったと思うんですよ。
あの作品はしっかりカップリングやってるし、良かったんですけど、それ以外は精々レヴィさんくらいしかあまり残らなかったので、もうちょいって感じな印象です。
結局ソフィー先生の相手って誰になるんだろう?時計屋?
シリーズの締め方はやや物足りなかった
シリーズとして、一応順当に3作時系列で並んでいるんですが、シリーズ最終作の締め方はちょっと物足りなかったような。
あくまでラスボスはリディー&スールの物語のラスボスでしか無かったですし、なんかこう3作通しての共通のテーマというか、そういう一貫性が薄くて、いまいちパッとしない締め方だった感は当時クリアした時にも感じてしまったんだよなあ。
ソフィー、フィリスで深めた過去の錬金に関するテーマをもう少し掘り下げて、絵画の設定と結び付けてくれたりしたら、何とかまとめられたようにも思うんですけどね。
絵画の設定は、シリーズの中でぽっと出過ぎて浮いてる感が否めず、流れで見るといまいちまとまりがなかった。
ソフィー2は時系列的にはフィリスの前らしいですが、実質パラレル時系列みたいなもんだと思うので、ソフィーの物語としての新たな結末が描かれていることに期待したいですね。
音楽について
アトリエと言えば音楽、ということでサウンドの話もさせてください。
不思議シリーズは結構コンポーザーの入れ替わりがありましたが、個人的に一番印象が強いのは矢野達也氏のサウンドです。
勿論、ソフィーの雲雀東風という絶対的名曲を作ったアサノ氏や、安定感抜群のクオリティを発揮してくれていた柳川氏のサウンドも大変素晴らしかったんですが、フィリス以降のシリーズの顔となる、サウンドの方向性はこの人によるものだったような気がしました。
なんていうか、ぎっしり重いという感じでなく、スマートにシュッとした曲をまとめてくるというか。
長く聞き続けられるような方向性のサウンドが多くて、また新しいアトリエのサウンドを確立させていた印象です。
「Pororoca」「一撃の決意」「disorder in order」「深層への決意」「Filling the shade」辺りは未だによく聞くお気に入り曲。
なお、ソフィー2では1曲のみの担当(※本人のツイッター情報)のようなので、戦闘曲は聞けなさそうなのが残念。
ただ、ソフィー2ではライザシリーズでは聞けなくなってしまった柳川氏の戦闘曲なんかがまた聞けそうな感じなので、少し懐かしいサウンドを楽しめるんじゃないかと期待しています。
各作品ごとの印象
最後に各作品の印象を簡単に紹介します!
ソフィーのアトリエ
まずは1作目、ソフィーのアトリエから。この作品はとにかく完成度が高い!
ベースの作りがしっかりしていて、余計な盛りを増やしていない分スマートで簡潔な作品に仕上がっています。
シリーズ関係なくアトリエをプレイするならまずはこれ!と言える、入門編のような位置づけ。
個人的には作品としてはフィリスの方がお気に入りなんですが。完成度、評価としてはソフィーがベストかなと思ってます。
フィリスのアトリエ
2作目フィリスのアトリエは何といっても唯一無二なゲーム性が特徴!
拠点形式でなく、フィールドで移動してゲームを進めていくのは本作のみです!
未だに本作以降、この形式のアトリエが発売される気配がないので、おそらく今後もオリジナリティとして持ち続けていくような気配。
全体の作りは荒めですが、探索という新しい面白さを引き出してくれていたので、個人的にはとてもお気に入りの作品。
リディー&スールのアトリエ
3作目、リディー&スールのアトリエ。これは方向性としてはフィリスではなく、ソフィーを拡張したような内容でした。
システムとして進化していたり、戦闘がシリーズ1面白かったりするので、一見最強にも思えるんですが、その一方でオリジナリティは少なかったり、システムがやや微妙になってしまっている所があったりと、ちらほら課題が見えるような仕上がりだったかなあ。
いい所もいっぱいあるんだけどね!
まとめ
以上、ざっくりとシリーズ全体のまとめでした!
改めて思い返すと、懐かしいですねえ。ぼくは一応アトリエシリーズは
黄昏~ライザ2までプレイしているんですが、リアルタイムでプレイしたのは、
本シリーズが初めてなんですよ。なので思い入れは結構あったりします。
シリーズファンにとっては4作目というのはボーナスタイム感もありますので、
ソフィー2も楽しめる作品に仕上がっていると嬉しいですね!
(追記)